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手続き状況の把握
混雑を避けるためには有効な方法かもしれません。しかし、必須の手続きと位置付けられている以上、もっと踏み込んだ仕組みにしてもいいのではないかと思います。

構造計算適合性判定機関の受付状況をウェブで公開、ICBA|ケンプラッツ

2008/02/19

 建築行政情報センター(ICBA)はこのほど、構造計算適合性判定機関の受付状況をウェブサイトで公開した。3都県(東京、神奈川、埼玉)それぞれの機関数の状況を、3通りの混雑度で表示する。
 
 全体的な状況を把握してもらうことが目的だ。機関名の表示については今後、検討する。混雑度の更新は各機関の申告によるが、遅くても週1回は更新する。

 表示内容は以下の通り。
・すいている状態の機関:遅くても来週には審査着手可能
・通常の状態の機関:再来週には審査着手可能
・混雑している機関:それ以降

赤間 澄子=フリーライター

混雑状況だけでなく、個々の審査の進行状況が追跡できるような仕組みにして、どこで躓いているのかがわかるような仕組みでなければいけないと思います。引用した記事のレベルの仕組みでは不十分だと思います。

また、構造計算適合性の判定が必要な建物は、それなりの規模の建物です。公共性をともなうと思われるので、第三者がそれを見ることができるようになっていてもいいのではないかとさえ思います。
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by gskay | 2008-02-26 13:56 | 揺れる システム
上告棄却
姉歯元建築士の有罪が、上告棄却によって確定したそうです。量刑について、「厳しすぎる」ということはないだろうと、私も感じていました。ただ、理由ついて、議院証言法違反と構造計算の問題を抱き合わせていたかのように伝えられていたので、その点には、疑問を感じていました。

「抱き合わせ」が正当であるか不当であるかについては、判断されていないと想像しています。仮に、抱き合わせが不当であっても、実質的な量刑に影響がないということなら、上告は棄却されると思います。少なくとも、抱き合わせを容認するようなものではなかったと想像しています。というより、願っています。

今後、議院証言法違反については、元防衛事務次官などが裁かれることになると思います。国会での発言、とりわけ証人喚問における発言は、嘘やごまかしがあってはなりません。しっかりとした政治体制の確立のためにも、このルールを最大限に活用するべきだと思います。けしからん人への「抱き合わせ」のために使われるべきルールではないと思います。

官僚や官僚制を中心とした社会のシステムが信用できなくなっています。不信が高まる分だけ、ますます密室に閉じこもろうとしています。証人喚問は、それに対する国会に与えられた最大の武器の一つだと思います。しかし、それが国会内の政治闘争の道具に使われてしまいがちな現状は、悲しむべきものだと思います。

確かに、耐震偽装は、姉歯元建築士が引き金をひいた大事件です。それが大事件であるからこそ、真相の解明がきちんと行われるべきでした。それを,彼が妨害してしまったということに対し、耐震偽装自体以上に重い罰を果たすのは、国会の正常な機能のために必要なことだと思います。

ところで、耐震偽装に関連し、証人喚問の場で喚問してもらいと思った人はもっとたくさんいます。マスコミでとりあげられた「構図」の中の人物たちのことではありません。役所の中で、何が行われ、どうしてこのような判断になったのかということを明らかにしておくべきでした。

その辺を有耶無耶にしてしまった延長に、建築基準法の改正による深刻な影響もあるのではないかと私は考えています。
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by gskay | 2008-02-24 15:10 | 真相 構図 処分
書き込みによる世論誘導
官僚による世論誘導は、国民の理解が得られなければ、最終的には何もできないということの裏返しです。

建前としては表立って堂々とはやれないようです。もし、公然とやってしまうと、みんなが反発してしまうかもしれないから、こっそりとやらなくてはいけないのだと思います。公平であるとか、中立であるといった建前とは、別の次元の話だと思います。

ところで、元々、マスコミへの情報の操作などが行われてきました。そこに、ネット上のコンテンツが加わっただけの話だと思います。

「国交省でウィキペディア書き込み世論誘導?」IT‐インターネットニュース:イザ!


