カテゴリ:反省とまとめ( 15 )
はや5年
ふと気付くと、11月も終わり。耐震偽装に巻き込まれて5年が過ぎました。

建て直しが終わるまであと1年。現在は、時たま、設計事務所から細かい仕様の問い合わせがあるくらいです。

社会情勢、政治情勢、経済情勢などをみると、5年前に比べて良くなったと感じられるものはあまりないように感じます。

ただ、従来なら、明らかにならなかったような不祥事が明らかになるケースが増えています。これは、不祥事が増えたわけではなく、ごまかしきれなくなっているのだと思います。

今後も様々な綻びを直視しなくてはいけないような状況が続くと思います。次の時代のためには、こうした不愉快なものをきちんと清算していかななければいけないと感じています。

ところで、政権交代が行われたものの、残念な状況です。もともと、二大政党のいずれにも決め手が欠けた状況だったので、政権交代をしたとしても、期待はできないと感じていました。

現在の与党第一党は、私から見れば、耐震偽装の初動から期待に反していて、見当違いの追及をしていたと思います。その中心にいた人物たちが、国土交通大臣であったり、外務大臣であったりしていますが、耐震偽装での対応から想像できてしまうような対応ばかりで、あまり教訓が活かされていないように思います。

どうやら、政権交代によって政権についた人たちも、古いほころびのひとつで、清算されなくてはいけない対象なのかもしれないと感じています。

清算の作業と同時に、新生や再生の準備も必要だろうと思いますが、いろいろなところで目立たない形で進んでいるものと信じています。
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by gskay | 2010-11-30 13:51 | 反省とまとめ
久しぶりの更新
長らく更新をしていなかったのは、耐震偽装に関して何か特別なことがあったわけでも、仕事上の問題でもなく、家族に不幸があったためです。心配させたままで、結末をみてもらえなかったことは残念です。住民の総意と、区の熱意、それに再開発による共同化のパートナーとなる企業の理解と、近隣の協力が実って、ようやく着工したところなのに……。

耐震偽装に巻き込まれたからと言っても、経済的なことについては何とでもなると、楽観してくれていました。はじめは、世間を騒がすような事件に巻き込まれたことを、「不注意だ」と怒っていました。しかし、途中からは、建築の仕組み自体に問題があり、とりわけ、国の制度がデタラメであるということに、私と一緒に怒ってくれていました。マスコミの軽薄さにも、あきれていました。

進歩する技術の足を引っ張るような国の姿勢を嘆き、日本の将来を憂いていました。官僚の能力の陳腐化は、教育の現場や内容の問題というより、教育に対する国民や国の姿勢の問題だろうと憤っていました。教育を若者の問題だと考えることで、大きな間違いをおかすことになると嘆いていました。

建築だけでなく、技術とか知識が要求される分野の多くが、非常に冷遇されているという現状を何とかしなくてはいけないということを、療養を通して改めて感じさせられました。

しばらくは、良い方向には行かないかもしれません。

それでも、しっかりとした考えの人が少なくないので、いつまでも冷遇に甘んじることなく、そうした人たちがしかるべき形で活躍できる日が必ず来ると思います。

そういう日を信じることができるし、それを担うことができる人材がいることを知っているのは、良い教育環境で育てられたおかげだと感謝しています。
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by gskay | 2009-09-27 00:28 | 反省とまとめ
ようやく仕事を挽回
今の職場の上司が甘い見通しで見込み発車をしてしまったプロジェクトの後始末に1ヶ月間翻弄されてきました。とにかく見通しの悪いプロジェクトで、誰もが避けていたところ、運悪く目をつけられてしまったようです。しかし、思いがけず、大きな壁を破ることができたという手応えを得ることができました。

