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テントへの寄付
四川の地震に関連して、出張で滞在中の職場の中国人が寄付の勧誘に来ました。寄付で、テントを送るそうです。ここでは、寄付をすると、ちょっとしたお菓子や小物をもらえるのですが、今回はそういう準備は無いようです。

避難所生活が長くなると、ストレスが溜まります。家族ごとのプライバシーを保つことはとても大切です。テントでは、充分ではないかもしれませんが、すこしはストレスの軽減になるのではないかと思います。

救援物資の運送料は無料だそうで、世界中からの物資が送られるようです。

遠い昔、学生だった時、生まれてはじめての海外旅行で成都に行った話をしました。また、家族が天安門事件の真っ最中に成都に居て、苦労して脱出してきた話などもしました。その中国人は上海出身で、四川には行ったことはないそうです。

地震後の日本政府の対応を、好意的に評価していました。また、日本の地震対策について、とても関心を持っていました。事前の準備や訓練、そして耐震のための基準に興味があるようでした。

耐震について、耐震偽装に巻き込まれて大変だという話は、英語で説明するのがおっくうだし、野暮なことなのでやめました。我が国の耐震のための基準がしっかりしている点は確かです。しかし、いろいろと問題があるという点は、機会があったら紹介したいと思っています。
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by gskay | 2008-05-26 13:26 | いろいろ
悪い事をしていたのだから、仕方がない?
建築基準法の改正による混乱によって、建築に関連した業界は大変なようです。建築基準法の改正によって、悪徳な業者は淘汰されるという前評判だったような気がします。実際は、どうなのでしょうか?

建築基準法の改正によって経営に行き詰まるのは、土地などを仕入れたものの手続きが遅れて着工できないことに、資金的に耐えられないからです。あるいは、受注しても、着工や完成がおくれるために収入が途絶えて、支払いができないからです。

建築に関して悪徳なことやいい加減なことをしていたかどうかは関係ありません。

手続きの期間延長に、業界のこれまでのシステムや金融機関が対応できないことが原因で資金がショートしてしまうことが、業者を行き詰まらせます。

優良業者であろうが、悪徳業者であろうが、関係がないことだと思います。今、経営に行き詰まってしまっている建築関係者がいたとしても、それは、悪徳な商売への報いではありません。
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by gskay | 2008-05-21 22:52 | 揺れる システム
行政の「指導と規制」
「消費者庁」構想について、既存の省庁からの反発があるようです。私は、現在の官僚の能力に問題があるので、「消費」というような大きな問題を官僚に預けるような仕組みに疑問を感じていますが、既存の省庁にはもっと大きな疑問を感じてます。このままではいけないと考えています。

asahi.com:「消費者庁」移管の法律、PL法など二十数本 - 政治


「消費者庁」移管の法律、PL法など二十数本

2008年05月17日03時01分

 消費者行政の一元化のため、政府が「消費者庁」への移管を検討している主な法律がわかった。内閣府、経済産業省など8省庁と公正取引委員会の26本で、さらに数本の移管も検討している。事務レベルの折衝で、すでに5本の移管が固まったが、貸金業法など業界を監督する「業法」を中心に、調整は早くも難航している。

 「消費者に身近な問題を取り扱う法律は消費者庁に移管する」との福田首相の方針を受け、内閣官房は(1)消費者からの苦情・相談や被害情報などを扱う法律は移管(2)業界への許認可権限を定めた業法でも、消費者の保護ルールを定めた部分は移管ーーとの原則を設け、移管する法律を洗い出した。

 いまのところ、移管が固まったのは、内閣府が所管する消費者基本法、消費者契約法、製造物責任法(PL法)、国民生活センター法と、警察庁と内閣府が共管する無限連鎖講防止法。しかし、そのほかの法律は「ほぼゼロ回答」(内閣官房幹部)。

 6本が検討対象となった甘利経産相は16日の記者会見で、「規制と指導がバラバラだと規制する方は厳しければ厳しいほどいい。そうすると健全な事業者まで死んじゃったと(なる)」と指摘。業界を指導する権限と規制する権限との切り離しに疑問を呈した。

 消費者庁構想をとりまとめる岸田消費者行政推進担当相は、月内の決着をめざし、来週にも閣僚折衝に入る。移管する法律の素案は「これで頑張れ」と首相からお墨付きを得ており、岸田氏は「移管によるデメリットがあるなら、その立証責任は省庁側にある」と強い姿勢で臨む方針。(餌取稔也)

