総裁選挙後の解散総選挙を避けるには?
解散総選挙を望んでいる人の方が多いと思いますが、解散総選挙の可能性は高いものの、まだ決まったわけではありません。解散総選挙が行われない可能性は残っています。

衆参のねじれの解消というのは、野党が解散を要求する上では意味があります。しかし、衆議院の3分の2を確保している与党にとっては、政権が行き詰まることはなく、急いで解散総選挙をしなくてはいけない理由は別です。

その理由については、連立与党の公明党の都議会選挙への取り組みの都合だと言われているようです。公明党の存在は、今の自民党にとっては重要です。小選挙区では、公明党の選挙協力なしでは当選が難しい自民党議員が大勢います。

進行中の総裁選挙は、公明党の都合にあわせた総選挙を前提とした選挙対策のための総裁を選出する選挙になります。問題は、この選挙で選出された総裁が、総理大臣に就任できるかどうかではないかと思います。

自民党所属の衆議院議員は、総裁選挙の余勢で総選挙を乗り切れるなどと本気で思っているでしょうか?いくら公明党の選挙協力があっても、厳しいと考えているのではないかと思います。

一方で、公明党の方も、政権のキャスティングボードを握っているとはいえ、連立が長らく固定しているため、キャステティングボードを握っているという実感がなくなるとともに、独自の立場を貫くことが難しくなりつつあるのではないかと思います。特色を失うと同時に、支持も失われていくことになりかねず、危機に瀕しているように思われます。自民党と一体になって凋落することも望まないでしょう。

自民党と公明党の選挙協力が、思ったように効果を発揮しない可能性が高いとしたら、落選の危機に直面する自民党議員にとっては、少しでも解散を遅らせて流れが変わるのを待つのが有利です。

こうしたことを考慮に入れると、公明党に後押しされた新しい自民党総裁が選ばれたからと言って、直ちに総理大臣に就任することができ、解散を行うことができるとはいえないように思います。

解散総選挙を望まない自民党議員が、総裁選挙から首相指名選挙までの間に離反する可能性があると思います。

もともと、主義主張の隔たりもあるので、新総裁を担がない勢力が独立しても不思議ではありません。

6割の国会議員が、すでに最有力な幹事長を支持していて、総裁選出は確実だとされています。しかし、残りの4割は、主義主張に隔たりがあるか、解散総選挙を都合が悪いと考えているとみることができるように思います。

この4割が、臨時国会の冒頭の首相指名選挙で、どのような投票行動をとるのかがポイントだと思います。

政策的には、野党第一党との交渉や妥協の余地があり、選挙を経ずに政権交代となる可能性があると思います。この場合、新総裁を担がない勢力は、次の選挙で民主党の候補と闘わずに済む可能性もあり、当選の可能性は、自民党公認で出馬するよりも高まります。

自民党の分裂にともなう政権交代によって、この秋の解散総選挙を回避し、新政権の力を見極めたところで、来秋に任期満了で総選挙を行うのが、おそらく、足下のおぼつかない議員にとっては、好ましい選択肢になるのではないかと思います。

衆参のねじれは解決です。民意が反映されていないという批判については、昨年の参議院選挙の結果を反映していると主張することが可能です。そして、どうせ、衆議院の任期は1年をきっているので、次の通常国会の後には、選挙は来ます。そこで民意を確認しても遅くはありません。

現在、総裁選挙を通し、自民党勢は、ぼろくそに民主党をけなしていますが、皆がそろって本気で対決しようと考えているわけではないと思います。新総裁を担がない勢力にとっては、民主党との交渉や妥協を引き出すための布石である可能性があります。
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by gskay | 2008-09-14 08:53 | 政治と役所と業界