思い返すと、耐震偽装に巻き込まれてから、2年半。仕事については、鳴かず飛ばずでした。そのまま、鳴かず飛ばずのままでも、それなりではあったので、それなりのステップアップに満足することはできたかもしれませんが、このレベルには到達できなかっただろうと思います。また、たとえ、耐震偽装に巻き込まれず、順調であったとしても、おそらく、ここには辿り着くことはなかっただろうと思います。

耐震偽装に巻き込まれた時期は、仕事の上で独り立ちをはじめるタイミングと重なっていました。巻き込まれなかったら、上手に独り立ちすることができたかと問われれば、それは何ともいえません。独り立ちできていたとしても、かなり守備範囲が狭いいびつな独り立ちになっていただろうと思います。

鳴かず飛ばずのおかげで、新しい領域に挑戦するチャンスを得ることができました。自分自身が望んでいたわけではありません。周囲にとっても、私がもう少ししっかりしていれば、元の領域だけで充分で、むしろ、早いステップアップを期待されていたと思います。

元の場所で足踏みを続けているわけにはいかず、新しい領域に踏み込んで約1年になります。このような挑戦は、年齢的には最後のチャンスだったと思います。このチャンスに恵まれたからこそ、これからも、新しいことに挑戦し続けることができるのではないかという気持ちになっています。

才能があるかと問われれば、低迷してきたことを考えれば、今イチだと思います。ただ、教育に恵まれ、周囲に支えられ、思いもよらない経験を重ねることができました。今回の手応えも、思いもよらないものでした。

手応えを形にしたら、胸をはって、次のステップに進めると思います。

仕事の停滞を挽回するのに、少し時間がかかりすぎたかもしれません。犠牲にしたものもあるし、負担も少なくありません。それでも、それに見合うだけのものを手にすることができたと感じています。
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by gskay | 2008-06-24 10:35 | 反省とまとめ
2年
1年前の今頃、何をしていたのかを思い出すのは難しいのに、2年前の今頃のことは、鮮明に思い出すことが出来ます。

2年前のこの日から数ヶ月は、仕事を早退しなくてはいけないことが多く、普段はちっとも使わない携帯電話が大活躍してくれました。

周囲の人が大事にしてくれたおかげで、その後の1年以上にわたるスランプは、次のステップへの転換のための期間に変わりました。

おそらく、みな歳をとり、2年前と同じことをしている人はいないのではないかと思います。こんな状況に追い込まれ、知らないこともたくさん覚えなくてはいけなくなりました。もういい歳だと思っていましたが、こんな歳でも、人間は成長することができるということに気付かされました。

財布のことを考えると腹が立ちます。順調だったら、職場のポジションも違っていたかもしれません。

しかし、困ったことや、不便だと思ったこと、不愉快に思ったことはあっても、不幸だと思ったことはありません。

家内のおかげであり、隣人のおかげであり、職場のおかげだと思います。

そして、思っていたよりも、「公」というものが、身近にあって、頼りになるということに感謝しています。

と同時に、その「公」が抱える様々な問題点の深刻さにも気付きました。まだまだ、そんなことはできませんが、いつか、その問題点に取り組むことで、感謝の気持ちを示したいと願っています。
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by gskay | 2007-11-17 13:37 | 反省とまとめ
ここまでの対応状況
第一次の耐震偽装でQu/Qunが0.5以下で建替え相当とされた物件への対応は、現時点で大きく別れています。

国土交通省が最初に出したスキームをもとに考えると、スキーム通りに進展しているものは、ほとんどないようです。まだ、方針が明確に示されていない物件も少なくないので、今後、スキーム通りの建替えが行われる物件が出る可能性はあるものの、早い対応をした物件は独自の選択をしているようです。どうしても物件毎の個性が出てしまうのだと思います。独自の選択には、物件の住民は当然として、特定行政庁を置く自治体の考えが反映されています。また、根拠になる建替えについての法律的な手法にも差が出ています。

