カテゴリ:真相 構図 処分( 81 )
判決の延期
木村元社長への判決がそろそろあるはずだと思っていたのですが、ちっともそんな報道はないと不審に思っていました。私が注目しているのは、有罪か無罪かということではなく、詐欺が認められるのかどうかです。

建設業法違反については、本人も認めていて、有罪になるのだろうと思います。元東京支店長への判決については、会計を預かっているはずの人をさしおいての判決だったので疑問に感じる部分はありますが、元社長については、建設業法違反については争う余地は少ないように思います。

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <耐震偽造>木村建設元社長の判決延期、弁論を再開


5月1日20時26分配信 毎日新聞

 耐震データ偽造事件で、強度不足を知りながらホテル建設代金をだまし取ったなどとして詐欺と建設業法違反の罪に問われた木村建設元社長、木村盛好被告(75)について、東京地裁は8日の判決公判を延期し、弁論再開を決めた。木村被告の詐欺の意図について検察側の主張を改めて確認することが目的とみられる。

最終更新:5月1日20時26分
毎日新聞


結局、詐欺の意図については確定的なものを示すことができていないということなのだろうと思います。本人は否定していたと記憶しています。

ところで、ポツポツと発覚する耐震性能の問題に関して、木村元社長のケースのように詐欺を問われることは、今後もあるのでしょうか?あの時は、誰もがヒステリックになり、納まりがつかなくなっていました。事件の社会的な影響を考えて判断しなくてはならないのかもしれません。

耐震偽装の問題は、建設業者による詐欺という構図より、耐震性能に関して誰が責任を負うのかという視点で考えなくてはならないと思います。建設に関係する様々な人々の責任関係が曖昧であることが、事件の収拾を困難にしました。その深刻な事態をを直接扱わず、詐欺というような問題に転換してしまって納得しようとしているのかもしれませんが、それでは、巻き込まれた人にとっての解決にはなりません。

これからも、耐震の問題は当たり前のように発覚していくおそれが大です。もはや、ニュースにもならないのではないかと思いますが、巻き込まれた人は大変です。その時、悪者を捜し出し、懲らしめるという発想では解決にはなりません。いかに、損害や影響を最小限にするのかという発想が必要だと思います。

仮に、木村元社長や小嶋元社長の詐欺が有罪になったとしても、巻き込まれた人にふりかかかった問題は解決しません。巻き込まれた人は、その物件の木村元社長や小嶋元社長をつるし上げるということに血眼になるべきではないと思います。そんなことより、いかに的確に対処すべきかを考えなくてはならないと思います。

もし、的確な対処の方法が、すでに存在してるなら悩む余地は少ないと思いますが、そんな方法は確立していません。だからこそ、余計な事に熱中せず、自らの知恵で方策をひねり出さなくてはなりません。
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by gskay | 2007-05-09 22:56 | 真相 構図 処分
刑事裁判の状況
最近は、第一次耐震偽装に関連した裁判についての報道は、さっぱりです。

元建築士が控訴しています。ヒューザーの小嶋社長は、口頭弁論が続いているようです。少し古い記事ですが、木村建設の木村社長については、引用の記事がありました。

耐震強度偽装: 木村元社長に懲役5年求刑 耐震偽装詐欺「良心ない」


2007年01月30日

 耐震強度偽装事件で、詐欺と建設業法違反(虚偽申請)罪に問われた木村建設(熊本県八代市、破産)の元社長木村盛好被告(74)の論告求刑公判が30日、東京地裁(角田正紀裁判長)で開かれ、検察側は懲役5年を求刑した。

 論告で検察側は「倒壊の恐れがある建物と知りながら、人命の危険を無視し、木村建設の資金繰りなどを優先させた。動機は利欲的で、良心のかけらもない。被害は極めて多額で回復の見込みは乏しく、反省も見られない」と指摘した。

 論告によると、木村被告は2005年11月、木村建設が施工したサンホテル奈良(奈良市)の耐震強度不足を知りながら告げず、オーナー側から工事代金の一部として2億2500万円をだまし取った。

