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不正な経理の取り締まり
日興コーディアルグループの不正な経理についての対応が、ライブドアや耐震偽装の場合に比べ、手ぬるいのではないかという疑問がわき上がっています。日興コーディアルグループの事件では、社員のミスだと公表して責任逃れをしようとしたとされているにもかかわらず、悪質さを批判する声は強くないように思います。

この件については、ボチボチと問題視する声が上がっているようです。たまたま、出先で眺めた朝日新聞の12月30日の「私の視点」の欄に、民主党の峰崎直樹参議院議員が意見を寄せているのを読みました。問題点がよくわかりました。

というか、私は、あまり注目していませんでした。しかし、峰崎議員の問題提起で、目が開かれたような気がします。おそらく、他にも問題意識を持つ人が大勢おり、他の場所でも取り上げられているのではないかと思われます。峰崎議員も言っているように、民主党に限らず、与党を含めた党派をこえた取り組みになって行けばよいと思います。

業績を良く見せかけることへの動機として、業績連動の役員報酬の誘惑があげられ、ますますエスカレートする可能性が指摘されていました。他にも、耐震偽装の場合のように、実力以上の業務を請け負うための不正もあろうかと思います。そうした不正がまかり通ってしまう背景として、監査法人の誠実さにも問題があると指摘されています。

抜本的な対応や取り締まりの強化を行わない限り、減ることはないのではないかと思われます。証券市場、金融市場の問題にとどまらない問題として取り組まなくてはならないのと思います。

会計の問題は、解釈の問題があり、単純ではありません。議論が分かれることがしばしばで、取り組みは難しいと思います。しかし、少なくとも、別件逮捕の口実としてばかりに用いるのではなく、それ自身を重大な問題として取り締まりの対象にしなくてはならないと思います。

経理は、企業の活動の根幹だと思いますが、不正については、氷山の一角に最低限の取り締まりだけを適用し、結局、野放しに近い状態なのだろうと思われます。摘発されたとしても、当事者にしてみれば、運が悪かったということになるだけではないかと思います。そして、厳しく罰せられるのは、他の問題に関係した時だけ。それも、その問題で直接罰することが出来ない場合に限られているという実態は、とても公平な仕組みとはいえないと思います。
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by gskay | 2006-12-30 16:45 | いろいろ
今年の年賀状
昨年の今頃は、仮住まいの手配の最中でした。一応、仮住まいが内定していましたが、引越先が決まったわけではありませんでした。

その時の年賀状は、元の住所で出しました。仮住まいの住所も書いておけば良かったのかもしれません。すぐに引っ越すということを知らせた方がいいのかどうかは、少し悩みましたが、結局、元の住所だけにしました。

年賀状で知らされた「新住所」は、たったの2週間後には仮住まいの新々住所になってしまいました。

今年は、さすがに仮住まいの今の住所で、年賀状を出します。転居の経緯は、親しい人たちは、すでに知っているのであえて書きません。また、まだ知らない人には、転居の理由はあえて知らせないことにしました。年賀状を出すうちの約3分の2は、この事情を知らないと思います。直接会ったときに、「実は……」と話そうと思います。
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by gskay | 2006-12-28 00:35 | いろいろ
元建築士の実刑判決
能力不足であるにかかわらず、無理な設計を引き受け、苦し紛れに改竄を行って、デタラメな設計をしたところ、建築確認をパス。これに味をしめてしまったのだと思います。たくさん仕事をこなして、収入を上げたいと思ったのでしょう。

建築主や元請けに言われるがままに「経済設計」できたのは、もともと計算なんてしておらず、適当にコンピューター上で偽装していたから。また、「経済設計」をした理由は、建築主や元請けから文句が出ず、やり直さずに済むから。

まともに「経済設計」を目指して計算したら、試行錯誤で時間がかかる。その時間を節約。苦心の経済設計も建築主や元請けからは、もっと何とかして欲しいと文句を言われてやり直しが、しばしば。そこも節約。

構造計算は、コンピューター上でやってしまえば、検査も緩く、中身はほとんど検査しない。合格しやすいばかりか、改竄しても見抜かれない。だったら、試行錯誤はやめにして、書類を偽造してまうのが手っ取り早い。

