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証人喚問と証言
耐震偽装の元建築士や小嶋社長のおかげで、参考人招致と、証人喚問の区別がつくようになりました。

元建築士は、議院証言法違反が問われました。証人喚問でのウソが国政に必要な調査を混乱させたことに対し、厳しい判決が出て上告中です。ただ、設計にあたって偽装をしたことを考えると、ウソつきが「私は正直者です」と言っている話と同じように考えるべきで、混乱させられた方も、混乱させられた方ではあります。

小嶋社長は、「刑事訴追のおそれ」という言葉を乱発しました。これには前例があるようです。あまり、国会に対し協力的とはいえません。ただ、質問の内容も国政の調査にどうつながるのか疑問を感じるようなものもあり、質問する側も配慮すべきではないかと思います。

前防衛事務次官の証人喚問は、「宴会」や「会食」という疑惑とやらに登場する政治家について、それがどれだけの問題なのかすぐにはわからないのですが、とりあえず、大騒ぎ。真偽を確かめるところで、一荒れあるとして、もし、その証言がウソだったりしたら、はやり元建築士と同じように罪を問われるのでしょうか?

財務大臣が、どのような方針で大臣をしているのかわかりませんが、様々な問題があり、それが、軋轢を作っているのは想像できるため、いろいろと余計なことも考えます。道連れになってくれれば、喜ぶ人も少なくないと思われます。

一方、防衛という重大な任務について、制度的な不備は、それなりに明らかになったのかもしれません。巨大な権力が発生して、それが腐敗する仕組み。よりによって、防衛という危険をともなう一大事について。その成果を防衛政策に活かせるかどうかは、これからだと思います。

証人喚問のあり方については、まだまだ工夫の余地がありそうだと思います。捜査機関や司法とは別の視点が要求されるはずですが、ゴチャゴチャです。そして、注目されるのがゴシップのレベルで、本質的な仕組みへの関心が今一歩足りないような気がします。

さらに、証人に対しては、証言の誠実さを確保するための配慮が足りないような気がします。ウソに対しては厳しく対処するべきです。とりわけ、「道連れ」は、元建築士がとがめられたのと同じように、どのような意図にせよ、厳しく対処されなくてはならないと思います。

一方で、あえて「刑事訴追のおそれ」を克服して発言した場合には、その後の司法的な判断にいて酌量すべき事情として取り上げるようにするなどの配慮が必要だと思います。その証言が国政に必要な調査に有益だったことを評価してもいいのではないかと思います。
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by gskay | 2007-11-16 22:21 | いろいろ
重要事項の説明
問題を認識して以降の対応の問題です。ヒューザーでは、小嶋社長をはじめとする宅建主任の免許が取り消されていたように記憶しています。

鉄筋不足マンション 施工ミス伝えず契約 販売会社の野村、三井(産経新聞) - Yahoo!ニュース


11月14日22時36分配信 産経新聞

 千葉県市川市に建設中のマンション「ザ・タワーズ・ウエスト・プレミアレジデンス」(45階建て)の鉄筋が不足していた問題で、同マンションを販売する野村不動産と三井不動産レジデンシャルが、施工ミスを認識した後も販売契約を結んでいたことが14日、わかった。

 野村は「補修工事をするので品質上の問題はない。引き渡し時期も遅れないので顧客に説明する必要はないと判断した」としているが、宅地建物取引業法では、購入予定者に対し、建物の構造など重要事項の説明を義務付けている。

 清水建設など5社のJV(共同企業体)が30階まで建設したところで、住宅性能表示制度に基づく評価機関の検査で先月、鉄筋128本が不足していたことが判明した。清水建設は施工ミスを認めている。

 売り主は野村、三井と清水建設で、販売は野村と三井が行っている。野村によると、10月12日に清水から鉄筋不足の連絡があり、その時点でマンションは、全573戸のうち地権者住宅を除く407戸が完売していたが、契約手続きが終わっていない物件があった。13日以降に66戸分の契約をしたが、その際、購入者に施工ミスを説明していなかった。

最終更新:11月14日22時36分
産経新聞


ヒューザーの場合、設計とは同じでしたが、性能が損なわれていて、違法建築と判断されました。一方、この超高層マンションの場合、設計とは異なるものの、性能が違法な程まで損なわれていたとは断言できないようです。ヒューザーと同じように扱うのは適当ではないかもしれません。

ただ、ヒューザーの場合も、設計の違法性は指摘されていたものの、それが性能的な違法を伴うか明らかになっていない期間のことを問われました。そういう意味では、この超高層マンションも同じということになります。

どのような問題が明らかになった場合、「重要」であるのかということが曖昧です。また、どの時点までさかのぼって責任を追及できるのかも曖昧です。

手続きの違法にとどまるのか、それとも、性能の違法をともなうのかは、問題認識の時点ではすぐにはわからず、次第に明らかになることです。重要性や重大性も同様です。そのプロセスを無視しているように思います。

