カテゴリ:損害と回復( 79 )
木村建設破産管財人の意見書
木村建設破産管財人は、マンション購入者の破産債権を認めていません。そこで、東京地方裁判所に破産債権査定申立を行いました。この申立は、マンションによっては全住民が行っているところもあるという話もききますが、うちは、各自の判断です。私は申立の手続きを行いました。

その申立に対し、破産管財人側からの意見書が出され、郵送されて来ました。約2週間前のことです。弁護士5人の名前が記されているもので、破産債権を認めないという意見書です。

私の方は、建設業を営むものに違法建築を作ることが許されるわけもないのに、違法建築が作られたのだから、作った木村建設には責任があると主張しています。

これに対し、管財人側は、いくつかの点から反論しています。まず、木村建設が偽装には関わっていないという点をあげています。

次に、設計を行う建築士は適法な設計を行わなければならず、また、建築確認は審査によって適法であることを確認しなくてはならない点をあげ、木村建設のような施工の業者が行う工事は、建築士の適法な設計と、建築確認による適法の確認を前提に、設計図書通りの工事をする義務があると主張しています。

この部分が議論のポイントです。管財人側は、法制度は、設計図書通りの工事を要求するのであって、適法であるかどうかをチェックすることは要求されていないと主張しています。

また、建築にあたり、偽装を発見できないままに工事した点について、いかなる過失があったかを明確にせよと要求しています。

さらに、国土交通省による指定確認検査機関の処分に差異があったことを取り上げて、過失は事案毎に異なると主張しています。

私は、建築に関わる全ての関係者が、適法な建築を作る義務を負っていると考えています。関わる業者それぞれが、違法建築に責任を負うと考えます。もし、責任の分担が法に明記されているのであれば、それに従うべきです。しかし、そこが明確ではありません。違法な設計図書を知らずに用いたのだとしても、違法建築を作ってしまったことには責任があると考えています。

ということで、過失を具体的に明らかにすべきという争点は、必要ないと考えています。そこを争う気は、私にはありません。

適法な設計図書で、違法建築をしたのなら、建築業者の責任は明白と思われます。しかし、違法な設計図書通りに工事した場合の責任は、明記されてはいないと思います。法の不備な部分です。

なお、国土交通省による行政処分の差異は、過失の差異に基づくという主張には疑問があります。行政処分の差異については根拠(指定確認検査機関の処分の基準、建築基準適合判定資格者の処分の基準及び登録住宅性能評価機関の処分の基準について)が示されているもののの、それが過失の差を直接的に意味するとは思えません。

確認制度が不備で、あらゆる建築主事も検査機関も全滅であったというのが実態です。別の意図によるものではないかとさえ思われます。行政処分(指定確認検査機関及び登録住宅性能評価機関の処分について)を参考にした議論には、納得できません。

さて、今後については、徹底的に争うべきか、あきらめるかを判断しなくてはなりません。あきらめる根拠としては、配当の原資となる資産の大きさがあります。主張が認められても配当が少ないのなら、負担ばかりで無駄です。弁護士に依頼してまで頑張る見返りはないと思います。

一方、法の不備を問う闘いというのは、意義があることかもしれません。しかし、裁判所が下す判断が、どのようなものになるにせよ、立法によって是正されるべき問題だと思います。ここで長く争うより、とっとと国会で議論した方がいいと思います。

ところで、意見書に微妙に誤字を見つけてしまいました。私も、誤字や脱字に関しては、人のことは言えないので、お互い様です。

意見書を受け取ったことを認める書類を記入し、裁判所と破産管財人にファックスしました。
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by gskay | 2007-01-31 10:27 | 損害と回復
建物価格
区より建物価格認定証というものが、先月下旬に届いています。所得税の確定申告の時に、雑損控除の修正申告に用いるものです。

建物価格は、「消費税額」、「鑑定評価」、「固定資産評価」の3種類から算出され、最大の価格が建物価格として認定されました。

結局、「固定資産評価」が最大で、「鑑定評価」がやや低く、昨年申告した「消費税額」が、圧倒的に小さいことがわかりました。

書類は、ヒューザーからの配当とあわせ、所得税の確定申告に用いることになる見込みです。

ところで、ヒューザーの破産債権については、「消費税額」が用いられました。もし、今回と同様な方法を用いれば、債権額は増えたかもしれません。しかし、配当は、大して差はなかっただろうと想像します。他の人の債権額も増えますが、原資が変わらないからです。
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by gskay | 2007-01-13 07:12 | 損害と回復
中間配当の振り込み
ヒューザーの破産管財人から中間配当が振り込まれていました。認められた債権の15%です。さらに今後約5%が加わって、約20%になるというのが、現時点の見通しとされています。

