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「改革の影の部分」批判
問題は、政策の実務を担う行政組織、とりわけ官僚がダメだという点にこそあります。行政組織がまともであれば、高尚な議論にも意味があります。しかし、現状は、高尚な議論が何かの改善につながるというより、上滑りになり、目を逸らすことにつながるだけではないかと思います。

小泉改革以来の改革路線の影の部分を取り上げて、改革が批判されています。経済政策やその理念への批判です。その批判の内容をみると、高尚すぎると思います。そもそも、改革の方も、その拠り所についての議論は、高尚すぎますが……。

「規制緩和」、「小さな政府」、「官から民へ」、「新自由主義」、「市場経済」……。

そうしたことをめぐる議論が、高尚になりすぎていて、逆に現状からかけ離れて、陳腐になっています。

どんな理念や根拠であれ、それを実現に向かわせる仕組みがダメなら、空論であり戯れ言に堕してしまいます。

「改革の影の部分」への議論も、理念や根拠の部分でどんなに高尚な議論が行われようと無駄です。

それは、耐震偽装関連の議論にも共通する問題点です。

改革に好意的な立場も、批判的な立場も、そんな議論に熱中していないで、まず、行政組織、とりわけ官僚組織を何とかしなくてはいけません。

新しい総理大臣は、何を考えているのかはっきりしない総理大臣ですが、上滑りになりがちな高尚な議論は沈静化するのかもしれません。その分、しっかりと、目先にあるはずの官僚組織の問題に対処して行く可能性も期待できます。逆に、全く、官僚組織に手を加えることはないかもしれませんが……。
by gskay | 2007-09-28 21:26 | 政治と役所と業界