問題を指摘され、それが違法であると明らかになるまでの期間のことを、小嶋社長の刑事裁判では問われています。決して、小嶋社長の有罪は、当然ではないと思います。
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by gskay | 2007-11-15 00:34 | 真相 構図 処分
元建築士の上告
元建築士が最高裁に上告したそうです。

地裁、高裁と異なり、最高裁では法律解釈が中心になり、高裁の判決に憲法違反や解釈の誤りがあるかや、判例に反するかどうかが判断されることになり、そうでなければ、「上告理由に当たらない」ということで棄却されるそうです。

もともと、事実認定については、被告側も認めていることなので、量刑の妥当性だけが問題になっているのだと思われます。

関連する罪をひきあいに出して量刑してよいかどうかや、異なる事件の抱き合わせによって刑罰を厳しくして良いかが問題だということで上告しているのかもしれません。

議員証言法違反自体が重大であり、調査に大きな混乱を与えたことだけを重視して、余計なことを判決に加えていなければ、上告は棄却される可能性が高いのではないかと感じます。しかし、今回の裁判は、耐震偽装が許しがたいという別の問題をひきあいに出して量刑の妥当性を主張しているので、そういう主張の妥当性までが問われるとなると、確実に上告が棄却されるとはいえないように思います。

世の中には、しばしば、「これは、別件では?」と疑われるような警察や検察の捜査や、刑事裁判があります。そうした捜査や裁判の妥当性を問う問題と位置付けるなら、最高裁判所が判断を示す可能性もあると思います。

「別件」ということについて、法令の解釈の仕方が示される可能性もあります。

また、多数意見とは別に、個別意見が加わることもあり、決して無謀な上告ではないと思います。

その内容は、必ずしも的確に報道されているとは言えないと思います。上告というのは、法解釈の根本に疑義を表明する行為です。どこが疑義の対象なのかという点が明らかになるような報道が必要だと思います。
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by gskay | 2007-11-14 06:22 | 真相 構図 処分
監理の不在
11月9日のエントリに対する 三介 さんのコメントに関連して。

先日から伝えられている市川の超高層マンションの問題は、検査機関が行う検査の有効性の証という角度から伝えられているように思います。そこには、施工と監理が独立して建築に責任を負うという視点がかけていると思います。

建築のプロセスでは、設計を完璧に反映させることが、様々な事情で不可能になります。設計通りに作ることが不可能になったからと言って、そこで、建築を止めてしまうわけには行きません。

施工者が、適切に克服してくれれば、それはそれで済む話かも知れませんが、法的な仕組みとして施行と監理が独立して建築に関与しています。負うべき責任は、異なるものです。

しかし、どうも伝えられる話の範囲では、建築主と施工、それに監理が一体として捉えられていて、その対極として公的な検査があるかのように位置付けられているように思います。

監理に問題を指摘する能力が伴わず、また、施工とは独立した責任を監理が負うという方向性も無いのであれば、監理は中身のない存在です。だとするなら、全てを検査に譲って、監理という制度はシステムから退場させてもいいのかもしれません。

ところで、設計は、あくまで設計です。それは、建築工事の実際のプロセスの中で、変更が余儀なくされます。想定された通りの地盤ではないかもしれないし、手配の都合で建材を変更しなくてはならないかもしれない。また、コンクリートはいつも理想通りに固まるわけでもなく、柱や壁も設計通りにピタリときまるわけではない。

設計通りにいかないという現実に対応するために、施工だけでなく監理が建築に関与しているのではないかと思います。

本当に設計通りに建築ができるのなら、検査だけでいいのかもしれません。しかし、毎日毎日、どのステップでも、疑義が生じたり、変更が生じるもの。それを克服するのが独立した監理の仕事を作った意味なのではないかと思います。検査機関による中間検査や竣工検査とは、性格が異なると思います。

監理が形骸化していることが問題ですが、これは、監理を徹底することによって克服されなくてはいけないと思います。

超高層マンションの問題は、監理が機能していなかった可能性もありますが、すでに、問題に対処し、適格な対応をしていた可能性があるところに、中間検査が割り込んできている可能性もあると思います。

そうした肝心のところがわからないので、検査機関の手柄とは断定できないと思います。

設計とは異なる仕様になっていても、すでに問題が解決している可能性があります。それを大げさに騒いでいるという可能性もあると思います。性能は、適法性が確保され、損なわれていないかもしれません。

今回のケースについては、性能の実際の値や手続きの妥当性を検証する必要があると思います。本当に違法性や不法性があるのか、そして、性能の欠陥があるのかという観点からみなくてはいけません。

設計図と違うことは確かのようですが、大騒ぎをしなければならないほど、鉄筋の数が少なくなったと単純に決めつけることはできないと思います。単に、適切な変更が必要な状況と位置付ければすむ問題に過剰反応している可能性もあります。

とはいうものの、やはり、監理。実務においても、権威においても、形骸化しているように感じられます。それに、検査の肥大化が拍車をかけているように思います。書類通りの工事をすることだけが大切なのではなく、現実に即してもっとも適切な工事をすることこそが大切なので、監理がもっと充実することを期待します。

