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建て替え決議
私のところでは、建て替え推進決議は行っていますが、建て替え決議に進んでいません。建て替え決議に進んでいない数少ない物件になりました。

建て替え推進決議では、補修で対応するとか、もう戻らないという選択肢もある中、全員一致で建て替えの方向で進めることになりました。その後、建て替えにむけての作業が進んでおり、随時、進行状況が知らされてきました。着実に進んでいます。しかし、建て替え決議を行う段階には進んでいません。

建て替え決議の位置付けは、区分所有法などに定められています。しかし、具体的にどの程度の計画が出来上がった時点で決議をするのかについては、厳密には定められていません。これまでに建て替え決議や全員同意を行った物件も、決議や同意の時点の進捗状況はバラバラであったようです。

建て替えには、建物の概要を決めるだけでなく、どのような事業手法を用いるのか、どの業者が参加するのか、負担はどうなのか、権利返還をどうするか……などなどの様々な問題があります。何を解決した時点で、建て替え決議に進むべきかという明確な指標はないように思われます。不透明な部分が多少あっても建て替え決議に進むこともある一方、かなり具体化していても決議を行わないこともあると思います。

建て替え決議は、大事な目標のひとつですが、必ずしも進捗状況の目安にはならないかも知れないと感じています。要は、円滑に着実に進んでいることが重要だと思います。

私のところでは、建て替え決議に漕ぎ着けてはいませんが、様々な問題についてかなり具体的な言及を聞くことができる段階には進んでいます。幸い、全員が足並を乱さず、同じ希望を持っていることもあり、建て替え決議については、もっと検討が煮詰まって、具体化してから行うべきものだという空気があります。出遅れているかもしれないという焦りはありません。
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by gskay | 2006-11-30 17:56 | 建て直し
雑損の更正
間もなく、ヒューザーからの中間配当が振り込まれることになっています。物件によっては、管理組合が受け取るところもあるようですが、私の物件では、各自が受け取ることになっています。

名義が共有になっていると、手続きが面倒になるようです。私の場合、家内と共有にはなっていないので、面倒はありませんでした。家内も、それなりの収入があるので共有でも良かったのですが、銀行が面倒くさかったのか、私名義をすすめました。司法書士さんも同じでした。ということで、共有名義になっていません。

ところで、雑損のもとになる建物の価値について再検討が行われてきました。去る3月の所得税の確定申告で計上した雑損について、更正は次の3月までに行わなくてはならないとのことです。配当があったので、その分を減らさなくてはなりませんが、その前に、雑損の額を確定しなくてはなりません。

去る3月の時点では、取得時の消費税をもとに建物価格を算出しています。しかし、私たちにとっての損失である建物の価値の評価の方法は、それ以外にもあるようです。

都税事務所による固定資産としての評価の他、国土交通省が実施している鑑定による評価があります。それらを全て勘案し、もっとも有利な方法で雑損を更正することになるようです。
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by gskay | 2006-11-28 23:59 | 損害と回復
建築主事をおかない市の物件
稲城の建て替えが決まったという報道がありました。稲城市は、建築主事をおいていない市で、この物件の特定行政庁は東京都です。

耐震偽装に関連した公的な対応については、国、都および県、それに特定行政庁をおく市および区が費用負担をすることになっています。稲城市に関しては、市としての対応はなく、その分も都が負担しているのだと思います。

稲城市は、公的な対応への負担を拒否したという経緯があります。特定行政庁ではない以上、当然なのかもしれません。稲城市は、建築確認などの検査にはかかわっていないし、取り締まりの権限も持っていません。使用禁止命令などの処分を行うことができません。

稲城市が負担を拒否するという発言をした時、対応の是非の問題にからめて取り上げられたこともありました。そうした取り上げ方は誤りであり、稲城市の発言は、特定行政庁が負う責任とは関係ないという発言に過ぎないものでした。国土交通省が主導する公的な対応の是非とは関係ない話です。

現時点で、国土交通省が主導する公的対応に対して独自の路線を貫いているのは、横浜市です。また、Qu/Qun<0.5の姉歯による耐震偽装物件であるにもかかわらず、非ヒューザーであるためか、公的な対応の枠組みから外れている物件もあります。

