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解散予告
 衆議院の解散を予告というのは、前例があるのでしょうか?

 現在は、もっぱら、天皇の国事行為に基づくという憲法第7条説によって衆議院は解散されています。しかし、これには議論もあって、第69条の内閣不信任決議の場合に限られるという立場や、もっと広く内閣の行政機能に属するという説もあるとのことです。

 これについては、最高裁判所が「高度に政治性のある国会行為」として判断をしないことにしています。このため、どういう意見があるにせよ、また、どういう根拠があるにせよ、手続きとしては、7条解散が実施されています。

 議院内閣制が制度として定められた日本国憲法下では、様々なパターンの解散が行われていますが、前回の郵政解散と並んで、今回の解散予告は、ユニークだと思います。

 前回の郵政解散は、参院での法案否決が引き金でした。与党からの反対者が法案否決の原因でしたが、衆議院が解散し、再可決が可能な3分の2を法案賛成派である連立与党が確保して、決着がつきました。衆参が異なる議決をした場合の手段として、解散して衆議院で圧倒的多数を確保するという道筋が確立したというユニークな解散でした。

 これに対し、今回の解散は、解散の必然性が乏しいと思われます。衆参のねじれがあるとはいえ、与党は衆議院の圧倒的多数を確保しています。政権運営につまづく心配は、ほとんどありません。

 加えて、直前に衆議院で内閣不信任案が否決されています。参議院での問責決議が可決されているとはいえ、制度上、与党が衆議院の圧倒的多数をおさえている限り、内閣総辞職は必要ありません。

 にもかかわらず、首相が、約1週間後の解散を予告するという事態になりました。これで、延長臨時国会の残りは、実質的な閉会状態になってしまったと言われています。

 衆議院議員については、1週間後には議員でなくなり「前議員」になってしまうので、実際上、議員として役割は終ってしまい、次の総選挙の準備に専念しなくてはいけない状況になります。

 ところで、野党が審議拒否をしているのものの、その気になれば、与党だけで、参議院は本会議を開くことができます。いくつかの重要法案に決着をつけることも可能だと思うのですが、与党にその気はないのでしょうか?これは、怠慢のように思われます。状況次第では、野党の審議拒否の問題にも転換できるように思います。

 今回の解散予告は、国会運営の行き詰まりというよりは、与党内の人事や主導権の問題のようです。自民党の両院議員総会という議決権のある会議が開けないようにするには、衆議院議員を前議員にしてしまえばいいわけですが、そこまでしなければならないものでしょうか?あるいは、そんな方法で会議を避けて、民主的な正当性や信頼感が生まれるのでしょうか?

 自民党内の権力争いの道具として何度も解散は用いられてきましたが、このような用いられ方は特殊だと思います。国会の議論を充実させ、利害を調整するために政党が発展して来たはずなのに、その地位が逆転してしまっているように思えます。

 もっとも、「衆議院解散と金利については嘘を言ってもいい」といわれていて、どうなるかわかりません。思惑や駆け引きの対象になっており、そういうものだからこそ意味がある仕組みです。事情は二転三転するかもしれません。
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by gskay | 2009-07-17 08:00 | 政治と役所と業界
選挙活動
 あっという間に時間が経って行きます。今度は、解散総選挙だそうで……。

 都議会選挙は、高校時代の同級生が当選できなかったことが残念です。私が住んでいる選挙区ではないものの、気にしていました。自民党の都議として三期目をめざしていました。同窓会であったときには、「政治家です!」という風情を全開にしていたのが気になりました。大丈夫だろうかと心配していたら、やっぱりダメでした。

 残念ながら、日本の選挙は、主張を争うチャンスが少ないので、いくら優秀な人物も優秀さをアピールする場が限られます。その結果、「判で押したような政治家」になっていかざるを得ないのかもしれません。

 都議会選挙中の報道です。


「チラシお断り」に悩む選挙公報…都議選 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


特集 東京都議選2009
 12日に投開票が迫った東京都議選で、都選挙管理委員会発行の「選挙公報」の配布がオートロックのマンションなどで拒否されるケースが目立ち、各地区の選管が管理組合などの説得に追われている。