≪暫定税率維持狙い≫

 ガソリン税をめぐる与野党の攻防が激化する中、ネット上で書き込みや閲覧等ができるオンライン百科事典『ウィキペディア』に、「世論誘導のため国土交通省関係者が書き込みを行っている」との憶測が霞が関でささやかれている。「ウィキペディア」と言えば、かつて「ミスター年金」こと民主党の長妻昭衆院議員の項目に、厚生労働省内のパソコンから誹謗(ひぼう)中傷が書き込まれたことが発覚しているが、果たして本当なのか。

 霞が関・某官庁のキャリア官僚が指摘するのは、道路特定財源制度の項目の中にある「暫定税率維持側の主張」欄。

 国交省内の様子について、「ロビーは連日全国津々浦々から駆けつけた自治体関係者等の陳情団の熱気であふれかえっており、道路局には全国の自治体等から要望書や署名簿が続々と送られてきて足の踏み場もなくなる勢いであるとの声がある」などと、関係者にしか分からない内容が克明に描かれている。

 もちろん、「暫定税率廃止側の意見」欄には、「道路特定財源を国交省道路局官僚のレクリエーション費用に流用していたこと等が発覚するなど、社保庁と同様に不適切で無駄な支出が多く、そのような中で暫定税率を維持することには納税者である国民の理解が得られない」と同省官僚を非難する書き込みもある。

 しかし、省内の様子だけが妙に生々しく描写されているため、内部“犯行”説が浮上しているというわけだ。

 実際、中央省庁では2006年4月、「消えた年金」問題で政府を追及する長妻議員の項目に、厚生労働省内のパソコンから「行政官を酷使して自らの金稼ぎにつなげているとの指摘もある」と書き込まれた“前科”もある。

 そこで国交省を直撃すると、「07年1月から、省内のパソコンからウィキペディアへの書き込みはできないようにしているので、省内から書き込みがされたということはないでしょう」(情報安全・調査課)と全否定する。

 長妻氏の一件以来、ほとんどの省庁が、ウィキペディアへの書き込みができないように省内パソコンのシステム設定を変更するなどの対処をしているというのだ。確かに、ウィキペディアの書き込み元を探索するソフトで調べてみても、同省内から書き込みを行った形跡はみられない。

 どうやら憶測の域はでないようだが、別の霞が関官僚は「今は省内から書き込む奴はいないと思う。書き込むなら発信元が分からないようにネットカフェなどからだろう」というだけに、まだまだ憶測は飛びかいそうな気配だ。

官庁やマスコミが、公平であるとか、中立であるという発想は、責任を負わないで済む仕組みの背景として役立っているように思います。その舞台装置として、官僚は世論誘導を公然とは行わないという姿勢をとり、マスコミも独立しているという姿勢をとっています。

マスコミだけが情報の通り道であったなら、それで良かったと思いますが、ネットが影響力を増しつつあります。まだまだ絶大な影響力というわけではありませんが、マスコミへに比べ、コントロールが厄介な点が多いように思われ、おそれられているようです。

実際のところは、ブログにしても、現場の情報や独自の情報は少なく、マスコミの報道などを材料にして、批判的に取り上げているというものがほとんどです。この状況が続くなら、情報操作として有効な対策は、都合のいい内容を書き込むことではなく、知らせないことです。

おそらく、世論誘導などと大げさに取り上げられていますが、一人一人の官僚の個人レベルの行為であり、組織的な関与は薄いと思われます。

このブログのコメント欄の「炎上」を経験していた時、書き込みをいろいろと分析をしてみて、腹が立つこともありました。書き込まれた経緯などがバレてしまうと、世論誘導については、逆効果になります。まだ、当時は、それが意識されていなかったのではないかと思います。

世論誘導のつもりで、ネットに細工をしたり、書き込みをすることが、組織的に行われていることもあると思いますが、官僚が直接書き込む場合、まず、そうではないと思います。簡単に足がついてしまうようなマネはしないと思います。

