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恣意的なバッシング
耐震偽装では、ヒューザー、木村建設、イーホームズが徹底的に叩かれ、事業が続けられなくなりましたが、他は大きく取り上げられず、何とか切り抜けたようです。

特に、イーホームズについては、耐震偽装の発見に貢献したという功績は忘れ去られてしまいました。他の民間検査機関はもとより、特定行政庁の建築主事も耐震偽装を見逃していたという事実は重大視されず、ひたすら、イーホームズのみが叩かれました。

ついでにいうなら、耐震偽装の「構図」とやらも、何も実証されませんでした。結局、登場人物は、ヒューザーでなくても、木村建設でなくても、あるいは総研でなくても良かったのかもしれません。騒ぐだけ騒いで、終わってしまいました。

そういえば、耐震偽装とかぶる時期には、公団分譲マンションの欠陥や建替えが行われていることや、書類が行方不明になっているという失態が細々と報じられていましたが、その責任追及はどうなったのでしょうか?

ところで、介護が話題になっていて、バッシングが行われていますが、引用の記事の様な実態があるようです。

時事ドットコム:返還額、計4億円超に=コムスンなどの介護報酬不正


2007/05/29-18:25 返還額、計4億円超に=コムスンなどの介護報酬不正−東京
 訪問介護大手のコムスン、ニチイ学館、ジャパンケアサービス(いずれも東京都)が介護報酬を不正請求していた問題で3社は29日までに、東京都が算定した不正請求額に加え自主点検で判明した不正分の返還を決めた。同日都が発表した。最大手のコムスンの場合、都内の自治体への返還額は約2億260万円で、3社合計では約4億2650万円に上る。
 ニチイ学館の返還額は約8550万円、ジャパンケアサービスは約1億3840万円だった。

介護の場合、介護を受けている人も多く、従事している人も多いため、耐震偽装の時と同じような「叩きつぶしてしまえ!」という展開では、事態を収束させることが難しいのではないかと思います。事業を続ける方策が必要です。

そこで、事業譲渡の受け皿となる企業の名前が挙がっていますが、引用した記事の様な実態があります。この実態を踏まえ、なぜコムスンがことさらに取り上げられているのか、その取り上げられ方は適切であるのか、再検討が必要です。

曖昧でデタラメな制度と、いきあたりばったりの取り締まりを裁量によって行う中央官庁。それに乗って煽動するかのような公平性に疑問のある報道。そして、注目をそらせたい公的な失態。これが、昨今の恣意的なバッシングの基本的な要素ではないかと思います。

今回は、公的な失態からどこまで注目をそらすことができるのか気になります。あまりに巨大な失態で、これまでのように済ますのは難しいような気がします。

また、曖昧でデタラメな制度については、耐震偽装では、抜本的な解決が行われなかったばかりか、小手先の対応でさえ不具合が生じているようです。介護や福祉の問題も同様な展開になってしまうとしたら残念です。
by gskay | 2007-06-12 14:34 | メディアの狂騒