元建築士を除けば、耐震偽装が起きて来た経緯に関する裁判ではありません。元建築士についても、罪として重かったのは、議員証言法違反と名義貸しでした。議員証言法違反は、「記憶」や「良心」の世界、「解釈」や「印象」を問題にしているので、争う余地があって控訴しているのだと思います。

木村社長については、当初、「建設業法違反(虚偽申請)」については認めているとされていました。税務などとの関連で、これは、木村建設にとって、“取り引き”のうちなのでしょう。それに対し、「詐欺」については否認しているということでしたが、現在もそうなのでしょうか?

詐欺については、前提となっている「倒壊の恐れ」の認識が、ホテルの引き渡しの時点であったかどうかという問題になると思います。公的な再検査の進行との関係について、前後関係を整理すると、詐欺と断定するのは苦しいのではないかと想像します。また、そもそも「倒壊の恐れ」というのは公表に至る過程で国土交通省が創造した概念のようで、罪を問う前提には、どうも……。

小嶋社長の裁判については、小太郎とカラスウリとという ひらりん さんのブログに報告があります。大変、参考になり、感謝します。

その報告をみると、藤田さんが問題にしている通りに展開しているような印象です。ここでも、検察は苦戦しているようです。

国土交通省やマスコミ、あるいは“世論”とか世間に義理立てするために、筋の悪い裁判をさせられている検察が気の毒になって来ます。
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by gskay | 2007-02-20 18:18 | 真相 構図 処分
今後の後始末
アパの耐震偽装問題では、今後、分譲済みのマンションに問題がでるかどうかが鍵であるように思います。引き渡し前の物件については、倍返しによる契約解除が行われているようです。詳しくは知りませんが、ここまでは、ヒューザーにもできたことでした。

今のところ、分譲済みの物件についての情報は、何もありません。所有者である住民に十分配慮してから、必要に応じて公表されることになっています。従って、すでに発覚していたとして、公表されていない可能性もあります。マンションは、全部、大丈夫であったという可能性もありますが。

公表までのプロセスについては、ヒューザーでの失敗の経験が活かされているように思います。すでに、姉歯物件の分譲マンションであっても、後から明らかになってきた非ヒューザー物件では、公表が慎重に行われた結果、軟着陸に成功しているようです。

公表については、基本的には特定行政庁の判断になるのではないかと思います。また、違法であった場合の処分についても、特定行政庁が判断することになると思います。

ヒューザーの騒ぎでは、特定行政庁の判断や措置は必ずしも一律ではないということがわかりました。また、発せられた措置の強制力についての考え方も、まちまちのようです。

そもそも、「災害」に対する措置と、「違法建築」に対する措置とでは、発想が異なっていますが、そこに混乱があったことが、騒ぎを複雑にしたように思います。途中の段階を飛ばして使用禁止命令をいち早く出した自治体の物件や、慎重な配慮のもとで公表された売り主の物件では、居住中であったりします。

今後、アパで、分譲済みのマンションで問題が明らかになっても、ヒューザーの場合のような混乱が起こらないような配慮が行われているのではないかと想像しています。氷山の一角と言われており、今後も、違法建築が出てくることになるかもしれません。その場合、ヒューザーのように「撃墜」されてしまうのではなく、「軟着陸」できるようなプロセスが確立しつつあるように思われます。

そのプロセスの主体は、もはや国土交通省ではなく、特定行政庁をもつ自治体に移っているように思います。取り締まりに関する規定にそった妥当なシステムだと思います。

判断の内容によっては、毅然とした態度から後退していたり、公平性に欠くという批判があるかもしれませんが、私は、自分の置かれた立場の人が増えることを望みません。耐震と言う性能の確保に誠実であることと、混乱や負担を最小限にするということが両立できるのであれば、それが望ましいと思います。