最もスキームから離れた対応は、横浜のケースです。除却は行わず、改修で対応するものです。国土交通省が示した0.5という基準の妥当性が揺らぐような対応といえますが、建築物に個性があるばかりでなく、その建物が建つ土地にも個性があることから、0.5という基準よりも、実際の物件の条件こそ重要であるようです。

早い時期に建替えに進んだ物件は、どちらかというと住民主体で独自の建替えプランを作製し実行に移しているようです。対応に時間がかかることによって増える損害を重く見ているようです。とにかく建替えてしまうことが大切。資金的な問題については、建替えのプランとは別にしっかりと対応していこうという考えではないかと思います。

うちを含め、なかなか建替えの計画の目処が立たない所は、資金的な問題や近隣との関係などを充分に検討した上で、自治体との調整に慎重を期しながら進めているのではないかと思います。仮に、このような建替えでなくても、建築にあたり様々な調整が必要な場所では、調整に手間取ることもあります。それに、自治体と強く連携しながら進めるとなると、資金的な問題は厳密になるざるを得ません。

また、直前のエントリで触れた藤沢の物件のように、建替え自体の雲行きがあやしくなっているところもあります。ここでは、物件の建替えよりも、損害の回復をしっかりと行うことが重要になるのではないかと思います。

現在までのところ、改修、とにかく建替え、慎重に自治体などと調整中、建替えより損害回復という対応に大別されるように思います。
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by gskay | 2007-04-16 23:21 | 反省とまとめ
問題の認識
耐震偽装には、様々な人が、様々な形で関わっています。それぞれが、異なる形で事件を認識しています。藤田さんが著書に記した考え方や見方もひとつだと思います。

ことの経緯に関する部分は、藤田さんの著書のインパクトは絶大だと思います。

私は、平成17年11月17日の夕方以降の事柄については、一面的ではあるものの、リアルタイムで体験しています。報道を含め多くのメディアがいかにデタラメで偏っていたかを知っています。あいにく、11月17日以前の部分については、そのデタラメで偏った情報しかありませんでした。

利害のある関係者である以上、藤田さんの著書の内容を鵜呑みにすることはできないと思いますが、これまでの情報よりも、はるかに良質であると感じました。少なくとも、中立を装って、デタラメで偏った情報を垂れ流しにしているという態度よりも好感を持てます。

耐震偽装問題の初期の対応では、いかに、国土交通省が、建築行政への信頼と期待を裏切っていたかが描かれているように思います。単に、行政への信頼と期待を裏切っただけでなく、あらゆる建築関係者を道連れにしているように思います。

しかし、そのことを問題として取り上げよういう人は少ないように思います。全く知らなかったり、関心がない人がほとんど。知っている人でも、目をつぶって、通り過ぎるのを待っている……。

ところで、私が、イーホームズや藤田さんを認識したのは、衆議院国土交通委員会の参考人質疑です。あの時、わたしは藤田さんに対し、不愉快な印象を持ちました。その最初の印象は、今でも続いています。

なぜ偽装が見落とされたのかという問題と、発覚後の初期対応がどうであったかという問題が、藤田さんの参考人質疑のポイントであったと思います。

見落とされた原因については、原因追及の方向が誤っているというのが藤田さんの主張だったようです。大臣認定プログラムの利用の仕方についての理解が不適切であったために、問題発生の原因の分析が誤っているということを主張していたようです。

これは、とても重要な指摘ですが、その指摘が、あたかも責任逃れのように見られてしまいました。今から考えると、もっと上手な受け答えをしていれば、全く異なる展開になっていたのではないかと思われ、残念です。

また、発覚後の対応については、ヒューザーの小嶋社長との亀裂が生まれる原因を作ってしまいました。判断の背景にある技術に限界があり、幅があるのは仕方がないことです。その点こそ明らかにされなくては行けなかったのに、悪者探しに矮小化されてしまう原因を作ったのは、藤田さんの発言だったと思います。