 都内では「チラシお断り」を掲げる高層マンションなどが多く、選挙公報も同様に扱われてしまうため。衆院選の前哨戦とも言われる都議選で、有権者にとって必要な判断材料が行き渡らない恐れもある。

 都議選の選挙公報は、条例などに基づき、投票日前日までに有権者世帯に必ず配布することが定められており、新聞の折り込み以外では、業者などに委託して配布する場合が多い。

 区のシルバー人材センターが配布している品川区選管では今月7日、オートロックのマンション2棟で管理人から「区職員を装ってチラシを配布されたことがある」と言われ、拒否されてしまった。翌8日に選管職員が直接出向いて説明した結果、配布できたが、2007年の参院選でも、この2棟は同様に1度は配布を拒否しており、同選管の職員は「管理人が代わったのかもしれないが、選挙公報の意義が理解されていない」と嘆く。

 北区や足立区でも告示後同様のケースがあり、高級マンションが多い渋谷区の選管は「ポストに入る配布物を、わずらわしいと感じる住民の意識が背景にあるようだ」と分析する。

 狛江市では委託先のシルバー人材センターが配布の前に下見をして説得にあたっているが、管理人にすら会えずに、やむなく郵送した選挙公報が100部ほどあった。

 選挙公報を区役所などに置いて、有権者に持って行ってもらう方法もあるものの、他の配布物と交じって目立たないのが難点。都選管は「配布をお願いしている区市町村の選管に対し、すべてのマンションを説得してほしいとまでは言えないし……」と困惑気味だ。
(2009年7月10日07時36分 読売新聞)

 公職選挙法だけでなく、選挙戦に水をかけるような制度が多すぎるように思います。

 言論をたたかわせる機会や、主張を伝える機会は限られています。その機会を最大限に活かそうと思うと、誰もが同じようになってしまうのだと思います。

 代わり映えのしない選挙カーに、幟と襷の街頭演説。これらは、公職選挙法の規制によるもので、工夫の余地がほとんどありません。

 もっと様々な方法を駆使し、得意な方法でアピールできるようにしないと、選挙で何が争われているのかわからないままです。

 その一方で、投票率アップのキャンペーンを選挙管理委員会が行っています。選挙で公職が選ばれたのは確かですが、肝心なところを争って選挙が行われたとはいえない以上、その公職が民主的な代表といえるのかどうか疑問に思います。

 公営の人気投票にすぎず、代表を選ぶことを通じて、政治的な問題に決着をつける仕組みにはなっていないと思います。

 そういう意味では、郵政選挙は、政治的な問題に決着をつけた希有な選挙だったのかもしれません。
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by gskay | 2009-07-16 11:58 | 政治と役所と業界
政治資金規正と捜査当局
民主党についても、小沢代表についても、支持したいと思うような決め手には欠けると感じています。これは、自民党も同じことですが……。

政治資金規正法違反の問題は、手続きの「解釈の相違」の話で、耐震偽装以来、何度も見て来た構図です。大抵は、魔女裁判で、有罪は決まっています。

もともとは、西松建設とやらが外為法違反で作った裏金の行方についての捜査であったと思います。そこに、小沢陣営との結びつきが見られたため、おそらく、裏金捜査の突破口を期待して強硬な捜査に踏み込んだのだと思います。

与党や政府の思惑が絡んでいるような形になっていますが、結果として思惑に沿っているように見えるにすぎないようと思っています。

問題は、検察の姿勢です。

法律の解釈が恣意的です。加えて、摘発が限定的すぎて、公平ではありません。

本来、政治資金を規正するのは、総務省や都道府県だと思うのですが、そこからのリアクションもなく、行政の手続き面での専門的な見解もはっきりしません。

検察をふくめた官僚が、官僚制度の改革を主張する小沢陣営に妨害を加えているという構図も想像してみたのですが、しっくりきません。

ところで、警察のトップを務めた官房副長官の発言は、あたかも与党や政府の関与があるかのように一般的には捉えられました。しかし、むしろ、追及するために必要なだけの材料を集められないという「一般論」を言っていたように思われます。その延長として、自民党関係者を追及できないということにとどまらず、すでに逮捕されている人についても、ひょっとすると不十分ということを示唆しているのではないかと思います。