なお、瑕疵担保責任に対する補償に関しては、北海道の住友不動産の裁判が示すように、解釈が難しく、住民にとって納得ができる解決の道のりは険しいように思います。

ヒューザーの混乱では、早急の対応が強調され、異常な混乱をきたしました。公的施設の耐震補強計画をみるように、むしろ息の長い取り組みこそが必要であると、私は考えています。
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by gskay | 2007-02-03 11:45 | 真相 構図 処分
耐震偽装捜査が及ぼしたインパクト
久しぶりに、ヒューザーのマンションを購入する際にお世話になった元営業さんに会いました。再就職して頑張っておられるようでした。というより、むしろ、頑張り過ぎかも。ヒューザーで混乱に巻き込まれただけに、過剰に頑張ってしまうのかとも思いました。ご無理なさらぬように。

この元営業さんは、拙ブログを読んでくれているとのこと。拙ブログでは、ヒューザーには経理の不正が見つからなかったらしいということを書いたことがあります。それに関連し、「そうなんですよ!」と胸を張っていました。

平成17年12月に行われた捜査で、根こそぎ押収された資料をひっくり返しても、罪を問う事に都合がよいような経理の不正は見つかってはいないのではないかと思われます。もし、経理の不正があれば、有罪にするのは簡単です。

小嶋社長の詐欺容疑は、検察にとっても裁判が難しいと思われ、罰を与える根拠なら、おなじみの経理の不正の方が良いと思われます。しかし、その尻尾をつかむことはできていない様子。

捜査当局にとっては、経理の不正を暴くのはお手の物。にもかかわらず、見つかっていないのは、そもそも、尻尾を出していないとか、見落としているのではなく、そういう不正はなかったということかもしれません。

ところで、ヒューザーは、究極の「悪徳」業者のような言われようでした。破産に至ったことを、当然の報いだとする評価もあります。

私は、もともとは、ヒューザーには、破産しないで欲しいと考えていました。しかし、マンションも売れなくなって、経営が苦しくなり、従業員も雇い続けられない状況になって、もはや復活は絶望的となりました。この時点で、破産は仕方がないことだと考えるようになり、住民からの申し立てに賛同しました。

この申し立てに賛同したことに後悔はありません。しかし、今、その判断の材料となった前提となる見立てが充分ではなかったと反省しています。元営業さんと話した事を反芻してみて、経営が追いつめられるにいたる大事なステップを見落としていたことに気付きました。

問題が公表され、大きな問題として取り上げられた時点で、ヒューザーの運命が決まっていたと思い込んでいました。もう商売が成り立たなくなったのだからと。

しかし、よく思い返してみると、従業員が退職するまでには、公表から50日程度を要しています。始めの1ヶ月くらいは、本気で危機を乗り越え、再評価によって事業を盛り返し、瑕疵担保責任も果たせると考えていたのではないかと思います。

しかし、それが不可能になった。そのきっかけは、捜査による資料の押収だったのではないかと思います。

資料として企業活動に必要な書類もコンピューターも何もかも押収されてしまえば、事業の継続は困難になります。大企業で、捜査されたのが一部のセクションにとどまっていれば、持ちこたえることもできるかもしれません。しかし、ヒューザーのように事実上、マンションデベロッパーとしての事業しかしていない場合、捜査による資料の押収は、企業活動にトドメを差すことになります。

風評などにより、企業の成績が悪化した事が、ヒューザーの息の根をとめるきっかけだと考えていました。しかし、どうもそうではなかったのではなかと、今は考えています。

結局、資料は、捜査当局にとって、どれだけ事件の解明に役立ったのでしょうか?