振り込みが行われているということは、たまたま銀行で引き出しをした時の残高から知りました。記帳をしていないので、いつ振り込まれたのかまではわかりませんでした。近々、確認しようと思っています。

振り込みがいつ行われるかということについては、ヒューザーの破産管財人からは具体的な通知はありませんでした。破産管財人側の準備が出来たところから順次振り込みを行っていくというのが一般的なやり方だそうで、債権者に対する通知は特に行わないそうです。12月の頭ころに振り込むという話でしたが、その通りの振り込みを受けました。

今後、ヒューザーが起こしている裁判次第では、さらに資産が増える可能性がないわけではありません。しかし、現実的には、20%という線で一段落なのだろうと思います。
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by gskay | 2006-12-07 23:01 | 損害と回復
雑損の更正(2)
都税事務所の固定資産としての評価は、すでに定まっているものと思われます。気になるのは、新たに行われる国土交通省が主導する鑑定です。どうやら、実務は特定行政庁である区が担当するようです。

区から連絡がありました。すでにマンション購入時の契約書は、公的な対応の開始時に、コピーを提出しています。それに加えて、オプションや、設計変更などの、建物に要した費用の内訳がわかる書類を提出せよとのこと。

これまで、ヒューザーへ破産債権として届出たりしていますが、ほとんど考慮されたことはありません。今回、契約以外の部分がはじめて本格的に評価されるような気がします。実質的には、大きな意味はないのかもしれませんが、少し不満がおさまります。もし、これが、権利の変換などに少しでも反映するとうれしいと思います。

今後、躯体のみを販売し、内装は購入者がするというような方式が発展するかもしれません。そのとき、もしトラブルがあると、購入者が施した内装などは評価されない可能性がありました。そうした懸念が、少し解消されるような気がします。

デベロッパーが内装までパッケージにして価格を決めるというやり方も、将来的には変更されていくものではないかと思います。ヒューザーは、リフォームが前提になるような売り方をしていました。かなりの部屋が設計変更などを行っていました。そういう意味でも、あまりモデルルームに意味がない売り方をしていたように思います。
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by gskay | 2006-12-05 01:07 | 損害と回復
雑損の更正
間もなく、ヒューザーからの中間配当が振り込まれることになっています。物件によっては、管理組合が受け取るところもあるようですが、私の物件では、各自が受け取ることになっています。

名義が共有になっていると、手続きが面倒になるようです。私の場合、家内と共有にはなっていないので、面倒はありませんでした。家内も、それなりの収入があるので共有でも良かったのですが、銀行が面倒くさかったのか、私名義をすすめました。司法書士さんも同じでした。ということで、共有名義になっていません。

ところで、雑損のもとになる建物の価値について再検討が行われてきました。去る3月の所得税の確定申告で計上した雑損について、更正は次の3月までに行わなくてはならないとのことです。配当があったので、その分を減らさなくてはなりませんが、その前に、雑損の額を確定しなくてはなりません。

去る3月の時点では、取得時の消費税をもとに建物価格を算出しています。しかし、私たちにとっての損失である建物の価値の評価の方法は、それ以外にもあるようです。

都税事務所による固定資産としての評価の他、国土交通省が実施している鑑定による評価があります。それらを全て勘案し、もっとも有利な方法で雑損を更正することになるようです。
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by gskay | 2006-11-28 23:59 | 損害と回復
木村建設についての破産債権の査定の申立書
建築確認済みの適法な設計図によって施工した以上、不法行為はないというのが、木村建設破産管財人の判断です。施工上の欠陥が明らかになっているわけではなく、もし、建築確認にそれだけの権威があるのなら妥当な判断かもしれないと考えました。

私をふくめ、住民から届出された破産債権はすべて破産管財人による異議がなされてゼロでした。この異議をうけ、次は、裁判所に査定を申し立てるか否かの判断です。

マンション全体で足並を揃えて申し立てているところもあるようですが、うちのマンションでは、各自が自身で判断することになりました。私は、申し立てを行いました。

建築確認の意義が高く、間違った建築確認であっても施工業者は従うべきであり、それは違法建築ができないようにする注意よりも大切だというなら、査定でもゼロでしょう。その場合、さらに裁判で争うかどうかを考えることになります。

一方、建設業者が努めなくてはならない施工技術の確保に、違法建築を作らないという注意が含まれているとするなら、査定結果が変わる可能性があると考えています。

建築確認済みであるということが、建設会社が違法建築をしたことを免責するかどうかという点が問題だと考えています。

そんな責任関係さえ、定まっていません。そうした土台になる部分に手をつけずに、ピアチェックの心配をしていることに疑問を感じています。司法の場で、判例を積み上げていくしかないのかもしれません。