技術的な問題と同時に、公的な権限が優柔不断で肝心なときに適切に機能しなかったばかりか、混乱に拍車をかけることになってしまったということも、国会ではっきりさせなくてはいけなかったと思います。建築において、責任に隙間が存在しているという、脆弱さこそ明らかにされなくてはなりませんでした。

それができなかったために、その後の、国会の議論は、くだらない構図を探るレベルに落ちてしまい、脆弱な基盤に何の検討も加えず、小手先の変更だけが行われるだけになってしまいました。

藤田さんは、構造についての検査および確認が適切できなかったという事実を認めるところから始めなくてはいけなかったと思います。その上で、それが不可避であった事情を明らかにしていくべきでした。

そのステップを充分に踏まなかったために、自己弁護の責任逃れではないかと受け止められてしまったと思います。おかげで、不可避な深刻な問題であるにとどまらず、国土交通省の原因追及の方向性が誤っているという重大な指摘を理解してもらうことができませんでした。

彼やイーホームズ、それに一部の官僚や学識者は理解していたようです。しかし、国会議員をふくめ、ほとんどの人がそれを理解するのは困難でした。相手が受け止められるように順に説明しなくてはいけないところを、ストレートに結論をぶつけたために拒絶されてしまったと思われます。

結果として、彼やイーホームズの責任はどうなるのかということから先に進めなくなって、原因追及の方向性が不適切であるという最も強調すべきことが霞んでしまいました。

さらに、責任逃れの印象のままで、公表までのプロセスが論じられることになり、ヒューザーとのやりとりも、責任のなすり付け合いであると誤解される結果になったと思います。

公表までのプロセスでは、考慮されなくてはいけないポイントがたくさんあったと思います。実際のところ、もっとも重要なポイントである危険性の評価でさえ、現時点でも明確ではありません。とても難しい問題です。

適法な手続きと、結果として違法との関係は?
危険の評価は?
建築に関与した人の役割や責任の分担は?
所有者がどう行動すべきであるのか?
違法に対する公的な処分の手続きは?
瑕疵に対する対応は?
 ……

どれも明確ではありません。だからこそ、国会の場で論ずるべきだった。

そうした不明確のまま放置されている問題が、公表のプロセスを論じることで認識されるべきでした。しかし、公表までの紆余曲折は、単なる責任のなすり付け合いのプロセスであったかのように印象付けられてしまいました。

ますます、あの時の彼の言動を残念に感じます。

これ程のことを訴えようとしていたのに、発言の仕方を間違えたために、肝心なところへの理解が進まず、国全体が足踏みになってしまいました。関係者への影響も大でした。さらに、彼自身も逆風に。

もう少しだけ、発言の展開を注意するべきだったと思います。

あの時に戻ってやり直すことはできれば、楽だと思います。しかし、そんなことは無理です。

結局、いまだに解決していません。解決のための道筋すら切り開かれていません。切り開かねばならないと問題を提起する人もわずかです。

自分のブログの昔のエントリを読むと、参考人質疑後にイーホームズや藤田さんへの怒りを露にしています。しかし、問題はイーホームズだけではないということに、すぐに私自身が気付いていて、この問題を、最も的確に把握していると思われる藤田さんへの期待も、折々に記されています。

もう少し、他の人がわかるように工夫して欲しかった。その工夫によって、こんな混乱は避けることが出来たかもしれません。問題の抜本的な解決の方向性も、とっくに確立していてもおかしくありません。

その鍵を彼は持っていたのに、うまく使えなかったのだと思います。

あの時の失敗を取り返す必要があると思います。

藤田さんがそれをやりたいというなら、私は、彼をゆるすことが出来るように思います。
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by gskay | 2007-02-09 11:35 | 反省とまとめ
二度目の正月
1年前の年末年始に比べ、今年の方が忙しい気がします。正月行事や仕事に加え、仮住まいへの転居の心配をしなくてはならなかった1年前の方が、なぜか、ボーッとしている時間があったように思います。