調べてみなければわからなかったことでしょう。しかし、そのために事業が続けられなくなることもあるわけです。その影響はとても大きなものです。

そのような意図があったかどうかはわかりません。ただ、間接的にせよ、結果がそうなっています。悪事を暴くことよりも、企業の息の根を止めるという効果の方が、大きかったように思われます。行き当たりばったりの恣意的な捜査で、企業活動に重大な支障が生じてしまうことは、なるべく避けてほしいと考えます。

新たな耐震偽装の発覚、公表においては、ヒューザーに対して行った捜査との間に不公平にならないような配慮が必要だと思います。例外無く捜査を実施するのか、それとも、ヒューザーに対して行った捜査の反省の上で冷静に対応するする方針であるのかをはっきりさせて欲しいと思います。
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by gskay | 2007-01-29 08:43 | 真相 構図 処分
控訴
元建築士が控訴とのこと。一審の判決が重いとか軽いとかいう問題には、私は関心がありません。しかし、前例のない出来事への裁判であり、妥当性を慎重に検討する価値は大いにあると思います。

耐震偽装の問題については、張本人ではあるものの、下請けに過ぎません。設計の責任を最終的にとるべき建築士の責任がはっきりしていません。

名義貸しの問題は、業務の独占の線引きが明確とはいえません。

議員証言法については、本人が故意ではないと言っています。

議員証言法についてはともかく、耐震偽装の問題と名義貸しの問題は、建築士制度にとどまらず、建築システムの根幹にかかわる問題です。判断が、今後の指針になるだけに慎重である必要があります。

建築関連の法律の体系は、整備が充分でないように思われます。一審の判断が、本当に妥当な解釈に基づいているかは議論の余地があると思われます。設計という業務の実情や実態という点からも妥当といえる判断が求められていると思います。

法改正も進められていますが、責任については曖昧なままで、無責任な体制に無責任な体制を積み重ねているだけのように思われます。

控訴では、無責任な仕組みしかないという異常な事態について、あらためて検証することができるのではないかと私は再度期待します。

判決を不服として控訴するということを、私はけしからんとは思いません。元建築士の態度や心構えが問題になりましたが、そういう部分より、もっと重視しなくてはならない問題があると思います。
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by gskay | 2007-01-10 21:27 | 真相 構図 処分
小嶋社長の資産
小嶋社長の資産についての記事が、年末にでていましたが、何気なく読み流していました。

ふと、思ったのですが、ヒューザーの小嶋社長は、経理の不正が指摘されていません。耐震偽装に関連した刑事裁判の被告は、経理の不正が摘発されています。しかし、ヒューザー関連では、そのような問題が浮上していません。

asahi.comヒューザー小嶋社長の資産5337万円余 住民に配当へ


2006年12月28日09時33分
 耐震強度偽装事件に絡んだヒューザーや同社の小嶋進社長などの破産手続きで、第2回債権者集会が27日、東京地裁で開かれた。破産管財人の瀬戸英雄弁護士は、小嶋社長の個人資産が5337万9499円で、税金などを差し引いた現時点の配当原資が3852万6463円と明らかにした。

 小嶋社長はヒューザーの損害賠償を連帯保証する意向を表明しており、債権額に応じて強度不足のマンション住民らに配当される見込みだ。

詳しく調べたなら、問題を指摘できるのでしょうか?もし、不正と言える程のものがあれば、刑事事件として立件されていたのではないかと思われます。逆に考えると、そういう不正のない会社だったということかもしれません。

破産の手続きの開始当初から、破産管財人も、経理に問題なしと説明していました。

また、スポーツ報知が、保釈にからめて報じています。

オジャマモンがスッテンテン


 耐震強度偽装事件で、マンションを販売したヒューザーや、元社長・小嶋進被告(53)の破産管財人を務める瀬戸英雄弁護士が27日、会見。オジャマモン個人の財産目録が明らかにされ、資産総額約5300万円のうち、現時点で配当に充てられるのは3800万円あまりであることなどが分かった。

 瀬戸氏によると「個人としては、そんなに持っていなかった」。配当は来年3月か4月の見込みで、各マンション住民に渡るのはせいぜい「数万円」レベルになりそうだ。

 正真正銘、すってんてんのオジャマモン。「姉歯さんのように保釈保証金500万円とか言われたら? 出せないですよね。親族の方などが頑張って集めるしか…」と、瀬戸氏。公判が続く小嶋被告は今も拘置所暮らしで、保釈が許可されても、一般社会に戻ることさえままならない苦境だ。

