瑕疵担保責任
いよいよ、これから先は、実際の行動の段階に入ります。観念の中の話や、会議室や集会での話ではなくなります。そして、お金も動きはじめます。
国のスキームは、瑕疵担保責任で対応すべき物件も、そうでない物件にも対応できます。しかし、瑕疵担保責任がある物件については、適用は慎重でなくてはならないと思います。自治体による買い上げにより、売り主への瑕疵担保責任の請求が消滅する可能性があるからです。 「品確法」以前の物件については、国のスキームは、極めて有効だと思います。しかし、「品確法」に該当している物件では、まず、瑕疵担保責任の枠組みで対応すべきです。「品確法」に該当する物件は、売り主が倒れてしまった場合に限って、国のスキームを考えるようにすべきだと思います。 売り主への裁判が行われないことへの疑問をききますが、今回に限っていえば、裁判で売り主に認めさせなくてはいけないことは、もうすでに明らかになっています。今更、争う必要はありません。 通常の欠陥マンションの裁判は、欠陥があるかどうかというところを、買い手が証明するところから始まります。今回は、すでに瑕疵は明らかであり、瑕疵の証明は必要ありません。だから、裁判の問題ではありません。 また、瑕疵担保責任は、他の債務よりも優先順位が低位です。下手な裁判でもして、売り主が倒れた場合、会社の資産は、まず金融機関などの債権者が先に持って行ってしまいます。こちらに取り分はありません。 結局、今のところ、売り主を訴えたところで、何も得るものはありません。 瑕疵を買い手が証明しなくてはいけない点や、瑕疵担保責任の優先度が低いことなど、法令は、かなり買い手に厳しい仕組みになっています。 しかし、私は、民民の瑕疵担保責任の枠組みでの、肩代わりや立替払いに、今でも、こだわっています。 肩代わりや立替払いについて第三者と売り主が契約する。 瑕疵担保責任の負担については、第三者が負担しておく。 その負担に対し、その第三者は、他の債権者と同等かそれ以上の請求権を得るようにする。 そんな方法が、法律的に可能なのかどうかはわかりませんが、契約によって瑕疵担保責任の位置をあげる事ができると思います。 一旦は、その第三者に相当する役として、区が候補として上がっていました。しかし、国のスキームの登場以降は、難しくなっているのではないかと想像しています。 この肩代わりや立替払いの第三者は、なにも、行政に限定する必要はないように思います。金融機関などが、この第三者になってもいいのではないかと感じています。住宅ローンを提供している銀行なども、念頭に置いていいと思っています。 いずれにせよ、瑕疵担保責任がある物件に関しては、瑕疵担保責任を果たすことから売り主を解放するような方向の対応は、良くないと思います。
by gskay
| 2005-12-19 13:39
| 損害と回復
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耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
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