引用の記事は、経産相の記者会見での発言が取り上げられている点に注目しました。「規制と指導がバラバラ」であることに問題があるとしている点に疑問を感じます。

今は、「規制と指導、そして取り締まりまでが一体化」していることが問題です。

一体化し、不分離であるために、「官僚の裁量」の行き過ぎがまかり通り、「御代官様のお気持ち次第」になってしまっています。

「規制なら規制」、「指導なら指導」、そして「取り締まりなら取り締まり」を、きちんと実施しなくては行けないはずです。ところが、一体化しているため、規制の不備や、指導の不備、取り締まりの不備が全く反省されないどころか、「事なかれ主義」によって、問題を直視しなかったり、目を背けてきました。これをいつまでも続けてはいけないと思います。

「一体化」の弊害は、「事なかれ主義」だけではありません。「裁量」によって、どうにでもできるとなると、それが表に出にくい特殊な「力」となり、そこに利益を期待する人が群がります。そして、その見返りが、「天下り」だったりするわけです。「天下り」は、表向きは「再就職」ですが、この「裁量」を背景とした「賄賂」です。「一体化」による「裁量」の問題を片付けずに、「天下り」だけを規制したところで意味がありません。

また、「規制緩和」というキャッチフレーズについて、「基準」を緩和することが「規制緩和」だという誤解も少なからずあるように思いますが、緩和されるべき「規制」とは、「裁量」による規制のことではないかと思います。明文化されておらず、「お気持ち次第」で不公正です。そのような恣意的な「規制」は取り除かれなくてはなりません。

「消費者庁」構想が、そのような「裁量」の存在を問題として想定しているかどうかわかりませんが、公務員制度改革と並んで、とても重要な取り組みだと思います。公務員制度改革は、表面にあらわれる仕組みについての取り組みであり、「消費者庁」構想は、業務の中身についての取り組みと位置付けることができるように思います。

郵政よりも、道路よりも、社会保障よりも、官僚システムの陳腐化の核心にせまる取り組みだと思います。抵抗は大きく、閣僚一人一人も微妙な立場のようですが、不人気な内閣にしては、とても頑張っていると思います。ただ、一歩間違えると、逆効果になりかねないので心配です。
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by gskay | 2008-05-18 07:02 | 政治と役所と業界
一院制?
私は、衆参のねじれによる政権運営の困難さを理由に一院制を考えることには反対です。

政権を運営することを念頭にしている政治家や、政権にぶらさがっていこうと考えている政治家にとっては、安定した政権運営は魅力かもしれません。しかし、政治的なプロセスがないのなら、官僚制と変わりません。

安定多数になったかと思えば、ねじれができたりと、民主政治はダイナミックであるべきです。全ての人が同じことを考えているわけではないから、政治が必要なのであり、それを的確に問題として取り上げる必要があります。簡単に思ったようにならないのが当然だと思います。不安定を前提としたルールの中で、結果的に安定した状況を作るのが政治家としての腕の見せ所です。政治を安定を前提とした枠組みに閉じ込めてはいけません。

一院制検討の議連発足=自民:時事ドットコム


2008/05/16-13:14
 衆参両院の「ねじれ」打開策として、一院制移行を検討する自民党有志の議員連盟が16日発足し、党本部で初会合を開いた。代表世話人に就任した衛藤征士郎元防衛庁長官は、与党が次期衆院選で、法案の再可決が可能となる3分の2の勢力を失うのは確実と指摘した上で、「(民主党が)参院で政局中心の国会運営をすればたちまち行き詰まる。責任政党として何をすべきか考える必要がある」と訴えた。

一院制でも、ダイナミックな政治は可能かもしれませんが、選挙制度が重要です。議院内閣制である我が国では、国会、とりわけ衆議院と内閣が一致することにより、巨大な権限を持っています。無闇にルールをいじってしまうと、「大政翼賛」の悪夢を再現することになりかねません。

特に、小選挙区を前提とした場合、少数意見を代表する候補のチャンスは乏しくなります。候補たちは大政党に群がり、政党が官僚組織になってしまうことになると思います。また、政権党に有利な仕組みを作る事も不可能ではないため、選挙を適切に実施しないと、「大政翼賛」や、言論や政治活動の弾圧につながりかねません。逆にいえば、小選挙区を前提とした一院制議会による議院内閣制を実現したいなら、選挙制度の研究が第一に必要です。

