カテゴリ:建て直し( 39 )
住民組織のあり方の見直し
耐震偽装に巻き込まれた時点では、マンションの入居がはじまって3ヶ月にすぎませんでした。全戸の入居も済んで居ないほどで、管理組合がありませんでした。あわてて管理組合を結成し、理事長や理事を選出しました。早くも2年半になろうとしています。

普通の共同住宅の管理組合の業務はほとんどないという特殊な管理組合になりました。建て替えに向けて住民の意思を集約するだけでなく、不利益や損害を最小限にするというのが管理組合の目標となり、それが達成されてきました。

建て替えには、様々な選択肢がありました。その中で、再開発を行って土地利用の公共性を高めるところに辿り着くことができたのは、役所や近隣の理解が不可欠ではあるものの、理事長はじめ理事たちの熱意の賜物だと思います。

これまでは、建て替えのために知恵を出しあうことが大切でした。様々な機会に、いろいろな意見が出たものの、それが対立につながるようなことはありませんでした。共同住宅全体にとってメリットを大きくすることが、それぞれのメリットとして納得することができたからだと思います。一丸となって、ここまで来ました。

しかし、これからは、具体的な費用負担という別の種類の問題に取り組まなくてはならなくなります。必要となる費用の総額は変えようがありませんが、従前資産や従後資産の算出によっては、個々の費用負担に不公平感や不満が出る可能性がゼロではありません。そこに納得できない人が出てしまうと事業が止まってしまう可能性も出てきます。

そのような事情を意識してか、理事長や理事から、今の体制を続けていいのかどうかという問いかけがありました。すでに2年半が経過し、再開発について次の段階に入っていることから、見直しも必要だという提案だと、私は理解しました。

これまでの理事長や理事の尽力について、私は不満はありません。そして、将来についても信頼しています。

ただ、住民の間の利害の調整を理事長や理事に背負わせるというのは、適当ではないのではないかと思いました。もちろん、理事長や理事の能力を考えれば、そのような役目も最適にこなしてくれると思いますが、そのようなことに煩わされてほしくないと、私は考えました。

結局、今の体制が続くことが全会一致で決まったのですが、利害の調整という面では、しっかりとした何かが打ち出されたわけではありません。それで良かったかどうかは、個々の住民の心構え次第ということになります。

一人でも納得できない人が出た場合の影響は心配です。納得できないと主張し続けることは、全体の不利益となり、結局、納得できないと主張する本人にも不利益になります。納得できない人には、どうしたら納得できるのかを自ら追求することが必要になります。

その点さえ、再確認されれば十分だと思います。

「誰もが、納得しなくてはいけない」ということが事業の前提ですが、それは、理事長や理事に絶大な権限があるということではありません。理事長や理事に従わなくてはいけないということではなく、また、集会の多数決で決着させられるべき問題でもありません。まして、我慢しろということでもないと思います。

納得できないことがあるなら、納得できるものにするために自らが努力をし、納得するべきだというだけのことです。理事長や理事、そして組織に何もかも委ねて、自分自身の責務を忘れ、お門違いな不満を抱き続けるようなことがあってはなりません。

利害の調整について、しっかりとした仕組みが作られたわけではありませんが、個々の自覚がしっかりとしたので、むしろ、これが最適なあり方になると思います。
[PR]
by gskay | 2008-05-09 01:48 | 建て直し
従前資産
再開発のための権利変換のルールが検討されています。過日、集会で不動産鑑定士から従前と従後の資産を割り出しについての考え方の説明がありました。

所有している土地が再開発に使われることへの同意が済み、事業計画認可同意にいったっています。その一方で、厄介な問題に取り組む段階に入っています。

従前と従後の資産を割り出しは、費用負担のルールに直結します。費用負担の問題は、単純な建て替えのケースでもデリケートな問題だと思います。間取りを変更した建て替えでも、ルールをつくることは簡単ではないと思います。まして、再開発で、全く別の建物になるとなると、かなり複雑です。

再開発では、再開発の意義は了解できても、権利変換になかなか納得できず、時間がかかってしまう事例が多いようです。納得するためには、従前の資産と、従後の資産をきちんと算出して不公平感がないように工夫するしかありません。

このうち、従後の資産については、新築マンションの価格などを参考に決めて行く事ができるようです。それでも、いろいろと複雑で、販売会社から購入する場合の価格とは違って、住民同士お互いに納得できる金額を算出しなくてはなりません。

一方、従前の資産については、様々な取引事例などを調査して検討するようです。中古マンションの相場や、他の再開発の事例などを参考にするようです。

ところが、新築状態のマンションについて再開発などのために資産を評価した事例はないそうです。まして、建築基準法違反による使用禁止命令が出ている物件の取引などというものは絶無……?

