カテゴリ:公的対応( 48 )
固定資産税
除却が終了し、建築がはじまています。これにあわせて、固定資産税の減免が終わり、再開されています。現在のところ、建物はないので、土地についてだけです。

使用禁止から除却までは、耐震偽装に伴う違法建築に対する公的な処分で、土地の利用が制限された形になっていました。この制限を理由に、固定資産税が減免されているものだと理解していました。この減免は、公的に行われた経済的な支援にもなっていると思います。

除却が終了した時点で、公的な対応のうちの違法建築に対する処分は終了。やっと、土地の利用について所有者の権利が回復しました。それにとともなって固定資産税も再開したと理解しています。

所有者の権利が回復したところで、建て直しです。所有者としては、放ったらかしでも、売却しても構わないはずですが、公的な対応の一部であるので、建て直しが、事実上の唯一の選択肢です。

私たちは、隣の建物と共同して再開発をすることにしていましたが、その方向で、順調に進んでいます。
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by gskay | 2010-10-21 05:09 | 公的対応
事業仕分け
建て直しの追加費用への融資を、住宅金融支援機構に申し込んでいます。住民への公的な対応の窓口のような役割となっているため、お世話になっています。

その住宅金融支援機構が、政府の行政刷新会議の「事業仕分け第2弾」の対象になっていました。といっても、どうやら、お世話になっている貸付は対象になっていないようでした。

民間の金融機関の使い勝手が向上しているため、一般的には、住宅金融支援機構が必要とは言えない状況だと思います。住宅金融支援機構があることで、住宅取得のための壁が低くなるとか、良質な住宅に手が届きやすくなるという時代は終わっていて、あえて、公的な事業として実施する必要はないと思います。

仕分けの対象になった「高齢者住宅などの建設への融資」は、高齢者対策として総合的に実施されていたら、事情は違っていたかもしれません。残念ながら、住宅建築の現実や、住宅利用の現実から乖離している一方で、新しい方向性も提示することも難しかったのだと思います。高齢者自身への貸付でなかったことも、ニーズを汲み取れていなかったのだと思います。

住宅金融支援機構には、災害などへの融資や、行政上のニーズに基づく融資の必要が残ります。そうしたことへの対応力が高度であるなら、公的な団体として存続する意義があると思います。住宅金融公庫が再編されて、住宅金融支援機構になった時に期待された大きな役割を今後とも担い続けることが期待します。

もし、そこに集中することができなければ、民間金融機関との差が明確でなくなってしまいます。公的な対応の窓口的な役割についても、住宅金融支援機構に限定されているわけではなく、民間金融機関でも差し支えはないことになっているようですが、民間以上の利便性があるようで、機構の利用が多いのではないかと思います。そのアドバンテージを維持できないなら、機構は不要ということになります。

ところで、住宅金融というのは、金融の大きな柱の一つです。その新しい展開を「高齢者住宅などの建設への融資」などの事業で試みているのかもしれませんが、そうした試み自体、もはや、必要なことではないのかもしれません。金融の現場で公的な主体が実行する必要はなく、法律などで制度として定めさえすれば、民間が動き出すことができます。
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by gskay | 2010-04-25 03:39 | 公的対応
マンション再建報道
4月は、我ながら感心するくらいに集中して仕事をこなしました。もともとの職場の仕事です。5月になって長期出張中の現在の職場に戻りました。ようやく調子をとりもどしたところです。

一時復帰中は、まとめて仕事をしなくてはならないため、なかなか仕事以外のことに手がまわらず、更新を放置していました。その間に、耐震偽装で建て替えとなった物件の中で最大規模の物件の建て替えが終わったという報道がありました。

これで、共同化による再開発となって時間がかかっているうちの物件と、問題が複雑な藤沢の物件を除き、一段落したことになります。

「住民の結束強まった」…耐震偽装のマンション再建 社会:ZAKZAK

ヒューザー倒産で住民に負担


 耐震強度偽装事件で強度不足が指摘され、再建中だった東京・江東区の分譲マンション「グランドステージ(GS)住吉」(全67戸)が先月26日完成し、住民たちの手でささやかな式典が行われた。事件発覚から3年半。突然の転居、マンションの解体、二重ローンという経済的な負担に苦しむ住民たちは「夢のようだ」と口をそろえ、ようやく笑顔が戻った。

