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「超激安マンション」
マンションの値段の相当な部分が土地代です。その土地は、一戸建てとは違って自由になるものではないので、借地でも構わないような気がします。借地料については、所有に比べて、負担が大きくなるのか、小さくなるのかわかりません。

品川の「超激安マンション」については、全く知りませんでした。耐震偽装のおかげで、建て替え以外、考える余地がありません。そうでなければ、少なからず関心を持ったと思います。ただ、希望の地域ではないので、購入したいとまでは思わないとは思いますが……。


品川駅まで徒歩10分新築マンション 2千万円台もある「驚愕価格」(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース



この記事によれば、「採算を度外視したような「異常」な安値に、ある不動産関係者は「これはあくまで例外物件。市場への影響もあまりないのではないか」とみている。」とのこと。不動産業者からの視点のようです。

採算度外視ではなく、根本的なビジネスモデルが異なっていると考えるべきだと思います。


東京都が「超激安マンション」の波紋(月刊FACTA) - Yahoo!ニュース



こちらの記事は、「『良質な住宅を低廉な価格で供給しよう』」とか、「『戸建住宅価格引き下げの実証実験』」という東京都の当局の説明をとりあげています。

しかし、「とばっちりを受けたのは、他のデベロッパーや中古物件を扱う仲介業者だ。ある中堅業者は「7月以降、成約はおろか、引き合いもパッタリ止まった」とこぼす。」とか、「シティタワー品川の抽選は9月5日にあったが、外れた人の行動にも影響を及ぼすだろう。ひとたびこれほど安いマンションを見てしまうと、他の物件はいかにも割高に映る。関係者の一人は「不動産価格暴落の引き金を引いたかもしれない」と話す。」という業者の立場からの意見を紹介し、「東京都のバラマキ行政ここに極まれり」としています。

どちらの記事も、このマンションの存在を否定的に紹介しているように感じました。

土地の所有権の有無とか、借地料負担という点を考えると、得なのか損なのかは、わからないと思います。定期借地のメリットとデメリットを考えて価格が決定されていると思います。最初の費用が少ないからといって「激安」とはいいきれません。「激安」というのは、適当ではないように思います。

もし最初の費用だけが基準なら、賃貸マンションが一番安いので、人気を独占してもよさそうですが、そうではありません。それと同じように、定期借地が、人気を独占することは考えにくいと思います。定期借地を前提とした取引は、今後、増えるかもしれません。しかし、これからも、土地の区分所有をあわせた従来の取引は行われていくと思います。

価格破壊であるかどうかや、「不動産価格暴落の引き金」になるかどうかは、同じビジネスモデルの中で成り立つ議論だと思います。比較は不可能です。

定期借地という選択肢が増えたにすぎず、不動産業者は、定期借地を前提としたビジネスモデルにも進出すればよいだけのことだと思います。

また、「東京都のバラマキ行政」という表現に疑問を感じました。借地料は東京都に入るので、バラマキというよりも、堅実な事業だと思います。今後、老朽化した公営住宅が、このような方法で再開発されるのだとしたら、歓迎すべきではないかと思います。また、100平方メートルをこえた物件があることも、住環境を良くするために意味があるとりくみだと思います。

「激安」のからくりは、全然、おどろくに値しないと思いました。一方で、それに否定的な記事に疑問を感じました。従来からの不動産業者にすりよって、わざわざ、ゴチャゴチャにして混乱させるように意図しているのではないかと感じました。

ところで、我が家では、定期借地の物件は、後々に費用がかかることになりかねないし、その時、面倒なことになりそうだからやめておこうという話になっていました。にもかかかわらず、もっと面倒なことになってしまいました……。
by gskay | 2008-10-05 08:42 | マンション暮らし