官民人材交流センターの見直し
天下りは、悪です。単なる再就職ではないからです。
「官僚の裁量」があるために、天下りが横行します。もし、官僚の裁量がなければ、天下りには、採用する側に特別なメリットはありません。官僚の裁量さえなければ、優秀な人材の再就職にすぎません。 官僚の裁量としては、利権の誘導のみならず、様々な行政処分への配慮などがあります。 建築確認制度をめぐって、耐震偽装の騒動が、ややこしくなった原因のひとつとして、民間検査機関と官庁の「官僚の裁量」を軸とした関係があります。民間検査機関は、「天下り」を受け入れていました。その意義は、耐震偽装についていえば、処分などに露骨にあらわれています。さらに、露骨にはあらわれていないものの、基準の設定のような部分にさえ影響が及んでいる可能性が示唆されています。 ところで、引用の記事のように、構想された「官民人材交流センター」に疑問が投げかけられているようです。並行するかのように、キャリア制度へのメスも、切れ味がにぶりつつあるようです。
官民人材交流センターも、キャリア制度も、「官僚の裁量」を克服しないことには意味がありません。そういう観点から見れば、見直しは妥当だと思います。 官僚の裁量があるから、天下りを受け入れるメリットができ、利権をえたり、処分の配慮を受けることができます。同時に、天下りがあるために官僚の裁量の強化がエスカレートされるという側面もあります。そして、キャリア制度のような既得権への執着が生じます。 官僚の裁量がなければ、現状の天下りは、ただの再就職になります。キャリア制度を守りぬく意味は減り、民間からの登用への抵抗も減ると思います。 この見直しが、そういう方向での根本的な見直しとなるのかどうかが注目すべきポイントだと思います。今の内閣は、はりきっていた前政権よりも、本質にせまった対応をする可能性があるのかもしれません。あまり表面に出ないで、それなりにしっかりと行われるかもしれません。まあ、期待が裏切られる可能性もありますが……。 引用の記事の後半の部分、「関係閣僚会議」については、単に年金問題を扱う以上に、行政の組織や制度、そして責任に踏み込んで対応しないと、「国家の危機」への対応としては不十分になるような気がします。 「官民人材交流センター見直し」は、年金問題への「関係閣僚会議」による対応と並んで、行政組織への抜本的な取り組みへと発展する可能性を秘めていると思います。 ただ、そうしたくない勢力は強力なので、今後のどのように展開するのかわかりませんが、少なくとも、まだ、政治に失望しなくていいように思えます。何となく、政治に失望するようにしむけられているような気がするのが気がかりです。
by gskay
| 2007-10-12 20:32
| 政治と役所と業界
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耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
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