 なお、ヒューザーの破産に関しては今月7日、29億円の中間配当が実施済み。関連会社が保有していた自家用飛行機は1億2000万円で売れたことも分かった。

(2006年12月28日06時04分 スポーツ報知)

家族が経営する関連企業があったので、本人の資産はともかくとして、保釈保証金をおさめるくらいはできるのではないかと想像します。保釈金は、資産などを考慮して額が決められていて、逃げたりしない限り返還されるものだそうです。

小嶋社長のメディアでの扱いが微妙に変化しているような気がします。国会やメディアでの軽卒な発言が帳消しになるわけではないと思いますが、不当に貶められてきた部分があるのではないかと私は常々思っています。
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by gskay | 2007-01-05 10:27 | 真相 構図 処分
元建築士の実刑判決
能力不足であるにかかわらず、無理な設計を引き受け、苦し紛れに改竄を行って、デタラメな設計をしたところ、建築確認をパス。これに味をしめてしまったのだと思います。たくさん仕事をこなして、収入を上げたいと思ったのでしょう。

建築主や元請けに言われるがままに「経済設計」できたのは、もともと計算なんてしておらず、適当にコンピューター上で偽装していたから。また、「経済設計」をした理由は、建築主や元請けから文句が出ず、やり直さずに済むから。

まともに「経済設計」を目指して計算したら、試行錯誤で時間がかかる。その時間を節約。苦心の経済設計も建築主や元請けからは、もっと何とかして欲しいと文句を言われてやり直しが、しばしば。そこも節約。

構造計算は、コンピューター上でやってしまえば、検査も緩く、中身はほとんど検査しない。合格しやすいばかりか、改竄しても見抜かれない。だったら、試行錯誤はやめにして、書類を偽造してまうのが手っ取り早い。

おかげで、数もこなせる。建築主や元請けの期待にかなった数値にするのも簡単。

元建築士がやったことの背景に、「経済設計の要求」があったとして、当初、非難が上がりました。しかし、その要求は当然のこと。性能の極大化と裏表の関係にあり、同じ材料なら最大に性能を求め、同じ性能なら最小の材料を目指すのが当然です。その要求自体は悪ではありません。しかし、その要求が何重にも逆手にとられた犯罪だったと思います。

仕事も速く、要求通りの仕事をしてくれるのだから、仕事は増えたと思います。

そうした仕事を可能にしたのは、やはり、計算ソフトと検査システムの不備だと思います。簡単に改竄可能なソフトと、違法な計算書が検査の網にかからないという仕組みさえなければ、彼にはどうしようもなかったことです。杜撰な仕組みが背景にあったからこそ、なしえた犯罪だと思います。

その点は、彼を裁く上では重要ではないかも知れませんが、事件の本質を考える上では重大なポイントです。忘れてはいけないことだと思います。

また、彼の罪は、事件を起こしたことだけではありません。国会での証言を含めた彼の発言が、事件の印象を全く変えてしまいました。その結果、様々な誤解が生まれ、混乱が生じたと思います。国会も、マスコミも、完全に振り回された形になってしまいました。

ただ、彼の発言がなかったとしても、高度な技術に関する議論を必要としており、今の国会やマスコミでは、見当違いな騒ぎをすることくらいしかできなかったのかも知れないと思います。その陰では、国土交通省の責任や問題点が見事に有耶無耶になっているようですが……。

彼には、事件を起こしたという罪だけでなく、事件発覚後に事件の本質を隠してしまうような滅茶苦茶な発言をしたという罪が加わっています。おかげで、問題とすべきポイントがよくわからないまま、混乱だけがエスカレートし、今は風化に向かっているような気がします。

変な誤解や新たな先入観を残した一方、もっと追及されなくてはいけない点が放置されてしまい、事件を教訓とした法改正も、随分と矮小化されたものになっているような気がします。そのきっかけとなるような彼の言動も、事件における彼の位置付けから忘れてはならないところだと思います。彼の言動がもたらした悪い影響は克服されなくてはなりません。