一方、比例や大選挙区に比重を置いた議会を作ると、連立が前提の議院内閣制になります。これは安定した政権にはなりにくくなります。また、大選挙区の場合、政党内政党である「派閥」が、衆議院中選挙区時代のように選挙のための団体として力を取り戻すことになり、選挙や政治に金がかかる国に逆戻りです。派閥が小政党として分立し、それが連立するという形になるかもしれませんが……。

ところで、衆議院の中選挙区の復活を狙っている政治家は少なくないようですが、小選挙区を導入した時の問題意識を忘れているように思います。政党内政党である派閥同士の駆け引きの熾烈さが、様々な弊害を生んでいたことを思い出すべきだと思います。

一院制の実現のためには、憲法改正が必要です。このため、簡単には進まないと思いますが、そこまでやるのなら、大胆な変化も期待できます。

一院制を目指すのであれば、議院内閣制という枠組みにもこだわる必要はないように思います。首相公選を同時に進めることもできると思います。また、地方分権を一気に進め、中央政府の権限や規模を小さくすることを平行して行うこともできると思います。

その場合、新たな政治手法を開発して対応する必要が出てくると思います。おそらく、そこまでは考えが及んでいないのではないかと想像します。

ところで、現在においても、政治家やマスコミでさえ、制度を理解し活用しているとは言い難いと思われます。大きな見直しは現行の制度を徹底的に活用してからでもいいような気もします。

私は、現行の仕組みは、不徹底ではあるものの、優れた制度だと思っています。特に不徹底と感じる点は、参議院の選挙区選挙です。実質的に小選挙区になっている選挙区が少なくありません。これは、少数意見を反映させる議院としては不適当だと考えています。

参議院は、比例代表のみにした方が、議院の性格が明確になると思います。なるべく、政党の支持率に比例した勢力分布になるようにすることに意味があると思います。

今の参議院の機能は、衆議院と参議院の選挙制度が大して違わなかったころとは大違いです。「良識の府」というようなキャッチフレーズは、同じような選挙制度が行われていたころの古い観念にすぎないと思います。現在の制度で参議院が果たすべき役割を再確認するとともに、仕組みの徹底のため、参議院の選挙制度を再考することが、まず、必要だと思います。

一院制をめざす議論は結構ではあるものの、もう少し、今の制度のことをよく考えてみるべきだと思います。
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by gskay | 2008-05-17 02:04 | 政治と役所と業界
再可決後
衆議院による再可決に批判的な声を多く聞きます。どうしても必要な再可決だったという意見も聞きます。法案自身に対する意見の他、衆議院による再可決という制度自体への疑問もあるようです。

制度については、3分の2という数字の意味を良く考える必要があるように思います。3分の1とか3分の2という数字は、2分の1という数字とは別の意味があります。3分の1とか3分の2という数字を使う事で、少数意見が尊重されやすい仕組みになっていると考えることができます。

ところで、議決のルールとともに、会議成立のルールは重要です。議員数の3分の1の出席で、我が国の国会の会議は成立します。このため、我が国の国会は、欠席戦術がとりにくい仕組みになっています。一方、その関連で考えると、その裏返しが、衆議院での再可決の規定ではないかと考えることができると思います。

仮に議員数の3分の2の出席がないと会議が成立しないという規定があったなら、状況は一変します。3分の1以上の勢力を有するグループが欠席してしまうと会議は成立しなくなってしまうからです。過半数を確保していないため多数決を制することはできないグループにも、「会議を成立させない」という武器が手に入ることになります。その武器は、与党の半分以上の勢力を持っていれば使えることになります。そのような会議では、欠席戦術に意味があり、交渉の余地が生まれます。しかし、これは、我が国の国会のルールではありません。

我が国の国会の場合、3分の1の出席で、その気になれば会議が開けるので、本来、野党からの議案も会議で審議されるはずです。与党に都合の悪い議案についても、与党は否決のために会議に出席しなくてはいけません。この仕組みは、ないがしろにされているわけではないものの、世間の注目は浴びておらず、時間稼ぎくらいにしかなっていないように見られています。

しかし、そのような会議が開かれるということは大切なことです。少なくとも、少数意見が多数決によって否決されるという手続きは、少数意見を無視することとは異なるからです。また、否決されてしまうなら意味がないという意見もあるようですが、否決したという事実が、次の選挙での争点にもなるポイントです。