しかし、何と、これには、前例があるということです。

といっても、その前例は、藤沢の物件です。藤沢の物件は、ヒューザーの売れ残り物件について、破産管財人から住民に対し売却が行われたそうで、建物については価値をゼロとして、土地に相当する金額で取引されたとのことです。

他にも、ヒューザーの破産管財人に認められた破産債権や、破産債権に準拠して算出した所得税の雑損の金額なども根拠にすることができるかもしれません。

いずれにせよ、今回の件の破産管財人の判断の影響力は絶大だということを、あらためて感じています。前代未聞の出来事で、事前に法律に明記されているわけでもなく、行政が介入できることでもないようで、拠り所は多くありません。破産管財人よってはじめて判断が示されている問題が少なくありません。法律家の仕事の重要性をあらためて認識しました。

ところで、前例とされた事例を根拠にすることが妥当かどうかや、建物の評価の妥当性を考え始めると異論があるものと思いますが、この算定自体が、最終的な負担金額の決定のための道具の一部に過ぎません。従前資産についての考え方の差が、もし最終的な負担金額に大きな影響を与えるのであれば、納得するまで話をつめなくてはいけません。これは、それぞれの築年数などが異なる通常の再開発だったら、重要なステップです。

しかし、同じマンション内のこと。しかも、新築で転売などもなし。ここで敢えて足踏みをしてでも、住民同士の調整をしなくてはならないほどの大きな影響はないようです。おかげで、従前資産の評価という再開発のネックの一つは、少なくとも住民内ではスムースに乗り切れることになりそうです。
[PR]
by gskay | 2008-05-02 11:08 | 建て直し
再開発事業
現在、再開発の手続きが進行中です。他の建て替えとなった耐震偽装関連のマンションとは異なる法律的な枠組みを手法として用いています。単独の建て替えに比べて、時間がかかっているという点について、不安や不満がないわけではないと思います。ただ、我が家に関しては、「公共性」というキーワードがあると納得してしまいます。

都市の土地利用について、「細切れ」状態が、高度な利用の妨げになってきたことは間違いないと思います。そういう「細切れ」により発生した形が悪い土地に、うちのマンションはつくられました。他の活用法が見当たらなかったのだと思います。しかも、ヒューザーの間取りが、たまたま、ぴったりとフィットだったし。そこに、件の元建築士の関わる余地ができてしまって、この始末ですが……。

この因果関係には必然はありません。しかし、もし、「細切れ」を放置していなければ、うちのマンションが作られることはなかったと思います。

現在、土地の利用に関する同意が済んだところです。この同意は、所有者である住民や共同化する土地の所有者の同意だけでなく、抵当をつけている金融機関などの同意も必要になるとのことです。再開発の事務局が、金融機関から同意書をとってくれるということです。

再開発には、「第1種市街地再開発事業(権利変換方式)」「第2種市街地再開発事業(用地買収方式)」の2種類があるそうです。「第2種」については、大規模で権利者の調整が難しいケースなどで、土地収用の権限を事業者にもたせた事業で、公共団体などが行うもので、個人や組合は実施できないそうです。われわれのケースは、規模的にも目的についても「第2種」が適用されるケースではありませんが、すでに合意が済んでいて、「第1種」で着々と進んでいます。

再開発としては、とても順調ということです。これは、他とは比較できない耐震偽装という特殊な事情を抱えていて、権利の調整がミニマムになっているからだと思います。

逆にいえば、再開発は、権利の調整が複雑であるために、なかなか推進できないというのが実情ではないかと思います。都市の土地利用について、根本的なところから考え直さなくてはいけないように思います。
[PR]
by gskay | 2008-04-30 10:47 | 建て直し
ひさしぶりに集まりに参加
仕事のスケジュールの関係で、たまたま、久しぶりに住民の集まりに参加できました。再開発に関する話し合いで、同じタイプの部屋の人たちが間取りや仕様について検討する集まりでした。ここのところ、私は仕事で参加できませんでした。普段は、家内が出席しています。