追記)市川の高層マンションは、配筋の記録が実態と異なっていたようです。これ自体が不法行為だと思います。それが、どのような違法と位置付けられ、どのように処罰されなくてはいけないかということも興味深いことです。
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by gskay | 2007-11-13 04:44 | 揺れる システム
実測値
11月8日のエントリへの マンション さんのコメントに関連して。

中日新聞:新築マンション耐震強度不足は4%程度 国交省が抽出調査、下方修正:社会(CHUNICHI Web)


2007年10月27日 夕刊

 新築マンションをめぐり「一割に耐震強度不足の恐れがある」とされた国土交通省の抽出調査結果が、実際には最大でも4%程度にとどまることが分かった。現地で実測するなどした各自治体の裏付け調査で判明した。強度不足の新築マンションは単純計算で全国に約六百件と推計されていたが、大幅に下方修正される見込み。国交省は、各自治体の報告がまとまり次第、最終結果を公表する。

 抽出調査は、姉歯秀次・元一級建築士による耐震強度偽装事件を受け、新築マンションの耐震強度や偽装の実態を把握するのが目的。

 二〇〇〇−〇五年に建築確認された中層マンション約六千件から、無作為抽出した三百八十九件の耐震強度を試算した。

 その結果、今年三月の中間発表では、建築基準法が定めた最低強度を下回るマンションが、約一割の四十件に上った。

 これを受け、各自治体が現地調査などを実施したところ、▽建物の荷重の実測値が設計時の荷重より軽い▽現場の地盤が設計時の想定より強固▽構造計算書になかった耐震スリット(耐震壁と柱のすき間)が実際には施工されていた−などの理由で、耐震強度の実測値が計算値を上回っているケースが相次いだ。

 強度不足とされた四十件のうち実測値も強度不足だったのは、大分(基準の66%)、静岡(同68%)、新潟(同85%)の三県にある三件だけ。

 二十四件は、基準以上の強度があったといい、裏付け調査中の残る十三件が仮にすべてが強度不足でも、強度不足の建物は最大十六件(約4%)にとどまる見通しになった。

 強度不足が確定した三件も、国の建て替え基準(同50%未満)は上回っており、改修補強中。三件のうち大分県のケースは施工ミスが原因で、構造計算は問題なかった。静岡県のケースは、別の構造計算書が一部混入した単発的なミスという。一方、新潟県のケースは、耐震強度偽装問題で構造計算書の偽造を指摘された富山市の田村水落設計が構造計算を担当していた。

 同設計が関与した二百二十八件の建物すべてを対象にした調査では、十一件の強度不足を確認。国や富山県が一級建築士免許と事務所登録を取り消している。

「下方修正」は、単なる騒ぎの沈静化ではなく、また、中間発表も、大げさすぎたということではないと思います。

実測値というのが曲者ですが、設計のための図書に問題があっても、性能が確認されていれば、少なくとも出来上がっている建物については、違法を問題にしないということだと思います。実際の性能を問題にしている点で評価できると思います。

ただ、計算値と実測値が異なるということは、計算値で問題がなくても実測値に問題がある可能性も……。設計は正しくても、施工の欠陥は、この調査ではふるい分け段階で対象になっていないところが、問題ではあります。世の中の欠陥住宅や、欠陥建築は、おおかたは、施工の問題ですから。

ところで、建築確認が煩瑣になったことは、将来、大臣認定の仕組みで、仕様をコンピューターで参照しながら設計したり、検査したりする道につなげることができます。大臣認定などの制度を活用することで、設計も検査も容易にすることができます。そのように建築確認された物件については、設計上の違法はありえないことになります。

建築基準法の改正は、「切り貼り」対策ではないはず(?)で、前のエントリで批判した担当の企画調整官は、こうした点からの道筋こそ明らかにして欲しかったと思います。(記事にはライターの考えも入るので、複雑ですが)

施工での欠陥や、欠陥とはいえないものの変更が生じることは、別の問題として残ります。それは、中間検査や竣工検査の対象です。設計との差異が見られた場合、それを違法として扱うべきかどうかという問題については、「実測値」が許容範囲内であれば適法という評価になるものと思います。そして、そうでないと「欠陥」であり、違法。

特別な設計や、ユニークな試みを目指さないのなら、この仕組みは、大幅に作業効率を改善することができます。負担も減ることになると思います。ただし、オリジナリティーや創造性、先進性とは無縁であることは、充分に承知しておくべきです。

一方で、ユニークな建物では、性能に関して、いちいち証明しなくてはなりません。そのために建築確認の作業が時間がかかったり、費用がかかったりすることになるかもしれません。これについては、充分に納得できるような質の高い検査で対応するべきではないかと思います。それでも、違法な設計が建築確認を通過してしまう可能性がありますが、その時も、建物に対しては実測値で処分を検討すべきです。

冷静に考えれば、実測値が一番重要で、設計の数値を妄信することはできません。全ての実測値を明らかにするのが一番良いのですが、とりあえず、設計段階の計算値で代用するというのも合理的な判断です。そして、生じた疑義については、実測値で決着されるべきです。

そう考えると、「うちの物件は、どうだったのか?」という疑問がわいてきます。

さあ?

