<   2006年 01月 ( 30 )   > この月の画像一覧
緊急性の高い課題とじっくり考えるべき課題
都知事は、緊急性の高い移転費、家賃補助、解体費計26億円を予算に計上したものの、建て替え費用まで含めませんでした。

法の隙間への対応なので、差し当たって必要なことをしていくというのが妥当なのだろうと思います。

都は、建て替えをすすめるにあたり、国に特別措置法の制定を求めているとされています。退去が終了し、解体がすすめられるには時間がかかるので、その間に充分な議論をじっくりするべきだということだと思います。

国のスキームは、発表の当初から「足かせ」になる部分が多く厄介だと感じていました。既存の規定を準用しているだけで、抜本的な解決や、個別のケースへの対応に配慮が不十分だと思います。法の隙間への対応であり、行政だけで直ちにやれる範囲では、このくらいなのだろうと思います。だから、立法府での特別措置法などの議論が必要になっています。

国の対応は、どうしても杓子定規な面が表に出てしまい、自治体毎、物件毎の個別の対応に水をさすような傾向もあるような気がします。報道も、そこを、おもしろおかしく伝えています。

建て替えまでには、どうせ時間がかかります。解体だけでも数ヶ月はかかります。短期間にその場しのぎの仕組みを作って、それに固執するより、与えられた時間を有効に利用して考えていく必要があると思います。

この時間にこそ、法の隙間を埋めるような議論が必要です。

少なくとも、二つの議論が必要です。一つは、「安全確保」のための取り締まりを実際に可能にするような対応についての仕組み。もう一つは、建築確認の誤りに対する補償の仕組み。

今後、耐震検査が拡大して行く中で、Qu/Qunが0.5以下の物件が出て来るかもしれません。このとき、「安全確保」のための緊急の公費負担が、今回と同じように講じられるのかが、はっきりしていないように思います。とりあえず、「非姉歯」に「偽装」はないとされているので、「偽装」問題が終わったら、「耐震」や「安全確保」は終わりになってしまうのでしょうか?「偽装」がなくても「安全」に問題がある物件があるものと思われますが、それにどんな対応をするのか心配です。

「安全確保」という言葉は、今回の事態への対応の切り札になっていますが、今回の物件を特別扱いにする理由とはならないと思います。その辺りも、きちんと議論し、検査をして、薮から蛇が出ても慌てないようにする仕組みが必要だと思います。

また、安全確保や建築計画の前提になる建築確認制度の問題点は、特に重視すべき課題です。建て直しが個人の不当な資産の形成につながるという否定的見解だけでは、建築確認制度への反省が活かされないと思います。公的な建築確認制度の問題点が私有財産を処分することにつながったという点への議論が必要だと思います。偽造であろうが、単純ミスであろうが、「合法・適法」であると誤って出された建築確認の影響をどうするのかが問題です。

「安全」の問題と「合法・適法」な手続きの問題は、別の次元の話です。

公的な建築確認を無謬とみなし、それを実際の建築の前提としてきたのは、単なる幻想にすぎないのかもしれません。「建築確認が下りる」という言葉に振り回されていたのかもしれません。「建築確認が下りているから大丈夫」だと思っていましたが、そんなことはないようです。大丈夫でなかった時のことなど、少しも考えませんでした。そして、考えられていないようです。

現状のレベルで建築するだけなら、設計、施工、監理だけでいいのではないかと思います。その結果できてしまった建物を取り締まればいいわけです。厳しい取り締まりの方が、安全確保については効果が上がるような気がします。

危険な建物を未然に防ぐための建築確認や検査は、予防としての実効性をもっていない以上、今のままでは、必要ないような気がします。にもかかわらず、余計な幻想だけは、作ってしましました。そもそも、建築確認なんて、何の権威も意義もなく、公的な責任はないのかも知れません。どうせ、技術的に不可能な検査であり、責任を問うのは難しいのかも知れません。