検察が、内閣や法相の意向と独立して暴走しているとしたら、大変だと思います。内閣や法相の指示で、捜査がねじ曲げられることをけしからんというのは大切だとは思います。しかし、それよりも注意が必要なのは、所詮、行政組織にすぎない検察が、内閣や法相の意向を無視して暴走しているかもしれないという点です。

担当の官庁である総務省からも、警察からも充分な援護があるようには見えません。

ひょっとすると、今回、検察は孤立しているのかもしれません。

検察の面目を保つために起訴には辿り着いたものの、今回に限っては、いつものような魔女裁判を展開できるかどうかは不確かだとおもいます。

耐震偽装の大捜査も空振りでしたが、これは、警察や検察を含めた捜査当局のミスというよりは、世の中全体が、根拠が希薄な妄想に振り回されたことが原因でした。だったとしても、肯定するべきだとは思いませんが……。

それに比べると、今回は,検察の独自の行動であり、検察の判断については厳しい反省が必要です。形式犯以上のものを掘り出すことができないような見込みだけの捜査が、検察への信頼を揺るがせることになると思います。これは、国の正義に関わることです。

検察が無謬などとは考えることができないのは当然だと思います。しかし、ずるずると無謬を装い続けるのではないかと懸念します。

せめて、この無謀な捜査の指揮を担当した人については、何らかの責任を追及するべきだと思います。
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by gskay | 2009-03-30 10:04 | 政治と役所と業界
公務員への要求水準のアップ
ようやく、国家公務員でも大学院修了者を採用する方向のようです。これまでも、大卒枠で、修士や博士が採用されていましたが、大抵は学部卒だったと思います。このため、採用後の大学院進学や、公費の留学が欠かせませんでした。それでも、日本の官僚は、世界的にみて低学歴集団。低学歴でも、優秀であれば良いのですが、残念ながら、陳腐化していていて、往年の輝きはありません。

<国家公務員>新採用試験案 人事院が公表(毎日新聞) - Yahoo!ニュース


3月20日21時23分配信 毎日新聞

 人事院の有識者検討会は19日、国家公務員制度改革基本法に基づく新採用試験の報告書を公表した。採用試験を「総合職」「一般職」「専門職」に再編し、総合職の採用規模は現行の国家1種より増やし、最大1000人程度にすべきだとの内容。新試験は12年度から実施する方針。

 報告書によると、総合職試験は大学卒向けと大学院向けに分ける。大学院向け試験では政策課題討論を課し、政策立案力を見極める。一般職試験は高校卒と大学卒、中途採用の3種類で、現行の国家2、3種試験と同程度の採用規模とする。専門職試験は会計や法律などの専門家向けの試験区分の設定も検討する。

大学院修了者の採用と同時に、応募可能な年齢を大幅に上げるべきだと思います。45歳で採用しても、現行の定年である65歳まで20年もあります。充分な働きができると思います。

まず、有能な人材を採用すること。ついで、有能な人材を逃がさないことが大切です。

また、高級の幹部は政治任用を原則とするべきだと思います。これは、「内閣人事局」に期待できるのではないかと思います。政治任用を前提にすると、年次が上がるにしたがって退職するという慣行も無意味になり、天下り確保の意味も低下します。

気になるのは、「総合職」とやらを増やして、競争による振り分けを行うという方針。この記事では触れられていませんが、他紙の記事では取り上げられていました。

その振り分けを強調しすぎると、内部の競争だけが意識されるようになって、現在の仕組みと変わらなくなってしまうのではないかと思います。現在の情勢では、若くして幹部候補として採用して、外からの補充がないという仕組みには、もはや、あまりメリットが無いように思います。

幹部への登用の道を多様化し、門戸を広げることが大切だと思います。
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by gskay | 2009-03-23 11:07 | 政治と役所と業界
違法な建築への処分の根拠
耐震偽装があった建物の処分にあったっては、一旦は出されてしまった「建築確認」の意味が問われます。とりあえず、既存不適格と同等の扱いもできたのではないかと思っています。もし、そのような対応にしていれば、耐震偽装という事件への対応の方向性は全く異なったものになっていたと思います。

