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小嶋社長について
また、仕事で更新が滞っています。

今のように、仕事に集中できる環境を幸せだと感じています。今でも、役員の方々は奮闘しておられるし、関連する機関も忙しい事と思います。申し訳ないと思うとともに、自分にとっての仕事の大切さを再確認しています。この事件に巻き込まれなかったら気付かなかったのではないかと思います。

銀行の取り引き履歴をみたところ、小嶋社長個人の破産についての、配当が振り込まれていました。法人であるヒューザーの破産による配当の100分の1くらいの額でした。管財人はヒューザーと一緒で、債権として認められた額も、基本的にヒューザー社の破産で認められた額でした。

この金額から、ヒューザーという法人の100分の1の資産を小嶋社長という創業者個人が持っていたのかと考えましたが、債権者が、必ずしも共通ではないので、何とも言えないようです。

この配当で、小嶋社長との直接的な関係は終わりになるのだと思います。

ところで、随分前のことになりましたが、小嶋社長が保釈されたというニュースがありました。この事件で、これだけ長い期間保釈されなかったということの意味は、私にはよくわかりません。どのような判決になるのかという見通しも、私にはわかりません。

騙しとったとされる代金の支払いの手続きのあり方や、建築基準法における処分のあり方が問題になる裁判で、小嶋社長を有罪だと決めてかかることはできないと、私は考えています。

とはいうものの、わたしにとって小嶋社長は、民事上の相手であることが第一であり、損害を回復するための相手でした。そちらの処分は、配当によって、もう終わっています。
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by gskay | 2007-04-30 06:49 | 損害と回復
ここまでの対応状況
第一次の耐震偽装でQu/Qunが0.5以下で建替え相当とされた物件への対応は、現時点で大きく別れています。

国土交通省が最初に出したスキームをもとに考えると、スキーム通りに進展しているものは、ほとんどないようです。まだ、方針が明確に示されていない物件も少なくないので、今後、スキーム通りの建替えが行われる物件が出る可能性はあるものの、早い対応をした物件は独自の選択をしているようです。どうしても物件毎の個性が出てしまうのだと思います。独自の選択には、物件の住民は当然として、特定行政庁を置く自治体の考えが反映されています。また、根拠になる建替えについての法律的な手法にも差が出ています。

最もスキームから離れた対応は、横浜のケースです。除却は行わず、改修で対応するものです。国土交通省が示した0.5という基準の妥当性が揺らぐような対応といえますが、建築物に個性があるばかりでなく、その建物が建つ土地にも個性があることから、0.5という基準よりも、実際の物件の条件こそ重要であるようです。

早い時期に建替えに進んだ物件は、どちらかというと住民主体で独自の建替えプランを作製し実行に移しているようです。対応に時間がかかることによって増える損害を重く見ているようです。とにかく建替えてしまうことが大切。資金的な問題については、建替えのプランとは別にしっかりと対応していこうという考えではないかと思います。

うちを含め、なかなか建替えの計画の目処が立たない所は、資金的な問題や近隣との関係などを充分に検討した上で、自治体との調整に慎重を期しながら進めているのではないかと思います。仮に、このような建替えでなくても、建築にあたり様々な調整が必要な場所では、調整に手間取ることもあります。それに、自治体と強く連携しながら進めるとなると、資金的な問題は厳密になるざるを得ません。

また、直前のエントリで触れた藤沢の物件のように、建替え自体の雲行きがあやしくなっているところもあります。ここでは、物件の建替えよりも、損害の回復をしっかりと行うことが重要になるのではないかと思います。

現在までのところ、改修、とにかく建替え、慎重に自治体などと調整中、建替えより損害回復という対応に大別されるように思います。
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by gskay | 2007-04-16 23:21 | 反省とまとめ
再開します
とても忙しい生活を送っていて、このブログどころではなかったので、ずっとサボっていました。今も、忙しい事には変わりがありませんが、少し余裕が出て来たところで再開しようと思います。

もうひと月近く前になってしまいますが、3月18日に藤沢の物件の建替えについて、業者が全て辞退したというニュースがありました。建替え事業が暗礁に乗り上げたことが明らかになった最初のケースだと思います。

この物件は特殊な条件がたくさんあります。例外的な部分も多々あります。しかし、小嶋社長の刑事事件で取り上げられたことや、強度がもっとも弱く、いち早く取り壊しが行われたことで、注目されている物件でもあります。

この物件の特殊性は、売れ残りがたくさんあるということです。その売れ残りの権利関係が複雑であるため、一筋縄ではいきません。もし、全住戸が売れていれば、発生しないような課題をかかえているのだと思います。ゼネコンなどが、及び腰になるのは仕方がないかもしれません。