それでも、予防の制度の確実性を高める仕組みを組み立てるべきです。現状は、ひどい状況かもしれませんが、理想の姿を模索すべきだと思います。そして、その前提として、いかに誤りに対応するかを「現実の問題」として論じておくべきです。特に、所有者と建築主が異なることになる前提で建築される分譲マンションや建て売り住宅には、買い手の立場への配慮が欲しいと思います。

建築の仕組みは、性善説に立っていることになっていますが、とても無責任な体制だと思います。設計も施工も監理も検査も、出来上がった建物に誰も責任を負わない体制になっています。これまで、取り締まりが緩かったのは、この体制のせいだと思います。取り締まりようがなかったのだと思います。

このうち少なくとも、設計および検査体制の一部である建築確認についての責任を、今回の事件を通して明らかにすることができれば、一歩前進ということになるような気がします。もし、それに成功したら、そこで終わりにせず、引き続き、施工段階の問題にもメスを入れて行くべきだと思います。
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by gskay | 2006-01-10 13:37 | 公的対応
引越にあたってテレビをやめます
引越の日程が、ほぼ決まり、引越屋さんの見積もりも出ました。当面の引越の準備はあっと言う間に終わり、後は当日を待つのみ(と家内が言っております)。半年も経たないうちの引越なので、準備は慣れたものです。私は、役立たずですが。

前回も、家具のいくつかを、親戚や知人に送りました。収納スペースが多い部屋への引越であったので、収納家具を引き取ってもらいました。

今回も、いろいろと親戚や知人に送りつけます。今回は、テレビやエアコンと言った新居にあわせて用意したものを引き取ってもらうことになりました。特に、エアコンは工事を伴うので厄介です。

テレビについては、ブラウン管テレビと違って、最近のテレビは近くで見ても奇麗なので、仮住まいに持って行っても平気です。しかし、圧迫感がありそうなので、やめます。もともと、単なる置物に近い存在でした。テレビが大きくなったら視る時間が増えるかと思いましたが、そうでもありませんでした。

巻き込まれてしばらくは、ニュースを視ていましたが、今は、また、ほとんど視なくなりました。自分に関係するニュースが少なくなったからということもありますが、ネットのニュースや新聞の方が、便利です。自分の都合の良い時間に読む事ができるのが第一点。文字の情報は、比較しながら考えたりするのに都合がよいのが第二点。そして、いらないコメントに付き合わなくていいのが第三点。出演者の表情や感情に影響されなくて済むのが第四点。取材と編集の限界を越え、演出になってしまっている胡散臭い報道に付き合わなくてはすむのが第五点。

もともと、新聞や雑誌といった文字での報道は、「何とでも書ける」だけでなく、所詮は言葉の世界に過ぎません。受け手も、それを承知しています。テレビに比べ、理性的であったり、分析的にしやすいかもしれませんが、書いた人の眼と筆を通して出来て来たものであるのが明らかであり、いつも説得力があるとはいえない気がします。

これに対し、テレビ画像には、真実だと思い込ませる迫力があります。作り物でない迫力を感じさせます。

しかし、今や、画像にまで作り物が進出。

事件の背中を追いかけるのがカメラの本来の姿だと思います。背中だけの「つまらない映像」を並べることが真実を追いかける時には必要な気がします。せいぜい、横であったり、斜め前から。

しかし、事件を待ち構えて正面から撮るようになった時から、迫力はあるが、真実を探る態度からは遠ざかったと思います。真実っぽい演出が、編集者の先入観で垂れ流されているだけになっているような気がします。しかも、真実をリアルタイムで追いかけているわけではない。そして、時に、放送の都合にあわせて真実の方に介入する。

速報性も、インターネットのおかげで、放送のアドバンテージは低下し、文字の持つ力が蘇ったような気がします。しかも、ブログや掲示板という新たなメディア。そことうまく連携できるのは、放送局ではなく、出版社や新聞社のような気がします。