私のところの物件では、最初から「どれだけ危ないのかということは言えないが、違法である」という説明が自治体からありました。それで一貫していて、建築確認も取り消されたわけではありません。建築確認などの検査についての手続きの正当性についての議論は避け、性能に関する違法が「指摘されている」点だけを問題にしていました。

性能に関する違法と言っていも、設計や建築確認のプロセスがでたらめであったため、その情報だけではどれだけダメな建物であるかを判定することはできません。それを、きちんと判定するためには、別の方法で検査をしなくてはならないはずです。しかし、それを突きつけられた記憶はありません。

一方で、住民として異議を申し立てようと思えば、いかに性能が満たされているかを証明すれば良かったのだと思います。実際に出来たかどうかは別として。

ここで間違えてはいけないのは、神奈川県の物件で再三報道されたような「さらに低い数値」に驚いてはいけないということです。随分と、不安を煽ってくれましたが、不適切だったと思います。

安全を示すためのモデルを的確に設定することができなければ、低い数値が出るのが当然だからです。下手な計算をすると、サイコロのように中身が詰まっていても、強度不足と計算できてしまう代物だそうですから……。

私のところでは、違法建築に対する手続きとしては、退去や立ち入り禁止、除却など、根拠となる性能に関する議論は行わず、自治体と住民の合意によって粛々と進められて来ました。下された処分に住民が異議を唱えなかったというのが、処分の正当性の最大の根拠となっているように思います。

性能に関する技術的な議論に敢えて挑むという空気はありませんでした。現在の方向に進まざるを得なくなった根拠は、国の方針くらいしか見当たりません。しかし、そちらに納得の上で進むことができたのは、自治体の姿勢のおかげだと思います。

当時も今も、国主導の杓子定規で拙速な対応は避けるべきだったのではないかと思っています。結局、公的対応の主体は、国ではなく、自治体になりました。国の介入は、その場しのぎのデタラメで、責任についても有耶無耶になっていることについては、不快に感じています。

国の介入は、「御上の御沙汰」であるため、覆すのは困難です。なぜなら、曖昧な仕組みに対し、裁量で判断しているからです。裁量で判断した国の側に根拠を示す義務があるように思うのですが、なぜか、根拠も曖昧のまま、判断が一人歩きしてしまいます。そこに、風向きをきめてしまうマスコミの存在。

私がかかえている損害は、耐震偽装が行われたことによって生じた損害のみではないと感じています。そうせざるを得なかったヒューザーの破産によっても生じていますが、それよりも、公的な判断のプロセスの歪みに問題があると思っています。

その一方で、自治体の対応が優れていたおかげで、納得して今の立場を受け入れています。「おかしい」という疑いの気持ちはありますが、その気持ちを自治体と共有しているようにさえ感じています。
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by gskay | 2009-03-22 08:12 | 政治と役所と業界
幹部国家公務員の養成
幹部国家公務員は、基本的に政治任用や公募であるべきだと、私は思っています。また、官庁で養成しなくてはいけないという必然もないと考えていて、人材の養成は、大学などの機関の比重を大きくする方がいいと思っています。

ただ、幹部候補が若いときに、現場を経験するという事には賛成です。

幹部候補、徴税現場に=重責ポストで能力見極め−09年度にも実施・人事院

 人事院は、各府省の幹部候補となる若手国家公務員を対象にした研修を充実させる方針だ。税の徴収現場など困難を伴い、納税者である国民とじかに接する機会が多い職場への派遣や、薬害エイズ事件など過去に失敗した政策事例の分析を取り入れる方向で検討している。各府省に対しても、幹部候補を自己判断が必要な重責ポストに就け、能力などを見極めるよう求める。
 現行のキャリア制度を見直し、能力・実績に優れた人材を幹部に育成するための一環で、早ければ2009年度中に実施する。
 徴税現場への派遣は、数カ月程度の勤務を想定。政策の遂行は、税金によって成り立っていると自覚させるため、単なる視察ではなく、実績を上げることも求める。今後、実施に向け国税庁などと調整する。 
 失敗した政策事例の分析は、各府省が困難な政策課題を抱える中、判断ミスを起こさないようにするのが狙いだ。例えば、薬害エイズや年金記録問題などをテーマに、どうすれば問題を回避できたかを討議させる。
 現行制度では、幹部候補が若手のうちから警察署長や税務署長といった地方行政機関のトップを務めることがあり、「特権意識につながる」と批判されていた。このため、人事院は各府省に対し、幹部候補にはベテラン職員に補佐される上位ポストではなく、自己判断が必要な重責ポストを経験させるよう求める考えだ。

