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金融工学
コンピューターや情報工学の発展にともなって、金融工学のテクニックが発展したように思います。その発展がいびつになってしまったのが、金融バブルであり、アメリカの金融機関の破綻だと思います。

この金融工学の高度な発展は、コンピューターや情報工学の発展が高度であったから実現したのではなく、むしろ、コンピューターや情報工学の発展が中途半端で、数値くらいしかまともに扱うことができないかったため、偏って発展してきたのだと思います。

今後、コンピューターや情報工学がさらに発展した時、金融工学も一緒に発展するかどうかは,疑問です。これまで扱えなかった情報が扱えるようになったとき、金融工学以外の情報工学の応用分野が発展し広く用いられるようになるのではないかと思います。

その結果、取引においても、経営においても、経済においても、金融工学のような、情報としては「原始的」で「単純」なものしか扱えないテクニックの重要性は低下すると思います。

金融工学は、一見すると高度で複雑なものに見えますが、実物を扱う経済の複雑さを、マネーという指標に置き換えて、単純にしたものにすぎません。複雑なものを直接扱うことができる情報工学が登場したなら、意味が無くなるものだと思います。

一方で、だからといって、マネーや金融や金融機関がもつ様々な意味が損なわれるということはないと思います。金融工学偏重によって損なわれてしまったり軽視されてきた機能や役割が充実していくのではないかと思います。

金融バブルをもたらした金融工学の発展は、コンピューターや情報工学の発展の中間段階の「あだ花」だと思います。
by gskay | 2008-10-03 13:26 | いろいろ