やはり、拙速だったのかもしれません。計算値というものが、設定次第で変わってしまうことと、それが、完成後の実測値になるとさらに変わるということが、あの時点では配慮されていなかったように思います。これについては、私たちに生じた負担や被害と直接関係することなので、混乱していたということだけで、有耶無耶のままで片付けて欲しくありません。

どのようなプロセスでどのような判断があったのかということを、たとえ刑事や民事での責任の追究を目的としなくても、事例として解明しておくことが、今後の、国のシステムや方向性を考える上で重要です。
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by gskay | 2007-11-12 02:18 | 揺れる システム
切り貼り
耐震偽装に関連しては、参考人質疑でのイーホームズの藤田社長の発言の時以来の怒りです。映像や文字を通してしか接していない事柄については、あまり感情を揺さぶられることがないように心がけているつもりです。しかし、この記事には衝撃を受けました。

国会で藤田社長の主張は、当初、私には許しがたいと感じられましたが、後に共感できるようになりました。後から考えて、主張の仕方や取り上げかたに問題があったように思います

同じように、これも、私の理解が及ばなかったということであって欲しいと願っています。

【改正建築基準法】追跡!建材・設備の大臣認定書問題(最終回)|プロの評価とトレンドがわかる建材・設備ガイド


【改正建築基準法】追跡!建材・設備の大臣認定書問題(最終回)
2007/11/05

改正建築基準法の施行以来、現場の混乱を招いていた大臣認定書問題。国土交通省は10月30日、大臣認定書の添付については、施行規則の改正によってほぼ全面的に撤回すると発表した。国交省は、いったい何がしたかったのか。連載の最終回として、9月上旬に実施した改正法担当官への直接取材のやり取りを伝える。(池谷和浩=フリーライター)

リンクした記事には、建築基準法改正にともない、「大臣認定書の写し」を添付しなくてはいけなくなった経緯が書かれています。担当の企画専門官の説明は、「切り貼り」。

一連の耐震偽装の手口が、切り貼りだったということを根拠にしているようです。大臣認定という制度そのものの問題も指摘されていますが、そんなことより、この建築基準法改正が、「切り貼り」を防ぐための施策だったとは!

国の経済統計に影響するほどの失政を生んだ問題意識と、その解決のために打ち出された施策が、このレベルだったということに愕然としました。

記事がふれた「確実に採用しないなら大臣認定書の写しは渡さない」というような企業の悪知恵は、けしからんことではありますが、枝葉のことです。また、PDFについては、コンピューター化のほんの一部にすぎず、本質的な意義ではないと思います。

いかに、図書に矛盾や不整合がないかという点や、論理的な飛躍や空白がないかという点が確認されなくては行けない点です。また、根拠となる数値や性能を、より一次資料に近い資料にさかのぼって検討できるシステムが求められています。コンピューター化は、設計作業については作業記録を残しておくことも容易になります。

最終的には、保存の都合などもあり、紙を用いなくてはならないのかもしれません。

しかし、設計の適切さの確認作業にしても、根拠となる資料の確認にしても、コンピューター化した方がいいと思います。資料の照合作業などは、紙の上で行うよりも、電子的な資料でデータベースやリンクをたどる方がはるかに楽で、おそらく、正確です。

やはり、官僚のみなさんは、いざとなったら破棄できるものが一番安心できるというわけでしょうか?

もちろん、コンピューターで構築されたシステムを出し抜こうとたくらむ輩はいるかもしれません。しかし、それは、紙では、もっと簡単に出来てしまうことです。

こんなレベルの人が、システムの設計の中心にいたのかと思うと……。

構造計算の大臣認定プログラムの作成が遅れてしまったという点については、高い仕様を要求しているために、遅れたのかも知れません。そう、信じたいと思います。

何年も前から、友人が、建築確認関係の書類がコンピューター化できないのはおかしいと言っていました。そんなものかと思って、聞き流していました。そのうち、できるだろうと。

また、イーホームズの藤田社長は、建築確認や検査のシステムのコンピューター化を構想していた人物だったと思います。

そうした人々の問題意識や現状認識、そして構想こそが必要なのかもしれません。

とりあえず、たまたま、この記事が、一部の極端な側面を取り上げたにすぎないと考えたいと思います。「切り貼り」問題の先には、しっかりとしたコンピューターシステムの構想があるのだと。この記事の主題の都合で、たまたま、そこに言及していないだけだと。
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by gskay | 2007-11-09 00:02 | 揺れる システム
被告に同情?
私も当初、似たようなことを考えました。

