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札幌の判決
札幌のマンションの耐震偽装の問題で、販売した住友不動産を相手取って住民がおこした裁判の判決があったそうです。

強度不足という法令違反と、「高い耐震性能」といううたい文句が問題になっていたようです。

補修可能という住友側の主張は、技術的には正しいのかもしれません。しかし、それが、不適切な販売を許す根拠にはならなかったようです。

耐震強度不足マンション、分譲側に代金返還命令 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


札幌市の元2級建築士による耐震偽装問題を巡り、耐震強度不足が明らかになった同市中央区の分譲マンションを購入した11世帯14人が、分譲した住友不動産(東京)に、売買契約の取り消しや売買代金の返還を求め、計約4億1000万円を請求した訴訟の判決が22日、札幌地裁であった。

 橋詰均裁判長は同社に対し、原告1人当たり616万〜4740万円の支払いを命じた。

 同問題は2006年、札幌市の聞き取り調査に対し、元建築士がマンションの構造計算書の偽装を認めたことで発覚。耐震強度不足が21物件で確認され、元建築士は同年、建築士免許を取り消された。

 今回判決があったのは、強度不足だったマンションの一つで、地下1階、地上15階建て。原告らは03〜04年に売買契約を結んだが、市の調査では耐震強度が基準の86%だった。住友不動産は補強工事の準備を進めているという。

 原告側は「販売前のパンフレットに『新耐震基準に基づく安心設計』などと記載され、法令基準よりも余裕を持たせた耐震性能があると販売担当者から説明を受けた。消費者契約法違反(不実の告知)に当たり、契約は取り消せる」と主張。

 これに対し、同社は「構造瑕疵(かし)は軽微で、機能性を損ねることなく容易に補修が可能。消費者契約法の要件は満たさない」と請求棄却を求めていた。
(2010年4月22日15時41分 読売新聞)


私は、当然の判決だと思います。ただ、判決までに長い時間が……。

これだけの期間、裁判に関わっていた住民の方々は大変だっただろうと思います。

まだ判決が確定したわけではなく、住友側の控訴も考えられます。また、この判決が確定した場合でも、返還をうける権利が認められたにすぎず、実際の支払いまでには面倒なことも少なくないと思います。

このマンションでは、住友不動産という大きな会社が販売元でした。ヒューザーのように破産してしまうような心配はないかもしれませんが、だからといって、トラブルへの対応が住民にとって楽になるということはないように思います。大きな会社が相手の場合では、それに応じた苦労が必要になるものと思います。

大きな会社からの購入でも、トラブルがないとは言い切れず、大きな会社からの購入でも、対応がスムーズということもないというのが実情だと思います。結局、相手次第で、個別の対応が必要になり、それぞれ大きな苦労を背負うことになるのだと思います。

ところで、補修して住み続ける方がいいという住民もいるかもしれません。このような判決は、全ての事例に無理にあてはめるようなことは控えた方がいいだろうと思います。
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by gskay | 2010-04-26 01:57 | 損害と回復
事業仕分け
建て直しの追加費用への融資を、住宅金融支援機構に申し込んでいます。住民への公的な対応の窓口のような役割となっているため、お世話になっています。

その住宅金融支援機構が、政府の行政刷新会議の「事業仕分け第2弾」の対象になっていました。といっても、どうやら、お世話になっている貸付は対象になっていないようでした。

民間の金融機関の使い勝手が向上しているため、一般的には、住宅金融支援機構が必要とは言えない状況だと思います。住宅金融支援機構があることで、住宅取得のための壁が低くなるとか、良質な住宅に手が届きやすくなるという時代は終わっていて、あえて、公的な事業として実施する必要はないと思います。

仕分けの対象になった「高齢者住宅などの建設への融資」は、高齢者対策として総合的に実施されていたら、事情は違っていたかもしれません。残念ながら、住宅建築の現実や、住宅利用の現実から乖離している一方で、新しい方向性も提示することも難しかったのだと思います。高齢者自身への貸付でなかったことも、ニーズを汲み取れていなかったのだと思います。

住宅金融支援機構には、災害などへの融資や、行政上のニーズに基づく融資の必要が残ります。そうしたことへの対応力が高度であるなら、公的な団体として存続する意義があると思います。住宅金融公庫が再編されて、住宅金融支援機構になった時に期待された大きな役割を今後とも担い続けることが期待します。

もし、そこに集中することができなければ、民間金融機関との差が明確でなくなってしまいます。公的な対応の窓口的な役割についても、住宅金融支援機構に限定されているわけではなく、民間金融機関でも差し支えはないことになっているようですが、民間以上の利便性があるようで、機構の利用が多いのではないかと思います。そのアドバンテージを維持できないなら、機構は不要ということになります。

ところで、住宅金融というのは、金融の大きな柱の一つです。その新しい展開を「高齢者住宅などの建設への融資」などの事業で試みているのかもしれませんが、そうした試み自体、もはや、必要なことではないのかもしれません。金融の現場で公的な主体が実行する必要はなく、法律などで制度として定めさえすれば、民間が動き出すことができます。
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by gskay | 2010-04-25 03:39 | 公的対応