その2物件を除く残りの10物件は、概ね、国土交通省の公的な対応の枠組みにそって、うまく進んでいると言えるのかも知れません。少なくとも、仮住まいへの退去は完了しています。さらに、多くが建て替えの方向に進んでいるように思われます。その点については、市に建築主事が置かれているかどうかは問題にはならないのかもしれません。

ただ、それぞれの事情に合わせた細かい対応を考えると、市や区が関わることのメリットがあるように思います。今後、市町村の合併で大規模の市が増えると、都道府県が直接関与する割合は減って行くのだろうと思われます。
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by gskay | 2006-11-27 19:09 | 公的対応
対応の適切さ
安全性について、既存不適格とのバランスを考えるという観点が欠落していたと思います。そこに目をつぶったやり方では、結局、安全な街は、いつまで経ってもできないのではないかと思います。

また、災害における退去と、建築違反の使用禁止とを混同して考え始めたことが、パニックの始まりだったと思います。

さらに、除却によってしか解決できないと決めつけたことも問題だったと思います。もし、補修で対応するということを大前提にするなら、ヒステリックな展開は異なっていたと思います。

「違法建築=危険な建物=除却」という流れが、実態にも、工学的な理屈にも、法手続きにもそぐわない形で加速してしまいました。加速させたのは、国土交通省のドタバタと一部の自治体の拙速だったと思います。それに何より、マスコミ。

1年経っても、滅茶苦茶な対応への総括や反省はなされていないように思われます。

そうした大きな混乱の中、うちの自治体は冷静でした。国の方針を守ることには優等生ですが、既存不適格の問題も、災害との異同も、除却にいたる論理についても、世の中に流布する誤った言説を否定した上で、大局的な観点から対応を実施しているように思われます。

だから、この区を信頼し、比較的、楽観的に呑気に暮らしていられるのかも知れません。
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by gskay | 2006-11-24 11:31
発覚直後に何ができたのか?
イーホームズが問題に気付き、本格的に行動を開始した時が「発覚」の時点ではないかと思います。イーホームズは、少なくとも国土交通省の担当者に連絡しているのみならず、返事までもらっているとのこと。さらに、ヒューザーや、関連する業者と会合を持ったと伝えられています。その会合を持ったことで藤沢の物件の引き渡しを中止すべきだったかどうかが、小嶋社長の詐欺についての裁判です。

いかにして耐震偽装の建物が出来たのかという問題とは、直接関係はありません。しかし、国土交通省をはじめとした公的な機関がどのように関わったのかということを明らかにする上でも、重要な裁判です。それに関わった人たちの責任が明らかになるかもしれません。これは、公表後のドタバタにも連なる問題です。

発覚から、公表までの期間に状況がどのように変わっていったのかが明らかになることを期待します。発覚の時点で、いきなり、公表時の情報が集まったわけではないはずですから。

問題の藤沢の物件は、発覚時点で引き渡しの直前であり、当然、完了検査が済み、登記がなされていたものと思われます。金融機関については、買い手のローンの手続きもすでに済んでいたはず。元の家を処分した人は、すでに、売却後であったろうと思います。そうした手続きを、全てキャンセルするに充分な判断の根拠が、発覚直後にすでにあったのかどうかが問題です。そして、キャンセルする手だてがあったのかどうかも問題です。

小嶋社長が意識していたかどうかを中心に考えるのは、問題を変質させているのではないかと思います。たとえ小嶋社長が意識していたとしても、どうしようもない事情は沢山あります。それをいちいち検討しなくてはならないと思います。

ところで、そもそも、「偽装」は発覚していたものの、耐震強度の低下は明らかではなかったはずです。偽装しか発覚しておらず、再検査も、再計算も済んでいない以上、耐震性能が違法なほど低いかどうかはわからなかったはずです。それでも不法な引き渡しといえるのでしょうか?