ずれてるかな? - 世迷言、なれど本人至って真面目

少し、ブログ主さんの主旨には反しますが、このブログの「Windowsのバグ」というたとえは、大臣認定プログラムの脆弱性にふさわしいと思います。

その脆弱性を放置して大臣認定してしまいました。その脆弱性をかえりみることもなく、検査手順も決められていました。ちなみに、その脆弱性は、汎用性の確保という名目で、もともとあった安全確保のための制限を、わざわざ取り払ったことによって発生しているために、ややこしい。二重三重にいい加減な制度だったのです。しかも、それに公的権威があった。

Windowsを設計をした人の責任を問わず、それを用いた結果は、それを用いた人が責任を負うべきだということは、その通りだと思います。もし不都合で損害が生じたら、その人の責任で、バグをつくってしまった人やマイクロソフトに賠償を請求すればいい。

罪とは別だというのは、そういう点からも言えます。

ところが、公的権威があるため、手続きについて違法性が明確ではありません。むしろ、公的権威があったばかりに、責任を追究できない仕組みになっているように思います。

そこは、あまり注目されていない点のようです。私は、公的権威を尊重するなら、一種の既存不適格として取り扱うことが、出口になりえたのではないかと考えています。

さらに、大臣認定のような制度では、民事にとどまらず、刑事の観点からも問題を問える仕組みの強化が必要ではないかと思います。

また、販売企業の責任を問うのは当然ですが、建築に関わる業者には、施工にも、設計にも、監理にも、検査にも、それぞれの責任があるので、その関係者の責任は問われると考えています。(ちなみに、今、所有している私たちにも、果たすべき責任があります)

しかし、元建築士は、所詮、設計事務所の下請けにすぎなかったことを考えると、責任ある立場ではなかったのではないかと考えています。この事件が発覚するまで、構造設計は、部分的な仕事にすぎないとみなされていました。無資格者でも下請けができたような仕組みだったのですから。彼が下請けにすぎなかったという観点からみれば、責任は設計事務所の全体をまとめた建築士にあります。

また、検査機関は、問題に気付くべきでした。ただ、公的な取り決めは、それを要求していなかった!

施工の段階でも、ストップできたかも。しかし、公的権威のもとで適法に手続きされていることに疑問を感じろというのは無理ではないでしょうか?

販売会社である建築主は、違法建築について大きな責任を負うのは当然かもしれませんが、他の関係者もやるべきことがあったはず。でも、それが妨げられてしまう構造があった。

あいにく、そういうことは問題にはならないようです。

ちなみに、この刑事裁判は、あくまで、国会でのウソが中心だったと思います。

これは、トカゲの尻尾切りというより、別件に近いと思います。裁判自体に文句はありません。しかし、社会的な処罰感情とやらが騒いだ点については、「別件」ではないかと思っています。

無限の責任を彼に背負わせて、肝心なことから目を背けているように思います。
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by gskay | 2007-11-08 04:36 | 真相 構図 処分
構っていられない
入手できた範囲で、控訴審に関連して詳しく伝えていると思われたのは、東京新聞です。東京新聞では、独自のフォローが続いているようです。ユニークな記事だと思いました。


姉歯被告 二審も実刑 耐震偽装『損失、影響は甚大』


2007年11月7日 夕刊
 耐震強度偽装事件で、建築基準法違反や議院証言法違反(偽証)などの罪に問われた元一級建築士姉歯秀次被告(50)の控訴審判決で、東京高裁は七日、「マンションを購入した者に対する経済的損失、精神的苦痛などの影響は甚大」として、懲役五年の実刑、罰金百八十万円とした一審東京地裁判決を支持、姉歯被告の控訴を棄却した。

ここまでは、他のメディアと大差はないように思われます。

 原田国男裁判長は「偽装物件の住民に多大な損失を与えることが十分に予測できた。社会に大きな混乱と不安を招き、いまだその影響は引き続いている」と指摘。「結婚生活を夢見てマンションを購入したが、精神的に落ち込み、結婚にすら踏み切れなくなった」などと住民の悲痛な叫びを読み上げた。

この点は、その通りだと思います。

 弁護側は、構造計算書を偽造した建築基準法違反の罪は認めたが、偽証については「記憶が戻っていなかった。故意にうそをついたわけではない」と主張。

ここは、争点のひとつだったと思います。

 「社会的に処罰感情が強い偽造は、罰金刑しかないので罪の重い議院証言法違反で埋め合わせようとした」と実刑は不当と訴えたが、判決は「耐震偽装と偽証は密接に関連している。偽装問題の重要性を同法違反の量刑で重視しなければ、本質を見失う」と指摘した。

争点に対応する形で、量刑の根拠が示されています。問題は、偽装による違法建築が登場したことだけではなく、その後始末のプロセスを混乱させたことにあります。そのあたりが曖昧だと感じる部分ではあります。

 判決によると、姉歯被告は二〇〇三年二月から〇五年二月にかけ、マンション四棟とホテル二棟の計六棟の構造計算書を偽造し、耐震強度を偽装した建物を建てた。〇五年十二月の衆院国土交通委員会では最初に耐震偽装した建物や、木村建設(熊本県、破産)の元東京支店長からの圧力が理由だったと偽証。また、元建築デザイナーに一級建築士の名義を貸した。