彼が何と言おうと、もっとしっかりと問題に取り組むべきでした。あるいは、これからでも、取り組んでいくべきだと思います。彼のことはともかく、やるべき人が、やるべきことをやらなくてはならないはずです。
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by gskay | 2006-12-27 01:33 | 真相 構図 処分
ヒューザーの上申書?
イーホームズ社長の平成18年11月21日付けのメッセージの一部です。いろいろなところに転載されています。これまで、いちいち引用しようと思いませんでしたが、今回は、「おっ!」と思いました。一部引用です。

……証人控え室には、元イーホームズスタッフの危機管理室長(M)もいました。……

……検事は、ヒューザー社が、平成17年10月28日付(ヒューザー本社会議の翌日)で北側国土交通大臣に提出した上申書を、新たな証拠として裁判に提出することを決め、私(M)に検事がその上申書を見せた
・上申書には、イーホームズが、10月27日に指摘した11物件(4件の官僚検査前と、4棟の官僚検査済み物件)以外に、ヒューザーが姉歯氏に発注をしたほかの物件のリストと、各物件の保有水平耐力(QUN値の割合)の不整合率が示されていた……

……この上申書には、日本ERIを含む他機関等がヒューザー物件の確認をしたものが含まれていた。……

……このリストは、元ヒューザー社員が姉歯氏から内容を聞いて作成したもので、……

イーホームズ社長としては、検察がヒューザーの上申書を証拠としたところで、肝心の小嶋社長の詐欺を立証できないという事を論証したいようです。私には、イーホームズ社長の考えの通りになるのは難しいように思えます。

しかし、国土交通省が預かり知らないということはないということがよくわかりました。発覚以降、公表に至るまでの経緯に関し、イーホームズ社長が不適切だと批判するような国土交通省の姿勢が明確になってくることを望みます。

1年前の平成17年11月17日の姉歯(あねは)建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応についてでの公表では、随分と矮小化されています。再計算など、技術的に時間がかかるために、事態の把握が充分に出来なかったのだと思うことにします。あくまで、「これまでに判明している事実関係」ですから。ただ、物件数はある程度把握していたようです。
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by gskay | 2006-11-21 10:59 | 真相 構図 処分
小嶋社長弁護側証人
どうやら、イーホームズ社長が小嶋社長の弁護側の証人として出廷するとのこと。立件にいたる経緯の問題が明らかになるというのは正当なことだとは思います。ただ、そういう事実関係の部分で裁判が終わってしまうのは残念です。

仮に、小嶋社長が発覚時点で藤沢の物件について把握していたとしても、直ちに小嶋社長を有罪にできるとはいえません。様々な重要な論点を克服していかなくてはなりません。そうした論点に辿り着かずに、裁判が決着してしまう可能性が出て来ました。

イーホームズ社長は、建築のシステムの問題を糾弾するとともに、公的機関の無責任さや横暴を追及しているようです。小嶋社長の裁判については、イーホームズ社長は、その二つの板挟みになっていることと思います。

弁護側の証人としてのイーホームズ社長の役割は、おそらく、藤沢の耐震偽装の件をヒューザー側がいかに知らなかったかということを証言することになると思います。小嶋社長が知らなかったということが認められてしまうと、それ以上の議論は取り上げる必要がなくなってしまう可能性が出て来ます。そうなると、この容疑の背景にある様々な問題点は、放置されたままになってしまいます。

それは、この裁判の本来のあり方としては、正しいものだと思います。ただ、裁判を通して、多少でも本質的な問題につながればいいと考えていたので、残念に思います。

本質的なところまで届かないかも知れませんが、せめて、発覚の時点だけでなく、公表にいたるまでのプロセスは明らかになって欲しいと思います。公的な権限がいかに問題にかかわっているのかということを明らかにして欲しいと思います。