査定の申し立ては難しくありませんでした。破産債権届出のときの資料に異議通知を追加して、異議に対する反論を書いて提出しました。結果については、期待はできないと考えています。今後、裁判までするかどうかは、情勢を見極めなくてはなりません。

ところで、木村建設破産管財人が回収したのは10億円。すでに認められた破産債権は65億円で、住民からの150億円が全額否認されている状況です。現時点でも配当率は約15%。住民の債権が認められるとさらに低下します。ただ、今後、40億円のメインバンクに対する訴訟次第では、資産が増えるかもしれないという状況とのこと。

査定がゼロの場合、裁判で争うかどうかを決断するのは、とても難しいことになりそうです。裁判となると、費用を含めた負担は、これまでの手続きとは比較にならなくなり、それに見合うかどうかを考えなくてはなりません。

損害の回収ができるなら取り組んでもいいと思っていますが、負けを覚悟で法律の不備の穴をうめる判例を積み重ねるだけの裁判を戦って、挙げ句に自らが負担を負う気にはなりません。
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by gskay | 2006-11-15 15:33 | 損害と回復
木村建設への届出債権
引用した記事は古くなりましたが、この記事の内容については、木村建設管財人から10月25日付の通知を郵便で受け取りました。

木村建設管財人、マンション住民の債権認めず 耐震偽装

2006年10月18日20時43分
 耐震強度偽装事件にからみ、破産手続き中の木村建設の債権者集会が18日、東京地裁であり、破産管財人の加々美博久弁護士は、偽装被害を受けたマンション11棟の住民が届け出た債権を全額認めない方針を示した。一部マンションの住民はこれを不服とし、近く査定を申し立てる。

 管財人は「木村建設やヒューザーが主導した偽装はなかった」という国土交通省の調査結果を示すとともに、建設会社は設計図通り施工する義務があり、偽装に気づかなくても直ちに過失とは言えないと説明。住民側の提出書類からも不法行為は認められないとした。

うちの場合、施工の欠陥が明らかにされている訳ではありません。建築確認されている設計通りの施工にすぎず、その後の検査にも合格しています。違法建築を作ったという責任が施工にあるかという点については、管財人の対場からは否定する判断が下されました。

施工に違法建築の責任がないと裁判で決定された訳ではないので、異議があるなら査定の申し立てなどが必要です。その場合、建築確認されているからと言って違法な設計によって建築を進めて良いのか、あるいは、完成後の検査に合格しているから適法な施工であったと言えるのかという観点から争う事になるのかと思います。

ただ、そのようなことに力を傾けるべきかは疑問です。どうみても明らかな欠陥工事があったとしても、施工の責任を問うのは困難であるという現状があります。明らかな欠陥によって不都合が生じ、実際の居住に苦しんでいる人たちさえ救われない仕組みしかありません。責任を問おうにも、その責任が曖昧でどうしようもありません。

まして、住むだけだったら別に困っていなかったのに、「違法建築」と言うことで巻き込まれてしまった我々の場合、木村建設にどんな責任を問えばいいのか難しい問題です。

とりあえず、検査によって適法とされている限り、施工の責任を問う事はできないというのが、管財人の考えの基にあるように思います。裏返すと、適法でない建物を施工者が作ってしまっても、検査に合格すれば良いという発想があるように思われます。
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by gskay | 2006-10-30 23:15 | 損害と回復
銀行の担当者の交替
私のローンについて、金利減免等の手続きをしてくれた担当の方が移動になるそうです。電話があり、新しい担当の方を紹介されました。この銀行では、この問題に対するチームがあって、新しい担当の方も、当初からこの問題を担当しておられたそうです。

現在、金利の減免により、家賃の自己負担分くらいのローン支払いが軽減されています。そういう点では、大きく家計が影響されてはいません。しばらくは、このまま進むのかもしれませんが、ヒューザーからの中間配当のあたりで、公的な対応についても、金融機関の対応も、一旦整理してみたほうがいいような気がします。

金融機関については、次は、建て替えにあたって担保をどのように処理するかという問題に進みます。除却することになった場合、建物への担保について整理しなくてはなりません。新たに組合などが作られる場合、土地についても複雑な処理が必要になるかもしれません。

さらに、追加の融資についての相談も必要になります。今のローンとの関係や、公的な機関からの融資との関係を整理しなくてはなりません。担保の問題より、返済が滞らないことの方が重視されているようなので、こじれる可能性は少ないものと期待しています。
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by gskay | 2006-10-16 10:08 | 損害と回復
ヒューザーの中間配当に向けて
ヒューザーの破産債権について、中間配当に向けた手続きが進んでいます。9月13日には、報道でも取り上げられた債権者への財産状況報告集会が開かれました。代理人を立てているマンションでは代理人が対応し、住民の代表が対応することになっているマンションでは、その代表が対応しました。