 「この3年半、周囲から大変苦労したといわれるが、住民同士の結束が強くなり、親戚のように行き来ができるようになった。失うものも大きかったが、得たものの方が大きかった」

 事件発覚当時、マンションの管理組合理事長だった八住庸平氏(44)は式典で感慨深げに語った。

 再建した分譲マンションは11階建て67戸。戸数や間取り、外観などは建て替え前とほぼ同じだが、耐震強度は基準を大幅に超える値に設計。再出発の意味も込めて「リバージュ住吉」に改称した。フランス語で「川沿い」という意味で、住民たちの公募で決まった。

 一連の事件で国の建て替え支援を受けた11の分譲マンションのうち、最も世帯数が多かったのがGS住吉だ。事件発覚当時はマスコミが殺到。突然、絶望のふちに追い込まれた住民は終始、ふさぎがちだった。ローンは残っている、解体で転居を余儀なくされる、わが家に将来戻ることができるか−−不安や窮状を訴える声は絶えなかった。

 追い打ちをかけたのが建て替え費用だった。

 再建したマンションの総事業費約21億円のうち、国などの支援が6億5000万円。残りは住民の追加負担で1戸平均2200万円に上る。「これからはローン地獄。返済は3世代にわたる」と顔を曇らせる住民も。すべては販売業者のヒューザーに負担能力がなく、倒産したためだ。実際、全世帯の1割は再入居せず売却し、ローン返済に充てる。

 それでも「元のわが家に戻ろう」を合言葉に、住民同士がメールなどで連絡を取り合い再建にこぎつけた。苦悩を共有し乗り越えてきた住民間の連帯感も深まった。「(再建マンションは)物理的な構造だけでなく、住民の心の杭によって支えられている」。建替組合の熊木登理事長(50)は式典で住民の心境を代弁した。

 一連の事件を契機に、建築関連法の改正が進んだが、国の建て替え支援対象11棟のうち、まだ2棟は再建していない。

最初に読んだ時には、気がつかなかったのですが、最後の一文の「国の建て替え支援対象」という言葉に違和感を感じています。私は、「支援」というの国の立場に疑問を感じています。

建て替えは、所有者が行うべきものです。その費用は、瑕疵担保責任を根拠に、売り主のヒューザーに請求できるはずでした。仮住まいなどの不都合や不利益についてもヒューザーが負担すべきだったと思います。これは、ヒューザーによる買い戻しも含め、当事者同士の納得の上で行われるはずでした。

しかし、国土交通省の権限による判断で、緊急に退去し除却しなくてはならないという状況に追い込まれました。この判断の妥当性に疑問を感じています。既存不適格物件の性能との比較を念頭に置くと、拙速で歪んだ判断だったと思っています。

もし、緊急に対処する必要がなかったら、売り主との交渉の上で建て替えなり、補修なり、買い戻しが行われたと思います。しかし、国の判断により緊急性が生じたため、悠長なことを言っていられなくなりました。

結局、債権者による申し立てによりヒューザーは破産して整理されることになりましたが、国が、当事者の交渉を尊重するとともに、もっと技術的な合理性のある判断をしていたら、展開は異なっていたと思います。それが望ましいかどうかは別として……。ヒューザーの破産と、国の強引な判断は密接に関わっていたと思います。

昔のエントリ(「揺れるマンション」顛末記 : 国の立場の説明)で触れていますが、この「支援」というのは、法的には苦しいもののようでした。しかし、緊急性、公益性を強調し、既存の制度を活用しているという位置付けにすることで決着し、今日に至っています。

建築確認の誤りへの責任や、国土交通省の拙速な判断への配慮なしに、単純に「国の建て替え支援」と位置付けるのは妥当ではありません。その上、この「支援」は、国が主体になっているわけではなく、自治体が主体です。建て替え相当とされた物件を補修で対応するというような判断ができたのは、自治体が主体だったからです。

「国の建て替え支援」という表現は、「国」の無謬性や権威に対して無批判で無邪気な信頼があると感じます。しかし、私は、そのような信頼を「国」に寄せることができるような「国」ではないと思っています。

ところで、3年以上もたてば、状況が変わる住民は少なくないと思います。「1割は再入居せず」とのことですが、資金面の問題もあると思いますが、転勤などで、そこに住むのが適当でないという人もいると思います。

