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従事する人の福利厚生
丸投げや依託の仕組みを考える時、気になることのひとつが、従事する人たちの待遇です。丸投げや依託によって、効率的に活用できていなかった潜在的な力が発揮されたり、専門性が高められるのはいいことだと思います。しかし、事業に従事し働く人たちの待遇がどのようになっているのかを心配します。

企業には、従業員の社会保険料などの負担が求められます。我が国では、基本的には、従業員と企業とが1:1になるような配分の負担が行われています。もし、そうした負担の対象になる従業員の数を減らすことができれば、企業の負担は軽減します。そうした仕組みも丸投げや依託が好まれる原因ではないかと思います。

企業が大きくなり、従業員が増えることは、法に定められた費用を増加させます。従業員を雇用せずに事業を行うことができれば、費用を節約することができます。それが、丸投げや依託のメリットの一つになっているのではないかと思います。

とりわけ建築などの業界では、仕事が必ずしもコンスタントではないためか、従業員を増やすことには慎重なのではないかと想像します。この業界では、ほとんど個人に近いような小さな規模の業者がたくさん集まっています。その小さな業者に別れることで、法に定められた費用が、削られているのではないかと思います。

もし、そうだとして、この仕組みを堅持していくのが妥当であるかは、よく検討すべきだと思います。そういうコストダウンは、必ずしも競争力を高めていません。広く費用負担を求める仕組みを作るなどの措置を行うと、むしろ、重層した丸投げや依託が無意味になるような状況も発生するのではないかと想像します。現場で働く人にしわ寄せがいかないような形で考えて欲しいことだと思います。

現状は、現場へのしわ寄せがひどいにもかかわらず、高コスト体質だと思います。その高コスト体質を直視して改善する必要があると思います。無意味な丸投げや依託について検討すべきだと思います。
by gskay | 2006-08-17 23:41 | 政治と役所と業界