神経質
もっと早く、こういうコメントを欲しかったと思います。できれば、耐震安全に対するパニックが起こる前に。

うちのマンションでは、マスコミが煽る危険に関する報道には中身がないと早い時期から見破っていました。また、役所も、冷静な対応を呼びかけていました。

耐震計算偽造:強度基準数値はガイドライン−−1級建築士・野崎さんが講演 /福岡


 ◇「神経質にならないで」
 福岡マンション管理組合連合会(杉本典夫理事長)の第20回通常総会が19日、約200人が出席して中央区のホテルで開かれ、マンション修繕コンサルタントの1級建築士、野崎隆さん(56)が耐震データ偽造問題について講演。「1以上で安全」とされる耐震強度基準について「地震力の強さや方向など、さまざまな仮定から計算された数字。一つのガイドラインに過ぎない」と指摘した。
 そのうえで「震度5強で倒壊の恐れがある」とされた「0・5以下」の姉歯秀次・元1級建築士の偽造物件についても「あれだけ鉄筋が入っていれば倒壊するとは考えにくい」との見方を示し、「数値にあまり神経質になる必要はない」と呼び掛けた。【上野央絵】
〔福岡都市圏版〕

2月20日朝刊
(毎日新聞) - 2月20日13時1分更新

(お、また毎日だ)

おそらく、パニックの間も、こういうコメントはあったのだと思います。でも、マスコミには、取り上げられなかったのだと思います。

私は、当初は、周囲への影響も考えて心配しましたが、事情がある程度わかってくると、かなりの部分が取り越し苦労であったり、杞憂であったりするということがわかりました。

そして、世間を見回すと、地震に関しては、もっと心配しなくてはいけない事情があることがわかりました。特に、既存不適格による危険な建物の放置という実情を知ると、むしろ、うちのマンション以外の危険な物件への心配が湧いてきました。

12月中は、誤解や無理解から来る安全に対するヒステリーに振り回されていた気がします。根本的には、現在も、知識不足はそのままで、世の中の議論が深まっているとは思えません。このまま風化し、安全な街は作られずじまいになりそうです。スキャンダルとして、様々な風評と、その影響だけを残して……。

ところで、退去を決めたのは、行政による措置によるもので、危険に対する自分の判断によるものではありません。災害や危険が切迫しているという状況を示すものはなく、耐震性能が足りない「違法」な建築物であるという点が、退去しなくてはいけなくなった理由です。私は、危険を理由に自主的に退去しようとは考えず、違法を理由に行政主導により退去しました。

もちろん、中には、自らの判断で早期に退去した人もいます。それぞれの判断は異なり、それは、それで正しい判断だと思います。

所有者として、住民として、低い耐震性能という「違法」を許容する訳にはいかず、法令にそって対処しなくてはなりませんでした。そして、現在、国のスキームにのりながら、その「違法」によって生まれた損害を取り戻すべく行動しているところです。そのために、様々な責任を追及しています。

もし、早い時期に引用のような発想が勢力を持っていたなら、建物については、補修を中心とした対応になっていたのではないかと思います。もし、そうであれば、ヒューザーの破綻も必要なかったかもしれません。

「もし」ですから、今さらです。

しかし、今後のことを考えると、地味ですが、とても重大な主張であると思います。

混乱している横浜の物件への対応において、引用したような知恵の活用を考慮してみてもよいのかもしれません。補修により少しでも耐震性能を上げておくというのは、経済的で現実的です。そして、充分かもしれません。

退去が済んだ私たちにとっても、建て直しの先行きは不透明です。もしかしたら、居残っている横浜の物件の人たちの方が、結果的には、適切な行動なのかもしれないという疑問さえ湧いて来ます。こちらも、今さらですが……。
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by gskay | 2006-02-20 18:02 | 安全と安心