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出来レースで、圧勝?
麻生新総裁は、昨年の福田前総裁、一昨年の安倍元総裁に比べて、議員票については、最少です。麻生新総裁は、議員票の6割を固めることができませんでした。ただし、地方票は、圧倒的です。

「圧倒的な支持を得て当選した」という表現は、不適切だと思います。もし、議員だけの投票で決まるシステムであったら、決戦投票になっていてもおかしくないくらいです。

地方票が圧倒的であったのは、選挙の方式の影響もあると思います。総取りかドント式かで結果が異なってくるからです。また、地方票で最も注意しなくてはいけないのは、投票総数だと思います。


時事ドットコム:地方票で「麻生雪崩」=投票率は振るわず−自民総裁選


22日投開票された自民党総裁選は、47都道府県連に各3票割り当てられた計141の地方票のうち、麻生太郎氏が95%に当たる134票を獲得、他の4候補を圧倒した。地方での「麻生人気」のすさまじさを見せ付けた形だ。しかし、各都道府県連で実施された党員・党友投票(予備選)の平均投票率は53.9%と振るわず、党全体としては次期衆院選へ不安も残した。
 今回、総裁が任期中に欠けた場合の総裁選としては初めて、全都道府県連で予備選が行われた。党員・党友参加のオープンな形で総裁選を盛り上げ、衆院選につなげる思惑からだ。
 しかし、平均投票率は最近の国政選挙を下回り、トップの島根ですら61.6%にとどまった。43.2%と最低だった長崎をはじめ7県連では5割を切り、麻生氏優位が早々と固まった選挙戦への関心の低さをうかがわせた。
 麻生氏は東京、愛知、大阪などの大都市部を含め、42都道府県連で各3票をさらった。ゼロ票だったのは鳥取のみで、麻生陣営では「130票を超えたのは予想以上」としている。一方、計386の国会議員票(無効票含む)は過半数を上回る217票を得たが、目標としていた230票には届かずじまい。陣営では、与謝野馨経済財政担当相と小池百合子元防衛相に一定程度の票が流れたとの見方が出ている。
 与謝野氏は徳島と高知で1票ずつ地方票を確保、議員票でも最低ラインとしていた50票を10票以上上回る64票を得て、2位となった。ただ、議員票については「もうちょっと伸びると思っていた」(与謝野陣営幹部)との声もあり、候補者乱立が影響した面もあるようだ。
 小池氏は、予備選で麻生氏に次ぐ7万4820票を集めながら、麻生氏との得票差が開きすぎたことや、16都県が採用した「総取り」方式が響き、地方票がただ1人ゼロに終わった。もっとも議員票では、石原伸晃元政調会長を上回る46票を確保。「小泉純一郎元首相が小池支持を表明した効果はあった」(若手)との指摘が出ている。
 石原氏は所属する山崎派や、東京都選出議員などから一定の支持を集め、議員票は36票を得た。ただ、予備選では地元の東京でも麻生氏に3倍の大差を付けられた。石破茂前防衛相は議員票が21票と最も少なかったが、地元の鳥取で3票を死守し、面目を保った。(了)
(2008/09/22-22:38)

引用の記事のように、「圧勝」の中身を分析すると、「圧勝」が必ずしも「圧勝」ではないのではないかと感じられます。

地方票で、「雪崩」となった理由は、選挙方式の問題に加え、投票率の低下が重要なようです。投票率の低下は、政党への支持率の低下と関連していると考えるべきではないかと思います。かつて、小泉元首相が橋本元首相を破った総裁選挙は、地方の支持が流れを変えたとされていますが、今回の地方票の結果を、それと同じように解釈することは困難です。

また、議員票が伸びていないという点については、政策についての話し合いが充分でないことが予想されます。話し合いを通じて、妥協点を見いだしながら、支持を固めて来たとはいえないように思います。

この選挙を通じて、党内の結束が固まったと考えるのは、数字の上からは、考えにくいと思います。

議員についても、地方についても、新総裁には安定した支持があると楽観できるような結果ではありません。
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by gskay | 2008-09-23 04:51
対応の適切さ
安全性について、既存不適格とのバランスを考えるという観点が欠落していたと思います。そこに目をつぶったやり方では、結局、安全な街は、いつまで経ってもできないのではないかと思います。