集まりの回数は、当初のようには、多くありません。しかし、再開発のための作業は膨大のようで、役員の方々は忙しいようです。業者はもとより、役所や再開発を共同で行う隣接建物の関係者との折衝など、多岐にわたる仕事が山積みのようです。

再開発によって元の建物とは全く異なる建物へと生まれ変わるため、様々な検討の余地があります。うちのマンションの場合、3つのタイプに分かれます。たった3つしかパターンがないのがヒューザー物件らしいところですが、ほとんどが、いろいろと変更して入居していたので、大枠は一致しても、細かいところまでの一致は困難です。

集まりでは、細かいところについての調整をめざすというより、他の家の工夫やアイディアを披露するという雰囲気です。

あのヒューザーの部屋は、変な形の土地にあわせて作られていて、絶妙でした。再開発によって土地の形が変わります。建物の形も変わります。おかげで、どうやら、もとのヒューザーの部屋とは全く異なる部屋になりそうです。
[PR]
by gskay | 2008-03-23 02:43 | 建て直し
再開発への経緯
再開発は、時間もかかり、費用負担も増えるプランです。元の建物と同じ規模での建て替えに比べて、何重にも負担になります。それでも、早い時期から、共同化が模索されていました。

耐震補強、単独建て替え、そして共同化による再開発という選択肢の中で、比較的早い時期に耐震補強が断念されました。「0.5以下は建て替え」というのは、横浜の物件が示すように、絶対ではなく、補強の可能性がなかった訳ではありません。しかし、物件の個別の条件に左右され、少なくともこの物件では現実的ではありませんでした。

単独建て替えについては、共同化と並行する形で検討されていました。資金的にも時間的にも、実は、単独建て替えの方が負担が軽く済みます。それにもかかわらず、ほとんど全くと言っていいほど、共同化に反対する声はなかったように思います。

これは、短いながらも実際に住んでみて、新参者ながら、街のあり方を真剣に考えた結果です。単に耐震性能を考えるだけでなく、土地利用の観点からも考えざるをえなくなりました。こうした意識の変化は、区の熱意の影響が大です。

asahi.com:夢再建ゴール見えた-マイタウン東京


 耐震偽装で「強度不足」と指摘された中央区のマンション「グランドステージ(GS)茅場町」の再開発による建て替えが30日、公表された。同区役所で開かれた記者会見では、GS茅場町管理組合と西隣のビルを実質所有する事務機器商社「内田洋行」が、合意までの経緯を説明した。偽装判明から1年半。ようやくゴールが見えてきた。
(小金丸毅志、大井田ひろみ)

 計画によると、GS茅場町と西側に隣接する「新川第2ビル」の敷地計986平方メートルに地下1階、地上20階建ての再開発ビルを建てる。8階以下がオフィスで9階から上にGS茅場町の住民が入居する。

 総事業費は約38億7千万円。国と区で十数億円程度の補助金が出る見込みだが、1戸あたりの追加負担は約2700万円になる見通し。来年2月にGS茅場町の取り壊しが始まり、新しいビルは11月着工し、10年11月に完成する予定だ。

 GS茅場町の東側には、内田洋行の本社ビルが建つ。会見で内田洋行の向井眞一社長(59)は「GS茅場町の両側に我が社の関係ビルがあり、社員とテナント従業員計約500人がいる。近隣の安全も重要と考え、合意した」と話した。新川第2ビルが建築後約35年たっており、いずれは建て替えを考える必要があったことも合意の一因だったという。

 GS茅場町にとっても、従来の広さが確保できる上に眺望が良くなるなど、居住環境が向上するメリットがある。

 管理組合の梅本賢一理事長(48)によると、再開発による建て替えについては、昨年3月ごろに住民側は一本化していたという。「元の生活を取り戻すまでに3年半ほど必要だが、今後は夢を持って生活していくことになる」と語った。