この事件の当事者になり、ますます、インターネットのニュースサイトにシフトしました。

テレビがなくても平気だと思っています。子供のころから、テレビがある生活でしたが、しばらくテレビなしでもいいと思っています。テレビは、DVDやビデオをみるモニターとして欲しい気がしますが、それも、引っ越してからほとんど観ていないので、この際……。

引越の中で、決断らしい決断は、このテレビのこと位しかなかったかもしれません。他は、考えてもどうしようもないことばかりなので。
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by gskay | 2006-01-09 23:56 | 仮住まい
健康への被害?
今回の事件に巻き込まれ、体調を崩したり、精神的なダメージを受けた時には保健所で対応してくれるというということになっています。最初の区からの説明で聞きました。健康被害については、軽くしか考えていませんでしたが、ここへ来て、その説明があったことを急に思い出しました。

無我夢中でばたばたしていて、結構、疲労していたと思います。でも、健康に影響がある程ではありませんでした。

周りを見回せば、もっと大変な人々。管理組合の理事をはじめとする役員さんや、同じマンションのヒューザー関係者は、さらに多忙だったに違いありません。特に、役員さんたちは、凄かった。体を壊してもおかしくない勢いでした。でも、何とかここまで、みな来られたようです。

また、いろいろと精神的負担も大きかったと思います。大きなダメージを受けた人がいたかどうか知りません。幸い、理性的な判断ができることについては、優秀なリーダーに恵まれ、負担は少なかったと思います。しかし、理性で説明できない理不尽なこともたくさんあり、ダメージを受けていた人がいてもおかしくないように思います。

現在のところ、引越体制なので、まだまだ、緊張した状況が続きます。今後、一段落してから、肉体的にも精神的にも、いろいろと気が付くような気がします。

実は、健康への影響なんて、自分には関係ないだろうと軽く考えていました。しかし、思いも寄らないところところから、健康への影響を思い知らされました。

体重が増えました。

家内に指摘され、いやいや体重計に乗りました。最近、少し自覚していて、眼を背けたかった事実です。

原因は、この一件で、運動の量が減ったことだと思います。ほぼ、毎日、運動をしていましたが、いろいろと用事が増え、思うにまかせず過ごしてきたのがいけなかったと思います。

調べてみたら、昨年の同じ時期に比べ、運動量が半分くらいに減っていました。

寝込んでしまうとか、発作に見舞われるとか、精神的に明らかなダメージを受けるというような深刻な事態ではありません。しかし、健康のことを、もっと真剣に考えないといけないと反省しました。こうした事態に巻き込まれた場合、健康増進の習慣にも影響が出るということを学びました。
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by gskay | 2006-01-08 09:53 | いろいろ
ひかり
今まで、NTTのひかり電話を使っていました。

入居前説明会で申し込み、入居日に工事や設定をしてもらい、引っ越してすぐに使い始める事ができました。スムーズに移行できたと思います。

ただ、この時も、機材の宅配にはじまり、いろいろな業者や技術者が出たり入ったりするのが面倒でした。分業になっているようで、1日中、電話関連の業者が出たり入ったりしていました。特に、面倒だったのが、事前の確認の電話です。当日が近づくと、それぞれの業者から、別々に電話がきます。確認の電話は、一度で済ませてほしいと思いました。

ところで、今度の転居先は、KDDIです。光プラスです。

KDDIに尋ねたところ、申し込んでも設定されるのは1ヶ月先だそうです。従来型のNTTの固定電話を一旦入れた方がいいと勧められました。

そこで、次にNTTに。せっかくなので、電話番号を変更しないですむかどうかをききました。すると、交換局の関係で、固定電話に同じ電話番号を持ってはいけないことがわかりました。

思うようにはいかないものです。

そこで、さらにKDDIに、今の電話番号を1ヶ月のタイムラグの後に、持って行けるかとうかをききました。現在のところ、光プラス電話は、NTTの固定電話からの番号の移行はあるが、ひかり電話からの移行や引越は用意されていないということでした。