おかげで、数もこなせる。建築主や元請けの期待にかなった数値にするのも簡単。

元建築士がやったことの背景に、「経済設計の要求」があったとして、当初、非難が上がりました。しかし、その要求は当然のこと。性能の極大化と裏表の関係にあり、同じ材料なら最大に性能を求め、同じ性能なら最小の材料を目指すのが当然です。その要求自体は悪ではありません。しかし、その要求が何重にも逆手にとられた犯罪だったと思います。

仕事も速く、要求通りの仕事をしてくれるのだから、仕事は増えたと思います。

そうした仕事を可能にしたのは、やはり、計算ソフトと検査システムの不備だと思います。簡単に改竄可能なソフトと、違法な計算書が検査の網にかからないという仕組みさえなければ、彼にはどうしようもなかったことです。杜撰な仕組みが背景にあったからこそ、なしえた犯罪だと思います。

その点は、彼を裁く上では重要ではないかも知れませんが、事件の本質を考える上では重大なポイントです。忘れてはいけないことだと思います。

また、彼の罪は、事件を起こしたことだけではありません。国会での証言を含めた彼の発言が、事件の印象を全く変えてしまいました。その結果、様々な誤解が生まれ、混乱が生じたと思います。国会も、マスコミも、完全に振り回された形になってしまいました。

ただ、彼の発言がなかったとしても、高度な技術に関する議論を必要としており、今の国会やマスコミでは、見当違いな騒ぎをすることくらいしかできなかったのかも知れないと思います。その陰では、国土交通省の責任や問題点が見事に有耶無耶になっているようですが……。

彼には、事件を起こしたという罪だけでなく、事件発覚後に事件の本質を隠してしまうような滅茶苦茶な発言をしたという罪が加わっています。おかげで、問題とすべきポイントがよくわからないまま、混乱だけがエスカレートし、今は風化に向かっているような気がします。

変な誤解や新たな先入観を残した一方、もっと追及されなくてはいけない点が放置されてしまい、事件を教訓とした法改正も、随分と矮小化されたものになっているような気がします。そのきっかけとなるような彼の言動も、事件における彼の位置付けから忘れてはならないところだと思います。彼の言動がもたらした悪い影響は克服されなくてはなりません。

彼が何と言おうと、もっとしっかりと問題に取り組むべきでした。あるいは、これからでも、取り組んでいくべきだと思います。彼のことはともかく、やるべき人が、やるべきことをやらなくてはならないはずです。
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by gskay | 2006-12-27 01:33 | 真相 構図 処分
いやがらせ
引用した記事からは、礼意が感じられません。紛争の相手であるからと言って、許されることだとは思えません。好意からの贈り物ではないだろうと思います。

姉歯被告へ…Xマスプレゼントはヘルメット


 耐震強度偽装事件で建築基準法違反などに問われた元1級建築士・姉歯秀次被告(49)の判決公判が26日、東京地裁で行われる。検察側は懲役5年、罰金180万円を求刑。住宅の安全を揺るがした事件の刑事責任を司法がどう判断するか注目だが、判決を2日後に控えた24日、姉歯被告に何とも皮肉なクリスマスプレゼントが贈られた。

 姉歯被告の自宅を訪問したのは被告が手がけたグランドステージ(GS)東向島の元住民で対策委員会の代表・田中拓さん。何度も呼び鈴を押したが反応はなし。エアコンの室外機は稼働している。居留守であることは明らかだった。玄関前のゴミ袋にはビール缶が約30個詰められ放置されていた。「飲み会…。信じられない」と田中さんは絶句した。

 それでも田中さんは、家の中でひっそり息を潜める姉歯被告に向け反撃を開始。「彼にはこれをプレゼントします」と言うと、持参した紙袋から黄色のヘルメットを取り出した。後頭部には「GS東向島解体工事 姉歯秀次」。大手百貨店で自費で購入したという。「解体工事ならできるはず。建て替えも? それは嫌です。無理です。彼には不可能です」住民たちの抗議文も添えると、足早に立ち去った。

 クリスマスイブの、この日、周囲の家の玄関先はもみの木にきらびやかな照明が飾られていた。だが姉歯被告の玄関先は黄色のヘルメットが、むなしく悲しく光を放っていただけだった。