 GS茅場町と内田洋行側の調整を進めてきた中央区の矢田美英区長も「地域の安全と安心が守られ喜ばしい」と話した。

■住民「ローン増加は覚悟」

 会見に臨んだ住民たちは、ほっとした表情を見せながらも、新たに始まるローンへの不安も口にした。

 GS茅場町は建て替え対象11棟のうち、都内では唯一再建案が決まっていなかった。会社員の島川敏彦さん(40)は「周囲からずっと心配されていた。これでやっと『決まった』と報告できる」。会社経営の繁住敏郎さん(80)も「区の仲介で実現した。私たちだけでは、大きな企業と交渉できなかった」と語った。

 耐震強度の不足が発覚したのが05年11月。「仮住まい」での暮らしも1年以上になった。他の物件と違い、再開発事業という初めての再建案を選択した結果、合意までに時間がかかった。飲食店経営の士野楓(かえで)さん(49)は「36戸の結束は強い。焦りは感じなかった」と振り返る。

 しかし、多額の追加負担は残る。会社員の内藤洋(よう)さん(40)は「現在受けている家賃補助などもいつかはなくなる。ローンが増えるのは覚悟している」と話した。

■建て替え組合設立を都認可

 都は30日、耐震偽装で建て替え計画がまとまっているマンション「グランドステージ千歳烏山」(世田谷区)と「グランドステージ赤羽」(北区)の建て替え組合の設立を認可した。

引用の記事が指摘するように、建替え前に比べ居住環境は良くなります。しかし、資金的にも、時間的にも、それに見合う負担かどうかは、何ともいえません。また、役員や区からの共同化に向けての説明が芳しくないような時には、悲観的になることもありました。個々には少なからず動揺があったと思います。

それでも、結束は乱れませんでした。

再開発や総合設計の意義を尊重し、より的確な土地利用をめざすことには、公共的な意味があります。それを誰もが念頭に置いていたからだと思います。個々の居住環境が良くなるというメリットだけだったとしたら、損得勘定を計算し、途中で足並が乱れていたと思います。

内田洋行にとっても、悩みは少なからずあったと思います。いずれ建て替えが必要な建物とはいえ、建て替えは今でなくても良かったはずです。完成後の管理の問題など、課題もあります。それでも、土地の高度な利用の意義を承知し、かつ、企業の発展につながると判断したのだと思います。

理にかなった方向に進んでいると思います。国が想定したスキームからは、少し離れたユニークな計画になってしまいました。公的な資金が少なからず投入される以上、その効果が最大になるような工夫がそれぞれに必要であり、ここでは共同化による再開発という方向性が打ち出されました。

この場所についていえば、単なる建て替えでは、土地利用の観点から適当な事業とは言えません。細切れで形が悪く、高度な利用に問題がある土地を放置せず、再開発によって適切に活用しようと決意した区の意気込みが様々な障害を乗り越えさせたのだと思います。私的な判断だけでは、このような公的な発想の事業を組むのは難しかったと思います。

仮に共同化がダメでも、単独建て替えは出来るだろうと言う見通しは立っていました。そうした見通しは、役員からも伝えられていたし、区からも説明されていました。だからこそ、公共的な意義を追及する余裕があったのかもしれません。

随分と時間がかかったようにも思われます。しかし、通常の再開発や共同化に比べ、著しく早い展開だそうです。この早い展開については、耐震偽装という特殊な事情が関係していると思います。すでに住民が退去済みで、建て替えが不可避という事情があるために、展開が加速したものと思われます。そうでなければ、住民の足並を揃えることは不可能だったと思います。

他の物件の計画が次々と伝えられる中、焦りも多少はあったと思います。しかし、自分達のおかれた事情をよく理解した上で、固有の問題に正面から取り組むことこそ、適切な解決につながるという確信によって、ここまで進んできたように思います。

ところで、私は、役員の皆さんに迷惑をかけないようにするのが精一杯でした。ここに漕ぎ着くまでの役員の方々の献身には、本当に頭が下がります。リーダーシップについても分析や判断についても、とても素晴らしいと思います。
[PR]
by gskay | 2007-06-11 04:29 | 建て直し
再開発へ
耐震偽装の都内のヒューザー物件で建替えが必要なマンションでは、最後になってしまいました。

姉歯物件は、最初の耐震偽装物件とされる別のマンションが中央区内にもう一つありますが、これはヒューザーでなかったためか狂騒にはまきこまれず、売り主も健在で、売り主、住民、それに区が協力しながら建替えにすすむのだと想像しています。