ひかり電話からひかり電話への引越では、条件によっては、電話番号を持って行けるという話だったので、少し残念です。

休止中の加入権を使えばよいだけですが、あれこれ考えています。固定電話の使用頻度は少なく、「1ヶ月位なくてもいいか」とも考えています。

とりあえず、KDDIの申し込み書を記入します。
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by gskay | 2006-01-07 16:01 | 仮住まい
官僚幹部の政治登用
「局長級以上の幹部を特別職とし、政権によって任命」という制度の案に賛成です。ついでに、現場の地位を向上させて欲しいと思います。


省庁幹部、政権が採用


官僚組織の肥大化と、現場軽視は、今回の事件でも背景となった病巣のひとつだと思います。

幹部組織を見直し、現場を重視しなくてはいけない点は、建築の業界にも重なるような気がします。

公務員人事には、何らかの対策が必要とされ、これまでも、任期制の採用などがありました。しかし、人事上のインパクトは小さかったと思います。任期制で採用された公務員の権限は小さく、既存の官僚組織の弊害を打破することはできませんでした。

確かに、昇進によって幹部を登用するこれまでのシステムは、人材の養成では優れていると思います。人間関係も強固になっていたかもしれません。しかし、高学歴化し高齢化し成熟段階にある社会になじむ制度ではないと思います。

定年前に頂点にたどりつくピラミッド型のシステムは、これまでも、天下りを必要としてきました。その上、今後は、定年延長にも対応して行かなくてはなりません。このままでは、新しい任務がなくても、無意味にピラミッドを高く大きくしていくしか、増える幹部公務員を雇い続ける方法はないでしょう。

また、今までは、現場のことを決めるために、いちいち、そこに覆いかぶさっている幹部組織、管理組織をいじっていました。これでは、現場が改善する前に、幹部組織や管理組織が肥大化し、陳腐になってしまいます。

一般職の普通の昇進は、せいぜい現場の管理職までとした方がいいでしょう。ただし、人事の天井を作るだけであったら無意味だと思います。新たな昇進制度には、もっと高度で専門的な人材が、現場に即して活躍できるシステムを期待したいと思います。そして、活躍の場を与えられるだけでなく、報われるべきだと思います。

これまでも、これからも、現場がシステムの基盤であることに変わりはありません。それが、少し軽く見られて来ました。もっと重視する仕組みが必要だと思います。

一方で、幹部組織や管理組織は、スリムであるべきです。そして、大胆で柔軟な組織となり、基盤となるシステムに強烈な指導力を発揮すべきだと思います。幹部の登用は、様々な場所から行われることになるとと思いますが、現場の事は期待しない方がいいと思います。判断や分析、指導に集中すべきであると思います。

その分、現場の地位を向上させる必要があると思います。基盤となるシステムは、それに応えるだけの足腰を鍛えておく必要があると思います。

ところで、こうした人事の改革では、当面は、余ってしまった人材が出るでしょう。しかし、その行方は、心配いらないと思います。

手つかずに放置されている領域が、たくさんあります。そこで、活躍して欲しいと思います。まず、人を余らせないと、手つかずの部分に人手はまわりません。

これまでのものにしがみつく人には辛いかもしれません。しかし、その執着を離れれば、新しい活躍の場はいくらでもあります。

リストラは、単に人をきるだけなら大きなインパクトはありません。余った人手が、手つかずの新しいフロンティアに再配置されることで、個人にとって新しいチャンスとなるとともに、社会にとっても発展の原動力になると思います。そこが、リストラの意義だと思います。