我が家も、状況が変化した家庭の一つかも知れません。しかし、耐震偽装に巻き込まれていることが引っかかっていて、選択肢を自ずと制限してしまっています。状況の変化への対応としては不徹底だと感じる部分もあって不満ですが、それは仕方がないこととあきらめ、再開発が完了するのを楽しみにしています。
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by gskay | 2009-05-27 14:03 | 公的対応
基準のあてはめかた
同じ基準を当てはめるにしても、建物を作るプロセスにあてはめるやりかたと、出来てしまっている建物にあてはめるやりかたが、同じである必要はなかったと思います。基準の当てはめ方に無理があったために、耐震偽装の発覚後の対応がギクシャクしたのだと思います。法が想定していない出来事に対し、拙速に過剰に対応し、損害を増やしました。

一方で、そのことについては、一向に反省がされておらず、法の改正でも、全く配慮されませんでした。改正後の法律は、建物を作るプロセスでの手続きを煩雑にし、負担を増やしただけで、安全や安心には寄与していません。すでに出来てしまっている建物への対応方針は、想定外のままです。

ところで、欠陥住宅問題の中で、耐震偽装のユニークな点は、建物の欠陥による「実害」が出ていない事です。多くの欠陥住宅は、実害が出ているにもかかわらず、適切に対応されていないことが問題です。これに対し、耐震偽装では、通常の生活には不都合はありませんが、「違法」ということで、過剰な対応が行われ、その対応が損害を生んでいます。

地震での倒壊の「可能性」だけでは、実害ではありません。倒壊しないというシュミレーションが示されていないということであって、倒壊して実害をもたらすかどうかは別の問題です。「違法」という問題はあっても、まだ実害は生まれておらず、損害という実害が生まれたのは、公的な判断や処分、手続きがなされてからです。

これは、とても特殊な出来事だったと思います。災害が発生してからでは遅いとはいえ、それが損害の発生の免罪符にはならないと思います。他にも対応の方法があったからです。

今でも、あの時、特定行政庁は使用禁止命令を出さない判断ができたのではないかと思っています。既存不適格と同等に扱っても良かったのではないかと、ずっと考えています。

使用禁止の処分は、耐震強度が足りない既存不適格の古い建物と比べたときに不公平で、使用禁止命令がでた耐震偽装の建物からみても、古い建物からみても、不満が出る対応です。

使用禁止命令が出てしまってからの手続きについては、どのマンションも処分に不服を申し立ててはいないと思うので、適切だとは思います。ただ、もし、倒壊しないというシュミレーションを出して、耐震強度の計算値を適法な水準にすることができれば、使用禁止命令をくつがえすこともできたと思います。しかし、当時は、もっと低い数値を算出してしまって、あわてていたのがほとんどではないかと思います。数値の技術的な評価について誤解していたように思います。

うちのマンションでは、区からの使用禁止命令は異なる意義を求めて出されたと説明されているので、これには納得しています。しかし、他の物件では、そうではなかったと思います。なぜ、あの時、あのような過剰な処分や対応が考えられ、受け入れられたのか、よくわかりません。それが、今は改まっているかといえば、それも疑問です。

出来てしまっている建物に、建築基準法への違反が発覚した場合、その違反の原因を作った関係者の処罰は厳格に例外無く行うべきだと思います。

しかし、出来てしまっている建物については、通常の使用で危険があるわけではないなら、不適格ではあるものの、適切な是正方法を模索する余地が必要だったと思います。

存在してはいけない建物で、存在が望ましくない建物かもしれませんが、すでに存在してしまっているという点を重視して考えるべきだったと思います。その建物が出現する経緯には、公的な建築確認や検査が行われていたという事実も無視してはいけないと思います。

既存不適格とみなされるケースなら、不適格となった経緯はともかく、耐震強度がいくら低くても、それだけで使用禁止命令が下されるようなことはないと思われます。公共的な建物でさえ、耐震強度が低いまま使われていることが少なくありません。そのような事情を考えて現実的な対応を考えていたなら、全く異なる対応があったと思います。

不安をあおるような言説がまかり通っていたことが背景にあり、冷静に反省したところで、無意味かもしれません。しかし、その後の法律の改正においても、基準の意味を改めて問い直すようなことはありませんでした。

基準の適用の方法次第では、損害が生まれてしまうという状況を想定していなかったことを反省し、その対応を法律の改正では盛り込むべきだったのではないかと、今になって、残念に感じます。