(2006年12月25日06時04分 スポーツ報知)

メディアへの露出が多い人物です。とある会議で見かけたことはありますが、会話を直接した事は無く、どのような人物がであるかは知りません。

ただの腹いせのための「いやがらせ」ではないかと思います。

刑事上の処罰がある以上、私的な制裁は許されないと思います。損害についての追及だとしても、妥当性はないと思います。

ビール缶についても、記事では表現が微妙になっているものの、言いがかりや八つ当たりの類いに過ぎないように思います。

そして、この記事の報道の意図がわかりません。

元建築士の所行をみれば、「この位は当然だ」とでもいうのでしょうか?私は、私的制裁やいじめ、いやがらせを容認すべきだとは断じて思いません。損害原因や責任の追及、損害回復のための努力とは全く関係のないことだと思います。

あるいは、これを機会に、ヒューザー物件の住民の卑劣さをメディアで取り上げようというのでしょうか?

まともな行為だと思えません。そして、それが報道されてしまっている点については、背景の事情や意図を含め、慎重に考えなくてはならないと考えます。
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by gskay | 2006-12-25 19:55 | メディアの狂騒
官僚主体への後退の可能性
政府の税調会長が、スキャンダルで辞任とのこと。

報道されているような行状は好ましいものではないが、この人が辞任してしまうことで、税制が思わぬ方向に進んでしまうとしたら、残念なことです。さらに、財政や政策の決定過程にも影響があるのではないかと思います。

内容の議論を進める前に、勢力争いを行って、然るべき方向性を確保しようということかもしれません。あるいは、ここでの議論自体を無意味にしてしまおうということかも。

彼がやろうとしていたことは、内閣の力を強化し、官僚の力を弱める方向性の実践です。経済財政諮問会議が方向性を打ち出し、官僚を拘束する仕組みが機能しかけています。これは、明治以来の仕組みの大改革です。

官僚制度や省庁制度は、内閣よりも国会よりも古い仕組みであり、憲法は、新旧ともに官僚制にとっては、後からやってきたもの。官僚の方が、しばしば超越した存在になっています。国会も、官僚制からみれば、ほんの一部の権限を担っているにすぎず、そもそも、議員の実力に問題があって、いいなり。内閣についても、議院内閣制のはずが、実態は、官僚制。

スキャンダルで辞任した人は、脇が甘かったと思います。内閣の権限が強くなって、議会の意思が、官僚の意思よりも優位に立つ仕組みが機能するはずだったのに、それを逆行させかねない事件だと思います。

官僚制が様々な点で破綻しているなかで、国会と、国会に選ばれた内閣が実質的な権限をもつ仕組みができかかっているものと思っていましたが、まだまだ、紆余曲折あるようです。

もし、官僚がもう少しまともなら、任せておいてもいいのかもしれません。しかし、今は、官僚に舵取りを任せるべきではないと思います。発展が頭打ちになっている一方で、無責任体制のまま、不適切は方向にズルズルと進んでしまうと思います。

国会が責任を持つ体制の方が、今は良いと思います。国会議員がどんなに無能でも、任期ごとに、あるいは解散時に国民の審判を受けています。国民の方を、いやでも向かざるをえません。それに対し、官僚はその必要も機会もありません。無責任体制の官僚の方が、選挙毎の短い時間しか展望できない議員よりも、近視的になっています。

国会がまともに機能し、内閣が議院内閣制の内閣として機能するための部品として経済財政諮問会議や、政府税調のメンバーが政治任用されているはずです。それが、陳腐になってはいてはいけないし、骨抜きにしようという勢力の言うがままになっても行けないと思います。

官僚のいいなりになるより、もっと、こうした会議のメンバーを大切にしなくてはいけないのではないかと思います。人選が適切である必要があると同時に、スキャンダルなどで辞任されずに済むように充分に配慮し、人材を活用しなくてはいけないと思います。
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by gskay | 2006-12-23 15:52 | 政治と役所と業界
初の起工式報道
先頭をきっている川崎市の物件が、起工式に漕ぎ着けたとのこと。最短時間で建て替えを済ます事は、必要な出費を抑えることにつながります。その結果として、損失が最小限になる可能性があります。そこで、展開を早くし、時間の無駄を少なくするための配慮がなされてきたのではないかと思います。

asahi.com GS溝の口跡地で起工式 耐震偽装、建て替え支援で初



2006年12月20日13時00分
 耐震強度が不足し、独自の再建案をまとめた川崎市高津区の分譲マンション「グランドステージ(GS)溝の口」の跡地で20日、新マンションの起工式があった。国の建て替え支援対象になった11棟の中で、起工式は初めて。来年12月の完成を目指している。