そのような会議を野党だけで成立させることさえできないのが、3分の2を与党が占めた場合です。3分の2という勢力は巨大です。小選挙区に比重をかけた衆議院でなければ、このような勢力を確保するのは困難だと思います。

通常の場合、内閣=与党であり、衆議院の出席議員の3分の2による再可決は、与党または政府による法案です。再可決は、行政的な停滞への配慮で行われると考える事ができます。この仕組みは、二院がねじれて足踏みになってしまいかねない状況おいても、あくまで国会が主導権を握り、行政組織が隙間をついて暴走するような事態を防ぐ効果があると思います。再可決には賛否があると思いますが、手続きとしては国会の中の情勢だけでなく、三権のバランスや、国権の最高機関という位置づけから考えなくてはいけないと思います。

我が国の国会は、両院が異なる選挙方法によって選出されるます。これは少数意見を尊重しつつ、議院内閣制を安定させるという背反しがちな目的を両立させようという工夫ではあるものの、ねじれが生じやすい構造です。そのねじれの中でも、安定した国家運営ができるようにするために、衆議院に優越が認められるとともに、数の上で安定しやすい衆議院と内閣との間の密接な連携が要求されていると考えることができます。

この3分の2という勢力は、一見すると安定したものにみえますが、とても危うい状況でもあります。

3分の2の勢力が2つのグループに分裂したとしても、少なくとも1つは3分の1以上の勢力を占め、第一党となることができます。3分の2の勢力があるという状況は、分裂と政界再編の可能性を持っていることになります。

また、3分の2の勢力の中には、政党への追い風で当選し、次回の選挙が危ない議員がたくさんいます。そうした議員が、次回の選挙への対策としてとる行動は、単純なものではないと思います。この点も、分裂や政界再編につながりかねません。

ところで、与党が衆議院で3分の2を占めるのはまれなことです。通常の与党は、衆議院の過半数以上3分の2以下です。この状況で、与党が参議院で過半数に届いていない場合、法案審議は深刻な支障をきたします。このようなねじれの場合、どうしようもなくなったら、解散総選挙が必要です。それが、郵政解散だったと考えることができます。もし、郵政解散後の総選挙で、与党が3分の2を確保できていなかったら、郵政についても扱いが変わっていただろうと思われます。

3分の2による再可決について、様々な意見が出る状況というのは、安定多数ではあるものの、極めて不安定であると見ることができるように思います。郵政の問題に関しては、3分の2は団結することができましたが、その他の問題まで団結するというのは少々無理があると思います。
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by gskay | 2008-05-16 03:23 | 政治と役所と業界
比例統一名簿?
衆議院は小選挙区が中心です。政党間の政策協議の延長に小選挙区での選挙協力を行うことは妥当だと思います。しかし、比例まで統一してしまうということには疑問を感じます。


民主・小沢代表、国民新党に「大胆な選挙協力」提案(産経新聞) - Yahoo!ニュース

5月9日22時38分配信 産経新聞

 民主党の小沢一郎代表が次期衆院選での政権交代をにらみ、国民新党に「大胆な選挙協力」を呼びかけていたことが9日、わかった。小沢氏が8日に国民新党の亀井静香代表代行に電話で「大胆な選挙協力をしようじゃないか」と提案。亀井氏は「まずは政策協議をやればいい」と応じた。これを受けて9日の両党幹事長や政調会長による定期会合で話し合い、選挙公約や政権交代後に実施する政策などについて協議していくことで合意した。
 一方で、小沢氏ら民主党側が以前から提案している衆院選比例での統一名簿の作成に対しては、国民新党が消極的な姿勢を示している。同日の民主党の赤松広隆選対委員長と国民新党の亀井久興幹事長の会談でも再度提案があったが、「(国民新党側が)持ち帰ったかたちになった」(民主党幹部)としている。

小選挙区では、当選者は一人しかいません。従って、小政党が議席を確保するのは困難です。そこで、勢力が小さい政党は、当選する一人に関与するために選挙協力を通じて、影響力の行使をめざすことになります。

一方、比例の場合、一定以上の規模の支持がある政党であれば確実に当選者を出すことができます。小政党が存在感を示すためには、比例で独自の代表を議会に送り出していなければなりません。また、統一の名簿にしたところで、当選者の数は統一前の当選者を足した数に比べて誤差程度にしか変動しません。

比例に関しては参議院があるので、小政党は参議院で頑張ればいいのかもしれません。参議院は、衆議院と違って小政党が代表を出しやすいだけでなく、大政党といえども過半数を確保するのが困難です。このため、政党同士の連携が不可欠になります。その連携を衆議院にも反映させるために、衆議院の中にプチ参議院ともいえる比例代表があると考えることができます。そのように考えると、安易に比例統一名簿などは作ってはいけないことになります。

もちろん、合併が前提なら、話は全く別です。

また、今後、衆議院を小選挙区のみとし、参議院を比例のみとするということを、将来的に目指しているということであれば、了解可能です。それは、両院の機能やあり方を別々にすることができるので、私は望ましいと考えています。しかし、そのような構想があるのでしょうか?