今は、金融危機によってかすんでしまっていますが、もう1年以上も、我が国の建築は、法改正でもたらされた不適切なシステムによる停滞が続いています。抜本的には、何も前進していないと思います。

一方で、不安をあおるような言説がまかり通る風潮も変わってはいないように思います。法律改正は、そこに一石を投ずるチャンスでもありました。

ものの見方を根本的に変えることができるような機会を逃してしまっていたことを残念に感じています。
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by gskay | 2008-10-11 00:00 | 公的対応
構造計算書偽装問題対策連絡協議会
国土交通省のサイトに、『構造計算書偽装問題とその対応について』というページがあります。耐震偽装が発覚して以来、構造計算書偽装問題対策連絡協議会が行われ、その概要がアップされています。

『構造計算書偽装問題対策連絡協議会(第41回)議事概要』によると、「今後の開催は、定期開催から随時開催に変更し、開催時のテーマ・内容に応じ、関係する特定行政庁等に参加を求めることとした。」とのこと。

2年が経過し、建て替えが必要だとされたヒューザー物件については、全ての物件で、一応の方向性が打ち出されました。そうした時期にあわせて、体制を見直したのだと思います。

改修が必要とされた物件や、ヒューザー以外の物件、姉歯以外の問題については、まだまだ調整が進められている段階にとどまっているところも少なくありません。しかし、もはや、全ての関係者を定期的に集めて会議を行う時期は過ぎたのだと思います。

この会議は、問題の後始末の実務を担当する会議だったように思います。踏み込んだ調査も行われました。それを建築行政や建築の制度や仕組みに活かすのは、これからの課題です。これまでの建築基準法の改正などについては、ここでの実務の反省が反映されているとは思えません。(時期的にも、無理ですが……)

また、今後、同様の後始末が必要な問題が発生した場合の前例になるような会議だったと思います。そういう観点から、何が適切で、何が不適切であったのかを、反省しておく必要もあると思います。
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by gskay | 2007-12-10 14:01 | 公的対応
解体費用の負担(2)
一般紙の報道では、はっきりとしない点が多かったと思います。

【構造計算書偽造】藤沢・姉歯マンションの解体費用、ヒューザー側に支払い命令|ケンプラッツ


2007/12/04

 構造計算書が偽造されていた分譲マンション「グランドステージ藤沢」(以下、GS藤沢)の解体工事に当たった神奈川県藤沢市が、販売会社であるヒューザー(破産手続き中)の破産管財人を相手取り、解体費用約3億200万円の返還を求めた訴訟で、東京地方裁判所は11月27日、約1億3200万円の支払いを命じた。

 GS藤沢は、ヒューザーが2005年9月、藤沢市内に建設したものだ。同年11月に、姉歯秀次一級建築士(当時)による構造計算書の偽造が発覚し、保有水平耐力比の最小値が0.15で、危険性が高いことが判明していた。

 藤沢市は、GS藤沢の解体費用のうち、ヒューザーが所有する13戸分(約1430m2)について、費用償還請求権に基づいて約1億3200万円の支払いを求めていた。さらに、市が解体したことで、ヒューザー側はその他の区分所有権者らに対して負担すべき瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求債務を免れたと主張。不当利得返還請求権に基づいて、約1億7000万円の支払いも求めていた。

 これに対してヒューザー側は、GS藤沢は、藤沢市が「市の事業」として、市の費用負担を前提に解体したものであり、解体費用の負担について協議もしていないといった理由から、ヒューザー側が解体費用を負担する理由はないと反論した。また、市が解体したことで、ヒューザー側が区分所有権者らに対する損害賠償義務を免れたとはいえないなどとして、不当利得返還請求権についても認めていなかった。

 東京地裁は、藤沢市がGS藤沢の周辺住民に対し、倒壊による被害から守る直接的な法的義務を負うわけではなく、GS藤沢の解体が市の費用負担を前提にした「市の事業」とは言えないとの見解を示した。一方で、「解体費用の負担について協議もしておらず、合意も成立していない」というヒューザー側の主張は認めたが、GS藤沢の保有水平耐力比の最低値が0.15と極めて低く、一刻も早い解体が求められていたので、費用負担の合意が成立する前に藤沢市が解体したことも十分に考えられると判断。ヒューザーが所有する部分の解体義務はヒューザー側が負っており、専有面積に応じた解体費用の負担は免れないとして、市の費用償還請求権を認めた。