 この日は川崎市からマンションの使用禁止命令が出されてちょうど1年。式は午前10時半から、敷地内に立てられたテントの中で始まった。住民や工事関係者ら35人が出席してくわ入れなどをし、約1年に及ぶ工事の安全などを祈願した。

 新マンションにはGS溝の口と同じ24世帯が入居する予定で、名称は「グランシャリオ溝の口」に決まったという。

 住民たちは記者会見を開き、旧グランドステージ溝の口管理組合の牧田健理事長(39)は「今日は新マンションの門出。新しいスタートにやっと立てた」と語った。

ここの事業は民間主体で、早くから公的な対応の枠組みからは離れた事業が目指されていたように思います。公的な関与は最小限のようです。最速で建て替えを実現するための工夫なのだと思います。

必要な出費を確定させた上で、今後、じっくり問題の責任追及をしていくという方針なのかもしれません。最初は建て替えに集中し、完成までのタイムラグを損害回復のための期間と考えているのではないかと想像します。合理的な方針だと思います。一つの理想型だと思います。
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by gskay | 2006-12-20 21:35 | 建て直し
1棟化
ヒューザーのマンションは、広いことが魅力になっていましたが、むしろ広くないと商売にならないような悪い条件の土地を逆手に利用していたということではないかとも思います。

悪い条件のひとつは、駅から遠い土地。この場合、標準的な広さでは勝負にならないので、広めの部屋が必要になりました。標準的な広さの部屋をたくさん作ってもどうせ売れないのだと思います。

もう一つは、駅からの立地は程々であるが、土地の形が悪い場合。ヒューザーのマンションが建っている土地は、あまり形が良くない事も多く、普通のデベロッパーなら敬遠するような土地を利用していました。形が良くない土地では、標準的な間取りのマンションを造ろうとすると戸数の確保が困難になり、複雑なパズルのような部屋ができてしまいます。そこを割り切って戸数を減らし、広めの部屋を作っていました。

引用した記事の物件は、2棟に別れているところから、おそらく、微妙な形の土地で、たまたま、ヒューザーのコンセプトで設計をするとうまく収まっていたのではないかと思います。

Yahoo!耐震計算偽造:1棟に全面建て替え、負担は1人2000万円−−GS千歳烏山 /東京


12月18日11時2分配信 毎日新聞

 耐震データ偽造事件に絡んで耐震強度が異なる2棟からなる世田谷区の分譲マンション「グランドステージ千歳烏山」(31戸)の住民集会が17日に開かれ、両棟とも取り壊して1棟に建て替えることを全員一致で決議した。1人あたりの追加負担額は約2000万円。全32戸で全員が入居し、余剰1戸の販売利益を事業費に充てる。
 耐震強度が基準値の34%しかない5階建てのA棟(22戸)と149%で解体の必要がない3階建てのB棟(9戸)が廊下でつながる特殊な構造になっている。住民の間でも▽A棟のみ建て替え▽A棟の補強で対応——などさまざまな意見があり、議論を重ねてきた。
 資産価値などの観点から、7月に全面建て替えを決定。予算などを考慮して10月、2棟を合わせて1棟とする方針を打ち出し、事業者を選定した。来年4月上旬に建て替え組合を申請、08年秋の完成を目指す。
 住民らでつくる耐震偽装対策委員会の市来隆委員長(44)は「二重ローンの返済など、乗り越えなければならない課題も多い。やっとスタート地点に立った感じ」と話していた。【市川明代】

12月18日朝刊

2棟の間の調整は難しかったのではないかと想像します。退去に至るまでの公的な取り締まりについても判断が難しかったことと思います。2棟でも、一つの共同住宅です。占有しているところだけを所有しているわけではありません。全体をみて考えなくてはなりません。そうした点を充分に吟味し、共同住宅全体で一丸となることができたということだと思います。