おかげさまで、今年は、本来の正月になっているように思います。

塀に囲まれた元のマンションの前を通るたびに、いろいろと考えながら暮らしています。うちのマンションの建て替えの具体化は、まだまだ作業が必要なようです。最初の耐震偽装物件は、Qu/Qunが0.5以下でも、そのまま居住しているとのことで、疑問を感じざるを得ません。既存不適格であろうと思われる古い建物をみると、私たちの退去の意味や、負担の意味がわからなくなると感じています。

そういうことを考えて不満に思っていても仕方がありません。元気に新年を迎えられたことをよろこぶことにします。新年というのは、そういう節目なのかもしれないと感じています。

ところで、この国の仕組みの変なところが、いろいろとわかりました。変な仕組みを直す務めもあると思いますが、私は、当面、変な仕組みによる悪い結果に付き合い続けなくてはなりません。当分は無理であろうと考えていますが、解決の暁には、その経験を広く活かしていきたいと思っています。
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by gskay | 2007-01-01 13:40 | 反省とまとめ
代替の指標
分譲のマンションの購入がますます難しくなってしまったような気がします。信頼できる指標も見当たらないように思います。少なくとも構造に関しては、指標らしい指標はないと思います。

これは、監督官庁にも、検査機関にも期待できない問題です。ここが最大の問題です。

あの構造は、「素人でも、一目見ればわかる」という話は、今となっては、非科学的な特殊能力ではないかと思います。かなりの余裕をみた設計か、達人の目であればわかるのかもしれせんが……。

「よく調べればわかったはず」というのは、その通りだと思います。でも、その再計算を費用をかけて行うのが当然だと思っている人は、かなり少ないように思います。再計算で1割も問題があると報じられているのに、少なくとも、事前に、見抜かれて問題になっていたという話もないわけで……。

「安物買い」で済まされるかどうかは、少なくともヒューザーについて、問題の建築士以外の物件の状況を考えると疑問です。残りの物件のコストパフォーマンスを説明できません。

とはいうものの、是非、価格との関係は、明らかにして欲しいところです。その点が明らかにならない限り、再検査で1割も問題が発覚すると報道されている以上、高価なら安心と言う考えは、「お賽銭」以上ではないからです。ただし、地震対策が「免震」になっていたりするなら別かな?

大手の売り主から購入するべきだという主張は、構造については今後、さらに議論の余地があろうかと思いますが、瑕疵担保責任を果たせるかどうかという点では、耳を傾ける価値があるかもしれません。ただ、その大手も、ヒューザー同様に全物件のおよそ4分の1も問題物件を抱えたらどうなることやら?

また、札幌での住友不動産が、どのように瑕疵担保責任を誠実に果たして行くかを見極めない限り、追い風にはなりません。むしろ、買い手にとっては、逆風になるおそれも秘めています。

売り主の規模について言えば、病院選びと似たようなもので、大きい病院だからいいとは限りません。

これぞという指標はないままだと思います。

「社長の顔が気に入らなかったから」とか、「何となく、嫌な感じがした」ということで、「絶対にダメ」と考えて購入を控えた人がいると聞いています。そうした指標が一番納得できる指標かなと思います。ただ、これは、万人に通用しないのが残念です。
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by gskay | 2006-05-15 22:40 | 反省とまとめ
登場人物の整理
=ヒューザー関連=
『小嶋社長/ヒューザー』
広いマンションを安く供給することを商売としてはじめて実現した人。広くて安いマンションというコンセプトに気付かなかったら、目立たない不動産屋さんのおじさんとしての生活をしていただろうと思う。ちょっと、無理したかも?