 なお、ヒューザー以外の区分所有権者らに対して、藤沢市は解体費用相当額を償還請求できるので、その分の損失を被ったとはいえないとして、市の主張する不当利得返還請求権については認めなかった。

要している字数が全く異なっているので、先日のエントリで引用した一般紙とは比較することはできないと思います。

それでも、一般紙の報道は、少々お粗末だったのではないかと思います。省略しすぎて、実際の出来事との距離がありすぎるように思います。

ところで、どうやら、解体費用の協議については、事前に充分な検討をしていなかったようです。公的な権限で実施されたものだと思いますが、「一刻も早い解体」の必要性については、裁判所も困っているようです。「倒壊による被害から守る直接的な法的義務を負うわけではなく」というのは、これは、所有者の責任を指摘しているのだと思います。

耐震性能の評価に関して真剣に検討するなら、技術的にも、学術的にも議論の余地のある問題です。違法であることには間違いはないものの、その数値を根拠に「一刻も早い解体」が必要だと判断したことが妥当であるとは断定できないと思います。

本来、「一刻も早い解体」は、今にも崩れ落ちそうな建物を対象にして行われるべき措置だと思います。その措置を、耐震性能の違法に適用して良いかどうかについても何ともいえないと思います。既存不適格などの理由によって問題視されずに済んでいる建物で、同じ程度の性能の建物があったなら、このような措置を講ずるのでしょうか?

事前通知があり、異議を申し立てることができるので、民事上は一方的な措置ではありません。とは言うものの,拙速な措置であった可能性があり、反省の余地は大きいと思います。

関連する手続きなど、可能な限りガラス張りにし、周知して欲しいと思います。そうでなければ、古いマンションの耐震診断などについて、尻込みする人が増えてもおかしくない程の激しい措置でした。もし、低い数値が出たら、安全に関する不安だけでなく、行政による処分にもおびえなくては行けないということになりかねません。
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by gskay | 2007-12-06 14:12 | 公的対応
使用禁止命令解除
横浜の物件は、もっとも先行して使用禁止命令が出た物件のひとつでした。Qu/Qunが0.5以下の建て替え相当ということでしたが、補修で対応。これは、国のスキームとは大幅に異なる方針でした。

建築についての公的な対応の主体は、特定行政庁をおく自治体です。国が何と言おうと実現できるのであれば、それでいいのだと思います。当初は、この物件の対応が、あまりに他と異なるため、足並みが乱れることを恐れました。

しかし、結局、足並みが揃うことなどなく、それぞれの物件は、それぞれの対応になってしまい、どれ一つ国のスキーム通りのものはありません。ただ、国のスキームが最低限のラインを示していたからこそ、それぞれが独自の方針を打ち出すことができたという側面があり、評価すべきところは評価すべきではないかと考えています。

使用禁止命令、初の解除=姉歯事件の耐震偽装マンション−横浜(時事通信) - Yahoo!ニュース


11月22日18時1分配信 時事通信

 横浜市は22日、姉歯秀次元一級建築士による耐震強度偽装が発覚した横浜市鶴見区のマンション「コンアルマーディオ横濱鶴見」の耐震補強工事が完了したことを受け、約2年ぶりに同マンションに対する使用禁止命令を解除した。耐震強度は0.41から、震度7の大地震でも倒壊しないとされる1.1以上に回復した。
 一連の事件では、東京と神奈川の計12物件に使用禁止命令が出されていたが、解除されたのは同マンションが初めて。
 同マンションは10階建てで、18世帯が26日から再入居する予定。今年3月から外壁にコンクリート製の柱や梁(はり)を取り付ける補強工事が行われていた。総工事費は2億7000万円。1世帯当たりの負担額は約1000万円だった。

使用禁止命令の解除という手続きが行われる可能性があるのは、この物件だけかもしれません。他は、建て替えられて新築になってしまうからです。

強いて言うなら、藤沢の物件は高層階を除却することで、建築基準法をみたす建物になっているとのことで、使用禁止命令を解除できる可能性があるのかもしれませんが、そんなことになったら、ますます問題が混乱するのではないかと思います。

藤沢については、ヒューザーが所有する売れ残りの部分があったはずです。その権利を含め、所有権がどのように変換されているのかが気になります。中途半端に残された建物は、もはや違法建築でないだけに、違法を理由に除却することが妥当とは言い難い状況です。

