再発防止策
「建築物の安全性確保のための建築行政のあり方について 中間報告」が、2月24日に社会資本整備審議会から国土交通大臣に提出されたそうです。

今回の事態に対し、建築の側から眺めた対応が提案されています。既存のシステムを充実させたり見直せば、再発の防止につながるでしょう。そういう観点からの報告だと思いました。「あってはいけないこと」が起きないようにするシステムについて深く検討されています。第三者機関の設置や、罰則強化が提案されています。

しかし、起きてしまった「あってはいけないこと」への対策には、まだまだ検討の余地があるように思われます。

この報告では、住宅について、売り主にとどまらず、建築士事務所も損害賠償に耐えられるように保険に加入する必要があるとしています。確かに、あった方がいいとは思いますが、そこに、疑問があります。

第三者機関にしても、売り主や建築士事務所が加入する保険にしても、コストに跳ね返ってくるものなので、私としてはあまり嬉しい対策とは思えません。結局、最終的な買い手がコストを引き受ける構造であることには変わりません。

建築側は、余計なものをつけていくよりも、ちゃんとした物を提供してくれさえいればいいはずです。それが、ちゃんとしていない場合の対策を、業者側の理屈でなく、購入者側の理屈で作ることはできないものでしょうか?

報告では、「住宅の購入者」ないし「消費者」として保護の対象としていますが、買い手は、「所有者」でもあります。建築物に対しての責任を負います。その責任を果たす上でも、買い手が関わることができる仕組みこそ必要ではないかと思います。

買い手の関わる仕組みは、保険でもいいと思いますが、さっさとその保険で建て直しができればいいと思います。ついでに、その費用を保険会社が売り主や建築士事務所に請求できれば、なおいいと思います。

また、建築という事業にも金融が果たす役割が大きく、分譲・購入にも金融の果たす役割が大きいということが、全く配慮されていないのは残念です。

ところで、今回の問題の核心のひとつである確認検査については、ミスをしないようにする対策や、ミスをしてしまった場合の処罰に言及がありました。しかし、責任らしい責任は負っていないままだと思います。責任を負わないなら、要らないと思います。責任を負わせる気がないのなら、安全を確保する仕組みのように見せかけるのではなく、単なる取り締まりの仕組みとして残すべきだと思います。
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by gskay | 2006-02-27 10:01 | 揺れる システム