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流通先業者の救済
「事故米」の流通先として公表された業者には、公的な支援や保護、補償を提供するべきだと思います。

農水省の対応は、耐震偽装の時の国交省の対応に比べても、滅茶苦茶だと思います。しかし、耐震偽装とは異なり、たとえ中途半端な段階の発表で、配慮不足で、弊害があったとしても、公表を不適切な事だとは思いません。

「事故米」の流通によって、それを最終的に食べた人に被害がでるかどうかはわかりませんが、注意を呼びかけることには意味があると思います。「事故米」では、対応が後手に回ると、薬害と同じような不作為による被害の拡大が起こりかねません。

その一方で、業者の損害を放置してはいけないと思います。

公表された業者には、街の和菓子屋のような規模の小さい業者も含まれています。こうした業者が、風評などによる損害に耐えられるような余力があるとは思えません。しかも、家庭と店が一体となっていることもあると思います。その場合、風評などの被害は、ただちに家族を窮地に追い込みます。

規模の大きな企業なら、多少の余力があり、訴訟によって損害を回復する事もできると思います。しかし、規模の小さい業者については、速やかな対応をしなければ、取り返しがつかなくなると思います。

間違っても、「安全宣言」のような、くだらないお墨付きで誤摩化そうとしてはいけません。検査や調査による公的お墨付きが、当てにはならないということも、この事件の背景にはあるのですから。

きちんとした経済的な対応をするべきだと思います。その負担は、最終的には、損害賠償などの形で、いずれかに請求することになると思いますが、必要なら、国が代位して、関係者の責任を追及するべきだと思います。

ひょっとすると、国が国に損害賠償を請求するような自体も想定されます。そうした大胆な取り組みが行えるなら、「消費者庁」構想に大きな意義を見いだせるような気がします。

ところで、耐震偽装では、公的な責任を考える上でも、公的な対応の主体を考える上でも、関係する当局が、国だけに限らず、特定行政庁をおく自治体や民間検査機関が含まれていました。関係者が複雑で、機関同士の調整が必要でした。

これに対し、「事故米」の事件は、国だけの問題です。

「事故米」の事件の被害への対応については、内閣が断固とした方針を出せば、その判断だけで、乗り越えることができるように思います。

政権末期とはいえ、薬害への対応に大きな足跡を残し、「消費者庁」構想を打ち出したという点で、画期的な取り組みをした内閣なので、果敢な判断を期待します。

……どっちみち不人気で退陣なのですから、周囲の評価は気にせず、最後にもうひとつ大きな仕事をしてもいいように思います。
by gskay | 2008-09-19 04:23 | 安全と安心