もともと、違法で建て替え相当だから「価値はゼロ」という話が、国のスキームの前提として、少なくともメディアでは流れました。国土交通省の真意はわかりません。少なくとも、これは暴論だったと思います。横浜のケースが、その暴論を覆してくれました。加えて、藤沢のような複雑な事例が出ています。

評価すべきところがあることは認めますが、騒動の初期の国土交通省の対応は、拙速であったといわざるをえないと思います。

民法は、不動産関係のトラブルを想定したような条文がたくさんあります。国土交通省は、技術的な能力に疑問がつくだけでなく、権利のような法の根幹についての配慮も充分でなかったということになると思います。

建築基準法改正の準備不足や景気への影響も加えて考えると、かなり深刻な「病状」を抱えているように思えます。その自覚があるのかどうか心配です。国民も、その深刻な事態を見過ごしてしまっていいとは言えない状況です。
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by gskay | 2007-11-23 10:48 | 公的対応
補助金調整
ヒューザーからの配当が出るということで、公的対応の補助金が減額されるという話が昨年9月にありました。その後、いつ、どのように正式に決まったのかわかりませんが、区が新たに試算したマンション再建に関わる個人負担では、その補助金の調整が計算されていました。住民の集会で、区と折衝を重ねている役員さんから伝えられました。

区の方針というより、国土交通省の方針のようです。

国土交通省は、いろいろなことを、行き当たりばったり(臨機応変?)に決めてくれますが、いつも、その説明は区です。行き当たりばったりであるだけでなく、中途半端な発表をしたかと思えば、その後は、こっそり。そして、区任せ。

確かに、対応の主体は、区です。しかし、調整や企画にリーダーシップを発揮しているつもりなら、もっとしっかりとして欲しいと思います。

私にとって、調整や企画を行い、リーダーシップをとっているはずの国土交通省はとても遠い存在で、存在感は薄く、責任がはっきりしないと感じています。このことを、残念なことだと感じています。

実際の業務の主体は、区で良いと思います。そうあるべきだと思います。しかし、この問題に対応する上で、調整や企画はとても重要です。そう思っているにもかかわらず、そこが掴みどころがない存在になってしまっています。このため、国土交通省というところは、何となく信頼を寄せ難いと感じています。

ところで、補助金調整は、建替え事業の資金計画に大きく影響する問題であるので、反発があってもおかしくないと思います。

うちのマンションの場合、資金についてつめることと、周辺への配慮を重視しており、現在も計画の作業が進められている段階にとどまっているため、柔軟に対応できます。しかし、速やかな再建を重視し、すでに踏み出しているところでは、思わぬ資金計画の変更を余儀なくされるところもあろうかと心配します。

その決定については、私自身は、覚悟していたことであるし、不当な措置ではないと思っています。しかし、その伝えられ方が、何とも……。国土交通省のいつものことなのですが……。

マスコミの断片的な報道と、国土交通省のサイトが、国土交通省の動向についての入手元です。決して、満足できるものではありませんが、区が毅然としていてくれるので、イライラせずに済んでいます。
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by gskay | 2007-03-07 09:56 | 公的対応
ヒューザーの破産に関わる裁判
約1週間前の記事です。藤沢の場合、てっきり、和解が済んでいて、取り壊しに進んでいるものと思っていました。

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <耐震偽装>GS藤沢解体費の返却求め提訴へ 市が管財人に


2月9日20時25分配信 毎日新聞

 耐震データ偽造事件で、神奈川県藤沢市は9日、同市内の分譲マンション「グランドステージ藤沢」の解体費用約1億5500万円を支払うよう、販売主・ヒューザーの破産管財人に求める訴訟を東京地裁に起こすと発表した。16日からの市議会で提訴の議案が可決されれば、3月中にも訴訟を起こす。

引用の記事では、「約1億5500万円」の位置付けがわかりません。

売れ残っていてヒューザーの所有になっている部屋があったはずであり、その分の費用を、公的な対応に含めるかどうかと言う問題なのかも知れません。公的な対応は、住民に対する措置であり、区分所有者という立場は同じでも、売り主には適用されないということなのかと想像しています。

