債権についての考え方
国土交通省のページに、『今後の破産手続きの対応等について』という書類があります。9月8日付けの構造計算書偽装問題対策連絡協議会の書類です。ポイントが図解されていて、「求償の考え方」と「補助金による調整の考え方」が説明されています。居住者の最終的な自己負担については、変更がないことがわかります。
この考え方は、代位の手続きの時の区からの説明と変わりがなく、ヒューザーの破産管財人の判断の前後で、方針が変わったということはありません。状況がはっきりし、方針が確定しただけのように思われます。 おそらく住民に動揺があり、反発もあるものと思われます。冷静に考えるべきだと思います。破産管財人も憂慮しているようです。国や自治体の態度の表明について、意図がしっかりと伝わるような配慮も必要ではないかと思います。 ところで、この書類では、 「売主である事業者は、買主である居住者との関係で、第一義的に瑕疵担保責任という契約上の責任を負っているにもかかわらず、この責任が誠実に果たされて居住者の移転と建物の解体が円滑に進む見通しが全く立っていない状況」 であったことや、 「既存の「地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法」に基づく地域住宅交付金を活用し、類似の財政措置との均衡にも配慮した上で、相談・移転から除却・建替えまでの総合的な公的支援措置のスキームを設けた」 ということへ言及し、正当性が論じられています。 しかし、使用禁止等の措置の根拠となる技術的な議論や安全性について議論、あるいは違法建築が作られてしまった経緯と責任、他の欠陥住宅や既存不適格への対処との整合性の部分などは端折られています。 求償についての考え方を示す文書であるため、言及する必要がないという考えだと思います。それに、とても微妙な問題ですから……。 ちなみに、まだ退去が行われていない物件があることが、別の書類から知る事ができます。ひとつは、横浜で、国のスキームを活用していない自治体です。もうひとつは、元建築士の最初の偽装物件とされるマンションで、遅れて明らかになった物件です。売り主は「健在」です。それはそうと、緊急だったんですよね、確か……。 「ヒューザーの破産管財人の査定方針についての記者発表等によれば」という表現には、びっくりです。伝聞なんだ……。 「助成額についての居住者間の公平性の確保を総合的に図ることとする」という文句があり、これで公平の確保についての検討は終わりになるのかもしれません。 書類の最後は、「届け出た債権が認められない場合において、破産手続きの査定申立ての実施の有無、査定申立ての対象とする債権の範囲については、各地方公共団体が判断することとする。」のだそうです。 いよいよ、自治体ごとに異なった方向に進んで行くことになるのではないかと思います。
by gskay
| 2006-09-14 17:40
| 公的対応
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耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
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