さらに、違法建築の取り締まりを行うべき、特定行政庁が何をしていたのかということも重要です。違法建築であるかどうかを決めるのは、特定行政庁のはずです。管轄する特定行政庁は、あの時点では、違法という判断ではなかったのではないでしょうか?そもそも、知らなかったのではないかと想像します。

結局、発覚直後には、何もできなかったと思います。小嶋社長もヒューザーも、特定行政庁も。もちろん、登記を担当する法務局も、住宅ローンに関わる金融機関も、元の家の売却を扱った不動産業者も。

公的な処分が何も下る前から、少なくとも、新しい契約を中止している点で、むしろ、小嶋社長は賢明だったとさえ思います。

事情が明らかになってから、無理矢理さかのぼって処分をしようとすることに疑問を感じます。特に関係する様々な出来事を無視してまで。

もし、小嶋社長が有罪になるなら、公的な取り締まりの仕組みの機能不全も問われなくてはならないと思います。

なぜ、藤沢市の建築主事は動かなかったのか?それは、イーホームズも、国土交通省も、ヒューザーも、藤沢市の当局に知らせたり、問い合わせたりしなかったからですが、中でも、責任関係を最もややこしくしているのは、国土交通省の支離滅裂な対応では?イーホームズに対してのはじめの返事と、その後の対応に随分と開きがあるようで……。

違法であることについて、公的な処分は関係ない?  

……だったら、既存不適格をはじめとする違法な建物も、「違法建築」なので、ダメってことになるのでしょうか?

また、実は、安全の評価は充分にされていないのに、耐震偽装の建物には処分が行われてしまいました。辻褄も合わず、公平性もいい加減です。そして何より、安全確保につながりません。その結果、ドタバタの対応が行われてきました。

発覚から公表までの公的機関の対応が重大なポイントであり、小嶋社長の詐欺容疑は、それを明らかにするための手がかりにすぎないと思っています。(でも、そういう方向には進まないのだろうな……。検事の調書などという、別の重大な問題まで起きちゃって……)
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by gskay | 2006-11-22 14:02 | 政治と役所と業界
ヒューザーの上申書?
イーホームズ社長の平成18年11月21日付けのメッセージの一部です。いろいろなところに転載されています。これまで、いちいち引用しようと思いませんでしたが、今回は、「おっ!」と思いました。一部引用です。

……証人控え室には、元イーホームズスタッフの危機管理室長(M)もいました。……

……検事は、ヒューザー社が、平成17年10月28日付(ヒューザー本社会議の翌日)で北側国土交通大臣に提出した上申書を、新たな証拠として裁判に提出することを決め、私(M)に検事がその上申書を見せた
・上申書には、イーホームズが、10月27日に指摘した11物件(4件の官僚検査前と、4棟の官僚検査済み物件)以外に、ヒューザーが姉歯氏に発注をしたほかの物件のリストと、各物件の保有水平耐力(QUN値の割合)の不整合率が示されていた……

……この上申書には、日本ERIを含む他機関等がヒューザー物件の確認をしたものが含まれていた。……

……このリストは、元ヒューザー社員が姉歯氏から内容を聞いて作成したもので、……

イーホームズ社長としては、検察がヒューザーの上申書を証拠としたところで、肝心の小嶋社長の詐欺を立証できないという事を論証したいようです。私には、イーホームズ社長の考えの通りになるのは難しいように思えます。

しかし、国土交通省が預かり知らないということはないということがよくわかりました。発覚以降、公表に至るまでの経緯に関し、イーホームズ社長が不適切だと批判するような国土交通省の姿勢が明確になってくることを望みます。

1年前の平成17年11月17日の姉歯(あねは)建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応についてでの公表では、随分と矮小化されています。再計算など、技術的に時間がかかるために、事態の把握が充分に出来なかったのだと思うことにします。あくまで、「これまでに判明している事実関係」ですから。ただ、物件数はある程度把握していたようです。
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by gskay | 2006-11-21 10:59 | 真相 構図 処分
求償権の明確化
求償権の問題は、分譲マンションに限られる問題ではなく、ホテルからも訴えが起こっていることを考えるべきだと思います。住民はともかく、売り主や建築主にとって建築確認がどのような意味があったのかを考えなくてはなりません。求償権についての記事が東京新聞にあり、引用しました。

