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都内最初の建て替え
この物件は、元建築士が自覚の上で耐震強度を減らした最初の物件といわれていたと思います。耐震偽装に相当する行為のはじめは、それよりも前の別の物件で、ヒューザーとは関係ありませんでした。これは、元建築士の議院証言法違反とも関連し、ヒューザーや木村建設を巻き込んで描かれた構図の根幹にかかわる重大事です。

また、これらの物件の建築確認は、特定行政庁です。民間検査機関ではありません。民間開放の前の出来事なのですから。

耐震偽装や見落としと民間検査機関への開放の問題は、因果関係はないと私は今でも思っています。前後関係から考えても、荒唐無稽です。

asahi.com(朝日新聞社):耐震偽装GS池上、建て替え終了 二重ローンに苦悩 - 社会


姉歯秀次元建築士が耐震強度を偽装した東京都大田区のマンション「グランドステージ池上」が建て替えを終え、新たなマンションが29日、住民らに引き渡された。発覚から2年7カ月をへて迎えた晴れの日、新旧マンションの二重ローンを背負った住民らの顔には喜びと不安が交錯した。

 姉歯物件のうち住民主体で建て替えを進める10物件では初めての完成。新たなマンションは以前と同じ9階建てで、1部屋増えた25戸。名称はイタリア語の「春」を冠した「プリマヴェーラ池上」とした。

 同日、完工式や記者会見で住民代表の日吉和彦さん(60)=団体職員=は「こんなに早く建て替えられたのは奇跡」と、ほっとした様子をみせながらも「さまざまな人への感謝の気持ちでいっぱいだが心には何の喜びもない。耐震偽装事件の真犯人は国。官僚のだれがどんな責任を取ったのか」と憤りも隠さなかった。

 建て替えの総事業費は約7億7千万円。国と東京都、区からの補助金計2億6千万円、新たな1部屋分の販売利益5千万円を除く4億6千万円を住民が負担した。

 当初、個人負担は1戸あたり3千万円近いと算定されていたが、大田区からコンサルタントに派遣された地元のNPO法人が中心となって利用可能な公的支援策を探り、各部屋の設備を簡素なものとしたり間取りを小さくしたりする工夫を重ね、平均1700万円前後に圧縮した。(松川敦志)

この物件は、築年数が経過している物件です。品確法以前です。そういう点で、瑕疵担保責任の取り扱いなどは微妙で、品確法以降の物件で耐震偽装に巻き込まれたケースとは、趣が異なることになるのではないかと当初思っていました。結局、売り主のヒューザーの破産が成立したことにより、そのような問題による差異は小さくなりましたが……。

この物件については、大田区には、建築確認のための構造計算書などの書類が残されておらず、強度の確認に手間取ったことが問題にもなりました。保管期間がすぎていたのだから、これは仕方がないことですが……。

すでに何年も生活してきたマンションの耐震性能が問題になり、退去して除却、建て替えを行うということは、とても複雑なことです。このことで生じる悩みは、新築で巻き込まれた場合とは異なると思います。

それまでの生活は何だったのか?

それまでの生活を、否定されてしまったようなものです。

そういう権限が、「無謬性」を前提とした「行政の裁量」に含まれてしまっていて、歯止めがききません。ほとんどのメディアも、そこに気付いていないような伝え方。そして、世論とやらも、そこに迎合するするばかり。

仮住まいや二重ローンという負担以上のダメージがあったのではないかと想像します。

そのような複雑な状況を克服し、所有者としての責務を誠実に果たし、建て替えを完了させたことに敬意を感じます。
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by gskay | 2008-06-30 07:41 | 建て直し
設計プラン
設計から提示されたプランを、住民で検討して、そこから要望を出し、修正プランが作られます。それをまた検討し要望を出すという作業が、かなり進んできました。

3タイプしかないので、そのタイプ毎の検討になります。我が家の場合、スペースが広く作られてさえいれば、何とかなるのではないかと考えているのですが、他の家からの意見を聞くと、「なるほど!」と参考になります。