引用の記事を読んで苦笑したのが、「自己判断が必要な重責ポストに就け、能力などを見極める」という点です。これまでは、「単なる視察」か、「ベテラン職員に補佐される上位ポスト」しか経験できなかったということだと思います。

つまり、有能な若者を集めておきながら、能力を発揮させる機会を作ってこなかったということだと思います。幹部公務員候補に「キズ」がつかないようにと、何もさせないで飼い殺しにしておくのは、能力がある人材の無駄遣いです。

それに比べれば良いとは思いますが、たかだか「最長で数ヶ月程度」で、「実績を上げること」を求めるというのは、あまりに現場をなめています。結局、「ベテラン職員に補佐される『お客さん』」になるだけです。あるいは、それでも務まるような任務がお膳立てされるだけのこと。この構想自体が、現場を知らない発想だと思います。

「最長で数ヶ月程度」というのであれば、もっと謙虚に、見聞を拡げることを重視すべきだと思います。

ところで、このような現場経験は、内部の幹部公務員候補に限定するべきではなく、広く開放すべきだと思います。

数ヶ月程度ということであれば、大学院生のインターンを迎えたりすることも、経歴を複線化し、将来の候補を確保することに役立つと思います。もちろん、研究機関での研究にも役立ちます。

もし、内部の幹部公務員候補に限定すると、将来の外部からの人材登用を妨げる口実になりかねないと考えます。任用にふさわしい人物が大学などが居るにもかかわらず、若い時の現場経験がないというのを口実に、よそ者を排除する論理として使われることを懸念します。

国家公務員、とりわけ幹部公務員の能力の陳腐化は深刻です。人材登用や教育のシステムを抜本的に変えることが必要です。一見すると、そのような抜本的な変化に取り組んでいるようにみえますが、この取り組みは、変化に抵抗するもので、硬直化を改善するものではないと思います。

こんな、瑣末なことをこねくりまわしていないで、直ちに、幹部公務員に政治任用や公募を取り入れ、在野の人材を登用するための門戸を拡げるべきです。
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by gskay | 2009-03-10 08:30 | 政治と役所と業界
役所からの扱い
愛知県のビジネスホテルの耐震偽装に関する民事裁判の判決は、原告にとっては、得られる賠償以上の意味があったのではないかと思います。

耐震偽装に巻き込まれたビジネスホテルのオーナーは、役所からはひどい扱いをうけ、マスコミからは執拗な取材をうけ、地域からは白い目で見られてきたのではないかと思います。

建築主や所有者だからと言って、そのような理不尽な状況に耐えなくてはいけない道理はありません。

百歩譲って、好奇の目でみるのが仕事のマスコミや、それにあおられている地域の人々の目については、仕方がないことかもしれません。

しかし、役所の公平さを欠いた発言などは、すでに困惑している人たちに追い打ちをかけるようなものがありました。役所が、いい気になって、いい加減な情報をマスコミにリークしたりすることが、どれだけの影響があることか!

このビジネスホテルのオーナーが、裁判をやり抜こうと考えたのは、そういう役所の許し難い姿勢への反発があったのではないかと想像しています。

耐震偽装に関連した業者が関与しているというだけで、役所から、法規を逸脱したような執拗な追及があったと聞いています。いいかがりに近い建築の科学的な合理性を欠いた通知もあったとか。耐震偽装物件ではあったなら、それはなおさらのことであっただろうと思います。

建築確認の責任と重要性という理性的な面での意義とは別に、役所の理不尽なやりようへの批判もこめられた裁判だったのではないかと思います。

強いて言うなら、そのような役所の側にたって不しつけな取材をし、歪曲した報道をしていたマスコミにも、その矛先をむけたいところかもしれません。ただ、マスコミにも、役所に無批判にべったりの部署もあれば、本当の姿を見極めようとコツコツと取材をする部署もあり、それが渾然一体となっています。マスコミを訴えの対象にするのは難しいと思いますが、少なくとも、この判決をきいて、反省しなければいけない記者はたくさんいると思います。