安く供給する為に、コストを見直すという当然の努力をしたのは正しい。しかし、そこに不正が入り込む余地があり、偽造計算の温床を作ってしまった。多分、偽造計算によるコストカットは、1棟あたり、最高に高く見積もっても1億円にならない。分譲したら、1戸あたり、300万円をはるかに下回る。おそらく、そのコストカットで、彼が手にした利益はごくわずかに過ぎないが、それに足をすくわれ、事業をたたまざるを得なくなる。「建築確認の無謬性」という錯覚に翻弄された人物のひとり。

偽造への関与がいわれているが、闇の中。その闇に、この人は関係ないかもしれないが、とにかく疑われている。そもそも、その闇自体が空っぽかもしれないが……。

経営を適切に行い、さっさと瑕疵担保責任を果たしていれば、きっと立場は違っていたと思う。今後、ヒューザーは住民への補償のためにのみ存続することになった。この社長が残れるかどうかはわからない。今後は、政界の闇に関わる人物や刑事訴追のターゲットということで世間の注目を浴びるのではないかと思うが、そこは、私にはあまり価値はない。

政治家との癒着を批判されるが、法の隙間の問題を、政治家に頼まなくて誰に頼むのか?資金も、どうやら政治資金として適法なものらしく、文句を言われる筋合いなのか疑問。

広くて安いマンションというコンセプトは、彼と切り離して世の中に広まってほしいと思う。

『うちのマンションに住んでいるヒューザー役員』
瑕疵担保責任を負いながら果たせない会社の役員と、瑕疵担保責任を請求する住民という相反する立場を一度に経験している希有な人物。個人的には、挨拶と、軽いジョークくらいしか話したことはないが、かなり冴えた人。その上、この貴重な体験。一番、この事態から多くを学んでいる人だと思う。

会社での立場など、詳しい事は知らない。変な責任を負わされず、何とかこの事態を乗り切れば、多分、この業界の大立て者になると思う。私に金銭的な余裕があれば、この人に投資したい。

=マンション関係=
『理事会・役員』
理性的でリーダーシップがあり楽天的な理事長を代表に、論理的で冷静な専門家から情熱的な実業家まで選りすぐり。そのまま会社を作ったらいいのではないかという組織。この人たちの能力や努力にはかなわない。私は、能力不足で出る幕はなさそう。一住民として、足を引っ張らないようにしているつもり。

『うちのマンションの住民』
みなルックスが良い。健康そうな体つきで、表情もはつらつとしている。ふるまいも発言も、冷静で余裕がある感じ。こんな状況にもかかわらず、雑談をすると、必ず、ジョークが出て、笑いで締めとなる。

=官公庁関係=
『区』
民間検査機関の見落としが原因とはいえ、このマンションを世に出した責任の一端を担う。そういう意味では、住民と対立する関係という一面がある。しかし、区には、違法建築の取り締まりという任務もある。今回は、取り締まりの任務に忠実に行動が行われている。はじめは、瑕疵担保責任の立替払いということでプランがスタートし、今は、国のスキームに沿って対策が行われている。その対策の主体。今後、解体、建て直しという道を歩む上で、ずっと、お世話にならなくてはならない。私にとっては、仮住まいの大家さん。

『都』
今は、少し遠いところにいる。必ずしも、自治体の足並が揃わない中、バランスが取れた見解を示していると思う。やりすぎてもいないし、足りなくもないと思う。

『国』
行政は、法令の隙間には対応できないし、誤った手続きの問題に対する責任を明言するわけにもいかないしと、態度が煮え切れていないようだが、法令の範囲内で最大限の提案をしてくれている。ただ、支援という位置づけについては、将来的に賠償へと変わっていく可能性のある問題で、とても微妙な関係にある。今後、国会で、様々な議決が行われ、態度が変化して来るような気がする。

『イーホームズ』
ここが、見落としをしなければ、問題は起きなかったと思う。しかし、ここだけでない事はよくわかった。イーホームズに責任を取らせればおしまいに出来る問題ではなさそうだ。

