ねじれの行方
衆議院と参議院で与野党が逆転しているというねじれの状況をいかに解消するかが問題なのは確かだと思います。しかし、その解決には政権交代しかないと考えるのは早計のように思います。今の政党を固定して考えさえしなければ、政党の再編によって、ねじれを解消することができます。

現在の二大政党である自民党も民主党も、どちらの党にも様々な人たちが集まっていて、幅が大きすぎて、なかなか明確な政策を打ち出せません。一方で、同じような考え方や立場なのに、二つの別の党に分かれている場合があります。現状では、党という枠組みと、政治信条や政策などがうまく噛み合っていません。

そこで、衆参のねじれもあり、自民・民主の政治家レベルの主義主張もねじれているので、政党を再編してしまうのがすっきりすると思います。再編によって、有権者も選択をしやすくなると思います。

このままの自民党と民主党では、主張がはっきりすることは期待できないと思います。こういう政党を背景として選挙をする限り、政局の反映だったり、人気やイメージによって決まる選挙になってしまいます。選挙をしても、主義主張もなければ、政治的な問題への意思表明にもつながりません。

現在、衆議院を解散して総選挙をすることで、政権交代の是非に決着をつけるべきだという意見があります。これは、与党では、総裁選の話題性を利用して一か八かの政権維持のための勝負を仕掛け、野党では、自民党の不人気を政権交代につなげたいと考えているのだと思います。

長らく政権交代が行われていないため、政権をかけた熾烈な選挙になると思いますが、それで白黒をつけるだけではいけないように思います。むしろ、この二つの党にそれぞれが異質なものを抱えて成り立っているという状況を解消することが大切だと思います。

もし、与党が勝利したら、ねじれは続きます。郵政解散の時のように、直近の衆議院選挙の結果で、参議院に考え方の変更をせまることはできるかもしれませんが、あの時は、与党の中で割れていた点が問題であったので、今回は、同じようにはならないと思います。

野党が勝利したら、政権交代です。これで、今の選挙制度を作った時からの宿願がかなったことになります。ただし、民主党は、自民党以上に幅が広く人が集まっていて、主義主張がバラバラです。あまりにバラバラすぎるから、締め付けないとまとまらないという状況にあるようにみえ、まとまりが心配です。

いずれにせよ、今ある政権の受け皿は、いずれの党も、党内の主義や主張に幅がありすぎて、このままの政党の構成では、総選挙を行ったところで今とかわらず、結局、明確な政策を打ち出すことはできないと思います。

今、必要なのは、政党の再編です。

自民党と民主党を混ぜてから、バラバラにすることは一つの方法であったかもしれません。昨年秋の大連立構想は、そういう再編の第一幕になる可能性があったように思います。そういう仕掛けだったのかもしれません。しかし、あいにく、今更、そうなることはないと思います。

一方で、郵政問題をめぐって、自民党が割れて、国民新党などができたように、民主党からも改革クラブができました。まだまだ、どちらの党もグチャグチャです。深刻で譲れない問題をきっかけとして、いずれの党も分裂してもおかしくない状況があると思います。

今回の首相の辞任から、総裁選挙にいたるプロセスでは、自民党内で真剣な議論が行われ、分裂する方向に進む可能性があると思います。党内にある主義主張や立場の隔たりだけが問題ではありません。もはや、公明党を頼りにしても、小選挙区での勝ち目がないとしたら、選挙協力はもとより、自民党のいう党を作っていることにも意味がないという目先の問題もあります。

そうした分裂が引き金となって,両党ともに分裂し、再編が行われ、そのうえで選挙に至るのが、私は望ましいと考えています。

現在の自民党と民主党に限って言えば、多くの選挙民にとって、どちらも、同じようであり、一長一短。政党の再編が行われない限り、どっちみち、選びようがありません。

衆参のねじれという表面的な出来事には、政党と政党に属する人にみられる主義主張のねじれという背景があり、それが解消されなければならないと思います。

今は、昨年秋以来の、実現のチャンスだと思います。

(ただ、何となく、ズルズルと進んで、大騒ぎだけして、日本の足踏みが続いてしまいそうな気がします。たとえズルズルと総選挙になったとしても、せめて、その後に、政界が再編されることを期待します。難しいとは思いますが……。)
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by gskay | 2008-09-07 10:48 | 政治と役所と業界