ここは、引用から省略しようかと思いましたが、衆院国土交通委員会のどういう会議の席での偽証であったかを明記するべきだったのではないかと思います。その点を指摘したくて引用することにしました。


判決にも微動だにせず
 「四十年以上働いて築いた財産のほぼすべてを、最後の生活の場に選んだ偽装マンションにつぎ込み、不安にさいなまれている」「新居での結婚生活を夢見ていたのに、婚約者との結婚にも踏み切れなくなった」…。判決では、姉歯被告によって人生が狂わされた被害者らの苦渋の思いが次々と読み上げられていった。

この点は、そうだと思います。後半への伏線としても、なかなか工夫された構成だと思います。

 グレーのスーツに紺色のネクタイをしめた姉歯秀次被告は、被告人席に座り、じっと目線を下に落としたまま。「耐震偽装は殺人と変わらない」と住民の声を引用した裁判長の言葉にも、口を結び、微動だにせず判決を聞き続けた。

「殺人」ということに関しては、一般の声としてはわからないものではありません。でも、問題は、やはり重大な違法性をかかえた「違法建築」そのものだと私は考えています。実際のところ、反省がないと被告を非難する際に引用される「震度5で倒れなかった」という事実を考えると、法の根拠の方もあやしいと思います。しかし、重大な違法について司法が断固とした態度をとることには異存はありません。国会の調査の混乱と関連づけると、論旨が感情的ではなく、論理的になったのではないかと思います。

 判決は「木村建設の元東京支店長に責任を押しつけようとしたことが直接の偽装の動機で、一級建築士が最初の偽装を失念することなどあり得ない」と断罪。それでも、姉歯被告は最後まで無表情を続けた。

この部分は、偽証についての断罪だと思います。耐震偽装そのものの裁判についての報道だと思って読むとわからなくなると思うポイントです。

これ以降が、この記事のすごいところだと思います。


住民『生きるので精いっぱい』
 「許したわけではないが、生きていくのに精いっぱいなんです」。国の支援で、再開発事業による初の建て替えが決まった「グランドステージ(GS)茅場町」(東京都中央区)の管理組合の女性理事(49)は「姉歯被告に構っていられない」と打ち明ける。

私も、そう思っています。ちなみに、「国の支援」はもちろん、自治体や地域の支援を忘れるわけにはいかないと思います。

 偽装が発覚したのはちょうど二年前。マンション再建に奔走した。東京・銀座で経営していた料理店は売り上げが激減し、閉店に。睡眠薬を手放せない夜はいまも続く。マンション住民が抱える負債は平均五千万円を超える。
この段落の前半については、とても残念です。それだけのクオリティーの店でした。そういう店でも、経営者がこういう事態にまきこまれると、ダメになってしまうというのは衝撃でした。自分自身に振り返ってみて、たしかに業績が低下しました。他の人はどうでしょう?

さりげなく、負債については、「安物」という風評にクギがさされているように思います。

 「購入した私たちにも責任はあるが、確認検査を民間に託した国の責任はどうなったのか。信じられる国であってほしい」。マンションは隣接する事務機器販売会社の子会社ビルと一体化した再開発ビルとして建て替えられる。二〇一〇年十一月の入居予定だ。

所有者としての責任には正面から取り組んできました。だからこそ、関係者の責任にも言及できるのだと思います。

後半の再開発については、私は、優れた方向性だと思っています。被害の回復というより、公共性が前面に出た対応へと発展しています。自治体と地域の後押しのおかげです。

 半年前、同じ区内に新たな料理店をオープン。「無我夢中で走ってきたけど、今は、住民全員がペットの名前まで言える関係になった。都会では隣の人すら知らないのにね」と表情が和らいだ。

私は、業績がふるわなかったことで、新たな道に踏み出すことになりました。業績がふるわなかったことは、悔しいことですが、新しい方向性を見いだすきっかけにはなっています。

コミュニティーについては、昔の長屋のような感じ。それが、仮住まいでバラバラになって暮らしています。

 同様に国の支援で建て替えが決まったGS住吉(江東区)の男性会社員(44)は「判決は関係ない。くよくよしている時間はない。早く建て直してマンションに戻りたい」と力を込める。
 耐震偽装に続いて、消費期限表示などの「食品偽装」も相次ぐ。「感覚がまひし、罪の意識を感じていないのでは」とやり切れない思いだ。マンションは〇九年三月に完成する予定。「住民とはしょうゆを貸し借りできる仲になった。事件を機に、かけがえのない人たちと出会えた」

住吉は、ヒューザーにしては規模が大きな物件です。規模が大きいということが調整などの障害になっているかもしれませんが、多くの人が集まるという点では、力にもなるのではないかと思います。