これまで、ホテルや賃貸マンションには公的な対応はなされていないものの、損害は多額です。公的対応が行われてきた分譲マンションだけの問題ではありません。求償権の明確化は、おそらく、住民への公的な対応と賠償との間のバランスを意識していると思いますが、そこに限定されない問題です。

『耐震偽装』発覚1年 自治体に『求償権』


 国土交通省の発表で耐震強度偽装が発覚してから十七日で一年。同省は、建築確認でミスした民間の指定確認検査機関に自治体が求償できることを明文化した新省令をつくることを決めた。来年六月までに制定する。強度不足のマンションを購入した住民らの損害賠償請求に対し、強度不足を見逃した検査機関が「建築確認の許可権者は自治体」と責任逃れを図るのを防ぐ狙い。検査機関の補償力担保のため、検査機関が加入する損害保険の最低保険額を現行基準の数十倍に高める。

 「民間の確認検査機関による建築確認は、地方公共団体の建築主事による確認と同様の事務」とした昨年六月の最高裁決定で、ミスした検査機関を監督する自治体にも住民側が責任を求められることが確定した。検査機関の過失のツケを負う自治体側は「検査機関への“求償権”の明文化」を国に求めていた。

 今回の耐震偽装事件でも、国指定の確認検査機関だったイーホームズ(指定取り消し・廃業)が建築確認し、耐震強度が基準の30%とされた川崎市のマンション住民が六月、同市などに損害賠償を求めて提訴した。

 新省令は「民間の確認検査機関による建築確認の過失で自治体に賠償責任が生じた時、自治体は検査機関に求償できる」とし、検査機関の責任と責任能力を明確にする。

 責任能力は主に検査機関が直接損賠請求されるケースと、損賠請求された自治体が検査機関に求償するケースを想定。検査機関の指定要件や五年ごとの更新要件に賠償額に見合う保険加入などを加える形で義務化する。

 検査機関の現行の指定要件は、三千万円以上の基本財産などを有するか、三千万円以上の損害保険加入としている。新省令では保険金額を一挙に十億円前後に引き上げ、建築確認の受注数が多い検査機関ほど保険金額を高くする方針。

一読すると、建築確認の誤りに対する「責任と責任能力」が整理されているように見えますが、特定行政庁と民間検査機関の間の関係を整理したにすぎません。最高裁の判例も、建築確認の個々の内容についての判決ではなく、特定行政庁と民間検査機関の関係を明確にする判例にすぎません。

個々の建築確認の問題については、どのように判断されるのかはっきりしておらず、今回の耐震偽装で、建築確認のミスが損害賠償になるとは限りません。しかし、すでに覚悟は決まっているのかも知れません。その覚悟の上で、このような対応が検討されているように思われます。

損害賠償を誰が負担するのかという問題も大切ですが、建築確認の「責任と責任能力」はそのままなのでしょうか?建築確認で適法とされた手続きを根拠に建てたられた建物が違法建築だった場合、どのように対応すればいいのかが少しも明確にはなっていないようです。

また、責任追及や損害賠償について考えるとき、耐震偽装が見落とされた原因の追及も問題になります。これについては、現場サイドからいわせれば、国土交通省が定めた杜撰な仕組みが根本原因ということになるのかもしれません。

こうした二つの大きな問題が放置されています。

むしろ、「求償権の明文化」は、根本的な責任追及が進む前に、特定行政庁の内部や民間検査機関との関係で処理しなくてはならない仕組みを増やしておいて、追及の関心が根本的な部分に及ぶまでの時間稼ぎや、根本的な責任を有耶無耶にする仕組みのような気がします。

ところで、自治体からは、民間検査機関の落ち度の尻拭いはできないというクレームに加え、国がデタラメな仕組みを押し付けておいて、不具合が出たら、その後始末まで自治体に押し付けるかというクレームもあったと思いますが、それは、どうなったのでしょうか?