幹部をリストラしようというのですから、抵抗は熾烈であると思います。しかし、実施する価値があると思います。

この事件でも、構造設計や検査、耐震補修のような今まではあまり光が当たらなかった領域が人材を必要としていることがわかりました。手つかずの領域に、新たな人材が配置され、新しい価値を生み出し、社会が発展するという未来を期待したいと思います。
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by gskay | 2006-01-06 13:32 | 政治と役所と業界
報道機関による非破壊検査
非破壊検査の結果は、センセーショナルで、設計どころか施工だってひどかったということを明らかにしていると思います。

地下の柱、鉄筋半分以下…藤沢のマンションで検査


ただ、これまでも、構造の専門家が「単に鉄やコンクリートを多く使えば、強い建造物ができるわけではない」と強調していることに再度留意して、報道を捉えなくてはいけません。また、「巧みな経済設計」という高度な技術があり、そのノウハウまで否定してはいけないと思います。

「巧みな経済設計」の外見だけを真似して偽装したのが今回の事件であり、「巧みな経済設計」自体は悪ではありません。今後、「無意味な過剰設計」に偏っていかざるをえなくなるような報道は避けて欲しいと思うとともに、報道の受け手も、そういう配慮をもって見守らなくてはいけないと思います。

そういう視点でみると、非破壊検査の結果を、そのままを報道するだけでは、十分ではありません。構造計算を再計算してはじめて評価の対象となります。再計算なしでは、「さらに、どれだけ、やばいか」ということまではわかりません。つまり、今回の報道では、杜撰な施工でどれだけ建築基準から外れることになったのかまでは明らかになってはいません。

再計算には時間がかかるため、タイムリーな報道を目指して、報道したのだろうと思います。少なくとも、施工の杜撰さを再確認させてくれました。

こうなってくると、偽造構造計算が発覚していなくても、施工レベルの欠陥マンションであったということにいずれはなると思います。どういう責任追及が必要になるのか、一層複雑になります。検査をすればそうなると、うすうす思っていましたが。

うちのマンションでは、とりあえず、そういう検査は予定されていないようです。捜査上の目的や、資料作成の目的で調査する可能性はあるようですが、当面の方針を決める材料にはしないようです。

ところで、書類の不備も明らかになりました。そのような不備にもかかわらず、検査済みの証書がでているという実態も報道されました。技術的に困難な部分には充分な検査はできないものの、書類の不備は見逃さないという話だったような気がしていたので残念です。
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by gskay | 2006-01-05 23:08 | 揺れる システム
発覚後の後始末
ヒューザーが抱える問題は、偽装が発覚してからの後始末の不適切さに変わってしまったようです。

偽装を行った本人の動機の方も、何だか曖昧になってきてしまったようです。そこを、思惑をもって利用した人がいたかどうかは重要です。それを処罰すべきかが大事なポイントであることには変わりはないと思います。しかし、構図が描きにくくなっているような気がします。

偽装にヒューザーが関わったかどうかは別として、ヒューザーが問われなければいけない別の責任が注目されています。

差し当たって、うちには関係ないことですが、偽装発覚を認識していながらマンションを引き渡したり、新たに契約した事が、重要事項の説明において故意に事実に反することを告げたことになるかどうかが問題になっています。加えて、偽装の疑いが出た時点から公表に至るまでのヒューザー側の言動も、再度問題になっているようです。

10月25日に偽装が判明してから、Qu/Qun値の再計算の結果が出るまでには時間差があります。その間にしたことの責任が問われています。偽装が判明してから、安全性の再計算の結果が出るまでの中途半端な時間に何があったのかに関心が寄せられています。

再計算の結果、最初に問題の物件が確定したのは、11月17日。国交省とヒューザーが公表したその日であるとされています。うちのマンションの結果は、遅れて21日に確定しました。

この後始末に関しては、イーホームズには、もはや文句はありません。配慮不足だと思いますが、開き直っていたのだろうと思います。強いていえば、もっと上手に事態を説明して欲しかったと思います。他の建物との比較等の資料も添えて、安全についてパニックにならないような説明をした上で、それでも違反を放置してはいけないという議論を牽引して欲しかったと思います。