 愛知県半田市のビジネスホテル「センターワンホテル半田」は今年四月、約一年五カ月ぶりに営業を再開した。公的支援は導入されず、約七億円の工事費はすべて自己負担となった。
 中川三郎社長は、建築確認を出した愛知県などを相手に損害賠償を求めて提訴している。
 「事件の真相がはっきりしないまま控訴審が終わった。姉歯被告の個人犯罪にしてしまったが、最終的にお墨付きを与えた行政の責任はどうなるのか。事件はまだまだ終わってはいない」

この社長は、裁判で損害を取り戻すべく奮闘しているようです。耐震偽装がなぜ生じ、それがどのような重大性があると位置付けられ、どのように処理されるべきかというシステムが、全くデタラメであったことについては、元建築士の刑事裁判は触れていません。それは、この社長が、損害の回復をめざした裁判の中で明らかにしていくことになるのだと期待します。


上告、今後考える
 姉歯秀次被告の話 判決については何も申し上げられない。上告するかどうかはこれから考える。被害者の方には申し訳ない気持ちでいっぱいです。


長い記事でしたが、記事や内容に対するコメントを加えながら引用しました。少し、同じような文が重複しているのが気になりますが、取材元への気配りも必要なのだろうと感じました。

前半では、被害者となった住民の苦しみが訴えられています。しかし、そこで時間が止まってしまっている訳ではありません。後半で、その後の住民に光をあてて記事を構成しているところに敬服します。

また、ホテルの社長が取り組んでいる裁判の意味を改めて考えさせられる記事だと思います。

後半の住民からのコメントは、自分の実感にあっていると思います。前半に取り上げられた苦しみの方が、一般の読者には受け入れやすいかもしれません。しかし、元建築士に対し、「構っていられない」ということに共感します。目を背けているわけではなく、彼との関係は、その程度のものだったというのが実態です。

彼への処罰は、国がすること。彼に憎悪をぶつけ、責め続けることでは、私たちは救われません。事態を乗り切ることが優先です。

また、被害者である住民を引き合いにだして、社会的な処罰感情を肯定することには抵抗があります。そこに、私たちの感情が集中しているということは、断じてありません。もっと本質的なことや、気付かずに放置されている落とし穴や、意図的に歪曲されていることへと、問題意識をもっていかなくはなりません。
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by gskay | 2007-11-08 03:27 | メディアの狂騒
控訴棄却報道
耐震偽装関連の刑事裁判では、偽装を行った元建築士が唯一控訴しています。この控訴審は、偽装に対する裁判というよりは、国会の証人喚問における偽証についての裁判です。偽装については認めていて、争われていません。

速報の段階ではありますが、多くのメディアは、責任逃れのためのウソが、国会での調査を妨げた罪についての裁判であることを明らかにしています。現時点で、私が見た限りでは、読売新聞だけが、偽装を主軸に報じています。

姉歯被告、控訴審も懲役5年を支持…東京高裁 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


 耐震強度偽装事件で、建築基準法違反や議院証言法違反(偽証)などの罪に問われた元1級建築士・姉歯秀次被告(50)の控訴審判決が7日、東京高裁であった。

 原田国男裁判長は「被告は事件の第1の責任者」と指摘した上で、姉歯被告を懲役5年、罰金180万円とした1審・東京地裁判決を支持、姉歯被告側の控訴を棄却した。

 控訴審で、弁護側は「偽装行為は姉歯被告のみで行えることではなく、被告一人を責めるのは酷だ」などと、執行猶予付きの判決を求めていた。

 しかし、判決は「安全性が確保されていないマンションなどを建築させた常習性は明らか。人生最大の買い物の一つであるマンションを購入した住民への影響は大きく、経済的な損失はもとより、甚だしい精神的な苦痛や苦悩を負わせた」とし、「1審判決の量刑はやむを得ない」と述べた。

 判決によると、姉歯被告は2003年2月〜05年2月、東京都墨田区のマンションなど6物件で構造計算書のデータを書き換え、強度が不足した建物を完成させた。また、05年12月の衆院国土交通委員会の証人喚問でウソの証言をするなどした。
(2007年11月7日11時31分 読売新聞)

国会での証言にウソがあったために、耐震偽装という問題の本質の追究が混乱しました。この裁判では、このウソに対する罰則の程度が問題になりました。

耐震偽装も、名義貸しも、すでに被告が認めていて、この裁判では争われてはいません。また、偽証についても事実は争っていません。量刑が適当であるかどうかが争点でした。

国会の証人喚問での偽証が、このような刑罰が下される大きな罪であることが報道されるべきです。建築基準法違反に無理矢理こじつけるのはおかしいと感じます。

建築基準法違反の刑罰が軽すぎるという意見もあるようですが、それとこれとは関係がないことです。そういう意味で、無理なこじつけを避けている点で、他のメディアの姿勢は、以前とは違って来ているような気がします。

追記)産經新聞は、量刑が重いからということで、議院証言法違反が主に取り上げられたという点を取り上げています。いかに重い罰を与えるかという目的だったという解釈のようです。他も、同様な解釈を加えて報じるのかもしれません。そうすると、偽証の重要性が低下してしまうような気がするのですが……。