ところで、あまりに不可解な耐震強度ですが、これが、元建築士の実力なのだと思います。おそらく、低層の建物しか作れなかったのだと思います。その低層の建物でも、構造計算自体はデタラメで、結果として数値が満たされているに過ぎなかったのではないかと想像します。耐震基準という点だけを見れば基準を満たしていても、他におかしなところがあるのではないかと心配になります。そういう点からも、両方の棟を建て替えの対象にしたのは適切だと思います。
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by gskay | 2006-12-20 01:58 | 建て直し
瑕疵担保責任の果たし方
売り主が倒産しなくても、なかなか買い手を満足させるのは難しいようです。選択肢としては、補修、建て替え、買い戻しなどがあると思います。共同住宅では、住民ごとにそれぞれの意向があり、調整するのも大変ではないかと思います。

asahi.com購入代金返還求め、住友不動産を提訴へ 札幌の耐震偽装


2006年12月17日20時54分
 札幌市の浅沼良一・元2級建築士によるマンションの構造計算書の偽造問題で、耐震強度不足が分かった同市内の分譲マンションの住民が販売元の住友不動産(東京)を相手取り、年内に購入代金の返還などを求めた訴訟を札幌地裁に起こす。浅沼元建築士による耐震偽装での提訴は初めて。

 提訴するのは、04年に同市中央区に完成したマンション(15階建て、84戸)に住む11世帯14人。同社は販売の際、耐震基準を満たしていると説明していたが、5月の札幌市の調査で耐震強度が国の基準を下回る0.86と判明。これは消費者契約法違反(不実告知)にあたり、偽装した浅沼元建築士ではなく売り主の責任を問うことにしたという。1戸当たり2000万〜4000万円で、総額4億1000万円になる。

 さらに、同社が販売し、強度不足が判明した同市北区の別のマンション住民2人も、購入代金に加えて違約金の支払いも求めて提訴の準備を進めているという。

 中央区のマンションに住む男性(40)は、同社から強度が1.89との説明を受け、約3000万円で購入したという。「同社はマンションを補修して強度を1.0にするといっているが、当初の説明と実際の強度がこんなに違うのは詐欺だ」と訴えている。

住民にとって有利な条件を出して来るはずがないと思っていました。同時に、売り主ばかりに都合が良い対応が、すんなりとは通る訳がないだろうと思っていました。同意に漕ぎ着くのは、そもそも困難です。

これに加えて共同住宅の場合、管理組合としての対応があります。建て替えにしろ、補修にしろ、管理組合の決議ないし、全員の同意が必要になります。その手続きは、それなりの好条件でなければ進まないだろうと思われます。

売り主の名が通っていても、そんな建物が出来てしまうし、そんな対応をするというのが現実なのだろうと思います。
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by gskay | 2006-12-19 00:51 | 揺れる システム
グローバル化
グローバル化といっても、アメリカナイズを穏やかに表現しただけではないのかと思っていました。アメリカに有利な仕組みを押し付けて、グローバル化と呼んでいるいるなら、要らないと思います。

しかし、国内の特殊な条件が障害になっている場合、グローバル化を積極的に活用することは意味があると思います。情報に関しては、我が国の特殊な条件を前に断念しなくてはいけないことは減っていると思います。

肝心な情報は、既存の国内のメディアには期待ができないのではないかと思います。その代替がグローバル化によってもたらされそうです。

すでにネットの威力を思い知りました。ネットでは、国内の特殊な障壁が問題にはなりません。そして、今回、出版に関しても、国内の特殊な事情が克服されることになりそうです。これからは、国内事情にこだわることが陳腐な思い込みになりそうです。

イーホームズの社長の本が海外から出版されるというのは、とても画期的な出来事だと思います。

陳腐な思い込みに惑わされている既存のメディアは、あっと言う間に取り残されてしまうような予感がします。

そういうグローバル化なら歓迎したいと考えています。
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by gskay | 2006-12-16 03:19 | メディアの狂騒
行政の裁量の限界
三菱自動車の欠陥隠し・リコール逃れ事件の刑事事件で、興味深い判決が出ました。様々な反応があるようです。