イーホームズは、公表に至る過程でパンドラの箱を開けてしまった。その箱を閉めないように努力しているような気がする。すべてが丸見えになった時の悲劇だけをパンドラの箱に残して、ふたを閉めてしまうという選択肢もあるはずだが、イーホームズの社長はそれをさせないように努力している。すべてが丸見えになると、大変なことになるかもしれないが、私は、今は、イーホームズのやり方を評価している。これまでの判断や主張の全てを妥当であるとは思わないが、問題意識は正しいと思う。

ただ、できれば、もっと大局的にみて、建築確認や検査の問題点について提言して欲しいと思う。その弱点に苦しめられているからこそ、よくわかる部分があると思う。ヒューザーとの責任論争より、将来のシステムの構築に力を注いで欲しい。

親類がイーホームズを高く評価していた。きっと、他に比べ、優れた部分が多かったのだと思う。しかし、それでも、随分と杜撰。ということは……。

いずれにせよ、この問題について立場も意見も違うし、責任を追及させてもらうつもりだが、内心、応援しています。将来、システムの再構築や管理に才能を発揮してくれるような気がしている。

=建築業者=
『木村建設』
逃げ足が早かった。債権の行使について検討中。

『設計会社』
会社名を書くと、物件がわかってしまうので書かない事にする(もう、みんなわかっているだろうが)。ここも、違法な設計をしてしまった張本人であり、責任を追及して行きます。

=その他=
『私』
行きがかり上、とある放送局の番組の取材を受けています。そのうち、テレビに出るかも。

『とある放送局の取材のひと』
「自分」の意見や見方を、「自分の意見や見方だ」と表明し、前面に出せばいいのに。とても、誠実で、面白い人たちです。あまり、この人たちの意見で番組ができているとはいえないようだが、これから頑張って欲しい。放送が、意図や思惑をもって何かに偏るのは感心できないが、「自分」というものを出すのは、誠実なことだと思う。「自分」の視点で、何かを探り当てたることこそ、ジャーナリストの役割。「自分」を消してしまっては、右から左へ情報をつなぐ道具であるか、中立不偏であるふりをする嘘つきの仕業になってしまうのでは?

あまり、「自分」の具体的な方針を教えてはくれないけど、編集の結果は、楽しみにしています。うちにはテレビはないけどね。

追記 06.01.19
修正しました。一文を削除しました。削除した部分は、他のマンション会社に対する良くない印象に与えるような内容で、不適切であると反省したからです。

なお、今後は、文法や誤字の問題などの小さな修正は、明記しませんが、大きな修正については、追記しておくことにします。
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by gskay | 2006-01-18 15:37 | 反省とまとめ
これまでのまとめ/退去勧告以降
12月6日
公的支援:国のスキームが発表される。解体と建て替えにあたり土地代だけで買い取るという方針と、「支援」と「賠償」のすり替えという2点に反発する。そもそも、公的資金の投入に疑問を持ち、民民での解決か、自主建て替えをめざす立場であったが、コメント欄では、公的資金投入促進のブログと見なされ、異様な盛り上がりをみせる。エントリ本文とコメントは関係ない現象が続く。

土地代だけでの買い取りについては、公的に出した建築確認を公的に取り消すことにより私有財産の価値を消滅させる仕組みの問題点と、ひとつの主体が多くの立場をかねることによる恣意的な運用の危険性を訴える。しかし、そんなことはコメント欄では相手にされず、「税金投入反対」と住民バッシングに終始。

その後、建築確認の責任についての議論が、かなり高度に行われた。ここでも、基本的には支援としての公的資金の投入に疑問であるという立場で書いていたつもりであったが、コメントの多くは、それを理解してはくれなかった。

12月13日頃
友達を宿泊させたことを書いたら、コメントで叱られる。コメントされる「耐震基準」や「安全性」の意味が、区や建築関係の人から聞いた話と違うと思う。検査を全棟に徹底的に行って危ない方から対応すべきではないかと意見したり、もっと危ない放置された物件のことを話題にすると、コメント欄が変にヒートアップする。そこが、自治体毎の方針の違いを理解する鍵だと思っていたが、そっちの話題に響く人はほとんどいない。

