欠陥建築への対応
現在に日本の建築には、少なくとも二つの欠陥建築の類型があります。
一つは、建築のプロセスのどこかに問題があって、建物の使用にあたって、実害が出ているもの。 もう一つは、法律上の規格に反するとされるもの。これは、建物の使用にあったての実害は出てはいないものの、違法建築として重大な問題になっています。 耐震偽装は、法律上の規格に反するとされるものです。地震による倒壊のおそれというのは、地震が起きた場合には、実害を生じさせる可能がありますが、実害がすでに出ているわけではありません。 実害が出ているわけでもないのに、可能性を実害に変換させてみせたのが、耐震偽装への対応だったと思います。地震で被害が生じるかもしれないという可能性を、所有者の財産の損害に変換してみせました。 この実害への変換の手続き自体は、根拠の合理性は別として、法的には妥当だったと思います。少なくとも異議の申し立てなどの期間は適正に設けられていました。 とはいうものの、私のところのマンションは、発覚から3年以上も除却の開始までの時間がかかっています。この間、地震で生じるかもしれないという被害のうち、建物の使用者については、公的な対応で守られていたことになります。しかし、建物の周囲への被害については、どうだったのでしょうか? 公共的な配慮という建前はあるものの、実際問題としては、そこまでの執拗な対応が必要だったのでしょうか?あえて、所有者である住民に大きな損害を負担させ、公的にも大きな負担してまでやるべき対応であったかどうか疑問です。 その上、既存不適格と呼ばれる建築物の群れ。 適法な建築であるにもかかわらず実害が出ている欠陥建築があるということを考えた時、この対応は適切なバランスだったとはいえないように思います。
by gskay
| 2009-03-06 03:43
| 安全と安心
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耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
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