東京新聞のサイトから引用しました。


三菱ふそう元会長ら無罪


虚偽報告事件
 三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)の国土交通省への虚偽報告事件の判決公判で、横浜簡裁は十三日、道路運送車両法違反罪に問われた三菱ふそう元会長宇佐美隆被告(66)ら元幹部三人と、両罰規定で同罪に問われた法人としての三菱自に無罪を言い渡した。小島裕史裁判官は「そもそも国から被告側に法律に基づく報告要求があったとは認められない」とした一方で、同社がハブ破損による脱輪事故などの情報九件を隠ぺいしていたと指摘した。検察側は控訴の方向で検討するとしている。

 小島裁判官は判決理由で、争点となった道路運送車両法に基づく報告要求の有無について「報告要求は大臣の権限と法で定められているが、当時のリコール対策室の職員が大臣の代理として、または大臣の意思決定に基づいて報告要求した事実はない」と判断、「本件では法に基づく報告要求が存在したとは認められず、犯罪の証明がない」と述べた。

 一連の欠陥隠しをめぐり、横浜簡裁と横浜地裁で審理されてきた三つの刑事裁判のうち、最初の判決。ほかの二被告は、三菱自元上級執行役員花輪亮男被告(65)と元執行役員越川忠被告(64)。三被告と三菱自は起訴事実を否認していた。

 公判では、同社製大型車の車輪と車軸をつなぐ金属部品のハブが破損し、脱落したタイヤが歩行者を直撃した二〇〇二年一月の「横浜母子三人死傷事故」をめぐり、(1)同法に基づく報告要求の有無(2)同社側の報告または説明について被告側に虚偽の認識があったかどうか−が争われた。

 検察側は、リコール対策室について「(各種法令に基づいて)リコール関連業務を担当し、報告要求も所管する」と主張したが、小島裁判官は「報告要求は大臣の権限であり、直ちにリコール対策室に生じる権限ではない」と退け、被告らを無罪とした。

 一方、小島裁判官は、被告側の認識については明確に判断しなかったが、国交省に提出した同社の資料から、同社が摩耗量〇・八ミリ未満のハブの破損事例九件を隠ぺいしていたと認定。「九件には被告会社の主張する『想定の範囲を超えた』整備不良や過酷使用を疑わせるデータは存在しない」とも指摘した。

 判決によると、母子死傷事故の後、「リコールが適切ではないか」と見解を求めたリコール対策室職員に、同社は「ハブの破損は整備上の問題なのでリコールはしない。摩耗量〇・八ミリ以上のハブを交換すれば、通常の使用なら耐久寿命を確保できる」と回答した。

 三菱ふそうは〇四年三月、ハブの欠陥を認めリコールを届け出ている。

 三菱自動車の欠陥車をめぐっては、今回とは別に二つの刑事裁判が横浜地裁で継続中。(1)ハブの欠陥を放置して横浜母子三人死傷事故を引き起こしたとして同社元市場品質部長村川洋被告(60)ら二人が業務上過失致死傷罪に問われた裁判(2)クラッチ系統の欠陥を放置、山口県の運転手死亡事故を引き起こしたとして、同社元社長河添克彦被告(70)と宇佐美被告ら四人が業務上過失致死罪に問われた裁判。

リコール業務が適切に行われるべきであることは当然です。業者だけでなく、行政まで、そのやり方が、あまりに杜撰であるということが指摘されている判決だと思います。

法律に基づかない行政指導がまかり通ってきました。行政の裁量には、超越的に地位があたえられ、それが無謬であるとされてきました。しかし、もう通用しないのかもしれません。

リコール対策室は、安全の為に誠実に業務を行ったと主張するのかもしれませんが、デタラメなルールで押し通してきたために、かえって重大な問題の温床になっていた可能性もあります。

これは、耐震偽装の問題にも通じる問題です。

事件の重大さは変わらず、関係者の責任が否定されたわけでもないようですが、刑事的な罪を問う裁判としては、門前払いにあったようなもののようです。

また、弁護側が主張している「欠陥の認識」の問題は、技術的な議論が必要な問題であり、単純ではないと思います。疑わしい場合は、前向きに措置を講じておく方がいいと思われ、結果的には判断ミスだったと思いますが、その時点の情報の限界は見極めなくてはならないと思います。