また、災害における退去と、建築違反の使用禁止とを混同して考え始めたことが、パニックの始まりだったと思います。

さらに、除却によってしか解決できないと決めつけたことも問題だったと思います。もし、補修で対応するということを大前提にするなら、ヒステリックな展開は異なっていたと思います。

「違法建築=危険な建物=除却」という流れが、実態にも、工学的な理屈にも、法手続きにもそぐわない形で加速してしまいました。加速させたのは、国土交通省のドタバタと一部の自治体の拙速だったと思います。それに何より、マスコミ。

1年経っても、滅茶苦茶な対応への総括や反省はなされていないように思われます。

そうした大きな混乱の中、うちの自治体は冷静でした。国の方針を守ることには優等生ですが、既存不適格の問題も、災害との異同も、除却にいたる論理についても、世の中に流布する誤った言説を否定した上で、大局的な観点から対応を実施しているように思われます。

だから、この区を信頼し、比較的、楽観的に呑気に暮らしていられるのかも知れません。
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by gskay | 2006-11-24 11:31
小嶋元社長公判冒頭陳述
共同通信から、記事を二つ引用します。初公判の検察側、弁護側の冒頭陳述の要旨です。詳しい報道ですが、いずれの主張も目新しいものは少ないように思います。

検察側は、「犯行」に関連する発言を、うまく拾っていると思います。ただ、確信に基づいているというより、迷った末に引き渡しに至った経緯を明らかにしているようで、検察の主張は弱いような気がします。これが、限界なのかも知れないと感じました。

検察側冒陳要旨 小嶋元社長の初公判


2006年10月05日
 東京地裁で5日開かれたマンション販売会社ヒューザーの元社長小嶋進被告の初公判で、検察側が読み上げた冒頭陳述の要旨は次の通り。
 【犯行に至る経緯】
 小嶋被告は2004年4月、元1級建築士姉歯秀次被告の事務所に、グランドステージ(GS)藤沢の構造設計を発注することを決裁。姉歯被告は、地震力を小さく設定するなどして内容虚偽の構造計算書を作成した。
 指定確認検査機関イーホームズ(イー社)は改ざんを見過ごし建築確認を行い、木村建設が施工。GS藤沢の引き渡し日は05年10月28日に決まり、顧客11人らに同日午前までに残代金を振り込むよう請求した。
 イー社は同年10月21日、(ヒューザーが建築主の)別のマンションで姉歯被告の計算書に改ざんがあることを指摘され、同月24−25日、ヒューザー側に伝えた。25日午後4時ごろまでには、GS藤沢を含む11物件の改ざんが判明した。
 【犯行状況】
 小嶋被告は25日夕、ヒューザーのマンション設計を元請けしている会社の役員から「大きな地震がくればヒューザーのマンションは倒れる恐れがある」と改ざんの説明を受け、「うちのマンションが真っ先に倒れるのか。そんな大きな問題とは思わなかったな。物件購入者に言わなきゃいけないかな。待てよ、やっぱりおれは知らなかったことにした方がいいな。極力、口外しないようにしよう」と応答した。
 26日には、ゴルフ場で部下から電話で、姉歯被告が計算書を改ざんしていたGS藤沢を含む7物件の報告を受け、ゴルフの同伴者に「藤沢の担当も姉歯なんだ」と話した。27日、イー社との会合でGS藤沢を含む11物件で改ざんの調査結果を告げられ、姉歯被告も「震度6の地震で建物が保つか分からない」と発言した。
 小嶋被告は26日、引き渡しについて尋ねる部下に「検査済み証も下りているし、問題ない、問題ない」と回答。27日のイー社との会合で「地震で建物が倒壊したときに発覚したことにしてもらいたい」と公表を思いとどまるよう要求。
 会合終了後には、「解約しないといけないかな」と部下に尋ねたが「インターネット社会だからすぐに広まってしまう。当社は立ちゆかなくなる」と返答され、「そうだよな」などと答え、顧客からの代金入金を阻止せず、引き渡し中止をしないことを決定した。
 引き渡し当日の28日午前、部下にGS藤沢の新規販売中止を指示したが、引き渡しについては「それはいいんだ」と話した。GS藤沢を含め入居済みの7物件で、購入者から買い戻しを行った場合、約50億円の債務超過に陥り、買い戻しは財務上不可能だった。