また、逆に考えると、そんな書き込みをしてしまうような官僚は、ネットやシステムに関する知識に劣っている可能性があり、あまり感心はできないと思います。そうした知識の問題だけでなく、自分は天下や国家を考えて書き込みをしているつもりかもしれませんが、役所での悩み事を匿名でバラしているにすぎず、そのような姿勢は厳しく問われるべきではないかと思います。

結局、官僚個人による匿名の書き込みなど、大した問題ではないと思います。それに比べて、従来からのマスコミ経由の世論誘導に加え、組織的にこっそりとネット上の世論誘導操作が行われている可能性の方が問題です。また、問題になりそうな肝心な情報が隠されている可能性もあります。

ところで、もし、官僚が個人として意見や知見を披露したいと考えるのなら、そのような場所はたくさんあります。論文にしたり、出版したり……。学術の場や、政治の場、もちろんメディアにも。そこで堂々と発表し、議論すればいいだけなのに、こっそりとやろうとするから、怪しまれてしまうのだと思います。

書き込みをするような官僚は、個人として、自信がなかったり、責任が持てないと感じていたりするのかもしれません。信念や志に関わるような問題なのかもしれません。それはそれで、気の毒なことだと思います。
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by gskay | 2008-02-10 15:23 | メディアの狂騒
「震度7に耐える力」の証明?
安全や安心に気を配ることは大切です。しかし、「絶対」ということはあり得ないというのが前提です。「絶対」とはいえないからこそ、性能を向上させる努力が必要です。

その一方で、「絶対」でないからという理由で拒絶してしまうと、何もできなくなってしまいます。どこかで妥協し、納得しなくてはなりません。

建築基準法で定められた基準以上の性能を希望することはできると思いますが、私的な交渉だと思います。その場合、司法の場で決着を目指しても、制限する根拠がないのではないかと思います。

適法とされた建物の安全性の問題を、今にも壊れてしまいそうな危険な建物に対する処分や、日常的に迷惑な建物に対する判断、そして違法と判断された建物への処分などと混同して考えることには疑問を感じます。

浜松のマンション建設に住民が差し止め申請、建基法レベルの耐震性では東海地震に耐えないと主張|ケンプラッツ


2008/01/21

 静岡県浜松市中区で進行中の分譲マンション建築計画に対し、このほど近隣住民が建築差し止めの仮処分を裁判所に申請した。建築基準法を満たすだけの耐震性では、東海地震発生時に倒壊する恐れがあると主張している。

 計画地は浜松市中区城北2丁目にあり、近隣住民の団体「城北1・2丁目住民の命を守る会」(細野透代表)が仮処分を申請している。同会によると、マンションは発注者がセキスイハイム東海(浜松市)、設計者がNEXT ARCHITECT & ASSOCIATES(東京・渋谷)で、施工者は未定だ。鉄筋コンクリート造、地上5階・地下1階建て、延べ床面積5251m2、住戸数52で、建築基準法レベルの耐震性を確保する計画となっている。

 「城北1・2丁目住民の命を守る会」はこの計画に対し、建基法レベルの耐震性では東海地震で崩壊して、近隣住民だけでなくマンション住民の人命も危うくすると主張している。守る会の資料によると、敷地周辺は東海地震で震度7が想定される地域であり、敷地は斜面の上部にあって地盤が弱い。建物と地盤が震度7に耐える力を備えていることをセキスイハイム東海が証明しない限り、マンションを建ててはならないという仮処分を下すよう、静岡地方裁判所浜松支部に申請した。

 仮処分申請の根拠として、最高裁判所が07年7月6日に下した欠陥マンションに関する判決を挙げている。建物は発注者や購入者だけでなく、利用者、訪問者や近隣の通行人にとっても安全でなければならないと認定する判決だった。

 裁判所が仮処分の申請を退けた場合には、近隣住民はセキスイハイム東海を相手取って、マンションが地震で倒壊した際の補償を約束させる訴訟を起こす予定だ。

住民が、建築主に私的に要求するのは構わないと思います。しかし、司法の場に持ち込んでも、住民に有利に進めるのは難しいのではないかと思います。そのような要求を公的に認めるためには、根拠が必要であり、それには何らかの立法が必要だと思います。