これは、小嶋社長の裁判にもいえる問題です。安全問題については、問題を指摘した役所が、本当に適切に問題を指摘しているかどうかあやしく、後から責任逃れの論理を作り、責任転嫁をしていると思われるフシがあると感じています。

超越的な存在とされてきた行政が、機能不全に陥っているだけでなく、超越性さえも失いつつあるのだと思います。技術的な判断能力も陳腐になっているように思われます。

私は、行政が超越性を失うのは妥当だと考えています。そのために、国会があり、内閣があるのですから。

ところで、こういう行政当局のデタラメの後始末として刑事裁判を担当させられている検察に少し同情します。行政当局のルールがあまりにいい加減すぎて、検察にはどうしようもないだろうと思います。

同時に、いつも問題の火の粉がかからないところに退避してしまう行政当局については、いつまでも放置していていいのかと疑問に感じます。せめて、問題を立法に活かすために、国会が充分に調査を行わなくてはならないのではないかと思われます。罪を問うべきかどうかは別として、責任を明確にして、将来のために適切な仕組みを作っておくべきだと思います。

(追記)中日新聞に参考になる記事があったので、追加引用します。


検察側主張を一蹴


三菱自 虚偽報告で無罪

 「法律に基づく報告要求が存在したとは証拠上認めがたい」−。十三日、横浜簡裁で開かれた三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)の欠陥ハブにまつわる虚偽報告事件の判決公判で、小島裕史裁判官は“スリーダイヤ”の系列トップだった宇佐美隆被告(66)ら三被告と法人としての同社に無罪を言い渡した。簡裁で約二年三カ月続いた異例の長期審理は広く注目を集めたが、判決は法律論に終始し、検察側の主張を一蹴(いっしゅう)した。 (小川慎一)

 裁判の争点のひとつは、国土交通省による同社への道路運送車両法に基づく報告要求があったかどうかだった。

 検察側は、国交省リコール対策室の職員が三菱自に限らず日常的にメーカー側とやり取りし、大臣の決裁を個別に受けることなく、報告要求を行っていたと主張。こうした行政と企業の関係の“実態”を根拠に、同室担当者が電話でリコールを実施する方向で、同社の担当者に再発防止策などの見解を求めたことについて「法に基づく報告要求だった」としていた。

 一方、弁護側は「大臣の権限による報告要求はなく、リコール対策室の報告の依頼は、法令上の根拠に基づかない行政指導だった。正式な要求なら文書でなされるのであり、今回のような口頭要求は、法的に無意味だ」と反論していた。

 判決は「当時の大臣が報告要求を行うことを意思決定し、同社に表示した事実はない。国交省職員が大臣を代理して報告を求めた事実もない」として、検察側の主張を全面的に退けた。

 もうひとつの争点は、同社から国交省への説明内容にうそがあったかどうかだ。

 検察側は、三菱自側がリコールを避けるため、「ハブの摩耗量が〇・八ミリ未満でも破損した事例を隠し、〇・八ミリ以上摩耗したハブさえを交換すれば、同種の事故は防げるとうその報告をした」と主張していた。

 弁護側は「ハブの破損は強度不足ではなく、過積載や整備不良が原因と考えられていた。交換基準も技術的な検討の結果で、虚偽報告ではない」と反論していた。

 判決は被告らが当時、ハブ破損の危険性などをどう認識していたかについては判断を示さなかった。ただし同社が自社に不利な不具合情報を故意に隠ぺいしたと認定。

 同社が同省へ提出した不具合情報の一覧から、摩耗量〇・八ミリ未満のハブの破損事例九件のうち、五件を削除し、一件は摩耗量を偽造、残り三件は具体的な数値を記載しなかった、と指摘した。

■傍聴席抽選に79人

 開廷前の横浜簡裁前には、用意された一般傍聴席四十二席に対し、ほぼ倍の七十九人が抽選に並んだ。だが、二〇〇四年九月一日に開かれた初公判では、百七十一人が列をつくっていただけに、約二年三カ月という“歳月”の長さも感じさせた。 (小川慎一)

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by gskay | 2006-12-14 18:51 | 政治と役所と業界