支援の決定過程(2)
国土交通省は、ビジネスホテルも、賃貸マンションも、分譲マンションも、建築確認申請をした建築主については、同じ扱いをしているように思われます。買い手の居住を前提とした分譲マンションを扱っていたのはヒューザーだけで、別扱いをしているかのように見えますが、よく見ると、ヒューザー自体に対する対応らしい対応は発せられていません。

大きな事件が立て続けに起こり、議会も混乱している様ですが、もう一度、昨日のエントリについて考えています。

忘れられかけている建築確認の意義の再考すると、建築確認には、当然のことですが、申請する人がいます。その申請をした人は、正しい書類を作らなくてはなりません。

いくら、建築確認がいい加減であったと言っても、違法な書類を適法にするのは、申請者の仕事。確認は適法を確認するのみです。適法でないものを適法であると誤った点は、するべき事をしていないとみなさざるをえないものの、違法の書類で建物を作ってしまった責任は、建築主にあります。

誤った検査をしている点を申請した建築主が訴えています。代表的なのは、ヒューザーですが、ビジネスホテルも訴えを起こしています。しかし、違法の建築物を作ってしまったこと自体の責任は建築主にあります。けっして、「作らされた」という訳ではないわけではありません。

建築主は、売り主や事業主として損害を受けていますが、「作らされた」という訳ではなく、自分の意志で作ったもの。確認が適切でなかったことによる損害への補償は、全部とはいかず、積極的に取り組むべきものでもないのかもしれません。見殺しのように見えても……。

ところで、現在のシステムは、不適切な確認の影響が第三者に及ぶ事を充分に想定していないように思われます。特に、第三者に売却されるというような仕組みが想定されていません。第三者に売却されると、その第三者は、所有者としての責任を負う事になります。所有者は、適法に保つ義務を負うし、様々な措置にしたがう義務を負う事にもなります。

いい加減な確認や、違法な建築によって発生する問題への対応が、第三者である所有者の責務になる訳です。所有者が住居として使用している場合、生活が直ちに根本的に崩されます。そこに、介入が必要だと判断され、「公的支援」が決まったのではないかと思われます。

(もちろん、事業のために所有しているなら、その事業に影響します。しかし、その事業主と建築主が一致するなら、第三者とは言い難くなってしまうのではないかと思われます。)

そのように考えると、前のエントリでとりあげた民主党の質問は、ピントはずれではないかと思います。

ヒューザーの経営体力とは別のこととして「公的支援」と呼ばれる対応が始まったのだと思います。ヒューザーに対しては、きちんと対応するように指導することとセットになっていて、ヒューザーの懐具合は関係なかったように思われます。どんなにヒューザーがリッチな会社であったとしても、住民と交渉しながら、グズグズと時間稼ぎをして、きちんとした対応を取らない可能性があったわけです。

「公的支援」と呼ばれる対応の決定過程には、ヒューザーの関与はないように思われます。ヒューザーに好意的な対応も考えられていないと思います。ヒューザーが自力で解決してしまえば良かったものの、それができず、実際に「公的支援」が動き出すことになったのではないかと思います。それは、間接的にしろ、ヒューザーを追い込んだ結果になったと思います。
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by gskay | 2006-02-23 21:59 | 公的対応