そうした状況の進展に合わせて、代表によるヒューザーの債権者集会の報告や、区による自治体の債権についての取り扱いの説明のため、住民集会/管理組合総会が開かれました。

あいにく、出席できませんでした。家内も私も、どうにも日程の調整がつかず、はじめての欠席です(遅刻は、何度もしたけど……)。幸い、協力体制はバッチリなので、会議の内容等はすぐに教えてもらえました。取り残されてしまうのではないかという不安は全く感じませんでした。

その会議で、住民の代表から各戸のヒューザーの破産債権配当予定額の明細が出されたそうです。うちの分は、近くに仮住まいしている方が預かっていてくれて、先日、受け取りました。

認められた金額は、事前に示されていた方針通りでした。特に不満はないので、異議を申し立てたりしないつもりです。もし、異議を唱える場合、10月12日までに破産管財人に申し出るそうです。誤りがあった場合も同様だそうです。

区からの説明は、自治体の債権が認められなかった点についてです。既に支出してる分の取り扱いが問題になるようでした。納税者からの責任追及への批判があるとかないとか。その批判に対しては、民事訴訟における司法の判断に左右される問題なので、区もヒューザーも自らの立場を主張することしかできない状況にあるようです。

助成額減額についての説明は、国土交通省の方針通りのものだったようです。自治体が債権を届け出るにあたって受けた説明と異なる内容が含まれているようにも思いますが、出席していないのでわかりません。債権の届出についての代位の手続きは、国土交通省から具体的な方針が示されていた訳ではなく、各自治体が独自に対応した模様です。それについて、今さら国土交通省が慌てているというような状況のようです。

国の行政上の指導力とか裁量というのは、権限の上でも、能力の上でも、微妙なものだったのだと、しみじみ感じます。「中央から地方へ」という流れを、私は実感していませんでしたが、この件に巻き込まれて、ようやく実感できました。まだまだ過渡的な段階だと思います。実体をともなわないメンツも大切にされているようですし……。ただ、国が枠組みを示す能力は尊重してもいいと思います。また、それを、自治体が独自の判断でフォローしていくという姿勢も好ましいことだと思います。

助成についても、最終的な取り扱いは、自治体が独自に決定することになるように思われます。国土交通省は、いち早く(?)方針を示し、おおかたの自治体もそれを尊重する姿勢を示しており、これで、行政機構としては充分なのではないかと想像します。

(本当は、債権の届出の時に、考えておけばよかったことだけどね)
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by gskay | 2006-09-22 15:23 | 損害と回復
オプションの取り扱い
ヒューザーのマンションは、販売価格が安いとともに、ちょっとした設備はオプションであったり、自分で用意しなくてはなりません。間取りも変更には費用がかかりました。こうした費用の扱いが、今回のヒューザーへの破産債権の届出で一番悩んだ点であり、査定の残念なところです。

破産管財人は、消費税から計算される建物代金を債権と認定しました。ヒューザーと交わしたオプションなどの契約は、そこには含まれていないようです。強いていえば、諸費用に含まれているようです。その購入諸費用も、物件代金の一律5%という水準でした。さらに、取り壊し費用や、仮住まい費用、慰謝料が追加されていますが、渋い査定だと思います。

建物と一体になっている設備のオプションや、間取り変更の費用は、物件の代金に含めてはもらえませんでした。これは、今回の破産整理にだけ適用される考え方なのか、それとも一般的なものなのかわかりません。前例らしい前例がないように思われ、これが前例になるかもしれません。

余計なものを排除し、必要なものは自分で確保するという方針が気に入っていましたが、意外な落とし穴が明らかになったと思います。瑕疵担保は、物件代金までしか原則的におよばず、オプションは、別の扱いになる可能性があり、これは購入者にとってリスクになります。

オプションなどの取り扱いについて不満なら訴えを起こせばよいだけですが、それだけのメリットがあるかどうかはっきりしません。また、破産管財人にとっては、個別に査定する時間を省き、早期の配当を目指したものと思われます。かなり大胆にわりきった方針だとは思いますが、納得という方針に落ち着きそうです。

そもそも、こんな風に瑕疵担保が問われる事例は、決して多くないと思います。しかし、心配な時には、オプションまで物件の代金に入るのかどうかを確かめておく必要があるかも知れません。

大抵、オプションは、自分で手配するより高いことが多く、こだわりというより、便利だからと、ついでに注文するものではないかと思います。その注文に、こんな落とし穴が隠れているとは思いませんでした。単に、便利だけど、ちょっと高い買い物としか思っていませんでした。
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by gskay | 2006-09-15 17:16 | 損害と回復