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きっこ
久しぶりに読みました。耐震偽装関連で読んではいたものの、自分が見ているものや経験している出来事とは異なることが描かれていると感じていたので、読み流していました。とはいうものの、耐震偽装事件の一連の流れに対して、大きな影響力があったことは確かです。

「構図」が大々的に構築され、流布された理由のひとつに、きっこの存在の関与があったと思います。あの時、あの様にまくしたてておきながら、今回は、今さらと思う内容が書かれています。官僚の問題という点で、一貫性はあると思います。しかし、あの時、この問題の重要性に気付いていたのかいないのか、ふたをしてしまった張本人に他ならないと思います。

確かに、今回の記事は、私が見てきたことや、感じてきたことと合っていると感じています。ただ、遅すぎてタイムリーではないと思います。参議院選挙にあわせた時期であることに意義を見出しているのかもしれません。

きっこの問題意識については、官僚制度の問題点を、悪人が官僚制度に巣くっていることだと考えているようですが、それでは不十分だと思います。官僚制度の問題点は制度そのものにあると私は考えているので、悪人を断罪するだけではダメだと思っています。

政権交替したくらいでは問題は解決しないし、この時点の政権交替は、受け皿として期待される政党のレベルに問題があると考えています。いくら、現連立政権の粗があっても、受け皿の方が問題です。

野党という立場にありながら、全く問題の本質にメスを入れることができなかった政党の肩を持つのは難しいと思います。耐震偽装に巻き込まれたという立場から見る限り、それなりに頑張っている野党議員もいましたが、結局はパフォーマンス以上の意味はなかったと思います。むしろ、問題意識を誤った方向に誘導する片棒を担いでいたのではないかと感じています。

「与党と官僚や業者の癒着」は、確かに批判されるべきことです。しかし、それ以上に、野党の非力が問題です。

きっこが考えているような方向性は、現状では、現政権の構想や、二つの与党の発想に比べて、優る点はないと思いました。

素直に言えば、前国土交通事務次官の選挙をおだやかに眺める気分にはなれません。民間人だったら、全く別の立場に追い込まれて当然だったとさえ思います。しかし、制度が、そんな制度であったため、仕方がありません。

まず、そんな制度を何とかしなくてはならないと思います。そのためには、国会を中心とした政治制度の見直しをするとともに、それを支える政党のレベルを上げる必要があると思います。その上で、内閣の能力や権限を強め、官僚制度の旧弊を改めて行かなくてはならないと思います。

そうしたもっと大事なことをめざそうという意気込みが、前事務次官を公認している政党から感じられるのも確かで、私にとっては、とても悩ましい状況です。

きっこのいうような単純な問題ではないと思います。耐震偽装の初期のような誤った方向性を、また作ってしまう可能性があると思いました。

ところで、選挙スタート。言いたいことは、きっと山ほど出て来ると思います。しかし、沈黙しておくのが無難かと感じています。選挙とは直接関係ないとしても、政治についてのことや、行政、官僚についてのことも、しばらくは控えた方がいいのかなと感じています。

少し、息苦しさを感じます。
by gskay | 2007-07-11 23:45 | メディアの狂騒