国民新党が比例統一名簿に消極的なのは、独立した政党としては当然の姿勢だと思います。
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by gskay | 2008-05-10 05:28 | 政治と役所と業界
住民組織のあり方の見直し
耐震偽装に巻き込まれた時点では、マンションの入居がはじまって3ヶ月にすぎませんでした。全戸の入居も済んで居ないほどで、管理組合がありませんでした。あわてて管理組合を結成し、理事長や理事を選出しました。早くも2年半になろうとしています。

普通の共同住宅の管理組合の業務はほとんどないという特殊な管理組合になりました。建て替えに向けて住民の意思を集約するだけでなく、不利益や損害を最小限にするというのが管理組合の目標となり、それが達成されてきました。

建て替えには、様々な選択肢がありました。その中で、再開発を行って土地利用の公共性を高めるところに辿り着くことができたのは、役所や近隣の理解が不可欠ではあるものの、理事長はじめ理事たちの熱意の賜物だと思います。

これまでは、建て替えのために知恵を出しあうことが大切でした。様々な機会に、いろいろな意見が出たものの、それが対立につながるようなことはありませんでした。共同住宅全体にとってメリットを大きくすることが、それぞれのメリットとして納得することができたからだと思います。一丸となって、ここまで来ました。

しかし、これからは、具体的な費用負担という別の種類の問題に取り組まなくてはならなくなります。必要となる費用の総額は変えようがありませんが、従前資産や従後資産の算出によっては、個々の費用負担に不公平感や不満が出る可能性がゼロではありません。そこに納得できない人が出てしまうと事業が止まってしまう可能性も出てきます。

そのような事情を意識してか、理事長や理事から、今の体制を続けていいのかどうかという問いかけがありました。すでに2年半が経過し、再開発について次の段階に入っていることから、見直しも必要だという提案だと、私は理解しました。

これまでの理事長や理事の尽力について、私は不満はありません。そして、将来についても信頼しています。

ただ、住民の間の利害の調整を理事長や理事に背負わせるというのは、適当ではないのではないかと思いました。もちろん、理事長や理事の能力を考えれば、そのような役目も最適にこなしてくれると思いますが、そのようなことに煩わされてほしくないと、私は考えました。

結局、今の体制が続くことが全会一致で決まったのですが、利害の調整という面では、しっかりとした何かが打ち出されたわけではありません。それで良かったかどうかは、個々の住民の心構え次第ということになります。

一人でも納得できない人が出た場合の影響は心配です。納得できないと主張し続けることは、全体の不利益となり、結局、納得できないと主張する本人にも不利益になります。納得できない人には、どうしたら納得できるのかを自ら追求することが必要になります。

その点さえ、再確認されれば十分だと思います。

「誰もが、納得しなくてはいけない」ということが事業の前提ですが、それは、理事長や理事に絶大な権限があるということではありません。理事長や理事に従わなくてはいけないということではなく、また、集会の多数決で決着させられるべき問題でもありません。まして、我慢しろということでもないと思います。

納得できないことがあるなら、納得できるものにするために自らが努力をし、納得するべきだというだけのことです。理事長や理事、そして組織に何もかも委ねて、自分自身の責務を忘れ、お門違いな不満を抱き続けるようなことがあってはなりません。

利害の調整について、しっかりとした仕組みが作られたわけではありませんが、個々の自覚がしっかりとしたので、むしろ、これが最適なあり方になると思います。
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by gskay | 2008-05-09 01:48 | 建て直し
従前資産
再開発のための権利変換のルールが検討されています。過日、集会で不動産鑑定士から従前と従後の資産を割り出しについての考え方の説明がありました。

