価格差と中身の差
消費者が安いものを買うのが悪いという発想は根強いようです。
たまたま、海外での長期滞在で気付いたことがあります。ここでは、同じようなものでも、高いものを買うと、価格差以上の満足があります。そのため、つい高いものに手が出てしまい、お金がどんどん無くなります。お金を使うことが楽しいところです。 一方、日本では、高いお金を払っても、あまり満足度は変わらないような気がします。 日本では、2倍のお金を払っても、2の平方根になってしまうような気がします。それに対し、滞在中の国では、2の二乗になるような気がします。 日本で高いお金を払っても、それに見合う質の向上がなかったように感じています。 これは、滞在中の国の最低水準が低すぎるせいもあるかもしれません。日本では、ある程度以上の水準のものが広くいきわたっているという事情もあるのかもしれません。これは、日本のポジティブな面です。 しかし、価格が高くても中身が良かったり、満足度が違ったりするとは限らないとなると、賢い消費者は安いものを探そうとします。高いものを積極的に入手したいと感じる動機がありません。 高い物が売れないのではなく、高いだけの価値があると感じさせられない物しかないところが問題です。 もし、価格差が内容にしっかりと出るようなものを供給していたなら、こんな風潮にはならなかったのではないかと思います。供給側の努力不足が、大きいと思います。 ところで、ヒューザーのマンションに関しては、以前のエントリで指摘しているように、決して安くなかったことが示されています。広いことがポイントであるとともに、余計なものがついていないマンションで、欲しいものは自分で確保しなくてはいけないマンションでした。とても、透明なやり方だったのではないかと思います。 決して、他のマンションと同じようなものを安く売っていたわけではありませんでした。 ひき肉の問題とヒューザーの問題は、かなり異なる問題です。しかし、ごちゃ混ぜです。メディアやネット上の論客は、すでに耐震偽装問題の初期に誤りをおかしているためか、的確な軌道修正ができないのかもしれません。 同じような中身のものを安く売る競争の場合、ひき肉のケースのような偽装が発生する素地が出来てしまうと思います。もし、価格も品質も幅広く提供される風潮があったなら、起こりにくい問題なのかもしれないと感じています。 耐震偽装の問題は、業界や行政、国のシステムのあり方が問題で、技術についてどのように考えるべきかが問われています。単純な価格の問題で片付けることはできません。 なお、表示の偽装などの偽装自体は、価格とは関係ないように思います。よく考えてみると、値段が高いからと言って、中身が保証されているとは言えません。 価格が問題の背景であるという説は、何となくわかりやすい説ですが、何も説明していないのと同じです。
by gskay
| 2007-06-27 21:11
| いろいろ
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耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
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