「円滑化」? 「緩和」?
混乱の元凶となってしまった建築基準法の改正。その建築基準法について、一部「緩和」が行われるとか。
10月初旬の段階の大臣のコメントには、「円滑化」という言葉が用いられ、「緩和」には、難色が示されていました。 しかし、ここで、「緩和」が打ち出されました。 円滑に進められない理由として、関係者への周知が足らず、とりわけ自治体の対応が遅れていたことをあげ、措置を講ずるという方針が国土交通省では立てられていたようです。しかし、国土交通省が法律施行の準備を怠ったったために、現場が対応できるはずがないというのが実態だと私は思うのですが……。 遅れた準備という実態は脇におき、申請後の変更のような部分の一部「緩和」が対策として打ち出されました。 ここで、「緩和」という言葉を用いているところが曲者です。 昨今、「緩和」にはネガティブなイメージがあります。不正の温床になったといイメージが刷り込まれています。また、「緩和」によって責任は「民」にうつり、「官」は「我関せず」でいられるというイメージが伴います。 ー「厳格」すぎるという声があるから「緩和」したが、「緩和」した以上、「官」には責任はない ー 厳格すぎるから混乱しているのではなく、準備不足で混乱しているのではないでしょうか?また、そもそも、建築基準法を遵守する上での責任関係も、改正によって明確にはなってはおらず、曖昧なままに放置されています。 そうした問題点がうやむやになってしまうような巧みな言葉が選ばれていると感じました。 時をあわせるかのように、建材メーカーの耐火性能が不正に取得されていることが明らかにされています。建築基準法の改正によって煩雑になった手続きの一部は、とても脆弱な前提の上に成り立っていた無駄なものであったことになります。 とりあえず、これで規模の小さい建物については、状況が改善されるかもしれません。ただ、大規模な建築については、肝心の準備が整うまでは影響を受けたままということになるのではないかと思います。 ところで、規模の小さい住宅でも、着工できずに土地を更地のままにしておくことは、借り入れに対する金利負担などを考えると損害になります。着工が遅れることによって生じる損害に対しては、一戸建ての業者などにとっては、少なからぬ「緩和」にはなるのではないかと思います。しかし、大規模な建物を前提とした業者や関係者にとっては、なかなか厳しい状況が続くのではないかと思います。
by gskay
| 2007-10-31 12:30
| 揺れる システム
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耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
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