ところで、ひどい役所の対応ですが、幸いにして、うちの役所は例外のようです。当初から、法規についての問題点を意識し、国の拙速とも思える対応とは一線を画していたように思います。ビジネスホテルのオーナーと分譲マンションの住民とでは立場が違いますが、役所の担当者の姿勢は、いつも住民に有利とはいえないものの、納得できるものでした。

そうした納得できる姿勢が欠如している役所が多すぎるように思います。
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by gskay | 2009-03-03 12:26 | 政治と役所と業界
官僚のありかたに再び関心を
現政権の姿勢はわかりにくいと感じていました。公務員改革や官僚の権限の整理については、後ろ向きなのかと感じていましたが、そうではなく、目が行き届いていないだけのようだと感じています。

官僚については、きちんと内閣や国会が管理することが大切だと思っているので、官僚と対決するにせよ、官僚と近い関係を結ぶにせよ、目が行き届いてることが大切です。

党内にも、議会運営にも、それどころではない事情があり、しかも、この経済情勢。

官僚制度が、中途半端な改革のもと、野放しになっているように思います。

官僚制度の問題点を徹底追及するにせよ、官僚制度の長所を活用していくにせよ、官僚制度への強い関心が維持されていなくてはいけません。それが放棄されてしまったと感じています。

前の政権も、その前の政権も、そしてその前も、その姿勢が明確でした。仮に、正反対の方向性をとるにしても、問題意識を維持すべきだったのではないかと思います。

今は、棚上げになって、有耶無耶になってしまっているように思います。

内閣が官僚と仲良くするのは結構なことなのですが、官僚を野放しにすることと仲良くすることは違うと思います。

官僚の裁量による統治は責任がともないにくいので、あいまいな部分や対立点がある部分は政治が判断し、明確になっている部分だけを官僚に任せるべきだと思います。いたずらに官僚が裁量によって担う部分を広げていてはいけないと思います。

同時に、官僚には、最高の能力を要求すべきだと思います。日本の官僚は、国内で最高級の能力をもった人材を集めているかもしれませんが、採用後の教育が陳腐になっていて、高度化した社会に対応できなくなっています。そもそも、採用方法からして、高学歴化し大学院が一般化している時代になじまない方法になっています。硬直化しているということだと思います。

メディアでも政治家の間でも、天下りの問題や利権の問題を取り上げてきましたが、それは枝葉です。瑣末なことに執着し、肝心なことを忘れていると思います。

官僚の能力的な陳腐化と、責任をともなわない巨大な裁量が、現在の官僚機構の問題の根源だと思います。

目先の問題に変化があったことで、官僚制度の問題点が克服されないまま、未曾有の危機に突入しています。

危機を乗り越えた後の次の時代の我が国の姿が見えてこない所以だと思います。

危機の克服の過程で、官僚機構や政治が変化して行くことができるかどうかわかりません。破局の先の大きな変化を待つしか手だてがないという訳ではないと思います。
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by gskay | 2008-12-11 15:11 | 政治と役所と業界
新党と政界再編
政界再編が、次の総選挙の前にあるのか、後になるのかが一つのポイントになっていると思います。

新党を作るなら、今です。合意の上の分割やけんか別れでも、1月1日現在の所属議員数割りの政党交付金を受け取ることができるからです。年の瀬は、政界再編のカギになる時期だと思います。その前哨戦が行われているような報道があるようです。

もし、与党から新党が生まれるとしたら、おそらく衆議院の3分の2をおびやかすことになると思います。これで、法案の再可決ができなくなります。また、連立の意義も薄れます。

新党が結成され、与党の連立が解消された場合でも、さすがに自民党の過半数割れの可能性は少ないとは思われますが、内閣不信任案が提出される事態もあり得ます。その時、自民党議員がきちんと否決の投票をするかどうかはわかりません。

総選挙が行われるとしたら、このパターンではないかと想像しています。

一方、自民党が衆議院で過半数を維持してさえいれば、予算を成立させることはできます。このため、内閣が自らの判断で総辞職しなくてはいけない状況は生まれないと思います。総選挙は、予算成立後ということになります。