小嶋社長の裁判が始まったころのエントリです。事実関係は、争う余地がないと考えていたころです。
小嶋社長の弁護団
小嶋元社長の無罪主張
知らされなかった理由?
小嶋元社長公判冒頭陳述
発覚当初のヒューザーの資金繰りについての考え方
情報把握
この他の以前のエントリでつぶやいてきたことの随分と手前で止まってしまいそうな気配になっていると思います。問題は、広範囲の関連した現実を理解した上で、いかに法を解釈するかであると考えていました。それが、法の不備や公的機関の不適切な判断を明らかにするはずでした。

まあ、仕方がないでしょう。

ところで、ひとつ心配なのは、イーホームズ社長が混乱して、話が大きくなってピントがボケることです。せいぜい、関連して発言できるのは、表面的な公的機関の無責任さや横暴についてのさわりだけだと思います。それは、彼を欲求不満にするかもしれませんが、我慢して欲しいものです。
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by gskay | 2006-11-13 10:07 | 真相 構図 処分
上申書
小嶋社長の裁判に関するイーホームズ社長のコメントが公開されました。大変なことが明らかになったと思います。あいにくネットでしか取り上げられていないようです。

小嶋社長の容疑は、藤沢の物件の耐震偽装発覚後、偽装を知りながら引き渡しを行ったことに対するものです。私自身に直接の関係はありません。しかし、関心はあります。偽装発覚から公表にいたるプロセスの重要な部分であり、その後の様々な判断や処分、対応の元になっているからです。この部分のデタラメが、その後の混乱につながったと考えています。

イーホームズ社長によれば、藤沢の物件名は具体的に上がっていなかったとのこと。小嶋社長の容疑が成り立たなくなる可能性が出て来たようです。

さらに、このことについての検察の取り調べに問題がある可能性があるとのこと。辻褄が合わないばかりか、正当なものかどうかも疑われる取り調べが行われ、それが発覚してしまったようです。

検察の仕事は、被告を有罪にするために有利な材料を集めることなので、イーホームズ社長が証人喚問に呼ばれないというのは、検察にとっては当然だとは思います。しかし、正当でない取り調べは、まずいのでは?

弁護側の出方が気になります。

私は、基本的に『きっこ』とは、立場も見方も大きく異なっていて、むしろ反対であることが多く、このブログで取り上げませんでしたが、今回ばかりは感心しています。(でも、「構図」は虚構でしょ?)

国会の参考人質疑の時点では、イーホームズ社長の主張は、二つあったと思います。一つは、小嶋社長の発言や判断の不適切さであり、これに対して小嶋社長が吠えてしまって、バッシングがエスカレートしました。もう一つは、国が定めたお仕着せのシステムが陳腐でデタラメだったことと、それに対する無責任な対応への糾弾です。

当初、イーホームズの発言は、小嶋社長との対立の部分ばかりが強調されてしまいました。「構図」が踊りました。今となっては、くだらないことです。

一方で、国のシステムがデタラメなことや、対応が無責任であったという重大な問題は、風化してしまっているようです。重点を置くべきポイントを誤っていたのかもしれません。

イーホームズ社長の発言が小嶋社長に有利に働くかどうかはわかりません。実際には、様々な方法で、小嶋社長は、問題を把握することはできたと思われ、把握していたことを明らかにすれば良いからです。

もっと他にも、小嶋社長の裁判では、吟味しなくてはいけないポイントが沢山あります。その問題が注目されずに決着してしまうとしたら残念なことです。

かつてつぶやいたエントリです。
小嶋元社長逮捕
小嶋元社長の取り調べへの期待(1)
小嶋元社長の取り調べへの期待(2)
小嶋元社長の取り調べへの期待(3)
小嶋元社長の取り調べへの期待(4)
小嶋元社長の取り調べへの期待(5)

イーホームズ社長の発言には関心があります。ただし、これまで、方向性が間違っていました。今回も、まともな方向に進むとは限らないと考えています。肝心なところに手がかかっているのに、雑魚を相手にしたり、くだらないことに関わったりして混乱を招き、結局、肝心な部分への追及が有耶無耶になってしまうというのがこの1年でした。
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by gskay | 2006-11-10 10:35 | 真相 構図 処分