行政の「指導と規制」
「消費者庁」構想について、既存の省庁からの反発があるようです。私は、現在の官僚の能力に問題があるので、「消費」というような大きな問題を官僚に預けるような仕組みに疑問を感じていますが、既存の省庁にはもっと大きな疑問を感じてます。このままではいけないと考えています。
引用の記事は、経産相の記者会見での発言が取り上げられている点に注目しました。「規制と指導がバラバラ」であることに問題があるとしている点に疑問を感じます。 今は、「規制と指導、そして取り締まりまでが一体化」していることが問題です。 一体化し、不分離であるために、「官僚の裁量」の行き過ぎがまかり通り、「御代官様のお気持ち次第」になってしまっています。 「規制なら規制」、「指導なら指導」、そして「取り締まりなら取り締まり」を、きちんと実施しなくては行けないはずです。ところが、一体化しているため、規制の不備や、指導の不備、取り締まりの不備が全く反省されないどころか、「事なかれ主義」によって、問題を直視しなかったり、目を背けてきました。これをいつまでも続けてはいけないと思います。 「一体化」の弊害は、「事なかれ主義」だけではありません。「裁量」によって、どうにでもできるとなると、それが表に出にくい特殊な「力」となり、そこに利益を期待する人が群がります。そして、その見返りが、「天下り」だったりするわけです。「天下り」は、表向きは「再就職」ですが、この「裁量」を背景とした「賄賂」です。「一体化」による「裁量」の問題を片付けずに、「天下り」だけを規制したところで意味がありません。 また、「規制緩和」というキャッチフレーズについて、「基準」を緩和することが「規制緩和」だという誤解も少なからずあるように思いますが、緩和されるべき「規制」とは、「裁量」による規制のことではないかと思います。明文化されておらず、「お気持ち次第」で不公正です。そのような恣意的な「規制」は取り除かれなくてはなりません。 「消費者庁」構想が、そのような「裁量」の存在を問題として想定しているかどうかわかりませんが、公務員制度改革と並んで、とても重要な取り組みだと思います。公務員制度改革は、表面にあらわれる仕組みについての取り組みであり、「消費者庁」構想は、業務の中身についての取り組みと位置付けることができるように思います。 郵政よりも、道路よりも、社会保障よりも、官僚システムの陳腐化の核心にせまる取り組みだと思います。抵抗は大きく、閣僚一人一人も微妙な立場のようですが、不人気な内閣にしては、とても頑張っていると思います。ただ、一歩間違えると、逆効果になりかねないので心配です。
by gskay
| 2008-05-18 07:02
| 政治と役所と業界
|
耐震偽装発覚から、5年。建て替えが再開発事業としてすすめられています。
以前の記事 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 うちの部屋 検索 カテゴリ その他のジャンル ファン 記事ランキング ブログジャンル 画像一覧 |
ファン申請 |
||