しかし、ヒューザーについては、すでに引き渡し済みの物件への責任はともかく、新たな物件の契約や引き渡しをしてしまったのは問題だと思います。再計算の結果が良かろうが悪かろうが、注意しておくべきであったと思います。建築確認の証書や、検査済の証書が揃っていることに加え、再計算の結果が明らかになる前のようなので、不法な行為とみなされるかどうかはわかりませんが、控えておくべきだったと思います。

国交省については、ヒューザーがなぜ新たな物件の契約や引き渡しを行ってしまったのかということに関与している可能性があるかも知れません。でも、今のところは、明確にはなっていないと思います。

小嶋社長の証人喚問では、その辺りも明らかになるのかと思います。

建築確認の誤りと、それにもかかわらず分譲されてしまったマンションへの対策との間には、「大きな溝」があり、想定されていない様々な問題があります。当事者としては、その問題にいかに光をあて、いかに解決するのかという点に関心があります。

司直の手で行われる悪者さがしと、国会で行われる証人喚問とは性格が異なるべきです。「大きな溝」を、いかに明らかにし、それを埋めるのかが政治家の腕の見せ所です。

国交省や大手ゼネコンを小嶋社長と訪ねた国会議員については、法令を曲げているということであれば、非難すべきです。しかし、問題の解決の前に、法令に「大きな溝」があることに気付いて国交省へと足を向けたのだと思います。また、最小限の負担で解決できるような技術を見つけようと奔走したのだと思います。

そこを、事件発生の原因と混同し、悪者探しの延長で論じてはならないような気がします。

(こういった問題は、瑕疵担保責任で決着していれば、何も今更問題にはならなかった問題なのかもしれません。ただ、単に先送りになっただけでしょうが……)
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by gskay | 2006-01-04 11:45 | 真相 構図 処分
複雑な業界の構造
あらゆる可能性を考える必要があると思います。対策は、今後への準備を含めて必要だと思います。

耐震偽装 民間主導で救済基金 国交省打診、業界は難色


ただし、こうした「構想」と、事件の責任の所在の話とは別ではないでしょうか。「構想」がでたからと言って、直ちに「民間が悪い」という議論や官の責任逃れにはならないと思います。

責任の割合は、改めて議論すればいいことで、法廷で決着をつければよいことです。それよりも、早期に、何らかの形で、安全や安心を提供できない限り、「業界」がピンチになってしまうことを恐れます。

親しい建築関係者は、みんな強い危機感を持っています。特に、末端の現場は真剣です。グズグズしてはいられないはずです。

「業界」のほとんどの関係者は、しっかりと働いていると信じています。そうした人たちが困って欲しくはありません。

とはいうものの、マンションと言う建築物を造る為に汗を流している人や、知恵を絞っている人と、それを買ってそこに住もうとしている人の間には、たくさんの人が関与しすぎているような気がします。デベロッパー、ゼネコン、元請け、下請け……。実際の作り手と買い手が直接つながっていないと感じます。

安全のためや、便利のため、良い企画のために多くの人が関わる必要はあるのかもしれません。しかし、業界と言うところには、実際に作っている人と、買う人の間を遠ざける力があるような気がしてしまいます。この距離が縮まらない限り、いずれ「マンション不況」は来ると思います。(ヒューザーには、その距離の近さを感じた……。裏目にでたが……。)

この「構想」も、関わる人を増やし、コストを増加させ業界がますます複雑な構造を持つ事に拍車をかけるのではないかと心配です。透明性からさらに遠ざかってしまうのではないでしょうか。

民間検査機関の扱いに懲りたばかりですから、陳腐なってしまった検査制度等の法令を抜本的に整理するのは最低でも必要です。加えて、業界の体質にも切り込んで行く必要があると思います。複雑で非効率な仕組みが、高いコストと低い信頼性の背景にあると思います。