一方の弁護側は、「国策捜査」、「政治的な目的」、「訴追裁量権を大きく逸脱」と少し大げさかなと思います。また、「耐震強度偽装事件は起きるべくして起きた事件」、「責任は国土交通省など行政」、「誤った制度の導入」という「事件の本質」も問題にしているようです。

いずれも、世間を騒がせた「耐震偽装事件」の本質に迫る問題かもしれませんが、問題となっている「詐欺」に対しては間接的なものです。強調すべき点を間違えると、何の裁判なのかわからなくなってしまうような気がします。

弁護側冒頭陳述要旨 小嶋元社長の初公判


2006年10月05日

 マンション販売会社ヒューザーの元社長小嶋進被告の弁護側冒頭陳述の要旨は次の通り。
 【弁護人の主張】
 被告は無実にして無罪である。被告に対するいわれなき嫌疑は直ちに晴らされ、無罪放免されなければならない。本件は国策捜査であり、政治的な目的の下に訴追裁量権を大きく逸脱して公訴を提起して違法であり、直ちに棄却されなければならない。
 【事件の本質】
 耐震強度偽装事件は起きるべくして起きた事件であり、その責任は国土交通省など行政にある。イーホームズ(イー社)など民間の指定確認検査機関だけでなく、地方自治体の建築主事でさえ偽装を見落とした。
 今回の事件は民間検査機関という誤った制度の導入によるもので、責任が行政にあることは明らかである。
 【意図的な捜査】
 検察は被告の単独犯行による詐欺事件としてでっち上げ、行政の責任をあいまいにして、事件の本質を隠ぺいしようとしている。
 【詐欺罪は不成立】
 2005年10月25日から27日かけてイー社からは、既に完成し検査済み証が発行されている物件については姉歯秀次元建築士が改ざんしたとの言及は一切されず、被告はグランドステージ(GS)藤沢の構造計算書が虚偽であると認識できなかった。
 27日のイー社との会合の前、被告はヒューザー設計部長が作成したメモをざっと見ただけであり、GS藤沢についての認識はない。
 GS藤沢の入金があった10月28日以降、被告がヒューザー資産を不当に流出させ、隠匿した事実は認められない。被告は10月27日、事実関係が明らかになるまでの間、全物件をいったん売り止めするよう指示している。
 多額の費用を投じて構造設計事務所に対し、姉歯物件の耐震強度の調査を依頼するとともに、耐震補強や免震によって建物の安全性を確保する方法の検討を依頼するなど、責任を全うするための種々の方法を模索していた。
 GS藤沢の購入者は10月28日の引き渡しを前提に住居を売却したり、引っ越しの準備をしており、売買契約上の信義則からして検査済み証も発行されている物件の引き渡しを拒むことはできなかった。被告は売り主の義務を全うしようと考え、10月27日午後、引き渡しを了承した。
 ヒューザーの財務内容からすれば、購入者をだましてまで約4億円を入金してもらう業務上の必要はなかった。むしろ物件の引き渡しをすることによってヒューザーは建設費について金融機関の借入金約7億円を返済しなければならず、資金繰り的にはかえってマイナスになる。

この要旨の中では、「10月28日の引き渡しを前提」とした購入者側や金融の動きに注目している点は、評価できる主張だと思います。

ただ、行政のシステムを批判しているためか、違法についての行政の処分がまごついていた点には触れられていないようです。行政の判断は、違法性の認識に重大な意味をもつ問題だと、私は思っています。どのタイミングで、どのような違法が、どのような深刻さをもつと判断されたのかという流れを、並行して検討しなくてはならないと思います。

ところで、検察側と弁護側で評価が正反対なポイントがいくつかあります。

事実に関しての問題は、どうやら、どちらも同じことを取り上げていて、その時の当人の認識を問題にしていますが、その評価が分かれています。これは、小嶋元社長が、どっちつかずだったため、どうとでもとれる発言が、いくらでも出て来てしまうからだと思います。(そういう発言が残ってしまっている点で、ダメな経営者だったのでしょうね)