その中で、コメントから、「ゼロリスク探求症候群」という言葉を習う。自分の本業にかかわる内容だったので、とても興味深く学ぶ。「安全」の観念についてのすれ違いの背景を理解する。さらに、誹謗中傷は、理不尽なものであるから、理性では処理できないと言うことをTBから知る。

12月17日以降
取材についての不満を時々述べる。と同時に、報道の内容についても疑問を述べる。用語の使用が変ではないかと思うようなケースに気付くようになる。

報道の中では、NHKスペシャルで、具体的な検証が行われていて、流布している誤解が打破されたと思ったが、そのNHKスペシャルのインパクトはあまりなかったのか、数日でコメント欄は元通り。今も、基調は変わっていない。

12月20日以降
強制捜査と同じ日に、区からの説明があり、内容を理解する。今後、民民の対応はできないものと最終的にあきらめる。公的資金投入反対という立場は、ここで放棄。瑕疵担保責任等が曖昧になったり、うやむやになるのを恐れる。売り主の瑕疵担保責任の枠組みという民民の対応がいいのではないかと考えていたが、その枠組みが使えない物件が出てきたことも国のスキームが出た問題意識であったのかと思う。

12月28日
転居先が内定する。へ理屈は、おしまい。今後、しばらく、そんな暇はない。自分の体を動かす段階に入る。

その他、時々、いきさつを書いては、叱られたり、馬鹿にされたり。(かなり、反省して勉強したけど)

どうやら、ここは、白状すると、叩かれるらしい。

また、眼についた面白い現象も書く。これは、一部にうけている様子。

  *********

このブログのあり方を心配して下さった方々、励まして下さった方々、本当にありがとうございました。

意見はあわなかったけれど、問題意識を共有してくれた方々にも感謝しています。

事件の発端や思惑、売り主との民事上の関係、行政制度の不備、法令が想定していない事態への公的対応、マンションの適正なあり方、売り主の都合ばかりで買い手に機会が開かれていない保証制度、などなど、様々な問題があることを知りました。それにも増して、報道とか金融とか、あまり問題の表面に上がらない部分の力の凄まじさを思い知らされました。

私が、報道に振り回されているというコメントは、ご指摘の通り!今は、ここに一番、悩んでいるかも。

コメントへのコメントがないと怒るコメントがチラホラ。すでに書いたことと重複することはなるべく書きたくありません。書き方が悪くて変な誤解を与えているような場合や、コメントから生まれた新しいトピックにはなるべくコメントするように努力して来たつもりです。

ところで、ほとんどのコメントがエントリの本文の最初の数行にしか反応していないのは、残念です。特に、その数行の内容を、結論でひっくり返えしているような展開は、全く理解してもらえないということを学びました。言いたい事を伝えられないのは、力不足。スタイルを変更する必要があると思います。でも、書きなぐりに近いブログであるから、なかなか、改善は難しいかも。ネット用の文章力が必要であると思っています。

憤り さん、冷静なコメントをありがとうございました。状況がまとまったと思います。私は、クヨクヨはやめにして、さらに先を目指すことにします。

  *********

さて、このブログの方針を変更します。これまでのコメント欄をなくします。ログインユーザー専用にしました。

トラックバックは、これまで通りです。

エントリ本文という表紙がついたスレッドの役割は減少したと思います。コメントも減少しています。私にとっても、議論の段階は過ぎ、行動の段階に入りました。

ありがたいコメントも多数有るので、このまま残したいところです。

しかし、トラックバックやログインユーザーコメントに、連携と言う積極的なメリットがあることを知りました。それを最大限に活用したいと模索しているところです。どうか、ご協力をお願いいたします。

  *********

よいお年を! 新年も、どうかよろしくお願いいたします。
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by gskay | 2005-12-31 16:10 | 反省とまとめ