所有している土地が再開発に使われることへの同意が済み、事業計画認可同意にいったっています。その一方で、厄介な問題に取り組む段階に入っています。

従前と従後の資産を割り出しは、費用負担のルールに直結します。費用負担の問題は、単純な建て替えのケースでもデリケートな問題だと思います。間取りを変更した建て替えでも、ルールをつくることは簡単ではないと思います。まして、再開発で、全く別の建物になるとなると、かなり複雑です。

再開発では、再開発の意義は了解できても、権利変換になかなか納得できず、時間がかかってしまう事例が多いようです。納得するためには、従前の資産と、従後の資産をきちんと算出して不公平感がないように工夫するしかありません。

このうち、従後の資産については、新築マンションの価格などを参考に決めて行く事ができるようです。それでも、いろいろと複雑で、販売会社から購入する場合の価格とは違って、住民同士お互いに納得できる金額を算出しなくてはなりません。

一方、従前の資産については、様々な取引事例などを調査して検討するようです。中古マンションの相場や、他の再開発の事例などを参考にするようです。

ところが、新築状態のマンションについて再開発などのために資産を評価した事例はないそうです。まして、建築基準法違反による使用禁止命令が出ている物件の取引などというものは絶無……?

しかし、何と、これには、前例があるということです。

といっても、その前例は、藤沢の物件です。藤沢の物件は、ヒューザーの売れ残り物件について、破産管財人から住民に対し売却が行われたそうで、建物については価値をゼロとして、土地に相当する金額で取引されたとのことです。

他にも、ヒューザーの破産管財人に認められた破産債権や、破産債権に準拠して算出した所得税の雑損の金額なども根拠にすることができるかもしれません。

いずれにせよ、今回の件の破産管財人の判断の影響力は絶大だということを、あらためて感じています。前代未聞の出来事で、事前に法律に明記されているわけでもなく、行政が介入できることでもないようで、拠り所は多くありません。破産管財人よってはじめて判断が示されている問題が少なくありません。法律家の仕事の重要性をあらためて認識しました。

ところで、前例とされた事例を根拠にすることが妥当かどうかや、建物の評価の妥当性を考え始めると異論があるものと思いますが、この算定自体が、最終的な負担金額の決定のための道具の一部に過ぎません。従前資産についての考え方の差が、もし最終的な負担金額に大きな影響を与えるのであれば、納得するまで話をつめなくてはいけません。これは、それぞれの築年数などが異なる通常の再開発だったら、重要なステップです。

しかし、同じマンション内のこと。しかも、新築で転売などもなし。ここで敢えて足踏みをしてでも、住民同士の調整をしなくてはならないほどの大きな影響はないようです。おかげで、従前資産の評価という再開発のネックの一つは、少なくとも住民内ではスムースに乗り切れることになりそうです。
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by gskay | 2008-05-02 11:08 | 建て直し
3分の2
衆議院の3分の2による再可決の意味が問われているようですが、今回の与党の方針については当然だと思います。また、何があっても解散しないという首相の覚悟も、当然だと思います。衆議院の3分の2という安定多数を手放す理由がありません。衆議院の任期満了か、来年の通常国会終了までは、このままだと思います。

ただし、政党の再編が起きた場合は別です。その可能性は、ゼロではないと思います。自民党も民主党も一枚岩ではなく、いつ合従連衡が行われてもおかしくない状況です。自民・民主の内部からの動きだけでなく、郵政問題以降も復党しなかった人物や、国民新党、新党大地は、そういう動きの引き金を引く可能性があると思います。

その場合、勢力分布次第では、解散・総選挙はおこるかもしれません。

民意を反映していないという非難の声も大きいようですが、ルールに基づいた多数決を前提にした民主主義としては、正常に機能していると思います。

「民意」とか「世論」によって、全体が一色に染まることがあったら、そちらの方が民主主義国家としては異常なことであり、それは全体主義につながると思います。

一色に染まる事はないから、多数決で割り切ることが必要なのであり、そのためにルールに基づいた選挙によって代表を国会に送り出しているのだと思います。

民主主義の手続きとしての妥当性は、議論や政策、法律の中身の是非とは別です。民主主義の手続きを、「民意」とか「世論」を背景にねじ曲げてしまうと、後戻りができなくなります。

国会の会議を成立させるための定足数や、議決を行うための表決数については、目的をもった合理性があることを無視して議論している人の声が大きすぎることに、私は懸念を持っています。選挙制度の議論と同様、仕組みへの理解をあまりに軽視していると感じています。
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by gskay | 2008-05-01 10:55 | 政治と役所と業界