もし、債権が認められた場合の配当のされ方は、他の債権者と同様になると思います。しかし、認める判決が出るとは限らないように思います。また、認められても、その額が難しい問題になりそうです。藤沢市は、特定行政庁として建築に関わっており、その責任と、取り壊しの費用負担とで、ヒューザー側との和解が行われているのではないかと私は思っていました。

公的な対応とは、別の次元の話ではないかと想像しています。
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by gskay | 2007-02-17 00:28 | 公的対応
ヒューザーからの配当と公的対応
もともと国土交通省は、ヒューザーの経営状況は考慮せずに、公的な対応を始動させたと言っていました。(支援の決定過程)ヒューザーが破産するかどうかと公的な対応が連動していないというのが前提で、公的機関が、対応へ支出する費用はヒューザーへ請求することになっていました。

ところが、ヒューザーは、住民による申し立てにより破産の手続きが始まってしまいました。そして、公的機関も公的対応の費用を破産債権として届出ています。うちの区の場合、住民の債権との関係を検討し、弁済による代位によって請求しています。そうした手続きが不徹底であった自治体もあるようで、大方の自治体の債権は管財人により認められませんでした。

住民については、ヒューザーから20%を見込む配当があり、その一方で、公的機関の債権の多くが認められていないことから、公的な対応による補助金を20%減額するという方針を国土交通省が打ち出しています。公的対応の主体は、各自治体であるので、その方針が貫かれるかどうかわかりませんが、一律に減額するより、支出の中身を細かく検討することが大事ではないかと思います。

そもそも、ヒューザーが生き残っていれば、住民の追加負担はゼロのはずでした。ヒューザーが生き残れなくなった条件の一つに、住民への公的な対応が事実上強制的に始動してしまったことがあります。

もし、非ヒューザー物件である最初の姉歯物件と同じように対応することが許されたならば、公的な対応のほとんどは必要がなかったものではないかとさえ思われます。

また、まさか、20%という大きな配当が出るとは予想せず、ヒューザーの資産はゼロになるのではないかと予想されていたのではないかと思います。ゼロを前提にしていたので、当局は驚いてしまったのではないかと思います。

住民からの破産の申し立てを止めることもできたはずです。私は積極的ではなかったものの、結局賛同しているので、偉そうなことは言えませんが……。

破産管財人が優秀すぎたのかもしれません。その分、行政の裁量で始動した公的な対応のお粗末な部分が明らかになってしまったように思われます。

公的な対応の始動の時点でヒューザーの実力と、なすべき対応の正体を正しく見極めていたなら、ヒューザーを生き残らせておいた方が費用の面では賢明であったかもしれません。当局の担当者がパニックになって支離滅裂な判断をせず、科学的で合理的な安全や安心への評価を冷静に検証していれば、このような不可解な資金の心配はしないで済んだのではないかと思われ、悔やまれます。まあ、日本で最優秀な頭脳であってもこの程度なのですから、仕方がないのでしょうが……。それに、一部の専門家や、マスコミも同調したわけだし……。

少なくとも、この公的な対応については、非ヒューザー物件である最初の姉歯物件の対応との公平性を欠いています。また、元々、既存不適格などの物件を放置しておきながら、安全や安心についての判断も素朴すぎます。将来の教訓となる経験として活かすというのは、このままでは難しく、汚点となってしまうのかと思うと残念です。猛省し、今からでも方向を修正してもよいのではないかと思いますが、もはや、忘れたいのでしょうか?

いちいち、公的な対応は、裏目裏目に出ていますが、全く意義がなかったともいえないと思います。

住民への対処が不適切と判断された場合、業者は退場させられることが明らかになりました。ただ、どういう対処が適切であるかという肝心の問題が不明のままですが……。これは、前提や根拠、内容や負担の妥当性さえ論じなければ、少なくとも、耐震偽装については、退去や建て替えの推進に繋がったと評価することができると思います。

さらに、実際の主体は、国土交通省ではなく、自治体であるということが明らかになりました。自治体毎に、独自の判断や対応が行われ、かつ、それが貫かれるという土壌ができました。もちろん、個々の自治体の判断に対し賛否が出るとは思いますが、国の一元的な支配が、かなり後退したことになります。これは、中央から地方への分権の流れにとって大きな意味を持つと思います。

20%の減額についての問題は、これも、自治体毎の独自性を考慮した上での対応になるのではないかと思っています。
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by gskay | 2006-12-01 12:21 | 公的対応