現場でいい物を作っている人や、いい企画をする専門家がもっと報われるようにして欲しいと思います。一方で、途中に介在するひとを少なくし、コストをカットして欲しいと思います。そして、余った人材を、これまで重視されていなかった領域に再配置することで、より安全や便利を確保して欲しいと思います。

信頼が揺らいでしまったシステムを抜本的に見直すことなく、姑息的に対策を追加するだけでは状況は打開できないでしょう。旧弊を改善しながらの対策を希望します。
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by gskay | 2006-01-03 23:34 | 政治と役所と業界
氷山の一角?
年末年始で親類と話をする機会があり、やはりこの話題になります。

建築の専門家は、今回のケースは、決して氷山の一角ということではなく、あくまで、一人の建築士の非行であるといいます。他の設計は、問題がないはずであるといいます。

私も、そうあって欲しいと思います。

ところで、うちのマンションの構造設計をチェックしたら問題に気付いた?

「……」

そりゃそうでしょう。

彼は、担当している施工や監理については、プロとして全力をつくすとしても、設計レベルの問題や建築確認に、疑いを持つ習慣はないようでした。それはそれで、まともなプロフェッショナルであると思います。みんなが、まともに仕事をしていると信じることができる環境で仕事をしていれば、そのような疑問が湧かないのは当然ではないでしょうか?

その環境が、今回、破壊されてしまいました。設計どころか、検査さえもあてにはならない。これからは、呑気なことを言ってはいられません。

彼は、イーホームズとの付き合いもあるそうです。イーホームズに悪い印象はないそうです。私は、彼を信頼しているので、彼が見ていることは、かなり正しいと思います。おそらく、私が、テレビの画面で感じた悪い印象は一面に過ぎないと思います。今は、検査制度自体に疑問はあるものの、イーホームズに特別な感情はありません。

しかし、建築のシステムや検査の仕組みを、彼が言うようにポジティブにみることはできません。できれば、今回のケースは特殊なケースであったと信じたいと思っています。そうは言っても、あまりに不透明な部分が多く、彼を信頼することと同じように、システムを信頼することはできません。彼を信じることはできても、彼の周りの人まで、信じることはできません。
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by gskay | 2006-01-02 23:20 | 真相 構図 処分
買い手の視点
あけましておめでとうございます。

元日から仕事です。例年の仕事で、発覚前から決まっていている仕事です。こんな事態になって稼ぎが必要だからという訳ではないのですが、例年より、気合いが入ります。

駅売りの新聞に、この事件をトップに扱ったものがありました。様々な提言がとりあげられているようです。

しかし、買い手ができることに言及したものは少ないように思いました。

記事は、どうしても、責任追及や、規制強化などへの提言が多いようです。売り主や行政の立場への視点が中心です。

確認や検査を強化したり、売り主に保険や保証への加入を義務づけると言うやりかたも大切なやり方だとは思います。これまでの制度を徹底させる意味があると思います。ただ、それだけでは、既存の発想の範囲にとどまるような気がします。

買い手にできることはほとんどないと思われます。買い手は、せいぜい、よく専門家の話を聞く程度のことしかできません。それでは、買い手には積極的な関与は出来ないと思います。

売り主だけでなく、買い手が、自ら保険や保証を利用する制度が必要ではないかと思います。

売り主への保険や保証の加入強制は、上手に行わないと、不透明な形で価格に上乗せされ、ますます、価格の下方硬直を促進しかねないと思います。そして、売り主となる業者の保護という側面ばかりが、強まってしまう可能性はないでしょうか?

これに対し、買い手に必要なリスクの回避の手段を、買い手自身で見つけられる仕組みも必要だと思います。その結果、透明性も高くなると思われます。そして、安全の面でも、価格の面でも満足のいくものができるような気がします。

業者や行政に任せているだけでは、利益追求のために、安全が確保できなくなってしまったという教訓を生かす方法が必要だと思います。
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by gskay | 2006-01-01 14:15 | 揺れる システム