この場合、予算成立直後に解散するかもしれないし、重要な法案の審議に問題が生じた場合になるかもしれないし、通常国会の終了に合わせることになるかもしれません。あるいは、解散なしに任期満了の総選挙の可能性もあると思います。

ところで、今の時期に新党ができなかった場合、大きな変化がないので、このまま解散もせず、再可決を切り札に現在の政権が続いていくことなると思います。

さしあたり、現在の情勢で、既存の二大政党間の政権をかけた選挙がすぐに行われることはないだろうと思います。

私は、既存の二大政党の構成は、主張が重複していたり、ねじれているため政界再編がないと選びようがないと思っています。新党の結成を期待しています。
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by gskay | 2008-12-09 18:46 | 政治と役所と業界
公務員改革への意気込み
現政権は、公務員改革の流れとは距離があるように思います。

安倍政権では、過激な官僚との対決路線がとられました。小泉改革の延長で、ひょっとしたら、うまく行ってしまう可能性もありましたが、そうは行きませんでした。

福田政権では、基本的には安倍路線のまま、対決の部分を緩めた形がとられました。手ぬるいという評価もあるようですが、着実な変化があったと思います。血液製剤によるC型肝炎への踏み込んだ対応や、事故米対応における農水省や農水大臣に厳しい対応は、制度の改革に劣らないインパクトがあったと思います。

時事ドットコム:衆院選に強い危機感=麻生人気「カプチーノの泡」−渡辺元行革相


衆院選に強い危機感=麻生人気「カプチーノの泡」−渡辺元行革相

 自民党の渡辺喜美元行政改革担当相は20日、大阪市内で開かれた内外情勢調査会の会合で講演し、「『霞が関の改革をやらないと(経済対策などの)財源は出ない。この際、民主党に任せたらどうだ』という声は全国にまん延している」と指摘した。その上で「自民党が改革は棚に上げて各省の寄せ集め政策でお茶を濁すということになると、次の選挙の結果は見えている」と述べ、次期衆院選に強い危機感を示した。
 渡辺氏は「自民党は(公務員改革などで)どうも先祖返りしていることを国民は察知している。それで思うように内閣支持率が伸びない」との見方を披露。麻生太郎首相についても「ほかの人の発言」と断った上で、「麻生人気はカプチーノの泡みたいなもの。最初はてんこ盛りだが、飲もうとすると、カップの底にへばりついて飲めない」と語った。 
 改革路線堅持の姿勢を明確に打ち出さなければ、支持率上昇は望めないとの認識を示したとみられる。(了)
(2008/10/20-17:08)

渡辺元行革相は、最前線で苦労したきた人物なので、現状を憂いているのだと思います。

渡辺元行革相自身は、「官僚との対決」という姿勢が強く、それで前進できた部分もあれば、そうでないような部分もあったと思います。福田政権で、バランスがとられことには、渡辺元行革相自身は不満かもしれませんが、大きな意義があったと思います。

「官僚との対決」が必要なのではなく、国会が官僚に対し優位に立ち、内閣が国会の代表として官僚と向き合う体制の確立こそが必要だったのではないかと思います。お互いの役割の確認が必要だったのだと思います。

「官僚との対決」で、官僚を否定したところで、それが自己目的化してしまうと、その対決の体制自体が「官僚化」して硬直化していしまいます。

また、「官僚との対決」に勝利しても、新たな官僚システムは必要で、それが、暴走してしまったら意味がありません。

今の官僚が、いかにダメかということを明らかにすることも必要だったかもしれませんが、官僚が本来いかに必要とされているかということも、同時に明らかにするべきだったように思います。その上で、国会や内閣と、官僚との関係を整備することが必要だったのだと思います。

現政権は、ここに問題が潜んでいるということに鈍感であるように思われます。思いもよらない好ましからざる方向に走り出してしまわないことを祈っています。

ところで、渡辺元行革相は、そうまで言うなら、政治的な立場をもっと鮮明にしてもいいのではないかと思います。政党に忠誠をつくして現政権を支えていくことが、自身の信念や、国に対して潔いことだとは限らないように思うのですが……。
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by gskay | 2008-10-22 12:45 | 政治と役所と業界