次に、資金繰りについての評価が正反対です。金融機関からの借入に対してどのように対応するかという点を指摘しているのが弁護側。この返済を止めることができたかどうかが問題です。これに対し、検察側問題は、発覚後の瑕疵担保責任に対処する事で発生する損失を指摘しています。

時間的には、金融機関への決済が先にあり、それを止めるという決断ができなかったことが、悪循環のスタートになったように思われます。検察が問題視する買い戻しは、確定ではなかったし、そもそも、問題の物件の数もはっきりしていませんでした。対処方法も、あの時点では、様々な選択肢が残されていた段階でした。補強の可能性も残されていました。買い取りが唯一の方法ではありませんでした。

また、検察側に、「「解約しないといけないかな」と部下に尋ねたが「インターネット社会だからすぐに広まってしまう。当社は立ちゆかなくなる」と返答され」というくだりがあります。これは、評判が悪くなって営業が難しくなり、売れなくなることや、解約を心配してるのだろうと思います。それは、引き渡しの中止の決断をしなった経緯にはなりますが、違法物件への不適切な対応に関連づけたり、資金繰りの問題にすりかえることは難しいだろうと思います。
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by gskay | 2006-10-10 11:10
保険制度への提言
住宅建築にかかわる業者は、せめて10年間の瑕疵担保責任を果たし終えるまでは消滅できない仕組みも必要だと思います。保険でカバーするにしても、業者は逃げ切れると思ってもらっては困ります。

おそらく、マンションのような共同住宅より、戸建ての方に悪質な業者が混じっているのではないかと思います。破産で清算したり、廃業することで、関係者が責任から免れる仕組みになってはならないと思います。

引用した記事では、住宅取得者の側の制度にも言及している点も注目されます。

日経住宅サーチ (7/18)欠陥住宅に備え、売り主が改修費用供託も・国交省提言


 住宅に欠陥が発生した場合に売り主に改修などの責任履行を確実にするための方策を検討していた国土交通省の住宅瑕疵(かし)担保責任研究会は18日、報告書をまとめた。売り主が倒産して改修費用を負担できなくなった場合への対応として、新たな保険制度の創設のほか、改修費用の供託や信託などの制度の検討を提言した。

 研究会は学者や弁護士のほか、保険業界の代表者らで構成。今後、国交省は報告書をもとに金融や不動産などと関係業界などと調整を進め、来年の通常国会での法整備を目指す。

 報告書は保険制度を創設する場合、住宅の建築時の検査などを行う保証機関を設置したうえで、保険会社がその保証機関から保険契約を引き受ける枠組みを想定。安定的な制度運営を進めるため、支払額が多額に膨らんだ場合などに政府支援の検討も必要と指摘した。

 耐震強度偽装などの売り主の故意・重過失については保険になじまないとしたうえで、住宅取得者が任意に活用できる支援金制度などの枠組みを提言した。

「売り主の故意・重過失については保険になじまない」というのは、もっともなことかもしれません。しかし、住宅取得者を中心に考えるなら、それを除外してしまうと肝心な部分が抜け落ちてしまうように思います。

保険がカバーしてくれることを前提とした売り主のモラルの低下を懸念しているのだと思いますが、これは、免責することで対応するのではなく、取り締まりとの連携の強化によって対応すべきではないかと思います。

ところで、引用記事中の「支払額が多額に膨らんだ場合」というのがどういう場合なのか想像がつきませんが、何かそういう状況を具体的に想定しているということでしょうか?巨大開発や、超高層などが問題を抱えてしまう可能性も考慮に入れているのかもしれません。

これまで、住宅問題は、戸建てから、巨大開発や超高層までをひとまとめにして考えています。引用の記事でもその範囲を出ないと思います。

いまや、規模の問題は、質的な差を作っていると思います。単に大きくしただけでは済まされないと思います。

建築の制度にしても、技術にしても、建築の体制にしても、保証の仕組みにしても、規模が大きくなったことによって、質が変わっています。そうした観点からのきめ細かいアプローチを検討する余地があるように思います。
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by gskay | 2006-07-21 10:38