ところで、これまでの建替えについては、住民主体で迅速な建替えを進めるという方針と、自治体と綿密に調整をするという方針がありました。住民主体の迅速な建替えは、仮住まい期間が延びることによる損失の増加をおさえることができます。一方、自治体と綿密な調整をした上での建替えでは、資金面をふくめた様々な問題を解決してからの建替えなので、安心して取り組むことができるのではないかと思います。

手法には差があるものの、いずれも、建替えであり、同じ土地に、同じような建物が建つことが前提にあると思います。

一方、茅場町では、建替えではなく、再開発という方向が打ち出されました。

asahi.com:姉歯物件、再開発で高層ビルに GS茅場町 - 社会


姉歯物件、再開発で高層ビルに GS茅場町

2007年05月30日08時03分

 姉歯秀次元建築士による構造計算書の偽造で、耐震強度が「0.41」とされた東京都中央区のマンション「グランドステージ(GS)茅場町」(13階建て、36戸)が、再開発事業として隣接のテナントビル(8階)と共同で高層ビルに建て替えられることになった。住民、テナントビル、区が合意したもので、これまでと同じ広さが確保でき、居住環境も良くなる。建て替え対象11マンションで、再開発事業による再建は初めて。
 計画では、GS茅場町とテナントビルの敷地計約1000平方メートルに20階建ての再開発ビルを建てる。下層階はオフィスなどにあて、9階以上がマンション部分で、各階に3戸ずつ入居する。

 1戸当たりの追加負担は3000万円前後になる見通しだが、広さはこれまでと同じ約100平方メートルが確保できる。単独での建て替えに比べて、高層階になるために見晴らしが良くなるなど住環境面でのメリットがある。

 個人の施工による第1種再開発事業で、総事業費20億〜30億円のうち2〜3割が国などの補助対象となる見通し。空き地などを設ける総合設計制度を活用することで、ビルの高さや容積率が緩和され、大型の建物の建設が可能になる。再開発事業のため、転売には一定の制約がある。

 震度5強の揺れで倒壊の恐れがあるとされる耐震強度「0.5」を下回ったGS茅場町は、敷地が560平方メートルと狭いうえにL字形で、三方をビルに囲まれている。現在の敷地で建て替えると、高さ制限や容積率などから現在よりも、各戸の広さは約2割程度減る。このため、昨夏から住民、隣接ビル、中央区が調整を進めてきた。

 今後は建設業者を決め、本格設計に入る。順調に進めば来年中に解体し、3年後に完成の予定だ。

 住民のひとりは「追加負担は高額で二重ローンが大変。しかし、中途半端な建て替えをするより、安全で夢の持てる建物をというのが全住民の希望だ」と話している。

 姉歯元建築士の耐震偽装で、国が建て替え支援の対象としたマンションは11棟。「GS茅場町」と「GS藤沢」(神奈川県)を除く9棟で再建案がまとまっている。

区が注目したポイントは、記事にもあるように「L字形」という変形した土地ではないかと思います。土地が充分に広かったり、利用しやすい形であったなら、ヒューザーが取得してマンションにすることはなかったのではないかと思われる土地です。

特に、「形」に問題があったと思います。ヒューザーが展開する100平方メートルの部屋を組み合わせるとうまくおさまりますが、逆に言えば、あのプラン以外は考えにくいような土地でした。

ところで、土地は様々な理由で細切れになっています。その利用や所有に関し、野放しにしていると、このマンションの土地のような中途半端な土地が生まれ、都市開発に差し障りがでてしまいます。

今回は、隣接する古くなったビルとの共同化によって、細切れ状態を解消でき、問題のL字形も解決することができそうです。また、総合開発による空き地の確保など、街の環境に貢献することができるとのことです。

中央区は、土地を高度に活用する必要性が高い場所ですが、高度な活用が難しい状況もあります。古い危険な建物が、細切れになった土地に立ち並んでいるような場所も少なくありません。そうした街の再開発を手がけてきた中央区ならでは手法が用いられ、再開発に進むことになりました。

このマンションのある一画については、共同化により、土地を高度に利用できる方向性ができたということになると思います。
[PR]
by gskay | 2007-06-05 23:29 | 建て直し
建築費高騰
建替え計画に水を差してくれるのが、昨今の建築費高騰です。鉄筋、鉄骨などの材料の値段が上がっているそうです。加えて、職人さんの賃金が高くなっているそうです。さらに、金利も上昇傾向です。