ついでに言うなら、デタラメな仕組みの不具合に対する対応もドタバタでした。そのドタバタについての判断の責任や、ドタバタな公的な対応を行政の裁量による事実上の「制度」として押し付けてきたにもかかわらず、すでに辻褄が合わなくなっていたり、一貫性に欠ける点については、どうなるのでしょうか?

そもそも、一連の判断の工学的な合理性もあやしいし、法に則った手続きとしてもチグハグです。これで、大丈夫なのでしょうか?

困ったことが一杯です。

問題への抜本的な対策のつもりかも知れませんが、小手先の法改正をしたり、いろいろな機関をつくったり、新たな保険制度を作ったりという工夫が、問題の解決につながると思えません。むしろ、新たな負担の元凶になるだけのように思います。

根本的に作り替える必要があると思います。

まず、国の行政が無謬であるという前提にこだわらない仕組みが必要です。

その制度に意味があるのかどうかを問うところからはじめ、誤りに対する対応も的確に行える仕組みにして行かなければなりません。
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by gskay | 2006-11-20 08:40 | 政治と役所と業界
微妙な変化
建築確認を始めとする検査は、建築に口をはさむものの、責任は負わないというのが、当初の態度だったと思います。しかし、情勢が少しづつ変化していることを感じます。

朝のJ-WAVEの番組の中のニュースで、建築確認について「民間検査機関への求償権」を自治体に認めることを明記するという内容が放送されていました。その放送を聞いた時、「何だろう、キューショーケンって?」と思いました。もっと噛み砕いた表現は無いのでしょうか?

あいにく、その他のメディアで取り上げられたのかどうかはわかりませんが、大きな変化だと思います。

これまで、「確認だから、許可とか認可とかいう行政処分と同列には論じられない」とされてきました。違法を避けるのは最終的には建築主などの責任だとしているからと説明されていました。その説明を聞いて、「だったら、やめちゃえばいいのに」と私などは考えていました。口だけ出して余計なお世話です。

無謬であり、一旦適法とされたものは、いつまで適法であると言うことなら、その手続きに価値はあったと思います。しかし、結果として違法建築になってしまったものは、手続き的に適法であっても違法であるとされることになりました。もはや、無謬ではありません。

無謬は否定されたものの、適法として進められた手続きについては宙ぶらんでした。その責任は明確ではなく、誤りの場合でも損害賠償が請求できるかどうかも曖昧でした。事によると、その曖昧さがなくなり、損害賠償が請求できるという方向になるのかも知れません。

今後、特定行政庁は誤った建築確認についての責任を負うとともに、それにかかわった民間検査機関に、賠償のために生じた損害を請求するようになるのではないかと思います。

そうすると、これまでの公的な対応の意味が変わってきます。少し、私の考えに近くなると思います。

この他に、引用する次のような記事が目に入りました。

asahi.com国交相、「安心くださいまでいってない」 耐震偽装1年


2006年11月17日10時57分
 姉歯秀次・元1級建築士による耐震強度偽装を国土交通省が発表してから1年となる17日、冬柴国交相は閣議後の記者会見で、中高層建築物の耐震性について、まだ国民に対する「安全宣言」を出せない、という考えを示した。

 同省が姉歯物件以外の検証として、民間検査機関が確認した耐震強度が基準ぎりぎりの103件を調べたところ、15件に構造計算の不備が判明。一部は強度不足が濃厚だ。また、全国387の分譲マンションを抽出したサンプル調査でも、これまでに問題なしと判定されたのは74件。

 冬柴国交相は「今日までに結論を出して不信感を払拭(ふっしょく)したかったが、安心くださいと申し上げるところまでいっていない」と説明した。

 制度の不備に対する国の責任については、「非常に難しい法律判断を伴う」と明言を避け、「住民の立場で損害を軽くする方策を実行している。これが国の責任の履行ではないか」と述べた。

前半は、現実問題として深刻です。一方、最後の段落は、「明言を避け」ているものの、司法での判断が、国のこれまでの主張と異なるものになることに備えているのかもしれないと感じました。