追記2)結局、産經新聞もふくめ、おおかたのメディアは、議院証言法違反の重要性をとりあげた表現に落ち着いたようです。弁護側の主張などがごちゃ混ぜになっていてわかりにくかった表現が整理された結果のようです。この変化の過程は、おもしろい現象だったので、フォローしておけばよかったかもしれません。(2007.11.08 1:00)
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by gskay | 2007-11-07 12:44 | メディアの狂騒
連立のパターン
耐震偽装への対応を見て以来、民主党には期待できないというのが、私の印象です。しかし、優れた人材を抱えていて、その人たちには可能性を感じています。

ところで、民主党内の「反自民」であったり、「反政権」である勢力にとっては、連立はありえないことだと思いますが、それ以外の勢力にとって、連立構想が頭から否定されるべきものであったとは思えません。

福田・小沢の連立構想についての騒動は、我が国の国会が二院に分かれていて、それぞれの権限が異なり、選挙制度も異なるという点についての理解が不十分であると、見方を誤ってしまうと思います。どういうわけか、多くのメディアも、不十分な理解に基づく誤った見方を主な論調にしているように思います。

異なる二院が存在することにより、連立や連携は、少なくとも二つのパターンに分かれます。

一つは、いかに小選挙区で勝つかということに主眼をおくパターン。選挙協力によって、競り勝つことが目的です。自民党と公明党の連立は、民主党という第一党に対する二位三位連合です。その選挙協力という目的の延長に連立があります。連立の解消は、選挙協力の解消です。

もう一つが、選挙結果をうけての政策の調整を目的としたパターン。特に参議院は比例代表に比重がおかれているため、衆議院で過半数がとれていても、参議院で過半数を確保するのは困難です。そこで、参議院での多数を確保するための連携が模索されます。これは、将来の衆議院選挙での選挙協力の枠組みになることもあり、もし、選挙協力に発展するなら、第一のパターンへと展開します。

今回は、民主党が巨大すぎるため、パターンがよくわかりにくくなっていますが、第二のパターンです。大政翼賛会を作ろうというような動きではなく、政党間の力学が働いただけだと思います。また、民主党が政権交代を目標にする限り、選挙協力に発展することはないろうと思います。

第二のパターンが不首尾に終わると、「ねじれ」が生じて、法案審議に支障が出ます。しかし、内閣や行政に関わる部分については衆議院の優越が定められているため、当面の問題には対処可能です。法律という未来を縛る議論が滞るにすぎません。

「ねじれ」状態は、連立の模索か、次の選挙で解消されるものですが、政党の再編成に進むことも無い訳ではないと思います。

とりあえず、現在の国会の勢力分布は、懸案を次々と処理するよりも、少し立ち止まって考えた方がいいという状況を作っていると思います。

ところで、もし、小選挙区のみで成立する選挙制度だけであれば、さまざまなプロセスを経るにしても、二大政党に収束していく可能性もあります。しかし、我が国は比例代表に比重を置いた参議院を持っているため、二大政党への収束は難しいだろうと思います。二大政党以外の少数政党でも、参議院なら議席確保が可能で、しかも連立への参加の道が開かれています。また、選挙協力を軸とする連立が、衆議院での選挙の方法として成立しています。

そういう意味で、単純な政権交代は難しいだろうと思います。

私は、この仕組みはよくできた制度だと思います。衆議院を基盤として行政を担う内閣については安定を得やすい一方、法律の議論では、少数を無視できない制度です。

ところで、中選挙区に戻したいと発言をしている政治家がいます。私は反対です。確かに中選挙区では、政党の力よりも、個人の得票がものをいいます。しかし、そのために選挙は過熱してしまっていたし、政党内に派閥が生まれ、国会の外での駆け引きが重要になってしまっていました。

その反省が、小選挙区と比例代表の上手な組み合わせてあったはずです。小沢代表は、この仕組みの確立に大きく寄与した人物です。この構想の源流には、金権の中心にいた田中角栄がいます。

田中角栄は、金権の腐敗の象徴のように捉えられていますが、実は、もっとも真剣に問題にとりくんでいた政治家だったのかもしれません。よく理解しているがゆえに、その仕組みを徹底的に活用した。その一方で、問題点を理解しているがゆえに、そこから抜け出す方法も考えていた。

中選挙区についてのコメントは、軽くふれただけの人もいれば、本気で思っている人もいると思います。本気で思っている人については、小選挙区と比例代表を組み合わせた制度について、もう少し勉強して考え直して欲しいと思います。

ところで、メディアについては、どういうつもりなのか、今のところわかりません。小沢代表のメディア批判は興味深いと思います。メディアはメディアで、郵政選挙などで政治家にウラをかかれたという苦い経験が癒されてはいないと思います。官僚にべったりとしていることの限界も段々と明らかになってきました。どのような立場が良いのか、メディア自身が苦悩しているのではないかと思います。
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by gskay | 2007-11-07 01:52 | 政治と役所と業界