材料の値段については、国内だけでなく、世界的な視野からの需要の延びから説明されているようです。タイミングが悪いということなのだと思います。

職人さんの賃金についても、需要という要素が大切であるようですが、同時に、職人さんの高齢化や引退と関係しているようです。供給が不十分で、職人さんの取り合いが起こっているようです。

職人さんの賃金については、これまで、デフレやコストカットのしわ寄せが行っていた部分ではないかと想像します。業界の構造は、大してスリムにならなず、末梢にしわ寄せが行っていたため、新規に職人になろうという人も少なく、途中で転職したり廃業した人も居たのだろうと思います。

ところで、金利ついては、建築費が上昇する要因になる一方で、最終的な購入者の住宅ローンにも影響し、借入を抑制する要因にもなると思われます。金利上昇が建替え費用を、単純に押し上げるかどうかはわかりません。借入の負担次第では、建替えへの参加を再考せざるを得ない住民は、私も含めて少なくないと思われます。

建築費が、材料の面でも職人さんの賃金の面でも上がっているのは仕方がないことですが、まだまだ、業界の構造に無駄があるようなので、その部分でどうにかコストを下げられるように工夫した事業が必要になりそうです。また、金利との関係も、無理のない計画を作らなくてはならないと思われます。

建築費の高騰により、少し厳しくなったかもしれないと思います。その分、配慮が行き届いていなかった部分に目を光らせる必要性が増したと思います。新築マンションの購入よりも、シビアです。
[PR]
by gskay | 2007-03-09 13:36 | 建て直し
初の起工式報道
先頭をきっている川崎市の物件が、起工式に漕ぎ着けたとのこと。最短時間で建て替えを済ます事は、必要な出費を抑えることにつながります。その結果として、損失が最小限になる可能性があります。そこで、展開を早くし、時間の無駄を少なくするための配慮がなされてきたのではないかと思います。

asahi.com GS溝の口跡地で起工式 耐震偽装、建て替え支援で初



2006年12月20日13時00分
 耐震強度が不足し、独自の再建案をまとめた川崎市高津区の分譲マンション「グランドステージ(GS)溝の口」の跡地で20日、新マンションの起工式があった。国の建て替え支援対象になった11棟の中で、起工式は初めて。来年12月の完成を目指している。

 この日は川崎市からマンションの使用禁止命令が出されてちょうど1年。式は午前10時半から、敷地内に立てられたテントの中で始まった。住民や工事関係者ら35人が出席してくわ入れなどをし、約1年に及ぶ工事の安全などを祈願した。

 新マンションにはGS溝の口と同じ24世帯が入居する予定で、名称は「グランシャリオ溝の口」に決まったという。

 住民たちは記者会見を開き、旧グランドステージ溝の口管理組合の牧田健理事長(39)は「今日は新マンションの門出。新しいスタートにやっと立てた」と語った。

ここの事業は民間主体で、早くから公的な対応の枠組みからは離れた事業が目指されていたように思います。公的な関与は最小限のようです。最速で建て替えを実現するための工夫なのだと思います。

必要な出費を確定させた上で、今後、じっくり問題の責任追及をしていくという方針なのかもしれません。最初は建て替えに集中し、完成までのタイムラグを損害回復のための期間と考えているのではないかと想像します。合理的な方針だと思います。一つの理想型だと思います。
[PR]
by gskay | 2006-12-20 21:35 | 建て直し
1棟化
ヒューザーのマンションは、広いことが魅力になっていましたが、むしろ広くないと商売にならないような悪い条件の土地を逆手に利用していたということではないかとも思います。

悪い条件のひとつは、駅から遠い土地。この場合、標準的な広さでは勝負にならないので、広めの部屋が必要になりました。標準的な広さの部屋をたくさん作ってもどうせ売れないのだと思います。

もう一つは、駅からの立地は程々であるが、土地の形が悪い場合。ヒューザーのマンションが建っている土地は、あまり形が良くない事も多く、普通のデベロッパーなら敬遠するような土地を利用していました。形が良くない土地では、標準的な間取りのマンションを造ろうとすると戸数の確保が困難になり、複雑なパズルのような部屋ができてしまいます。そこを割り切って戸数を減らし、広めの部屋を作っていました。