タイプ毎の割り振りについては、第三者的な価値の評価をもとに割り振られた形になりました。すでにその時点で、タイプ別の3つのグループの微妙な駆け引きが行われていたようです。タイプ毎の検討でも、他のタイプとの比較がさけられないようです。「他のタイプは、こうなっているらしい……」、「こちらの方がいいはず……」と、他のタイプを意識せずにはいられません。

もともと同じような間取りを購入した人たちなのに、意外にバラエティーに富んだ意見がとびかいます。部屋を購入したままにしていたひとばかりではなく、設計変更などで、個性的な部屋にしていた人が多かったことを思い出しました。

タイプ別の個性が思ったよりも強く出ている気がします。もともとのタイプの選択にも個性が反映されていて、それが集約されて、タイプ別の個性になっているのかもしれません。

それぞれ、かなり検討が進み、あとは、「個別対応」という段階に入りつつあります。

知恵を絞って良いマンションを作るというのは、得難い機会です。分譲マンションや建て売り住宅を購入するという形よりも、注文住宅を作ることに近いのではないかと思います。
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by gskay | 2008-06-29 00:09 | 建て直し
政府総がかり
現在の省庁の枠組みが、崩されることになることを、私は期待しています。省庁の枠組みがあるために、形骸化し陳腐になっていることがたくさんあります。それを見直すことを期待しています。

公務員改革については、国家公務員の「文化」のようなものが、結局、残されるような形で決着してしまったように思います。大きな一歩だったとは思います。改革がつぶされるよりもはるかに良かったと思います。しかし、まだまだです。

ところで、引用の記事では、「副首相」よりも、「各省庁から相当数の職員を厚労省に異動」というところに関心を持ちました。

「厚労相を「格上」副首相に 副大臣は閣僚扱い」政治も‐政局ニュース:イザ!


相次ぐ不祥事で信用が失墜した厚生労働行政を立て直すため、政府は厚生労働相を「副首相」に任命して他の閣僚よりも格上とする方針を固めた。他省庁にまたがる課題でも指導力を発揮できるようにするためだ。24日に明らかになった政府の信頼回復策素案によると、このほかに、現在2人置かれている厚生労働副大臣を閣僚扱いし、実質3人の“大臣”で厚生労働行政を分担。副首相任命は今夏にも実施される内閣改造で実現させる。さらに、各省庁から相当数の職員を厚労省に異動させ、政府総がかりで信頼回復を図る。

 厚労行政への信頼回復策は、福田康夫首相が23日の記者会見で表明した社会保障に関する「5つの安心プラン」の一つ。7月に具体策をまとめる。

 厚労相を副首相とするのは、厚労行政が多岐にわたり、厚労省だけでは対応できない課題が多いため。副首相は内閣法の法的な位置付けはないが、組閣時に大物政治家などを処遇するための“格上ポスト”として指定されることがある。今回は内閣全体ににらみを利かせ、厚労行政を強化する狙いがある。

 さらに、少子高齢化の進行で厚労省の受け持つ業務量の増大に対応するため、厚労副大臣を実質的な厚労相扱いとする。

 厚労副大臣には閣僚経験などが豊富な大物議員を起用。厚労相のサポートではなく、厚労相との担当分野を明確に分け、副大臣には担当する行政範囲について、国会答弁や予算編成など一切の責任を受け持たせる。

 副大臣にどのような担当を割り当てるかは今後調整するが、政府内では「年金記録問題担当」や「社会保険庁担当」などが浮上している。

 一方、年金問題などで政府あげての取り組みを求める声が強まっていることから、他省庁から厚労省への大規模異動を進める。これまでの他省庁との交流人事とは異なり、課長級ポストにも積極配属し組織の活性化も図る。