ところで、然るべき配慮をしない限り、ほとんどの建物は、再検査を希望しないのではないかと思います。結果が悪かった時、我々のような負担を背負うことがわかっているなら、尻込みする人が多くても当然だと思います。どれだけ大変なのかだけが、メディアを通して広く伝えられています。それでは、安全確保への道は開かれません。
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by gskay | 2006-11-17 23:59 | 公的対応
1周年
昨年の11月17日に公表され、通知をもらい、耐震偽装に巻き込まれました。木曜日でした。日付でいえば、明日で1年になりますが、曜日の感覚からすると、勤労感謝の日の前の週の木曜日がその日であったと感じています。

木曜日は、毎週、通常とは別の仕事をしています。そのため、早く帰宅することができます。帰宅したら、そういう通知が来ていました。そして、記者も……。

そうした曜日感覚まで意識したのか、今日の朝日新聞の東京地方面は、大々的に耐震偽装を扱っていました。他紙は、概ね国土交通省の助成期間延長だけが話題でしたが、朝日は、1周年を前倒しにして掲載したのかもしれません。

他の都内物件の現状は、
 asahi.com生活再建歩み重く マイタウン東京

また、加藤記者、小金丸記者による連載が再開されていました。
 asahi.com耐震偽装 グランドステージ 記事一覧 マイタウン東京

これまでも、朝日新聞は、他の新聞とは少し異なった取り上げ方をしてきたと思います。

他には、毎日新聞が、千葉県に関連して特集を組んでいるようですが、何かスクープを意識しているようでしょうか?

また、なぜかメディアでは取り上げられないネット上のメッセージや情報については、スポーツ報知がそれなりに取り上げていてユニークです。
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by gskay | 2006-11-16 17:23 | 揺れる システム
木村建設についての破産債権の査定の申立書
建築確認済みの適法な設計図によって施工した以上、不法行為はないというのが、木村建設破産管財人の判断です。施工上の欠陥が明らかになっているわけではなく、もし、建築確認にそれだけの権威があるのなら妥当な判断かもしれないと考えました。

私をふくめ、住民から届出された破産債権はすべて破産管財人による異議がなされてゼロでした。この異議をうけ、次は、裁判所に査定を申し立てるか否かの判断です。

マンション全体で足並を揃えて申し立てているところもあるようですが、うちのマンションでは、各自が自身で判断することになりました。私は、申し立てを行いました。

建築確認の意義が高く、間違った建築確認であっても施工業者は従うべきであり、それは違法建築ができないようにする注意よりも大切だというなら、査定でもゼロでしょう。その場合、さらに裁判で争うかどうかを考えることになります。

一方、建設業者が努めなくてはならない施工技術の確保に、違法建築を作らないという注意が含まれているとするなら、査定結果が変わる可能性があると考えています。

建築確認済みであるということが、建設会社が違法建築をしたことを免責するかどうかという点が問題だと考えています。

そんな責任関係さえ、定まっていません。そうした土台になる部分に手をつけずに、ピアチェックの心配をしていることに疑問を感じています。司法の場で、判例を積み上げていくしかないのかもしれません。

査定の申し立ては難しくありませんでした。破産債権届出のときの資料に異議通知を追加して、異議に対する反論を書いて提出しました。結果については、期待はできないと考えています。今後、裁判までするかどうかは、情勢を見極めなくてはなりません。

ところで、木村建設破産管財人が回収したのは10億円。すでに認められた破産債権は65億円で、住民からの150億円が全額否認されている状況です。現時点でも配当率は約15%。住民の債権が認められるとさらに低下します。ただ、今後、40億円のメインバンクに対する訴訟次第では、資産が増えるかもしれないという状況とのこと。

査定がゼロの場合、裁判で争うかどうかを決断するのは、とても難しいことになりそうです。裁判となると、費用を含めた負担は、これまでの手続きとは比較にならなくなり、それに見合うかどうかを考えなくてはなりません。

損害の回収ができるなら取り組んでもいいと思っていますが、負けを覚悟で法律の不備の穴をうめる判例を積み重ねるだけの裁判を戦って、挙げ句に自らが負担を負う気にはなりません。
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by gskay | 2006-11-15 15:33 | 損害と回復