建替え事業としては、住民以外の分を分譲などにまわすにしても、それがうまく行かない懸念があります。少なくとも、ヒューザーは売れ残りを出していたのですから。

いち早く除却をはじめた藤沢市の当局は、現在、その費用の回収について、ヒューザーの管財人と争っています。

住民も、別の角度から、損失の回収を増やす方向で動いているようです。

必ずしも、再建だけが唯一の解決策ではありません。満足できる住環境を手に入れつつ、損失を最小限にするという方針も妥当なものだと思います。当局も住民も、少しでも多く回収しようという姿勢は、そうした事情を反映しているような気がします。

ところで、まだまだ、バタバタしているので、更新は、不定期になりそうです。私のところも、大事な時期にさしかかっているのですが、仕事の関係でどうにもならない状況に歯がゆさを感じています。
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by gskay | 2007-04-15 22:41 | 損害と回復
価格
価格が購入の動機ではないものの、「安い」と吹き込まれていたので、安いものを買ったのだと信じていました。

それでも、周りのマンションの価格をみて、何となく腑におちないと考えていましたが、自分で詳しく調べていませんでした。

今さらかもしれませんが、次のような記事がありました。

価格でマンションの質は見抜けない〜ヒューザー物件は「安物買いの銭失い」だったのか? (マンションに住んで幸せになろう):NBonline(日経ビジネス オンライン)

意外でした。同じ地域の同じような規模のマンションに限定したことで、明らかになった事実だと思います。

価格がどうかという話はともかく、この記事が主張するように、価格で品質を測るのは無意味のようで、品質を確かめる手段など、買い手にはないという実情が重要だと思います。
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by gskay | 2007-04-03 16:40 | 揺れる システム
木村建設の破産債権の査定
しばらく、自分でも、こんなに仕事ができるのかとビックリする程のスケジュールで、更新がままなりませんでした。ハードスケジュールのピークをこえたので、久々の更新です。

さて、私がネット環境から離れ、耐震偽装の問題も頭の片隅のさらに隅に追いやっていた2週間の間に、木村建設の破産債権についての東京地方裁判所による査定がありました。3人の裁判官の名前と、一人の裁判所書記官の名前が記されており、裁判所書記官の印が押されていました。

査定額は、0円でした。

査定額よりも、その理由が気になりました。

「不法行為責任を負う余地がまったくないとまではいえない」そうです。「建築工事のみを請け負った者であるから」、「設計図書どおりに施工することがその本来的な義務ということになるが」、「設計図書自体に偽装がある場合に、その適正を調査・確認する義務までも負うか否かは問題である」としています。

その問題に対しては、建設業法に定める「主任技術者」や「監理技術者」を取り上げ、「技術検定の内容に照らして」、「建築士の実施する構造計算を検証できるような構造計算に関する高い知識と技術を有することまでは要求されていないというべきである」とし、「設計図書自体の適正を確認した上で施工をすべき義務はないと解するのが相当であり、まして、本件では、指定確認検査機関による検査において問題を指揮されず、特定行政庁による建築確認がされるなど、構造計算自体が巧妙に偽装されていた場合であるから、設計図書どおりの施工を行うという義務を本来的に負うにすぎない破産者に、構造計算の偽装を看過した過失があるものと認めることは困難と言わざるを得ない」と判断しています。

裁判所は、施工業者が留意すべき安全についての判断には踏み込みませんでした。また、安全について、建築に従事する様々な業者が負うべき責任や役割についても判断しませんでした。

その代わりに、従事する技術者への公的な検定制度の技術基準を持ち出して、無理だったと判断しています。法が作られた理念よりも、実態を優先した判断なのだと思います。

建築と言う仕事の特別な点、特に安全についての配慮を法律が明確に定めていない以上、これ以上の判断を司法に求めることはできないと思います。逆にいえば、このような関係を立法によって法律で整備すべきです。

公的な検定制度の技術基準を定めることも手段としては可能だとは思います。しかし、理念を明確にすることが必要ではないかと私は思います。

査定額0円自体は、予想されていたもので、手続きをどこで終わりにするかという問題です。私は、ここで、終わりにしようと思います。これ以上は、訴訟の費用が必要になり、時間もかかるからです。それは、割に合いません。

ところで、木村建設関係者の刑事裁判は、みな耐震偽装そのものとは関係のない裁判でした。木村建設関係者に耐震偽装の責任を問うのは無理だというのが、検察の判断だったのだと思います。

また、私が手にした裁判所の判断は民事のものですが、木村建設がメディアに執拗に叩かれた事情を肯定するような判断は、どこにも含まれていないように思えます。
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by gskay | 2007-04-02 11:41 | 損害と回復