 さらに、広報体制の強化や、特定ポストを占めている医師や薬剤師などの免許を持つ「技官」の人事も見直す。

人事が省庁単位に分断されていることは、大きな弊害を作っていると思います。省益と揶揄されるような発想を捨てて欲しいと思います。

また、「技官」についても、現在の人事システムで、能力を維持し向上させていくことができるとは、到底思えません。

「技官」に限らず、官僚については、高学歴化をはかることと、民間、とりわけ、大学などの研究機関との人事の交流を強化することが、次に必要だと思います。

行政機構では、官僚の能力の低下は致命的です。「裁量」や「統治」といった権限の根源に関わるような問題とは別に、能力低下を防ぐ事が切実な問題です。残念ながら、現在の仕組みは、その点について、不十分だと思います。
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by gskay | 2008-06-26 12:42 | 政治と役所と業界
住宅ローンの担当の人
少し前になりますが、住宅ローンを借りている銀行の担当という人から家内に連絡があったそうです。本来なら、ローンを借りている本人である私を訪ねたいところだったのだと思いますが、出張で遠くにいるため、家内の職場に来る事になったようです。

「一体,何の用件があるのだろう?」と、家内は心配していて、要望や質問を用意しておかないといけないだろうかと悩んでいました。

住宅ローンの金利が減免されていますが、その措置の期限についての話が少しあった以外、結局、挨拶だけだったそうです。わざわざ、そのために職場を訪ねてくれたようだという話でした。

銀行にとってみれば、金利がとれないので、有り難くない客かもしれません。ただ、追加ローンのことなどを考えると、収入や仕事がしっかりしているなら、手堅い客でもあるのかもしれません。そのあたりが、どんな様子かを確かめたかったのかもしれないとも思っています。

住宅ローンについては、金利の減免があるかわりに、返済も遅くなっています。繰り上げ返済もできません。今は楽ですが、今後の負担になります。さらに、これに追加ローンが加わります。

そうした状況に耐えられるかどうかは、銀行にとっては心配だろうと思います。我が家の場合、今のところ、見通しが悪くないので、楽観的に考えています。
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by gskay | 2008-06-25 12:39 | 損害と回復
ようやく仕事を挽回
今の職場の上司が甘い見通しで見込み発車をしてしまったプロジェクトの後始末に1ヶ月間翻弄されてきました。とにかく見通しの悪いプロジェクトで、誰もが避けていたところ、運悪く目をつけられてしまったようです。しかし、思いがけず、大きな壁を破ることができたという手応えを得ることができました。

思い返すと、耐震偽装に巻き込まれてから、2年半。仕事については、鳴かず飛ばずでした。そのまま、鳴かず飛ばずのままでも、それなりではあったので、それなりのステップアップに満足することはできたかもしれませんが、このレベルには到達できなかっただろうと思います。また、たとえ、耐震偽装に巻き込まれず、順調であったとしても、おそらく、ここには辿り着くことはなかっただろうと思います。

耐震偽装に巻き込まれた時期は、仕事の上で独り立ちをはじめるタイミングと重なっていました。巻き込まれなかったら、上手に独り立ちすることができたかと問われれば、それは何ともいえません。独り立ちできていたとしても、かなり守備範囲が狭いいびつな独り立ちになっていただろうと思います。

鳴かず飛ばずのおかげで、新しい領域に挑戦するチャンスを得ることができました。自分自身が望んでいたわけではありません。周囲にとっても、私がもう少ししっかりしていれば、元の領域だけで充分で、むしろ、早いステップアップを期待されていたと思います。

元の場所で足踏みを続けているわけにはいかず、新しい領域に踏み込んで約1年になります。このような挑戦は、年齢的には最後のチャンスだったと思います。このチャンスに恵まれたからこそ、これからも、新しいことに挑戦し続けることができるのではないかという気持ちになっています。

才能があるかと問われれば、低迷してきたことを考えれば、今イチだと思います。ただ、教育に恵まれ、周囲に支えられ、思いもよらない経験を重ねることができました。今回の手応えも、思いもよらないものでした。

手応えを形にしたら、胸をはって、次のステップに進めると思います。

仕事の停滞を挽回するのに、少し時間がかかりすぎたかもしれません。犠牲にしたものもあるし、負担も少なくありません。それでも、それに見合うだけのものを手にすることができたと感じています。
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by gskay | 2008-06-24 10:35 | 反省とまとめ