引用した記事の物件は、2棟に別れているところから、おそらく、微妙な形の土地で、たまたま、ヒューザーのコンセプトで設計をするとうまく収まっていたのではないかと思います。

Yahoo!耐震計算偽造:1棟に全面建て替え、負担は1人2000万円−−GS千歳烏山 /東京


12月18日11時2分配信 毎日新聞

 耐震データ偽造事件に絡んで耐震強度が異なる2棟からなる世田谷区の分譲マンション「グランドステージ千歳烏山」(31戸)の住民集会が17日に開かれ、両棟とも取り壊して1棟に建て替えることを全員一致で決議した。1人あたりの追加負担額は約2000万円。全32戸で全員が入居し、余剰1戸の販売利益を事業費に充てる。
 耐震強度が基準値の34%しかない5階建てのA棟(22戸)と149%で解体の必要がない3階建てのB棟(9戸)が廊下でつながる特殊な構造になっている。住民の間でも▽A棟のみ建て替え▽A棟の補強で対応——などさまざまな意見があり、議論を重ねてきた。
 資産価値などの観点から、7月に全面建て替えを決定。予算などを考慮して10月、2棟を合わせて1棟とする方針を打ち出し、事業者を選定した。来年4月上旬に建て替え組合を申請、08年秋の完成を目指す。
 住民らでつくる耐震偽装対策委員会の市来隆委員長(44)は「二重ローンの返済など、乗り越えなければならない課題も多い。やっとスタート地点に立った感じ」と話していた。【市川明代】

12月18日朝刊

2棟の間の調整は難しかったのではないかと想像します。退去に至るまでの公的な取り締まりについても判断が難しかったことと思います。2棟でも、一つの共同住宅です。占有しているところだけを所有しているわけではありません。全体をみて考えなくてはなりません。そうした点を充分に吟味し、共同住宅全体で一丸となることができたということだと思います。

ところで、あまりに不可解な耐震強度ですが、これが、元建築士の実力なのだと思います。おそらく、低層の建物しか作れなかったのだと思います。その低層の建物でも、構造計算自体はデタラメで、結果として数値が満たされているに過ぎなかったのではないかと想像します。耐震基準という点だけを見れば基準を満たしていても、他におかしなところがあるのではないかと心配になります。そういう点からも、両方の棟を建て替えの対象にしたのは適切だと思います。
[PR]
by gskay | 2006-12-20 01:58 | 建て直し
建て替え決議
私のところでは、建て替え推進決議は行っていますが、建て替え決議に進んでいません。建て替え決議に進んでいない数少ない物件になりました。

建て替え推進決議では、補修で対応するとか、もう戻らないという選択肢もある中、全員一致で建て替えの方向で進めることになりました。その後、建て替えにむけての作業が進んでおり、随時、進行状況が知らされてきました。着実に進んでいます。しかし、建て替え決議を行う段階には進んでいません。

建て替え決議の位置付けは、区分所有法などに定められています。しかし、具体的にどの程度の計画が出来上がった時点で決議をするのかについては、厳密には定められていません。これまでに建て替え決議や全員同意を行った物件も、決議や同意の時点の進捗状況はバラバラであったようです。

建て替えには、建物の概要を決めるだけでなく、どのような事業手法を用いるのか、どの業者が参加するのか、負担はどうなのか、権利返還をどうするか……などなどの様々な問題があります。何を解決した時点で、建て替え決議に進むべきかという明確な指標はないように思われます。不透明な部分が多少あっても建て替え決議に進むこともある一方、かなり具体化していても決議を行わないこともあると思います。

建て替え決議は、大事な目標のひとつですが、必ずしも進捗状況の目安にはならないかも知れないと感じています。要は、円滑に着実に進んでいることが重要だと思います。

私のところでは、建て替え決議に漕ぎ着けてはいませんが、様々な問題についてかなり具体的な言及を聞くことができる段階には進んでいます。幸い、全員が足並を乱さず、同じ希望を持っていることもあり、建て替え決議については、もっと検討が煮詰まって、具体化してから行うべきものだという空気があります。出遅れているかもしれないという焦りはありません。
[PR]
by gskay | 2006-11-30 17:56 | 建て直し