間違いを指摘されれば……。
横浜の構造計算のミスの件については、当事者が過失割合を話し合って、改修の費用を負担することになったようです。
ところで、私が興味深いと思ったのは、強度不足を認識していたという点と、「間違いを指摘されれば勉強にもなる」というところです。
まず、強度不足を認識していて、なぜ、提出していいのかが解りません。誤摩化そうと工夫して偽装を働いた建築士は、無駄骨だったということでしょうか? 無資格の社員の発言とはいえ、検査機関は、間違いを指摘するものだと言う前提があったのだと思います。偽装をはたらいた建築士も、「すぐに見抜かれると思った」という趣旨の発言をしていました。 誤摩化そうと工作して見抜けなかった件よりも深刻です。偽装の有無にかかわらず、建築確認は、問題を見抜くことができないことが解ってしまいました。(予想されていたことですが……) このケースのような、「ミス」といっていいかどうか迷うような「ミス」から、本当のケアレスミスまで、目を皿にして探すべきだということになってしまったのではないでしょうか?事実上、コンピューター導入後の現在の制度で建築確認された全物件を再検証しなくてはならなくなり、とても大ごとになりました。 また、この件の発覚は、どのような過程であったのか、改めて興味を持ちました。「強度不足」がいつ明らかになったのかということです。 かつて、非姉歯物件に偽装なしという結論が発表されました。その後に、偽装とはいえないものの、強度不足の物件があるということで、九州で問題になりました。このとき、偽装がないからと言っても、強度不足を報告しないとはけしからんということになったことを思い出します。 横浜の件は、手柄かと思いましたが、同じ過ちである可能性もあるのかと思うと、少し複雑です。どういう経緯であったのかもう少しわかると、一連の再検査の意義を検証できるような気がします。
by gskay
| 2006-02-20 11:21
| 揺れる システム
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耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
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