また、地震で倒壊した際の補償については、事前に約束するような問題ではなく、損害が出た場合に請求するべきことではないかと思います。その請求の相手も、建築主や売り主ではなく、所有者なのではないかと思います。なぜなら、建物を安全に保つ責務は、まず第一に、その時点での所有者にあるからです。もちろん、売り主、建築主、施工や設計に責任はあると思いますが、所有者の責任を飛び越えて、近隣住民にまで及ぶものではないと思います。あくまで、所有者の責任だと思います。もちろん、個別に約束するのは構わないと思いますが……。

そして、この記事で最も気になった点は、建築主が「震度7に耐える力」を証明する必要性の有無です。建築差し止めの請求をする側こそが、問題があることを証明すべき立場なのではないかと思います。その上で、その証明の内容に沿って、建築基準法では適法でも、制限を加えることができるのかどうかが、はじめて問題になるのではないかと思います。

続報として、

地震力を2割強く見積もる“静岡基準”でも東海地震に耐えない、浜松・マンション問題で住民側主張|ケンプラッツ


2008/01/28

 静岡県浜松市内でマンション建設に反対している住民団体は、建築基準法を満たすだけの耐力では東海地震に耐えないと主張している。静岡県では、建基法レベルの耐震基準が県外よりもやや高いレベルに設定されている。住民側はそれでも、東海地震がもたらす震度7の揺れには対応できないという見方をとっている。

 静岡県は県内の建物の確認申請で、構造計算の際に地震力の数値(地震層せん断力係数)を一般的な数値の2割増しで入力するよう申請者に求めている。東海地震などに備えた県独自の建基法の運用だ。

 住民団体「城北1・2丁目住民の命を守る会」の細野透代表は、建基法が想定する地震力を、地震動の加速度(単位:ガル)に置き換えた。一般的な建基法レベルの耐震基準は加速度400ガル程度、静岡県の基準は2割増しとなる同480ガル程度の地震動に耐えるとみている。どちらの耐震基準も、850ガル以上になる震度7の地震動には対応できないという見解だ。

 一方、静岡県は、地震力の数値を2割増しで入力するよう定めた静岡県建築構造設計指針で、この数値を定めた理由を「震度いくつ」や「○○ガルの地震動」に耐えるためとは明記していない。理由として、「(東海地震などで)県内のほぼ全域において震度6弱以上が予想され、また、極めて広い範囲において震度6強以上に予想される」ことを挙げている。県建築確認検査室の担当者は、「そもそも建築基準法の耐震基準は、震度という物差しでは計りにくい。上乗せした静岡県の基準も、震度7に耐えるかと問われれば、大丈夫とも大丈夫でないとも言いがたい」と話している。

 「城北1・2丁目住民の命を守る会」は細野代表の見解に基づいて、マンション建設を差し止める仮処分を静岡地方裁判所浜松支部に申請した。建基法の耐震基準と震度との関係について、司法はどのような判断を下すかが、注目される。

 問題のマンションの建て主であるセキスイハイム東海では、池沼敏彦・マンション事業部長が、「当社としては、建築基準法などの法令を順守して業務を遂行しながら、裁判所がどのような決定をするかを見守る」とコメントした。池沼部長によると、同社はこのマンションの建築確認を1月25日時点でまだ申請しておらず、申請先になる予定の指定確認検査機関と事前相談を進めている。

その後の展開はわかりませんが、判断の内容によっては、今後、様々な事業に制限を加えることが可能になる前例になると思います。より良い性能が目指されるのであればいいのですが、「絶対」などというあり得ないものを追いかけると、何もできなくなってしまうと危惧します。

また、続報によれば、建築確認以前の段階だとのこと。その段階で、このような請求ができるのかどうかも興味深いと思います。「建てるのであれば、強い建物を!」というより、「とにかく、そういう規模の建物はダメ!」という請求の内容であるような気がします。

どうやら、技術的な議論以前の段階の問題のようです。「証明」とか、差し止めというような段階ではないように思われるのですが……。
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by gskay | 2008-02-07 14:31 | 安全と安心